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窪田製薬ホールディングスのニュース

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窪田製薬HD Research Memo(8):VAP-1阻害剤については米国国立がん研究所でもスクリーニング評価を開始

配信元:フィスコ
投稿:2021/03/17 15:58
■主要開発パイプラインの概要と進捗状況

6. VAP-1阻害剤
2020年4月に子会社のクボタビジョンと皮膚科領域におけるグローバル製薬企業であるLeo Pharmaが、VAP-1阻害剤の治療薬候補の探索に向けた共同研究契約を締結したことを発表した。窪田製薬ホールディングス<4596>はエミクススタト塩酸塩の基礎研究を進める過程において多くの低分子化合物のライブラリを作成してきたが、その中でアトピー性皮膚炎や変形性関節症などの炎症性疾患に関わっているとされるVAP-1※の働きを阻害する化合物を数十種類発見しており、今回はこれら化合物の中から有望な化合物をさらに絞り込むため、LEO Pharmaの研究ツールと予算を用いて探索していく取り組みとなる。

※VAP-1(Vascular adhesion protein-1):血管内皮表面に存在する白血球接着分子のこと。アトピー性皮膚炎や乾癬、変形性関節症、糖尿病性腎疾患、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)などの炎症性疾患では、VAP-1の異常な活性化が認められている。このため、VAP-1の働きを阻害することで、これら炎症性疾患の症状を和らげる効果があると考えられている。


同社の候補化合物は、他社の候補化合物と比較して、VAP-1の阻害効果が高く、かつ選択制が高い(副作用リスクが低い)ことがin vitro試験で確認されており、今後、LEO Pharmaでのスクリーニング評価によって、有望な治療薬候補化合物が絞り込まれれば、前臨床試験や臨床試験に向けた共同開発契約につながっていく可能性がある。

VAP-1阻害剤については、適応範囲が広く潜在的な市場価値が大きいため大手製薬企業でも活発に開発を進めているが、上市実績はまだないだけに今後の動向が注目される。また、皮膚科領域以外についてはほかのパートナー企業との共同開発の可能性についても検討している。2020年12月には米国国立がん研究所のDTP(Developmental Therapeutics Program)にもVAP-1阻害剤を提出し、抗がん活性のスクリーニング評価を行うことを発表している。同スクリーニングにより候補化合物の抗腫瘍活性で有効なデータが得られた場合は、がん領域で新たな治療として開発が進む可能性もある。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


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配信元: フィスコ

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