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アンジェス Research Memo(7):2020年12月期2Q累計業績はほぼ前年同期並みの営業損失を計上

配信元:フィスコ
投稿:2020/09/04 15:07
■業績動向

1. 2020年12月期第2四半期累計の業績概要
アンジェス<4563>の2020年12月期第2四半期累計の売上高は前年同期比90.2%減の16百万円、営業損失は1,766百万円(前年同期は1,709百万円の損失)、経常損失は1,896百万円(同1,733百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失は1,896百万円(同1,973百万円の損失)とほぼ前年同期並みの水準となった。

2019年第3四半期より販売を開始した「コラテジェン®」の売上は徐々に増加しており、2020年12月期第2四半期累計では16百万円を計上した。一方で、前第2四半期に販売終了したムコ多糖症VI型治療薬「ナグラザイム®」の170百万円等が無くなったことが減収要因となった。

事業費用では、「ナグラザイム®」の販売終了に伴い売上原価が前年同期比89.0%減となったほか、研究開発費が同2.2%減の1,104百万円となった。米国におけるHGF遺伝子治療用製品の第2b相臨床試験開始や、国内での新型コロナウイルス感染症向けワクチンの開発費用を計上したものの、研究用材料費の評価替計上額が前年同期よりも減少したことに伴い、研究開発費全体では若干減少した。また、販管費についでは「コラテジェン®」の販売費用が増加したものの、新型コロナウイルス感染症拡大を受けて旅費交通費等の事業活動費が減少したこともあり、前年同期比で横ばい水準にとどまった。

営業外収支が前年同期比で105百万円悪化したが、これは新たに持分法適用関連会社となったバイオベンチャーのEmendoに係る持分法による投資損失120百万円を計上したことが主因だ。また、前年同期は特別損失として投資有価証券評価損243百万円を計上したが、2020年12月期第2四半期累計で特別損失の発生はなく、親会社株主に帰属する四半期純損失については前年同期比で77百万円縮小する格好となった。


2020年12月期は新型コロナウイルス感染症ワクチンの開発及び実用化を最重要課題として取り組んでいく方針
2. 2020年12月期の業績見通し
2020年12月期の業績見通しについては、新型コロナウイルス感染症ワクチンの開発状況や、HGF遺伝子治療用製品の国内、米国での開発状況、事業提携の可能性や新規シーズの導入の可能性など、現時点で業績に影響を与える未確定な要素が多いことから、合理的な数値の算出が困難であると判断し非開示としている。研究開発費については、HGF遺伝子治療用製品の国内における適応拡大のための臨床試験や米国での臨床試験が始まっていることから、前期比で数億円程度増加することが見込まれる。また、新型コロナウイルス感染症ワクチンの開発費用については、日本医療研究開発機構(AMED)の公募プロジェクト「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチン開発」や厚生労働省の「ワクチン生産体制等緊急整備事業」に採用されたが、会計処理方法についてはまだ確定していない。

同社では新型コロナウイルス感染症ワクチンの開発並びに実用化を経営の最重要課題と位置づけ、全社を上げて取り組んでいく方針を打ち出している。


新株予約権の行使により、財務基盤が大幅に強化される
3. 財務状況について
2020年12月期第2四半期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比9,574百万円増加の22,099百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産のうち現金及び預金は、新株予約権の発行及び行使に伴う11,469百万円の入金があった一方で、Emendoの株式取得及び当期事業費用への充当などもあって前期末比3,512百万円の増加となった。また、コロナワクチン開発費の前払い等により前渡金が同701百万円増加した。固定資産ではEmendoの株式取得により投資有価証券が同5,285百万円増加した。

負債合計は前期末比32百万円減少の437百万円となった。また、純資産は同9,606百万円増加の21,662百万円となった。親会社株主に帰属する四半期純損失1,896百万円の計上があったものの、新株予約権の発行及び行使により、資本金及び資本剰余金が各5,744百万円増加し、新株予約権が54百万円増加したことが主因となっている。

なお、同社が2020年3月4日付で発行した第37回新株予約権(第三者割当て)については、株価がその後大きく上昇したこともあって4月までに行使をすべて完了している。当初の資金調達想定額は約93億円だったが、最終的に約114億円を調達している。調達資金の使途は、海外市場を含めた更なる開発パイプラインの拡充のための資金(45億円)、HGF遺伝子治療用製品の原薬の製造委託費用(16.5億円)及び運転資金(32億円)となっており、余力を持って開発パイプラインの拡充を進めることが可能になったと言える。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


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