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*13:00JST アンジェス Research Memo(10):希少遺伝性疾患の検査サービスは、2024年12月期から収益化の見通し
■ACRLの取り組み状況
2021年7月よりACRLで開始した希少遺伝性疾患のオプショナルスクリーニング検査については、検査数が2022年12月期の1万件から2023年12月期は2万件となり、手数料収入も前期比108.6%増の115百万円と順調に拡大している。CReARIDの提携医療機関が増加しているほか、オプショナルスクリーニング検査の必要性に対する啓もう活動により認知度が向上したことが検査数の増加につながっている。
2024年12月期は売上規模をさらに拡大すべく、2024年4月以降、新たに自治体や関連機関からの受託を開始する。既に関東圏を中心に複数の自治体から受注済みで、準備が整った自治体からサービスを提供していく。国内のオプショナルスクリーニング検査の対象疾患数は最大で9疾患となっているが、自治体によってはすべての疾患に対応していないケースもある。アンジェス<4563>は9疾患すべて、または対象から外れている疾患のみを対象とした検査も受託可能となっており、こうした需要も取り込んでいく。公費で実施している新生児マス・スクリーニング検査の対象疾患として、オプショナルスクリーニング検査の対象であった脊髄性筋萎縮症と重症複合免疫症の2つの疾患を加えることが国の方針として固まったが検査体制が整っていない自治体も多く、こうした自治体からの受注も期待できる。
また、遺伝学的検査※の技術を確立したことにより、確定診断となる遺伝学的検査の受託も開始すべく準備を進めている。スクリーニング検査で要検査判定が出る確率は0.15%と極めて少ないため、ビジネス面からスクリーニング検査と遺伝学的検査の両方を実施する衛生検査所がなく、医療関係者からは一括して委託できる衛生検査所が強く望まれており、こうした要望に応えるべくACRLでその体制を構築した。遺伝学的検査の対象疾患として、2024年夏に「ゾキンヴィ」の対象疾患となるHGPS及びプロセシング不全性PLから開始し、その後オプショナルスクリーニング検査を実施している9疾患のうち、ライソゾーム病(ムコ多糖症I型/II型/IVA型/VI型、ファブリー病、ポンペ病)、副腎白質ジストロフィー(ALD)の7疾患とそのほかのライソゾーム病(ゴーシェ病、ニーマンピック病A/B型、ニーマンピック病C型、クラッベ病)について、段階的に開始する予定となっている。これら取り組みによって、2024年12月期の売上規模はさらに拡大し、事業開始以降初めて収益化する見通しだ。
※スクリーニング検査の結果で疾患の疑いがある場合、また、発症した症状から該当の疾患である可能性がある場合に、その病気の原因となる遺伝子変異の有無を確認することで該当の疾患かどうかを確定させる検査(確定検査)。
また、将来的には希少遺伝性疾患の治療効果をモニタリングするバイオマーカー検査の技術も確立していく。希少遺伝性疾患に関わるスクリーニング検査からバイオマーカー検査まで包括的な検査を実施できる体制を構築し、検査受託サービスを通じて希少遺伝性疾患に関する新たな治療薬候補品を見出していく考えだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<AS>
2021年7月よりACRLで開始した希少遺伝性疾患のオプショナルスクリーニング検査については、検査数が2022年12月期の1万件から2023年12月期は2万件となり、手数料収入も前期比108.6%増の115百万円と順調に拡大している。CReARIDの提携医療機関が増加しているほか、オプショナルスクリーニング検査の必要性に対する啓もう活動により認知度が向上したことが検査数の増加につながっている。
2024年12月期は売上規模をさらに拡大すべく、2024年4月以降、新たに自治体や関連機関からの受託を開始する。既に関東圏を中心に複数の自治体から受注済みで、準備が整った自治体からサービスを提供していく。国内のオプショナルスクリーニング検査の対象疾患数は最大で9疾患となっているが、自治体によってはすべての疾患に対応していないケースもある。アンジェス<4563>は9疾患すべて、または対象から外れている疾患のみを対象とした検査も受託可能となっており、こうした需要も取り込んでいく。公費で実施している新生児マス・スクリーニング検査の対象疾患として、オプショナルスクリーニング検査の対象であった脊髄性筋萎縮症と重症複合免疫症の2つの疾患を加えることが国の方針として固まったが検査体制が整っていない自治体も多く、こうした自治体からの受注も期待できる。
また、遺伝学的検査※の技術を確立したことにより、確定診断となる遺伝学的検査の受託も開始すべく準備を進めている。スクリーニング検査で要検査判定が出る確率は0.15%と極めて少ないため、ビジネス面からスクリーニング検査と遺伝学的検査の両方を実施する衛生検査所がなく、医療関係者からは一括して委託できる衛生検査所が強く望まれており、こうした要望に応えるべくACRLでその体制を構築した。遺伝学的検査の対象疾患として、2024年夏に「ゾキンヴィ」の対象疾患となるHGPS及びプロセシング不全性PLから開始し、その後オプショナルスクリーニング検査を実施している9疾患のうち、ライソゾーム病(ムコ多糖症I型/II型/IVA型/VI型、ファブリー病、ポンペ病)、副腎白質ジストロフィー(ALD)の7疾患とそのほかのライソゾーム病(ゴーシェ病、ニーマンピック病A/B型、ニーマンピック病C型、クラッベ病)について、段階的に開始する予定となっている。これら取り組みによって、2024年12月期の売上規模はさらに拡大し、事業開始以降初めて収益化する見通しだ。
※スクリーニング検査の結果で疾患の疑いがある場合、また、発症した症状から該当の疾患である可能性がある場合に、その病気の原因となる遺伝子変異の有無を確認することで該当の疾患かどうかを確定させる検査(確定検査)。
また、将来的には希少遺伝性疾患の治療効果をモニタリングするバイオマーカー検査の技術も確立していく。希少遺伝性疾患に関わるスクリーニング検査からバイオマーカー検査まで包括的な検査を実施できる体制を構築し、検査受託サービスを通じて希少遺伝性疾患に関する新たな治療薬候補品を見出していく考えだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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