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サカタインクス Research Memo(3):パッケージ印刷用インキが主力で環境配慮型製品に強み(1)

配信元:フィスコ
投稿:2021/04/15 15:53
■事業概要

サカタインクス<4633>は、パッケージ印刷用インキ及び情報メディア向けインキを製造・販売する印刷インキ事業を主力として、機能性材料事業、印刷関連機材事業なども展開している。

印刷インキ事業は、日本・アジア・米州及び欧州の各市場向けのパッケージ印刷用インキ(段ボールや紙器など紙パッケージ印刷用、食品・化粧品・トイレタリー製品・日用品などフィルムパッケージ印刷用、飲料缶など金属缶印刷用など)を主力としている。情報メディア向けインキ(新聞印刷用の新聞インキ、書籍・雑誌・カタログ・ポスター・チラシ・伝票など各種商業印刷用のオフセットインキ)は売上比が低下しており、全体の業績に与える影響が小さくなっている。

機能性材料事業は、日本・アジア・米州及び欧州の各市場向けに、デジタル印刷材料(大型出力物やテキスタイルなどに使用される産業用インクジェットインキ、レーザープリンターや複合機に使用されるカラートナー・モノクロトナー)、画像表示材料(カラーフィルター用顔料分散液)、及び機能性コーティング剤を製造・販売している。

印刷関連機材事業は主として日本市場向けに、CTP(Computer to Plate)セッター、CTP版、インクジェットプルーファー、インクジェットプルーフ用紙、編集用ソフトウェア、カラーマネジメントシステム、インキディスペンサーなどの印刷製版用材料や印刷関連機器を仕入・販売している。

その他事業は主として日本市場向けに、化成品等販売事業(阪田産業(株))、ディスプレイ関連事業(サカタラボステーション(株))などを行っている。

1. 強み
1896年の創業以来、120年以上の歴史のなかで培われた環境配慮型高機能・高付加価値製品の開発力・品ぞろえ・高シェア、及び製品の高い信頼性・品質力を強みとしている。

環境配慮型高機能・高付加価値製品の品ぞろえは豊富である。鉱物油を各種植物油(大豆油など)に置き換えた植物油インキ、構成成分中の高沸点石油系溶剤を1%未満に抑えたノンVOCインキ、植物由来成分をインキ固形分中に10%以上含有するボタニカルインキ、有機溶剤のトルエン及びMEK(メチルエチルケトン)を使用しないノントルエン・ノンMEKインキ、水性でありながら高い性能を有する水性フレキソインキなどがある。

パッケージ印刷用インキの分野では、同社によると業界に先駆けて早くから開発を始めた段ボール用水性フレキソインキで国内市場シェア1位である。製紙業界に機能性コーティング剤など多様な新技術を提供している。また、食品包装などのフィルムパッケージに使用されるグラビアインキや、紙器に使用されるフレキソインキでも、環境に配慮した高性能・高品質なインキを提供し、高い市場シェアを誇っている。

特に、植物由来成分を含む同社オリジナルブランドの「ボタニカルインキ」は2016年末から展開を始め、大手コンビニエンスストアや食品メーカーのパッケージに採用されている。さらに「ボタニカルインキ」シリーズとして新たに、紙袋用途向け水性フレキソインキ「エコプラータ」や、紙器カートン用途向け水性グラビアインキ「エコピーノ」を上市するなど、ラインナップ充実を進めている。なお「ボタニカルインキ」が使用された印刷物には、同社が商標登録した独自のロゴマークを印刷することができる。

情報メディア向けインキは環境配慮型製品の比率が95%以上に達している。新聞インキでは高発色性インキ「ニュースウェブマスター エコピュア」(エコマーク認定)が評価を得ている。またカラー紙面の高品質化に対応しており、色に関する管理を行うカラーマネジメントシステムの技術力と実績から、新聞社からの信頼も得ている。オフセットインキも、業界に先駆けて環境配慮型製品の市場導入を図り、近年普及が進む高感度UV印刷機に対応した紫外線硬化型UVインキ「ドリームキュア」シリーズの展開も進めている。


環境配慮型製品で高シェア
2. 環境配慮型製品分野
環境配慮型製品の分野は、世界的に地球環境問題への取り組みを強化する流れも背景として、市場拡大余地そして市場開拓余地が大きい。

同社は国内・海外とも、ミドルレンジ以上の環境配慮型高機能・高付加価値製品を主力として展開し、各市場で高シェアを誇っている。パッケージ印刷用インキ分野の市場シェアについては、同社推定によれば、段ボールや紙器用途のフレキソインキが国内1位、食品・日用品などフィルムパッケージ印刷用グラビアインキが国内2位、飲料缶など金属缶印刷用メタルインキが世界1位である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)


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配信元: フィスコ
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