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学研HD Research Memo(2):「教育」と「医療福祉」の2分野で事業展開

配信元:フィスコ
投稿:2021/01/25 15:42
■事業概要

1. 会社沿革と事業セグメント
学研ホールディングス<9470>は、創業者の「戦後の復興は、教育をおいてほかにない」という信念のもと、1946年に教育関連の出版事業を行う株式会社学習研究社を創立したところからスタートする。当初は学校ルートを開拓し事業展開を進めてきたが、1970年代に入ってからは書店ルートや家庭向け直販体制を構築し、事業を拡大していった。付録つき学習教材である「科学」と「学習」が小学生向けに幅広い支持を集めると同時に、百科事典や辞書、医学書など領域を広げながら教育分野における総合出版企業へと成長を遂げた。また、1980年代以降は学習塾事業にも進出し、教育サービス領域に事業を拡大していく。

2000年代に入ると少子化と出版不況の影響から収益が悪化するなかで、第2の事業柱を育成すべく介護事業を2004年から開始した。2009年には持株会社体制に移行し、教育事業における経営合理化を図る一方、M&Aや事業提携など積極的に進めながら事業基盤の再構築と収益力の回復に取り組み、現在に至っている。2020年9月末時点の連結子会社は54社、持分法適用関連会社1社※となっている。

市進ホールディングス<4645>の株式を37.7%保有。


事業セグメントについては、事業の成長や撤退などに合わせて変化しており、2017年9月期以降は教育分野と医療福祉分野の2つの事業ドメインのもと、4事業セグメントで開示していたが、『学研教室』などの学習塾事業を主たる内容とする「教育サービス事業」、祖業とも言うべき教育関連出版事業にルーツを持つ「教育コンテンツ事業」、幼稚園・保育園向け出版物や備品遊具等の販売、小中学校向け教科書などを扱う「教育ソリューション事業」の3つのセグメントを統合して、「教育分野」としている。

一方、「医療福祉分野」は、2004年に(株)ココファン(現(株)学研ココファンホールディングス)を設立して開始したサ高住のほか、保育園等の子育て支援施設運営に加えて、2018年9月に子会社化したMCS※(グループホームを中心とした各種介護施設の運営等)が含まれる。

※2018年9月に89億円で全株式の61.8%を取得、その後、株式の追加取得を行い、2020年9月末時点の保有比率は96.5%となっている。



幼児から中学生を対象とした「学研教室」と進学塾、教材出版を展開
2. 教育分野
(1) 学研教室事業
「学研教室」は、幼児から中学生(一部高校生)までを対象としたFC展開を主とした学習教室で、1980年に開始した事業となる。2020年9月末の教室数は15,716教室(取得認可数ベース)、教科会員数は378,787人(履修教科数ベース)で、アジア圏を中心とした海外にも展開している。

競合は(株)公文教育研究会が展開する「公文式教室」だが、学研教室は、1)月謝が安価、2)無学年方式、個人指導・個人別教材、3)算数・国語の同時並行学習、といった点が特徴・強みとして評価されている。

2020年9月期は、コロナ禍の影響で生徒数が大きく落ち込んだことから収益は悪化したが、平常時には営業利益率で6%台が見込まれ、同社グループのなかでは安定収益源の位置付けとなっている。

また、幼稚園・保育園・こども園に指導員を派遣し、園内において知育や科学、英語などを指導する幼児教室も展開している。

(2) 進学塾事業
教育サービスについては学研教室での展開を主に行ってきたが、2000年代半ばからはM&Aや事業提携なども積極的に行いながら進学塾事業の拡大にも取り組んできた。この背景には、学研教室で取り込んだ生徒をグループ内に進学塾を揃えることで囲い込み、顧客のLTVを最大化することが目的となっている。M&Aに関しては子会社化後も塾のブランド名はそのまま継続している。海外ではシンガポールや台湾、ベトナムなどで邦人子女向けに塾を運営している。2020年9月末の教室数は合計で499教室、生徒数は47,589人となっている。

(3) 教材出版事業
教科書準拠を中心とした小中学生向け学習教材並びに学習塾向け専用教材の制作販売を行っている。従来は教育コンテンツ事業に含まれていたが、進学塾事業との連携を強化してグループ全体のシナジーを高めていくため、2020年9月期より教育サービス事業に移管した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


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配信元: フィスコ
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