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サカタインクスのニュース
■サカタインクス<4633>の事業概要
1. 印刷インキ事業を主力にグローバル展開
印刷インキ事業は、日本・アジア・北米及び欧州の各市場向けに、紙媒体用インキ(新聞印刷用の新聞インキ、書籍・雑誌・カタログ・ポスター・チラシ・伝票など各種商業印刷物印刷用のオフセットインキ)、及びパッケージ用インキ(段ボールや紙器など紙パッケージ印刷用のフレキソインキ、食品・化粧品・トイレタリー製品・日用品などフィルムパッケージ印刷用のグラビアインキ、飲料缶など金属缶印刷用のメタルインキ)を製造・販売している。
印刷関連機材事業は主として日本市場向けに、CTP(Computer to Plate)セッター、CTP版、インクジェットプルーファー、インクジェットプルーフ用紙、編集用ソフトウェア、カラーマネジメントシステム、インキディスペンサーなどの印刷製版用材料や印刷関連機器を仕入・販売している。
機能性材料事業は、日本・アジア・北米及び欧州の各市場向けに、デジタル印刷材料(大型出力物やテキスタイルなどに使用される産業用インクジェットインキ、レーザープリンターや複合機に使用されるカラートナー・モノクロトナー)、画像表示材料(カラーフィルター用顔料分散液)、及び機能性コーティング剤を製造・販売している。
その他事業は主として日本市場向けに、化成品等販売事業(阪田産業(株))、ディスプレイ関連事業(サカタラボステーション(株))、及び色彩関連機材事業(サカタインクスエンジニアリング(株))などを行っている。
主力の印刷インキ事業及び機能性材料事業は、グローバル展開加速と各地域特性に応じた製品戦略推進、環境配慮型高機能・高付加価値製品拡販による数量増で、収益拡大を目指している。
2. アジアと北米、及び機能性材料が収益柱に成長
なお連結決算における報告セグメントは、印刷インキ・機材(日本)、印刷インキ(アジア)、印刷インキ(北米)、印刷インキ(欧州)、機能性材料、その他としている。連結調整前セグメント別構成比(売上高、営業利益)の推移は以下のとおりである。
2018年12月期の連結調整前セグメント別営業利益構成比は、印刷インキ・機材(日本)が25.2%、印刷インキ(アジア)が34.2%、印刷インキ(北米)が22.2%、印刷インキ(欧州)が-17.7%、機能性材料が27.4%、その他が8.7%だった。グローバル展開の加速や環境配慮型高機能・高付加価値製品の拡販によって、市場拡大・開拓余地の大きいアジアと北米、及び機能性材料が収益柱に成長している。なお印刷インキ(欧州)は生産体制再編中であり、原材料価格高騰も影響して赤字だった。
3. 世界3位の大手印刷インキメーカー
売上高ランキングで見ると、同社は世界3位(出典:INK WORLD「The 2017 Top International Ink Companies Report」2018.8.1)の大手印刷インキメーカーである。
4. 環境配慮型製品の開発力・品ぞろえ、製品の信頼性・品質力が強み
1896年の創業以来、120年以上の歴史の中で培われた環境配慮型の高機能・高付加価値製品の開発力・品ぞろえ、製品の高い信頼性・品質力を強みとしている。
環境配慮型高機能・高付加価値製品の品ぞろえは、高沸点石油系溶剤を各種植物油(大豆油など)に置き換えた植物油インキ、構成成分中の高沸点石油系溶剤を1%未満に抑えたノンVOCインキ、植物由来成分をインキ固形分中に10%以上含有するボタニカルインキ、有機溶剤のトルエンおよびMEK(メチルエチルケトン)を使用しないノントルエン・ノンMEKインキ、水性でありながら高い性能を有する水性フレキソインキなど豊富である。
新聞インキでは自然の色・鮮やかな発色性を求め、色再現範囲の拡大・網点再現性の向上・ドットゲインの最適化によって高紙面品質を追求した高発色性インキ「ニュースウェブマスター エコピュア」(エコマーク認定)を開発し、高評価を得ている。また、カラー紙面の高品質化や、新聞製作システムの上流から下流までの、色に関する管理を行うカラーマネジメントシステムの技術力と実績が、新聞社から大きな信頼を得ている。
オフセットインキでは、業界に先駆けて環境に配慮した製品の市場導入を図り、高速オフセット輪転インキや枚葉インキなど多様なニーズに対応できるインキをはじめ、近年普及が進む高感度UV印刷機に対応した紫外線硬化型UVインキ「ドリームキュア」シリーズの展開も進めている。
パッケージ用インキの分野では、業界に先駆けて早くから開発を始めた段ボール用水性フレキソインキで国内市場シェア1位を誇り、製紙業界に機能性コーティング剤など多様な新技術を提供している。
また、食品包装などのフィルムパッケージに使用されるグラビアインキや、紙器に使用されるフレキソインキでも、環境に配慮した高性能・高品質なインキを提供し、業界で高いシェアを誇っている。
特に、植物由来成分を含む「ボタニカルインキ」は2016年末から展開を始め、大手コンビニエンスストアのPB商品のパッケージに採用されるなど好評を得ている。さらに「ボタニカルインキ」シリーズとして新たに、紙袋用途向け水性フレキソインキ「エコプラータ」や紙器カートン用途向け水性グラビアインキ「エコピーノ」を上市するなど、ラインナップ充実を進めている。なお「ボタニカルインキ」が使用された印刷物には、同社が商標登録した独自のロゴマークを印刷することができる。
また印刷方式や基材にとらわれず、パッケージのサプライチェーン全体で、世界共通の色見本「PANTONE」カラーの正確なコミュニケーションを可能にする米Pantone LLC提供の「Pantone LIVE」の認定パートナーとなっている。
5. 市場拡大・開拓余地の大きい環境配慮型高機能製品が高シェア
国内・海外とも、ミドルレンジ以上の環境配慮型高機能・高付加価値製品を主力として展開し、各市場で高シェアを誇っている。環境配慮型高機能・高付加価値製品の分野は、世界的に地球環境問題への取組みを強化する流れも背景として、市場拡大余地そして市場開拓余地が大きい。
紙媒体用インキの分野では、新聞インキ及び雑誌・パンフレット用などのオフセットインキで、いずれも環境配慮型製品の比率がほぼ100%に達している。またパッケージ用インキ分野の市場シェアは、段ボールや紙器用途のフレキソインキが国内1位、食品・日用品などフィルムパッケージ印刷用グラビアインキが国内2位、飲料缶など金属缶印刷用メタルインキが世界1位と高シェアを誇っている。
6. リスク要因と対策
収益に影響する主要なリスク要因としては、原材料価格の変動、グローバル展開に伴う為替換算影響などがある。
特に原材料価格の急激な上昇に対しては、販売価格の改定がタイムラグとなり、業績に影響を及ぼす可能性がある。主要原材料である白顔料(酸化チタン)や色顔料は世界の生産の過半を占める中国メーカーの供給能力の影響を受け、樹脂や溶剤は原油・ナフサ価格の影響を受ける。2017年以降、中国における環境規制強化やエネルギー政策転換等の影響で中国メーカーの供給能力が大幅に低下し、需給バランスが崩れて白顔料や色顔料の価格が高騰している。また原油価格の上昇に連動する形で樹脂や溶剤の価格も高騰している。さらに2018年には米中貿易摩擦による制裁関税の影響も加わり、原材料価格は高止まりの状況が続いている。
こうしたリスク要因に対して、販売価格改定による適正化を進めるとともに、グループシナジーによる原材料コストの削減や生産性向上などによって、原材料価格上昇の影響を軽減させる取組みを推進している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
<SF>
1. 印刷インキ事業を主力にグローバル展開
印刷インキ事業は、日本・アジア・北米及び欧州の各市場向けに、紙媒体用インキ(新聞印刷用の新聞インキ、書籍・雑誌・カタログ・ポスター・チラシ・伝票など各種商業印刷物印刷用のオフセットインキ)、及びパッケージ用インキ(段ボールや紙器など紙パッケージ印刷用のフレキソインキ、食品・化粧品・トイレタリー製品・日用品などフィルムパッケージ印刷用のグラビアインキ、飲料缶など金属缶印刷用のメタルインキ)を製造・販売している。
印刷関連機材事業は主として日本市場向けに、CTP(Computer to Plate)セッター、CTP版、インクジェットプルーファー、インクジェットプルーフ用紙、編集用ソフトウェア、カラーマネジメントシステム、インキディスペンサーなどの印刷製版用材料や印刷関連機器を仕入・販売している。
機能性材料事業は、日本・アジア・北米及び欧州の各市場向けに、デジタル印刷材料(大型出力物やテキスタイルなどに使用される産業用インクジェットインキ、レーザープリンターや複合機に使用されるカラートナー・モノクロトナー)、画像表示材料(カラーフィルター用顔料分散液)、及び機能性コーティング剤を製造・販売している。
その他事業は主として日本市場向けに、化成品等販売事業(阪田産業(株))、ディスプレイ関連事業(サカタラボステーション(株))、及び色彩関連機材事業(サカタインクスエンジニアリング(株))などを行っている。
主力の印刷インキ事業及び機能性材料事業は、グローバル展開加速と各地域特性に応じた製品戦略推進、環境配慮型高機能・高付加価値製品拡販による数量増で、収益拡大を目指している。
2. アジアと北米、及び機能性材料が収益柱に成長
なお連結決算における報告セグメントは、印刷インキ・機材(日本)、印刷インキ(アジア)、印刷インキ(北米)、印刷インキ(欧州)、機能性材料、その他としている。連結調整前セグメント別構成比(売上高、営業利益)の推移は以下のとおりである。
2018年12月期の連結調整前セグメント別営業利益構成比は、印刷インキ・機材(日本)が25.2%、印刷インキ(アジア)が34.2%、印刷インキ(北米)が22.2%、印刷インキ(欧州)が-17.7%、機能性材料が27.4%、その他が8.7%だった。グローバル展開の加速や環境配慮型高機能・高付加価値製品の拡販によって、市場拡大・開拓余地の大きいアジアと北米、及び機能性材料が収益柱に成長している。なお印刷インキ(欧州)は生産体制再編中であり、原材料価格高騰も影響して赤字だった。
3. 世界3位の大手印刷インキメーカー
売上高ランキングで見ると、同社は世界3位(出典:INK WORLD「The 2017 Top International Ink Companies Report」2018.8.1)の大手印刷インキメーカーである。
4. 環境配慮型製品の開発力・品ぞろえ、製品の信頼性・品質力が強み
1896年の創業以来、120年以上の歴史の中で培われた環境配慮型の高機能・高付加価値製品の開発力・品ぞろえ、製品の高い信頼性・品質力を強みとしている。
環境配慮型高機能・高付加価値製品の品ぞろえは、高沸点石油系溶剤を各種植物油(大豆油など)に置き換えた植物油インキ、構成成分中の高沸点石油系溶剤を1%未満に抑えたノンVOCインキ、植物由来成分をインキ固形分中に10%以上含有するボタニカルインキ、有機溶剤のトルエンおよびMEK(メチルエチルケトン)を使用しないノントルエン・ノンMEKインキ、水性でありながら高い性能を有する水性フレキソインキなど豊富である。
新聞インキでは自然の色・鮮やかな発色性を求め、色再現範囲の拡大・網点再現性の向上・ドットゲインの最適化によって高紙面品質を追求した高発色性インキ「ニュースウェブマスター エコピュア」(エコマーク認定)を開発し、高評価を得ている。また、カラー紙面の高品質化や、新聞製作システムの上流から下流までの、色に関する管理を行うカラーマネジメントシステムの技術力と実績が、新聞社から大きな信頼を得ている。
オフセットインキでは、業界に先駆けて環境に配慮した製品の市場導入を図り、高速オフセット輪転インキや枚葉インキなど多様なニーズに対応できるインキをはじめ、近年普及が進む高感度UV印刷機に対応した紫外線硬化型UVインキ「ドリームキュア」シリーズの展開も進めている。
パッケージ用インキの分野では、業界に先駆けて早くから開発を始めた段ボール用水性フレキソインキで国内市場シェア1位を誇り、製紙業界に機能性コーティング剤など多様な新技術を提供している。
また、食品包装などのフィルムパッケージに使用されるグラビアインキや、紙器に使用されるフレキソインキでも、環境に配慮した高性能・高品質なインキを提供し、業界で高いシェアを誇っている。
特に、植物由来成分を含む「ボタニカルインキ」は2016年末から展開を始め、大手コンビニエンスストアのPB商品のパッケージに採用されるなど好評を得ている。さらに「ボタニカルインキ」シリーズとして新たに、紙袋用途向け水性フレキソインキ「エコプラータ」や紙器カートン用途向け水性グラビアインキ「エコピーノ」を上市するなど、ラインナップ充実を進めている。なお「ボタニカルインキ」が使用された印刷物には、同社が商標登録した独自のロゴマークを印刷することができる。
また印刷方式や基材にとらわれず、パッケージのサプライチェーン全体で、世界共通の色見本「PANTONE」カラーの正確なコミュニケーションを可能にする米Pantone LLC提供の「Pantone LIVE」の認定パートナーとなっている。
5. 市場拡大・開拓余地の大きい環境配慮型高機能製品が高シェア
国内・海外とも、ミドルレンジ以上の環境配慮型高機能・高付加価値製品を主力として展開し、各市場で高シェアを誇っている。環境配慮型高機能・高付加価値製品の分野は、世界的に地球環境問題への取組みを強化する流れも背景として、市場拡大余地そして市場開拓余地が大きい。
紙媒体用インキの分野では、新聞インキ及び雑誌・パンフレット用などのオフセットインキで、いずれも環境配慮型製品の比率がほぼ100%に達している。またパッケージ用インキ分野の市場シェアは、段ボールや紙器用途のフレキソインキが国内1位、食品・日用品などフィルムパッケージ印刷用グラビアインキが国内2位、飲料缶など金属缶印刷用メタルインキが世界1位と高シェアを誇っている。
6. リスク要因と対策
収益に影響する主要なリスク要因としては、原材料価格の変動、グローバル展開に伴う為替換算影響などがある。
特に原材料価格の急激な上昇に対しては、販売価格の改定がタイムラグとなり、業績に影響を及ぼす可能性がある。主要原材料である白顔料(酸化チタン)や色顔料は世界の生産の過半を占める中国メーカーの供給能力の影響を受け、樹脂や溶剤は原油・ナフサ価格の影響を受ける。2017年以降、中国における環境規制強化やエネルギー政策転換等の影響で中国メーカーの供給能力が大幅に低下し、需給バランスが崩れて白顔料や色顔料の価格が高騰している。また原油価格の上昇に連動する形で樹脂や溶剤の価格も高騰している。さらに2018年には米中貿易摩擦による制裁関税の影響も加わり、原材料価格は高止まりの状況が続いている。
こうしたリスク要因に対して、販売価格改定による適正化を進めるとともに、グループシナジーによる原材料コストの削減や生産性向上などによって、原材料価格上昇の影響を軽減させる取組みを推進している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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