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*12:09JST アンジェス Research Memo(9):2025年12月期第3四半期の損失額は費用減により大幅縮小
■アンジェス<4563>の業績動向
1. 2025年12月期第3四半期累計業績の概要
2025年12月期第3四半期累計の事業収益は646百万円(前年同期比174百万円増)、営業損失は3,542百万円(同3,499百万円減)、経常損失は4,615百万円(同2,434百万円減)、親会社株主に帰属する四半期純損失は4,688百万円(同2,468百万円減)となった。
事業収益は、前年同期にAnoccaから受領した契約一時金等による研究開発事業収益が59百万円減少したほか、「コラテジェン」の売上11百万円がなくなったものの、「ゾキンヴィ」の売上が同31百万円増加の216百万円、希少遺伝性疾患に関する拡大新生児スクリーニング検査の手数料収入が同213百万円増加の412百万円となり増収要因となった。となった。
売上原価は前年同期比101百万円増加の387百万円となった。「ゾキンヴィ」の商品仕入原価が18百万円、スクリーニング検査手数料収入の増加に伴う売上原価が91百万円それぞれ増加した。なお、「ゾキンヴィ」の仕入れについては円建て決済のため、為替変動の影響を受けない。
研究開発費は前年同期比553百万円減少の2,375百万円となった。EmendoBioの事業再編に伴う人員の減少により人件費関連が122百万円減少したほか、前年同期に評価損を計上した反動で研究用材料費が530百万円減少した。販管費は2,873百万円減少の1,426百万円となった。前期末にEmendoBioに関わるのれんを一括で減損処理したことに伴い、のれん償却額がなくなり2,488百万円の減少要因となったほか、EmendoBioの人員減少に伴い人件費関連が195百万円減少した。また、EmendoBioにおける弁護士やコンサルタント等への報酬減少により支払手数料も144百万円減少した。
営業外収支は前年同期比1,065百万円悪化した。EmendoBioへのUSドル建て貸付金(約1億USドル)に対する貸倒引当金の期末評価替え※の影響により、為替差損1,052百万円(前年同期は為替差益8百万円)を計上したほか、Vasomuneの開発プロジェクトに関わる補助金収入がなくなったこと(同27百万円を計上)が主因だ。
※ 2024年12月末の為替レート157円/USDに対して2025年9月末は148円/USD。
ライセンス収入の先送り等により2025年12月期業績を下方修正
2. 2025年12月期の業績見通し
2025年12月期の業績見通しは事業収益で880百万円(前期比236百万円増)、営業損失で6,270百万円(同2,839百万円減)、経常損失で6,290百万円(同1,247百万円減)、親会社株主に帰属する当期純損失で6,320百万円(同21,808百万円減)と期初計画からそれぞれ470百万円下方修正した。
事業収益は、Anoccaからの追加の契約一時金を計上する予定であったが、開発スケジュールの遅れにより計上時期が2026年以降に先送りになったことが主因で、そのほか、「ゾキンヴィ」や拡大スクリーニング検査手数料収入なども若干期初計画を引き下げた。検査手数料収入については能力増強投資による拡大を見込んでいたが、資金面から増強投資を先送りしたことが要因だ。
通期計画から第3四半期までの実績を差し引いた第4四半期だけで見ると、営業損失が第3四半期の1,142百万円から2,727百万円に拡大する見込みとなっている。これはHGF遺伝子治療用製品の申請に向けた準備費用(ベーリンガーへの支払いを含む)の増加を見込んでいることと、Vasomuneへの追加ライセンスフィー1百万USドルを見込んでいることによる。そのほかの費用については第3四半期とほぼ同水準になる見込みだ。なお、通期計画では営業外収支の為替差損益が発生しない前提だが、2025年12月末の為替レートが前期末の157円/USDから上下に振れれば為替差損益が発生する(1円/USDの変動で1億円強の影響額)。
第46回新株予約権を発行し、HGF遺伝子治療用製品の研究開発資金等に充当
3. 財務状況について
2025年12月期第3四半期末の財務状況は、資産合計が前期末比1,943百万円増加の6,612百万円となった。流動資産では、第三者割当による第45回新株予約権の行使が完了したことにより、現金及び預金が1,844百万円増加した。固定資産は、有形固定資産が24百万円、投資有価証券が39百万円、繰延税金資産が32百万円それぞれ減少した。
負債合計は前期末比72百万円減少の2,439百万円となった。買掛金が49百万円増加した一方で、リース債務が長短あわせて102百万円、未払金が26百万円、事業構造改革引当金が32百万円それぞれ減少した。純資産合計は同2,016百万円増加の4,172百万円となった。第45回新株予約権の行使により、資本金と資本剰余金がそれぞれ2,882百万円増加したほか、為替換算調整勘定が997百万円増加し、親会社株主に帰属する四半期純損失の計上により利益剰余金が4,688百万円減少した。
同社の収益は開発ステージにあるため、HGF遺伝子治療用製品が上市するまでは損失が続く可能性が高い。このため、当面の事業活動資金は株式市場から調達する方針だ。2025年11月には第三者割当による第46回新株予約権を発行した。株式数に換算すると96,466千株で下限行使価額は40円に設定されている。当初行使価格の72円ですべて行使できたとすると調達額は6,921百万円となり、主にはHGF遺伝子治療用製品の米国での申請準備を含めたグローバルでの製品価値最大化のための研究開発費用に充当する方針だ。また、ACRLの設備投資費用やEmendoBioの研究開発拠点移転費用なども含まれているが、HGF遺伝子治療用製品の承認申請やライセンス契約の状況などを見ながら、経営判断することになる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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1. 2025年12月期第3四半期累計業績の概要
2025年12月期第3四半期累計の事業収益は646百万円(前年同期比174百万円増)、営業損失は3,542百万円(同3,499百万円減)、経常損失は4,615百万円(同2,434百万円減)、親会社株主に帰属する四半期純損失は4,688百万円(同2,468百万円減)となった。
事業収益は、前年同期にAnoccaから受領した契約一時金等による研究開発事業収益が59百万円減少したほか、「コラテジェン」の売上11百万円がなくなったものの、「ゾキンヴィ」の売上が同31百万円増加の216百万円、希少遺伝性疾患に関する拡大新生児スクリーニング検査の手数料収入が同213百万円増加の412百万円となり増収要因となった。となった。
売上原価は前年同期比101百万円増加の387百万円となった。「ゾキンヴィ」の商品仕入原価が18百万円、スクリーニング検査手数料収入の増加に伴う売上原価が91百万円それぞれ増加した。なお、「ゾキンヴィ」の仕入れについては円建て決済のため、為替変動の影響を受けない。
研究開発費は前年同期比553百万円減少の2,375百万円となった。EmendoBioの事業再編に伴う人員の減少により人件費関連が122百万円減少したほか、前年同期に評価損を計上した反動で研究用材料費が530百万円減少した。販管費は2,873百万円減少の1,426百万円となった。前期末にEmendoBioに関わるのれんを一括で減損処理したことに伴い、のれん償却額がなくなり2,488百万円の減少要因となったほか、EmendoBioの人員減少に伴い人件費関連が195百万円減少した。また、EmendoBioにおける弁護士やコンサルタント等への報酬減少により支払手数料も144百万円減少した。
営業外収支は前年同期比1,065百万円悪化した。EmendoBioへのUSドル建て貸付金(約1億USドル)に対する貸倒引当金の期末評価替え※の影響により、為替差損1,052百万円(前年同期は為替差益8百万円)を計上したほか、Vasomuneの開発プロジェクトに関わる補助金収入がなくなったこと(同27百万円を計上)が主因だ。
※ 2024年12月末の為替レート157円/USDに対して2025年9月末は148円/USD。
ライセンス収入の先送り等により2025年12月期業績を下方修正
2. 2025年12月期の業績見通し
2025年12月期の業績見通しは事業収益で880百万円(前期比236百万円増)、営業損失で6,270百万円(同2,839百万円減)、経常損失で6,290百万円(同1,247百万円減)、親会社株主に帰属する当期純損失で6,320百万円(同21,808百万円減)と期初計画からそれぞれ470百万円下方修正した。
事業収益は、Anoccaからの追加の契約一時金を計上する予定であったが、開発スケジュールの遅れにより計上時期が2026年以降に先送りになったことが主因で、そのほか、「ゾキンヴィ」や拡大スクリーニング検査手数料収入なども若干期初計画を引き下げた。検査手数料収入については能力増強投資による拡大を見込んでいたが、資金面から増強投資を先送りしたことが要因だ。
通期計画から第3四半期までの実績を差し引いた第4四半期だけで見ると、営業損失が第3四半期の1,142百万円から2,727百万円に拡大する見込みとなっている。これはHGF遺伝子治療用製品の申請に向けた準備費用(ベーリンガーへの支払いを含む)の増加を見込んでいることと、Vasomuneへの追加ライセンスフィー1百万USドルを見込んでいることによる。そのほかの費用については第3四半期とほぼ同水準になる見込みだ。なお、通期計画では営業外収支の為替差損益が発生しない前提だが、2025年12月末の為替レートが前期末の157円/USDから上下に振れれば為替差損益が発生する(1円/USDの変動で1億円強の影響額)。
第46回新株予約権を発行し、HGF遺伝子治療用製品の研究開発資金等に充当
3. 財務状況について
2025年12月期第3四半期末の財務状況は、資産合計が前期末比1,943百万円増加の6,612百万円となった。流動資産では、第三者割当による第45回新株予約権の行使が完了したことにより、現金及び預金が1,844百万円増加した。固定資産は、有形固定資産が24百万円、投資有価証券が39百万円、繰延税金資産が32百万円それぞれ減少した。
負債合計は前期末比72百万円減少の2,439百万円となった。買掛金が49百万円増加した一方で、リース債務が長短あわせて102百万円、未払金が26百万円、事業構造改革引当金が32百万円それぞれ減少した。純資産合計は同2,016百万円増加の4,172百万円となった。第45回新株予約権の行使により、資本金と資本剰余金がそれぞれ2,882百万円増加したほか、為替換算調整勘定が997百万円増加し、親会社株主に帰属する四半期純損失の計上により利益剰余金が4,688百万円減少した。
同社の収益は開発ステージにあるため、HGF遺伝子治療用製品が上市するまでは損失が続く可能性が高い。このため、当面の事業活動資金は株式市場から調達する方針だ。2025年11月には第三者割当による第46回新株予約権を発行した。株式数に換算すると96,466千株で下限行使価額は40円に設定されている。当初行使価格の72円ですべて行使できたとすると調達額は6,921百万円となり、主にはHGF遺伝子治療用製品の米国での申請準備を含めたグローバルでの製品価値最大化のための研究開発費用に充当する方針だ。また、ACRLの設備投資費用やEmendoBioの研究開発拠点移転費用なども含まれているが、HGF遺伝子治療用製品の承認申請やライセンス契約の状況などを見ながら、経営判断することになる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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