明光ネットワークジャパンのニュース
明光ネットワークジャパン、主力事業の明光義塾事業の業績が回復 縮小均衡から一転、当期純利益は黒字転換
2021年8月期決算説明会
山下一仁氏:本日はお忙しい中、株式会社明光ネットワークジャパン、2021年8月期の決算説明会にご出席いただきまして、誠にありがとうございます。私は先ほどご紹介いただきました、代表取締役社⻑の山下一仁でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
本日のご説明内容は、3部構成です。初めに2021年8月期の決算概要について、次に中期経営計画、そして今期の業績予想・配当予想となっています。
(1)決算ハイライト①
それでは、2021年8月期の決算概要です。まず、決算ハイライトとして、2021年8月期の連結業績についてご説明します。
当期の業績です。売上高は、前期比4.5パーセントプラスの190億3,000万円となりました。営業利益は、前期比351.2パーセントプラスの9億6,000万円となりました。当期純利益は、前期の赤字から黒字転換し、11億4,000万円となりました。
主力事業の明光義塾事業の業績回復に伴い、縮小均衡から脱却し、反転の兆しが明らかとなりました。
(1)決算ハイライト②
明光義塾の教室数については減少となったものの、在籍生徒数は前期比1,178名のプラス、1教室当たりの在籍生徒数は前期比3.6名のプラスとなりました。
(2)決算概要(P/L)
連結損益計算書についてご説明します。売上高については、日本語学校事業における留学生の入国制限や、子会社の連結除外・清算などによるマイナスはあったものの、明光義塾事業のプラスが大きく寄与し、前期比4.5パーセントプラス、8億2,100万円増加の190億3,900万円となりました。
売上原価については、仕入や経費は減少したものの、明光義塾直営事業の増収に伴う講師給与の増加や、新規事業の人員増による人件費増により、前期比0.7パーセントプラス、9,600万円増加の139億1,200万円となりました。
販管費については、コロナ禍の影響を大きく受けたフランチャイズへの支援強化により、販売費が増加したものの、のれんの償却額が減少したほか、人件費や賃借料が減少したことにより、2,900万円マイナスの41億5,700万円となりました。
営業利益・経常利益については、増収が寄与し、増益計上となりました。
当期純利益は、特別利益として有形固定資産売却益の計上があったほか、前期のような大きな特別損失はなく、黒字転換し、11億4,000万円の計上となりました。
(2)決算概要(P/L)営業利益の差異分析 前期比
営業利益の前期との差異をグラフ化すると、スライドに記載のとおりとなっています。FC支援に伴う販促費の増加があったものの、売上増とのれんの償却額の減少がプラスに働き、営業増益となりました。
(2)決算概要(B/S)
連結貸借対照表についてご説明します。当期末における資産合計は、前期末比4.3パーセントプラスの6億700万円増加し、146億4,900万円となりました。流動資産は現預金の増加等により、15億9,200万円増加しました。有形固定資産は土地・建物の売却等により、6億1,100万円減少しました。一方、負債合計については、前期末比1.2パーセントプラスの46億2,400万円となりました。
以上の結果、純資産合計は前期末比5.8パーセントプラスの5億5,200万円増加し、100億2,500万円となりました。
(2)決算概要(C/F)
連結キャッシュ・フロー計算書についてご説明します。営業活動の結果、得られた資金は7億4,200万円となりました。投資活動の結果、得られた資金は16億9,700万円となりました。財務活動の結果、使用した資金は6億2,800万円となりました。
以上の結果、現金および現金同等物の当期末残高は、前期比で18億1,100万円増加し、85億7,700万円となりました。社会環境の変化にスピード感をもって対応すべく、手元流動性を確保した上で、事業運営を進めていきました。
(3)セグメント別実績 売上・営業利益
セグメント別の決算状況についてご説明します。セグメント別の売上高・営業利益の状況は、スライドに記載のとおりとなっています。
それでは、各セグメントの状況について、次ページ以降のスライドでご説明します。
(3)セグメント別実績 明光義塾直営事業
明光義塾直営事業についてご説明します。当期の期末の教室数は、前期比で20教室減少の401教室となりました。売上高は、期初に新設分割した子会社のOne linkの寄与に加えて、単価の増加と生徒数の増加により、12億6,000万円増加の115億5,700万円となりました。営業利益は増収に加え、のれん償却額の減少が寄与し、前期比10億4,300万円増加の13億3,800万円となり、増収増益となりました。
(3)セグメント別実績 明光義塾FC事業
明光義塾FC事業についてご説明します。教室数は、不採算教室の閉鎖や、九州のエリアフランチャイズ契約の解除などにより、前期比で75教室減少の1,366教室となりました。
売上高は、ロイヤルティ収入の増加などにより、前期比で1億5,500万円増加の45億500万円となりました。
営業利益は、コロナ禍の影響を受けたフランチャイズに対する計画的な支援強化による販促費の増加などにより、前期比で6,100万円減少の13億6,700万円となりました。
(3)セグメント別実績 日本語学校事業・その他事業
日本語学校事業・その他事業についてご説明します。日本語学校事業については、コロナ禍に伴う入国制限の影響は大変大きく、売上高は前期比で3億1,500万円減少の8億4,000万円、営業利益は前期比で2億3,100万円減少し、1億7,600万円の損失計上となりました。
その他事業の売上高は、新規の「自立学習RED」事業および「明光キッズ e」事業に加えて、キッズ事業、早稲田アカデミー個別進学館事業がプラスとなりましたが、子会社の連結除外や清算が影響し、全体としては、前期比2億7,800万円減少の21億3,500万円となりました。営業損益は、新規事業の先行投資に伴い、2億6,900万円の損失計上となりました。
以上、2021年8月期の業績について、ご報告しました。
(4)2021年8月期の振り返り 企業価値向上施策
コロナ禍における企業価値の向上施策についてご説明します。当社はこの1年間で、ご覧のとおり、さまざまな取り組みを実施してきました。
ES(従業員満足度)の向上に向けた取り組みや、コーポレートガバナンスの強化、DX、資本政策、構造改革の推進など、⻑期的に企業価値を向上させるための体制づくりを積極的に実施してきました。
2021年8月期決算の説明については、以上です。
(1)当社を取り巻く環境①
続いて、当社の中期経営計画についてご説明します。まず、当社を取り巻く環境については、「人口減少」と「働き手減少」が日本全体の課題となっています。今後、ますます企業間での「顧客」および「働き手」の争奪戦が加速することが想定されます。当社のこれからの戦略のカギは、この「顧客」と「働き手」であると強く認識しています。
(1)当社を取り巻く環境②
当社が属する学習塾・予備校市場の動向としては、この少子化の中で、市場規模は横ばい推移が継続しており、2020年度はコロナ禍で若干落ち込んだものの、2021年度はコロナ禍前の水準に回復する見通しとなっています。
(1)当社を取り巻く環境③
このような中、個別指導塾の教室は増加の一途を辿っており、依然として競争は激化しています。
(1)当社を取り巻く環境④
そのような厳しい業界環境下ではありますが、明光義塾は教室数・生徒数、さらには高校受験や大学受験の合格者数でも、個別指導塾において、いずれもNo.1のポジションを獲得しています。
大きく変わった社会
そして、新型コロナウイルスによって大きく変わった社会は、これからも大きく変わり続けていくと思います。当社がこれからも選ばれ続ける企業となるために、あらためて当社の存在意義、社会的存在意義、「Purpose」とは何かを問い続けてきました。
創業の理念
当社は「教育・文化事業への貢献を通じて人づくりを目指す」「フランチャイズノウハウの開発普及を通じて自己実現を支援する」という経営理念と、「個別指導による自立学習を通じて創造力豊かで自立心に富んだ21世紀社会の人材を育成する」という教育理念を掲げ、創業以来これらの理念を大切にしながら、大きく成⻑してきました。この創業の理念を「創業の精神」として、これからも変わらぬものとして引き継いでいきます。
(2)Purpose経営
そして、このたび、未来社会に向けた私たちの存在意義、在り方である「Purpose」、行動指針である「Values」、そして「Vision」を策定し、進化の過程である明光ネットワークジャパンと、その先の未来のために、あらためて進化の向かう先を宣言します。
「Purpose」は、「『やればできる』の記憶をつくる」です。「Statement」は、「明光ネットワークジャパンは『自分にYES』を出せる人づくりをします。新しい“め”を育み、新しきに繋がる記憶と勇気をつくります。創造性豊かな社会の実現のために、新しい価値を発揮し続けます。」です。
「Vision」は、「“Bright Light for the Future”ーー人の可能性をひらく企業グループとなり、輝く未来を実現する」です。
「Values」は、「『隣に立つ』ーー前でも、後ろでもない。向き合うでもない。同じ目線で、同じ方向を見る。『繋ぐ』ーー点と点を繋ぎ、新たな結び目を創る。新結合によって新価値を生む。『自分にYES』ーー自分にYESを出せる、自分でいる。判断行動をする。社会をつくる。」です。
「Purpose」である「『やればできる』の記憶をつくる」は、やればできるという積み重ねが記憶になっていく、そのような人の可能性をひらく企業グループとなり、輝く未来を実現したいと考えています。この「Purpose」「Vision」「Values」に基づき、今回の中期経営計画を策定し、事業戦略・人事戦略・そして資本戦略を推進していきます。
(3)中期経営計画 数値計画(連結)
3ヶ年の中期経営計画を発表します。まず、数値計画としては3期目の2024年8月期において、売上高210億円、営業利益20億円を目指していきます。
(3)中期経営計画 ファン・イノベーション
3ヶ年の中期経営計画の方針を「ファン・イノベーション “Fan・Fun Innovation”」としました。先ほどご説明した「Purpose」を起点として、FanとFunをつなぐInnovationによって、ファンづくりを推進し、持続的な企業価値の向上と成⻑を実現していきます。
(3)中期経営計画 基本方針
基本方針についてご説明します。1つ目は「Fanをつくる」です。DXの推進と明光ブランドの深化と探索により新たなファンを創出します。社会の変化に対応した新しい価値の提案により、まなびのインフラを広げます。
2つ目は「Funをつくる」です。“わくわく”を通じて満足と信頼に満ちたファン・エンゲージメントを育みます。働きがいのあるウェル・ビーイングな職場づくりを目指します。
3つ目は「Innovation(=新結合)をつくる」です。常に新しい“め”で見て意識変化し、判断行動します。事業収益のさらなる向上のために、事業構造を変革します。この3点を基本方針とします。
(4)中期経営戦略 事業戦略
具体的な事業戦略についてご説明します。当社の事業領域は、既存の教育事業だけでなく、先ほどのビジョンでもお伝えしたとおり、“人の可能性をひらく”人材育成企業として、人材事業も強化していきます。
しかし、単純にレッドオーシャンな人材事業に飛び込むということではなく、新結合・新しい組合せとして、個別指導とキャリアの「明光キャリアエージェント」や、日本語教育と派遣・紹介・研修の「MEIKO GLOBAL」のように、これまでの当社の経験・ノウハウを活かし差別化を図った上で人材事業の展開を進めていきます。
BtoCの教育事業と、BtoBの人材事業を展開することで、社会環境の変化に強い事業ポートフォリオへの変革を図っていきます。
既存事業の深化 <学習塾事業>①
「既存事業の深化」の取り組みについてご説明します。学習塾事業については、新教室のフォーマットによる新規開校と、顧客エンゲージメントの向上施策の取り組みを強化していきます。
「明光義塾」は、少子化が進む地方で成り立つモデルによる開校を強化していきます。また、AI学習システムの「自立学習RED」は、成績の向上とともに事業モデルが確立したため、FCによる開校を積極的に進めていきます。
新規の入会は、友人紹介・お客さま満足度調査の強化などにより、エンゲージメントの向上を図っていきます。
既存事業の深化 <学習塾事業>②
教育改革への対応については、数多くのICT教材の活用をさらに進め、「個別指導+ICT教材」で個別最適化した学びの提供を強化していきます。
既存事業の深化 <キッズ事業>
キッズ事業については、学童保育の「明光キッズ」や、オールイングリッシュの「明光キッズe」というアフタースクール事業に加えて、キッズ向けの旅行・イベント事業である明光キッズ「ふれたび」をスタートします。旅行・体験活動を通じて五感にふれる出逢いを創造し、子供たちの豊かな成⻑を応援していきます。
既存事業の深化 <日本語学校事業>
日本語学校事業については、コロナ禍の入国制限の影響が大きく、大変厳しい状況ですが、進学に強い「早稲田EDU日本語学校」、就職に強い「JCLI日本語学校」という2校のそれぞれの強みをしっかりと活かした展開により、多様なニーズへの対応を加速していきます。
新規事業の探索 <人材紹介事業・人材派遣事業>
「新規事業の探索」についてご説明します。人口減少と高齢化の加速で、働き手の取り合いになると冒頭にお伝えしました。そのような環境変化と当社の教育事業で培った強みを踏まえて、人材紹介事業・人材派遣事業を展開していきます。
新規事業の探索 <研修事業>
また、人材紹介・人材派遣だけではなく、外国人人材の研修事業や公共事業にも注力していきます。
公共事業については、7月にプレスリリースを発表しましたが、外務省より、EPA(経済連携協定)に基づくベトナム人の看護師・介護福祉士の候補者に対する、訪日前の日本語研修事業を受託しています。
DX戦略 <全社デジタルマーケティング機能の実現>
DX戦略として、全社的にデジタルマーケティング機能の実施に取り組んでいきます。特に、学習塾事業については、デジタルマーケティングとコンタクトセンターの強化により、問い合わせの増加と入会率の向上をしっかり図っていきます。
DX戦略 <DXデータプラットフォームの構築>
DX戦略の2点目としては、DXデータプラットフォームの構築を進めていきます。41ページのイメージ図のようなかたちで、全社横断的なデータ活用に向けた取り組みを加速し、シームレスなデータ連携、BI(ビジネスインテリジェンス)ツールによるデータの可視化を実現していきます。
人事戦略
人事戦略についてご説明します。イノベーション創出のためのダイバーシティ経営の推進と、働き方改革によるウェル・ビーイングの追求に取り組んでいきます。経営と執行の分離による業務執行機能のさらなる強化に加えて、社内大学「明光アカデミー」を通じたオンライン学習の推進や、DX人材の育成を強化していきます。
資本戦略
資本戦略についてご説明します。本日の適時開示で公表した資本・配当政策に基づき、事業基盤の強化・成⻑投資に必要な自己資本の充実と、株主のみなさまに対する安定的かつ持続的な利益還元を通じて、中⻑期的に企業価値を高めていきます。
(5)サステナビリティ経営
サスティナビリティ経営についてご説明します。持続可能な社会の実現に向けた取り組みとして、47ページに記載のE(環境)・S(社会)・G(ガバナンス)それぞれの取り組みとともに、SDGsに関して、まなびのインフラとしての取り組み、また、人的資本経営に関わる取り組みを進めていきます。
(6)コーポレートガバナンス・コード
コーポレートガバナンス・コードについては、当社は先般9月30日に、新市場区分「プライム市場」を選択市場とする市場選択申請書を提出しました。プライム市場に上場する企業として、より高いガバナンス水準を備えるための取り組みを、今後、強化・推進していきます。
2022年8月期 業績予想・配当予想
最後に、2022年8月期の業績予想と配当予想についてご説明します。連結業績予想については、売上高は前期比4.0パーセントプラスの198億円、営業利益は前期比7.3パーセントプラスの10億4,000万円の計上を予想しています。
また配当は、中間配当・期末配当ともに1円増配の11円とし、年間配当額は22円、連結配当性向は83.6パーセントを予想しています。
以上をもちまして、当社の2021年8月期の決算および中期経営計画についてのご説明を終了させていただきます。
当社は、今後もウィズコロナ・アフターコロナ時代の環境変化に柔軟に対応しながら、収益機会を創造し、中期経営計画の目標数値達成と、持続的な成⻑の実現を目指してまいります。
今後も当社の事業内容につきまして、一層のご理解とご支援をいただければ幸いでございます。本日はご清聴いただきまして誠にありがとうございました。
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