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カラダノート Research Memo(8):構造改革に向けて中期経営計画を1年後ろ倒しも最終目標数値は不変

配信元:フィスコ
投稿:2024/11/26 16:18
*16:18JST カラダノート Research Memo(8):構造改革に向けて中期経営計画を1年後ろ倒しも最終目標数値は不変 ■カラダノート<4014>の成長戦略

1. 中期経営計画
2022年に策定した中期経営計画の内容を一部見直し、2024年10月に「FY2025 中期経営計画-事業計画及び成長可能性に関する事項-」を公表した。2028年7月期に売上高50億円以上、営業利益15億円以上、営業利益率30%の数値目標と、東証プライム市場上場基準達成という経営目標に変更はないが、目標達成期限を1事業年度後ろ倒しした。保険代理事業を展開するFPOのM&A中止などの影響を踏まえて戦略を見直し、必要な構造改革を実施するための判断である。2022年7月期から2028年7月期までの売上高について、年平均成長率25%を目標とする。2026年7月期までを収益構造改革期、2027年7月期及び2028年7月期を成長加速期と位置付け、最終的に営業利益率30%を目指す。

2025年7月期は以下の戦略を重点的に推進する。

(1) 個人顧客向けの戦略
a) 対象顧客幅の拡大
個人顧客向けビジネスの成長戦略として対象顧客幅の拡大を図る。自社アプリについて、現状では出産前後世代の顧客には高いリーチと収益化を実現しているが、今後増加が見込まれるシニア世代等については、リーチは進んでいるものの、収益面の拡大余地は大きい。健康管理を目的とした自社アプリプロダクトの拡充を図るほか、健康応援企画等イベントを実施することで顧客データを一元管理し、活用基盤を強化することで、収益源となる協賛企業の拡大を図る。

b) 顧客当たりLTVの拡大
顧客の世帯支出のうち、住宅関連費や貯蓄・保険料を最注力領域、水道光熱費や車両費を注力開始領域とし、同社サービスを拡販することで顧客当たりLTVを拡大する。顧客接点として、インサイドセールスチャネルに加え、オンラインチャネルも併用して活動を進める。業務提携取引先については、産業領域を拡大すると同時に、産業別での採算性管理を徹底する。営業担当を明確化し、特に同社が高い効果を得られる取引先との連携を強化する。これにより新規獲得顧客(DB)当たりの収益性を2028年7月期において約7,000円(2024年7月期実績は約3,900円)まで高めるとしている。

c) 金融領域の提携強化
保険会社が抱える課題である営業職員チャネルの立て直しや、本業と非保険事業とのシナジー最大化のためのサポートを行うことで保険会社との協力関係を強化するとともに収益増を図る。営業職員チャネルの立て直しとしては、PoCで実施する見込顧客のデータ提供や顧客へのアプローチに関するノウハウ提供等を実施する。本業と非保険事業とのシナジー最大化については、同社のライフイベントマーケティングで培ったクロスセル等に関するノウハウを提供する。同社が想定する収益規模は、1年間の獲得DB数(出産前後の約40万世帯)に成約率とANP(年換算保険料)・粗利率(40%)の10年分を乗じた金額である、年間約数百億円が保険会社の想定粗利となる。同社では、このうち10~15%となる数十億円程度の収益を期待している。より広範囲に提携を強化することで新たなビジネスモデルを創出し、収益源を拡大する考えである。

(2) 法人顧客向けの戦略
a) 業務提携からの共同事業・JV(合弁企業)化模索
社会課題である少子化問題の解消に向けて、自社単独では実現できない事業を業務提携で実現し、課題解決につなげる。展開方針として、これまで同社が保険会社等との協業で実施した手順を応用する。まずは協業先との業務提携や業務受託の形で関係を構築し、その後特定のテーマに絞ったPoCを実施する。PoCで実現可能性を測り、共同事業やJVにより事業化を推進する。同社社長の佐藤竜也氏は、2024年8月に内閣官房による人口問題やこども・子育て支援を目的とする「気運醸成アドバイザー」に就任しており、獲得できる有識者や同志企業との人脈を生かして、官民連携による新規プロジェクト開発など、将来の成長に向けた活動が期待される。

2. トピックス
(1) メドレーとの協業開始
2024年9月、国内最大級の医療介護求人サイト「ジョブメドレー」を提供するメドレー<4480>との協業開始を発表した。高齢化社会の到来に伴い、医療・介護の需要が増加する一方で従事者不足が課題となるなか、メドレーが有する医療ケア領域における求人情報(2024年9月時点で45万件以上)と、同社が有する医療・介護関係の潜在人材に関する情報とのマッチング支援を行うことで、潜在人材が活躍できる機会を提供する考えだ。医療や介護業界で働く有資格者は出産を機に一旦職場から離れる場合が多く、そのような有資格者に出産後に働く機会や場所を提供することは、新たなライフステージに向けた重要な機会となる一方で、人材不足の医療や介護現場にとっては貴重な人材獲得手段となる。メドレーへの送客手数料が同社の収益源となり、2025年7月期の業績寄与度について現時点では明らかではないが、今後の状況を見守りたい。

(2) 新大陸との業務提携
2024年9月、住宅業界で650社以上の支援実績を持つ(株)新大陸との業務提携を発表した。新大陸は主に住宅業界を対象に、最先端のWebマーケティングをはじめとした経営コンサルティングを行っており、延べ650社以上の工務店等住宅会社を支援している。新大陸の有するSNSを中心とした集客・追客支援に関するノウハウに、同社のライフイベントデータに基づく顧客を連携することで、住宅会社とのマッチング支援をさらに強化する考えである。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)

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配信元: フィスコ
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