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テルモが反発。医療器具大手で心血管カテーテルに強みを有する。17年3月期は為替の円高デメリットを背景に減収減益を計画しているがやや保守的。次世代カテーテルなど成長期待の商品を抱え、中期成長力に対する期待は大きい。再生医療分野での展開も注目され、世界初となる心不全治療用の再生医療製品「ハートシート」に関連して、今年3月にはセルシードと細胞培養器材に関する取引基本契約を締結している。
テルモが小幅に3日続伸。SMBC日興証券はリポートで、同社は17年3月期にカテーテル・ニューロ販売投資で107億円、研究開発で40億円の先行投資を計画していると紹介。成長戦略の詳細は12月に公表される予定だが、同社のステントの成長戦略(生体吸収ステントの開発やハイブリッド型DES)は評価できることに加え、海外(特に米国)での成長戦略や、カテーテル事業での治療系製品の開発動向が示されることを期待したいと解説。血液システムの価格改定によるマイナス要因は底打ちし、ホスピタル事業の収益改善も順調に進んでいる現在、カテーテルの新たな成長戦略が示されることで同社の評価が変わる可能性もあるとの見解を示している。投資評価は「2」(中立)を継続。目標株価は3600円から4000円へ引き上げている。
テルモは実質連日の上場来高値。同社は30日、世界初の心不全治療用の再生医療等製品「ハートシート」の販売を開始したと発表しており、これを好感した買いが入っている。「ハートシート」は、患者の大腿部から採取した筋肉組織に含まれる骨格筋芽細胞を培養してシート状に調製し、心臓表面に移植する製品で、虚血性心疾患による重症心不全の治療を目的としている。患者の細胞を採取するためのAキットと、培養した骨格筋芽細胞と細胞をシート化するためのBキットで構成されており、今回、保険診療1例目の患者の細胞採取のため、Aキットを販売したという。なお、今後は年20~30例の治療での使用を見込んでいる。