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サカタインクスのニュース
■業績動向
1. 2019年12月期第2四半期累計業績
サカタインクス<4633>の2019年12月期第2四半期累計(1月-6月)の連結業績は、売上高が前年同期比5.4%増の83,167百万円、営業利益が13.9%増の3,051百万円、経常利益が同5.0%増の3,718百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同8.5%減の2,386百万円だった。タイの子会社(エターナル)及びブラジルの子会社(クリエイティブ)を新規連結対象とした。期中平均為替レートは1米ドル=110円05銭(前年同期は108円68銭)で、為替影響排除後ベースでは売上高が6.0%増収、営業利益が13.3%増益、経常利益が4.4%増益、親会社株主に帰属する四半期純利益が9.4%減益だった。
アジアと米州の好調が牽引して前年同期比では増収、営業・経常増益だった。日本は天候不順の影響や原材料価格の上昇で低調だったが、アジアと米州を中心とするパッケージ印刷用インキの販売数量増加効果、販売価格改定効果、新規連結(タイとブラジルの子会社)効果に加えて、海外市場で原材料価格の上昇が想定を下回ったことも寄与した。
売上総利益は前年同期比5.9%増加し、売上総利益率は21.2%で0.1ポイント上昇した。販管費は同4.3%増加し、販管費率は17.5%で0.2ポイント低下した。営業外収益では持分法による投資利益449百万円を計上したが、前年同期の826百万円との比較では377百万円減少した。親会社株主に帰属する四半期純利益は従業員向け福利厚生施設に対する減損損失190百万円計上などで減益だった。
なお期初計画(売上高85,000百万円、営業利益2,250百万円、経常利益3,000百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益2,000百万円)との比較で見ると、売上高(1,833百万円下振れ)はやや伸び悩んだが、各利益は大幅に上振れの形となった。営業利益(801百万円上振れ)と経常利益(718百万円上振れ)は減益計画から一転して増益での着地となり、親会社株主に帰属する四半期純利益(386百万円上振れ)は計画に対して減益幅が縮小した。原材料価格の上昇が続いているものの、海外市場における上昇が想定を下回ったことも寄与した。
アジアと米州が好調
2. セグメント別動向
セグメント別(連結調整前、為替影響排除前)の動向は以下のとおりである。
印刷インキ・機材(日本)は、売上高が前年同期比2.9%減の25,655百万円、営業利益が同25.2%減の266百万円だった。売上面では、食品・飲料用途の軟包材用グラビアインキが安定的に推移したが、生鮮食品用途の段ボール用フレキソインキが天候不順の影響で伸び悩み、新聞・オフセットインキ及び印刷製版用剤料・印刷製版関連機器が需要減で低調だった。利益面では販売価格改定や経費削減を行ったが、売上減少と原材料価格上昇などで減益だった。なお原材料価格については、海外市場では落ち着き始めているが、日本市場ではタイムラグで上昇が続いている。
印刷インキ(アジア)は、売上高が前年同期比12.2%増の17,384百万円、営業利益が同62.7%増の1,138百万円だった。売上面では、インドネシアにおける需要がやや伸び悩み、円高による為替換算影響も受けたが、インド・ベトナムにおけるグラビアインキの販売数量増加効果、タイ子会社の新規連結効果に加えて、新聞・オフセットインキも堅調に推移して2ケタ増収だった。利益面では、販売数量増加効果、販売価格改定効果、タイ子会社の新規連結効果などで大幅増益だった。原材料価格は上昇しているが想定を下回った。
印刷インキ(米州)は、売上高が前年同期比9.8%増の24,271百万円、営業利益が同49.0%増の932百万円だった。売上面では、オフセットインキが需要減で減少したが、パッケージ印刷用のフレキソインキ、グラビアインキ、缶用メタルインキ、UVインキの高機能・高付加価値製品が好調に推移し、新規顧客の獲得、ブラジル子会社の新規連結も寄与した。利益面では、販売数量増加効果、販売価格改定効果、製品ミックス改善効果などで大幅増益だった。原材料価格は上昇しているが想定を下回った。
印刷インキ(欧州)は、売上高が前年同期比7.3%増の4,994百万円、営業損失が371百万円(前年同期は215百万円の損失)だった。売上面では、グラビアインキや缶用メタルインキの販売数量が増加し、円高による為替換算影響を吸収して増収だった。利益面では、販売数量増加がプラス要因だったが、増産に伴う人件費や外注費の増加、原材料価格上昇などで損失が拡大した。ただし、おおむね計画水準だったとしている。
機能性材料は、売上高が前年同期比5.6%増の6,321百万円、営業利益が同25.6%減の522百万円だった。売上面では、UVインクジェットインキ、トナー、カラーフィルター用顔料分散液が順調に伸長して増収だが、利益面では原材料価格上昇、製品ミックス悪化などで減益だった。
その他は売上高が前年同期比3.1%増の8,353百万円、営業利益が同17.0%増の206百万円だった。
3. 財務状況
財務面では、総資産が新規連結などの影響で前期末比259百万円増加して145,754百万円、負債が仕入債務や借入金の減少で同784百万円減少して67,313百万円、純資産が利益剰余金の増加などで同1,043百万円増加の78,441百万円となった。自己資本比率は50.7%で同0.4ポイント低下したが、特にネガティブ視される水準ではなく、財務健全性に問題はないだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
<SF>
1. 2019年12月期第2四半期累計業績
サカタインクス<4633>の2019年12月期第2四半期累計(1月-6月)の連結業績は、売上高が前年同期比5.4%増の83,167百万円、営業利益が13.9%増の3,051百万円、経常利益が同5.0%増の3,718百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同8.5%減の2,386百万円だった。タイの子会社(エターナル)及びブラジルの子会社(クリエイティブ)を新規連結対象とした。期中平均為替レートは1米ドル=110円05銭(前年同期は108円68銭)で、為替影響排除後ベースでは売上高が6.0%増収、営業利益が13.3%増益、経常利益が4.4%増益、親会社株主に帰属する四半期純利益が9.4%減益だった。
アジアと米州の好調が牽引して前年同期比では増収、営業・経常増益だった。日本は天候不順の影響や原材料価格の上昇で低調だったが、アジアと米州を中心とするパッケージ印刷用インキの販売数量増加効果、販売価格改定効果、新規連結(タイとブラジルの子会社)効果に加えて、海外市場で原材料価格の上昇が想定を下回ったことも寄与した。
売上総利益は前年同期比5.9%増加し、売上総利益率は21.2%で0.1ポイント上昇した。販管費は同4.3%増加し、販管費率は17.5%で0.2ポイント低下した。営業外収益では持分法による投資利益449百万円を計上したが、前年同期の826百万円との比較では377百万円減少した。親会社株主に帰属する四半期純利益は従業員向け福利厚生施設に対する減損損失190百万円計上などで減益だった。
なお期初計画(売上高85,000百万円、営業利益2,250百万円、経常利益3,000百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益2,000百万円)との比較で見ると、売上高(1,833百万円下振れ)はやや伸び悩んだが、各利益は大幅に上振れの形となった。営業利益(801百万円上振れ)と経常利益(718百万円上振れ)は減益計画から一転して増益での着地となり、親会社株主に帰属する四半期純利益(386百万円上振れ)は計画に対して減益幅が縮小した。原材料価格の上昇が続いているものの、海外市場における上昇が想定を下回ったことも寄与した。
アジアと米州が好調
2. セグメント別動向
セグメント別(連結調整前、為替影響排除前)の動向は以下のとおりである。
印刷インキ・機材(日本)は、売上高が前年同期比2.9%減の25,655百万円、営業利益が同25.2%減の266百万円だった。売上面では、食品・飲料用途の軟包材用グラビアインキが安定的に推移したが、生鮮食品用途の段ボール用フレキソインキが天候不順の影響で伸び悩み、新聞・オフセットインキ及び印刷製版用剤料・印刷製版関連機器が需要減で低調だった。利益面では販売価格改定や経費削減を行ったが、売上減少と原材料価格上昇などで減益だった。なお原材料価格については、海外市場では落ち着き始めているが、日本市場ではタイムラグで上昇が続いている。
印刷インキ(アジア)は、売上高が前年同期比12.2%増の17,384百万円、営業利益が同62.7%増の1,138百万円だった。売上面では、インドネシアにおける需要がやや伸び悩み、円高による為替換算影響も受けたが、インド・ベトナムにおけるグラビアインキの販売数量増加効果、タイ子会社の新規連結効果に加えて、新聞・オフセットインキも堅調に推移して2ケタ増収だった。利益面では、販売数量増加効果、販売価格改定効果、タイ子会社の新規連結効果などで大幅増益だった。原材料価格は上昇しているが想定を下回った。
印刷インキ(米州)は、売上高が前年同期比9.8%増の24,271百万円、営業利益が同49.0%増の932百万円だった。売上面では、オフセットインキが需要減で減少したが、パッケージ印刷用のフレキソインキ、グラビアインキ、缶用メタルインキ、UVインキの高機能・高付加価値製品が好調に推移し、新規顧客の獲得、ブラジル子会社の新規連結も寄与した。利益面では、販売数量増加効果、販売価格改定効果、製品ミックス改善効果などで大幅増益だった。原材料価格は上昇しているが想定を下回った。
印刷インキ(欧州)は、売上高が前年同期比7.3%増の4,994百万円、営業損失が371百万円(前年同期は215百万円の損失)だった。売上面では、グラビアインキや缶用メタルインキの販売数量が増加し、円高による為替換算影響を吸収して増収だった。利益面では、販売数量増加がプラス要因だったが、増産に伴う人件費や外注費の増加、原材料価格上昇などで損失が拡大した。ただし、おおむね計画水準だったとしている。
機能性材料は、売上高が前年同期比5.6%増の6,321百万円、営業利益が同25.6%減の522百万円だった。売上面では、UVインクジェットインキ、トナー、カラーフィルター用顔料分散液が順調に伸長して増収だが、利益面では原材料価格上昇、製品ミックス悪化などで減益だった。
その他は売上高が前年同期比3.1%増の8,353百万円、営業利益が同17.0%増の206百万円だった。
3. 財務状況
財務面では、総資産が新規連結などの影響で前期末比259百万円増加して145,754百万円、負債が仕入債務や借入金の減少で同784百万円減少して67,313百万円、純資産が利益剰余金の増加などで同1,043百万円増加の78,441百万円となった。自己資本比率は50.7%で同0.4ポイント低下したが、特にネガティブ視される水準ではなく、財務健全性に問題はないだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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