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HEROZのニュース
~生成AIと人の協働で業務効率化と生産性向上を実現~
株式会社NTTマーケティングアクトProCX(本社:大阪市都島区、代表取締役社長:長徳 慎二郎、以下、NTTマーケティングアクトProCX)と株式会社U-NEXT HOLDINGS(本社:東京都品川区、代表取締役社長CEO:宇野 康秀)のグループ会社である株式会社USEN NETWORKS(本社:東京都品川区、代表取締役社長:神田 一樹、以下、USEN NETWORKS)およびHEROZ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 林 隆弘・高橋 知裕、以下、HEROZ)は、2023年5月30日に生成AIを活用した「次世代型コンタクトセンター」プロジェクト(以下、本プロジェクト)を始動し、取り組んでまいりました。このたび、第一弾となる「オペレーターサポートの充実化による”生産性向上”」について大幅な業務改善を達成しましたことをお知らせします。
1.「次世代型コンタクトセンター」プロジェクトの背景と概要
コンタクトセンター業界においては、深刻な労働人口不足が共通の課題となるなか、優秀なオペレーターを採用・育成し、顧客満足度の高いサービスを継続的に提供することが求められています。この課題解決に向けたコンタクトセンター業界の変革を目指し、本プロジェクトでは、生成AIを活用した「生産性向上」・「マネジメント高度化」・「チャネル最適化」という3つのテーマに2023年5月30 日から取り組んでいます。
図1 2023年5月30日ニュースリリース時のプロジェクト全体像
<プロジェクトにおける各社の役割>
■NTTマーケティングアクトProCXの役割
顧客との応対履歴や各種ドキュメントの収集・分析を行い、「ChatGPT」(※1)へ取り込む最適なナレッジ構築のコンサルティングを通して、次世代型コンタクトセンター推進に向けた伴走支援パートナーとして運用課題に沿った業務支援などを実施しました。
■HEROZの役割
「Azure OpenAI Service」(※2)の導入コンサルティングサービスおよび、「ChatGPT」を利用した自社サービスの開発を支援します。
「Azure OpenAI Service」上において、企業内の規程や文書に沿ったCustomized「ChatGPT」を個別構築不要で活用できるサービス「HEROZ ASK」の提供を行いました。
■USEN NETWORKSの役割
USEN NETWORKSが運営しているカスタマーセンターへの生成AI(※3)の導入・活用を主導し、新たなユースケースを創出しました。
※1 OpenAI 社が開発/公開した、高度なAI技術によって人間のように自然な会話ができるチャットサービス
※2 Azure OpenAI Service AI の開発を行う団体であるOpenAIの技術を、マイクロソフト社が企業向けに提供するサービス
※3 機械学習を用いて音声、画像、テキストなどのデータを自動生成する技術
2.生成AIを活用した「生産性向上」への取り組み概要と成果について
本プロジェクトでは、USEN NETWORKSが提供する法人向け光回線サービス「USEN 光 plus」のコンタクトセンターというフィールドを活用し、オペレーターの生産性向上に役立つ2つのケース(応対支援機能、応対要約機能)の実現に取り組みました。
図2 オペレーターサポートツール導入イメージ
(1)応対支援機能によるATT削減の実現
USEN NETWORKSが運営する「USEN光 plus」のコンタクトセンターでは、日々多くのお問い合わせが寄せられます。その多種多様なお問い合わせに対して、お客様ごとの契約内容、契約期間、利用サービス内容などにあわせて、正しい答えを返すのは簡単なことではありません。ベテランオペレーターであってもマニュアルなどの社内資料を確認し、ときにはスーパーバイザーなど、より詳しい人に回答内容を確認してから返答するため、応対時間の長期化やお客様満足度の低下を招くことがありました。
そこで、本プロジェクトでは、日頃オペレーターがお客様応対時に参照する各種社内資料(商品マニュアル、料金マニュアル、取扱説明書、FAQ、トークスクリプトなど)およびUSEN NETWORKSが保有する独自データをAI(ChatGPT 3.5~4oモデル)に学習させることで、オペレーターがいつでも速やかに正しい回答を参照できる「応対支援機能」 の実現に取り組みました。
2023年11月に「応対支援機能」 の初期構築を完了しましたが、コンタクトセンターの現場でオペレーターがリアルタイムに利用できるよう継続的な精度向上に取り組むことで、FAQ正答率が当初15%であったものから80%にまで向上させ、オペレーターの平均応対時間を約14%改善することに成功しました。
(2)応対要約機能によるACW削減の実現
日々多くの入電がある「USEN光 plus」のコンタクトセンターでは、その応対内容を正確に管理し、応対履歴を残す運用を徹底しています。例えば、同一のお客様からの入電を別のオペレーターが受けた場合にも、以前の応対履歴を把握し最適な対応を行うことができます。しかし、その応対履歴の投入にはオペレーター自身で応対内容を思い出しながら要約を作成し、システムに投入する必要があるなど、お客様応対後の後処理時間が長期化する一因となっていました。
そこで、本プロジェクトでは、応対内容を自動で音声テキスト化し、その内容から文章の要点や重要なキーワードを抽出するため、活用のシーンに合わせた自動要約を行う「応対要約機能」 の実現に取り組みました。
本プロジェクト開始当初の要約精度は、一般的な要約を中心とするものであったため、業務に則したキーワードや重要項目を抽出することが困難な状況でした。今回、NTTマーケティングアクトProCXのノウハウを活用したチューニングなどにより、ほぼ補正することなくそのまま応対要約結果として転記できるようになったことで、オペレーターの平均後処理時間を約74%改善することに成功しました。
図3 効果検証結果(導入前後比較)
3.取り組みのポイント(キー・サクセス・ファクター)
上述の成果実現に至ったポイント(Key Success Factors)は次の3点です。
■ ナレッジデータベースの改修:
生成AIの回答精度をあげるためには、正しいデータを正しくインプットする必要があります。現時点のAIでは、人間が類推・解釈して判断するような応用力がないため、AIが理解できる形式でデータを提供することが肝要です。そのため、本プロジェクトでは、USEN NETWORKSが保有する各種データを、NTTマーケティングアクトProCXとHEROZにてAIが理解しやすい形式への変換や補正(元データのテキスト変換、表の正規化、用語の統一、専門用語の用語集作成、略語の是正、類似データのカテゴリ整理、主語述語が分かる文書整形など)を事前に行うとともに、プロンプトによる参照先の制御を行うなど各種改善を実施することで精度向上を実現しました。
■ 生成内容の評価:
「USEN光 plus」のオペレーターが真に利用できる精度のものになるまで、AIが回答生成した内容について評価と改善を繰り返し、その回答精度を向上させました。具体的には、生成された回答内容が“どの社内資料(社内ナレッジ)から生成されたか”の見える化を図るとともに、生成内容の精度を3段階で自己採点するプロンプトを作成し、セルフチェックを行いながら改善を図る仕組みを取り入れました。また最終的には、実際の利用者にあたるオペレーターによるユーザー評価チェック機能搭載で現状スコアの可視化を実現し、そのスコア向上に取り組みました。
■ 回答領域の拡充:
上記取り組みにより、生成AIの回答精度が60%を超えてきたところで、不足しているデータ(社内ナレッジ)を新たな社内資料として追加投入することで、さらなる回答精度の向上を目指しました。具体的には、実際のコンタクトセンターにおける利用者の検索傾向を分析し、不足していたナレッジを追加充足することで回答精度を80%まで引き上げることに成功しました。
今後は上記取り組みの継続的な運用による改善に加え、新たな機能追加やオペレーションに応じた細かな調整を重ねながら真にオペレーターの支援ツールとなるAIに育て上げていくとともに、本AIの活用領域を広げていくことで「次世代型コンタクトセンター」の実現に邁進してまいります。
図4ナレッジ検索の高度化におけるチューニングプロセス
(本事業代表者コメント)
■USEN NETWORKS
取締役副社長
山田 敏雅
「次世代型コンタクトセンター」の取り組みが、成果に結びついたことは大きな一歩であり、本プロジェクトに参加いただいた皆様へ感謝いたします。今後もお客様へ必要とされる“満足”をお届けするために、引き続き業務改善に努めてまいります。
■HEROZ
代表取締役CEO
林 隆弘
生成AIと人間の協働により、これまでにない高度なコンタクトセンター運営が可能となりました。今後も技術の革新を追求し、顧客の期待を超えるサービス提供を目指してまいります。
■NTTマーケティングアクトProCX
代表取締役社長
長徳 慎二郎
一緒にお取組みさせていただいたおかげで、成果が出てきたことを心から感謝いたします。検証を重ねて更に大きく貢献できるよう引き続き努力してまいります。
4.今後の展開
NTTマーケティングアクトProCX、HEROZ、USEN NETWORKSは、「生産性向上」についてもさらなる向上を目指します。さらに、「次世代型コンタクトセンター」の実現に向けて「チャネル最適化」、「マネジメント高度化」についてもAIと人の協働を深化させたソリューションを開発・構築・運営し、本プロジェクトの加速化を図ってまいります。
図5 今後の展開イメージ
株式会社NTTマーケティングアクトProCX(本社:大阪市都島区、代表取締役社長:長徳 慎二郎、以下、NTTマーケティングアクトProCX)と株式会社U-NEXT HOLDINGS(本社:東京都品川区、代表取締役社長CEO:宇野 康秀)のグループ会社である株式会社USEN NETWORKS(本社:東京都品川区、代表取締役社長:神田 一樹、以下、USEN NETWORKS)およびHEROZ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 林 隆弘・高橋 知裕、以下、HEROZ)は、2023年5月30日に生成AIを活用した「次世代型コンタクトセンター」プロジェクト(以下、本プロジェクト)を始動し、取り組んでまいりました。このたび、第一弾となる「オペレーターサポートの充実化による”生産性向上”」について大幅な業務改善を達成しましたことをお知らせします。
1.「次世代型コンタクトセンター」プロジェクトの背景と概要
コンタクトセンター業界においては、深刻な労働人口不足が共通の課題となるなか、優秀なオペレーターを採用・育成し、顧客満足度の高いサービスを継続的に提供することが求められています。この課題解決に向けたコンタクトセンター業界の変革を目指し、本プロジェクトでは、生成AIを活用した「生産性向上」・「マネジメント高度化」・「チャネル最適化」という3つのテーマに2023年5月30 日から取り組んでいます。
図1 2023年5月30日ニュースリリース時のプロジェクト全体像
<プロジェクトにおける各社の役割>
■NTTマーケティングアクトProCXの役割
顧客との応対履歴や各種ドキュメントの収集・分析を行い、「ChatGPT」(※1)へ取り込む最適なナレッジ構築のコンサルティングを通して、次世代型コンタクトセンター推進に向けた伴走支援パートナーとして運用課題に沿った業務支援などを実施しました。
■HEROZの役割
「Azure OpenAI Service」(※2)の導入コンサルティングサービスおよび、「ChatGPT」を利用した自社サービスの開発を支援します。
「Azure OpenAI Service」上において、企業内の規程や文書に沿ったCustomized「ChatGPT」を個別構築不要で活用できるサービス「HEROZ ASK」の提供を行いました。
■USEN NETWORKSの役割
USEN NETWORKSが運営しているカスタマーセンターへの生成AI(※3)の導入・活用を主導し、新たなユースケースを創出しました。
※1 OpenAI 社が開発/公開した、高度なAI技術によって人間のように自然な会話ができるチャットサービス
※2 Azure OpenAI Service AI の開発を行う団体であるOpenAIの技術を、マイクロソフト社が企業向けに提供するサービス
※3 機械学習を用いて音声、画像、テキストなどのデータを自動生成する技術
2.生成AIを活用した「生産性向上」への取り組み概要と成果について
本プロジェクトでは、USEN NETWORKSが提供する法人向け光回線サービス「USEN 光 plus」のコンタクトセンターというフィールドを活用し、オペレーターの生産性向上に役立つ2つのケース(応対支援機能、応対要約機能)の実現に取り組みました。
図2 オペレーターサポートツール導入イメージ
(1)応対支援機能によるATT削減の実現
USEN NETWORKSが運営する「USEN光 plus」のコンタクトセンターでは、日々多くのお問い合わせが寄せられます。その多種多様なお問い合わせに対して、お客様ごとの契約内容、契約期間、利用サービス内容などにあわせて、正しい答えを返すのは簡単なことではありません。ベテランオペレーターであってもマニュアルなどの社内資料を確認し、ときにはスーパーバイザーなど、より詳しい人に回答内容を確認してから返答するため、応対時間の長期化やお客様満足度の低下を招くことがありました。
そこで、本プロジェクトでは、日頃オペレーターがお客様応対時に参照する各種社内資料(商品マニュアル、料金マニュアル、取扱説明書、FAQ、トークスクリプトなど)およびUSEN NETWORKSが保有する独自データをAI(ChatGPT 3.5~4oモデル)に学習させることで、オペレーターがいつでも速やかに正しい回答を参照できる「応対支援機能」 の実現に取り組みました。
2023年11月に「応対支援機能」 の初期構築を完了しましたが、コンタクトセンターの現場でオペレーターがリアルタイムに利用できるよう継続的な精度向上に取り組むことで、FAQ正答率が当初15%であったものから80%にまで向上させ、オペレーターの平均応対時間を約14%改善することに成功しました。
(2)応対要約機能によるACW削減の実現
日々多くの入電がある「USEN光 plus」のコンタクトセンターでは、その応対内容を正確に管理し、応対履歴を残す運用を徹底しています。例えば、同一のお客様からの入電を別のオペレーターが受けた場合にも、以前の応対履歴を把握し最適な対応を行うことができます。しかし、その応対履歴の投入にはオペレーター自身で応対内容を思い出しながら要約を作成し、システムに投入する必要があるなど、お客様応対後の後処理時間が長期化する一因となっていました。
そこで、本プロジェクトでは、応対内容を自動で音声テキスト化し、その内容から文章の要点や重要なキーワードを抽出するため、活用のシーンに合わせた自動要約を行う「応対要約機能」 の実現に取り組みました。
本プロジェクト開始当初の要約精度は、一般的な要約を中心とするものであったため、業務に則したキーワードや重要項目を抽出することが困難な状況でした。今回、NTTマーケティングアクトProCXのノウハウを活用したチューニングなどにより、ほぼ補正することなくそのまま応対要約結果として転記できるようになったことで、オペレーターの平均後処理時間を約74%改善することに成功しました。
図3 効果検証結果(導入前後比較)
3.取り組みのポイント(キー・サクセス・ファクター)
上述の成果実現に至ったポイント(Key Success Factors)は次の3点です。
■ ナレッジデータベースの改修:
生成AIの回答精度をあげるためには、正しいデータを正しくインプットする必要があります。現時点のAIでは、人間が類推・解釈して判断するような応用力がないため、AIが理解できる形式でデータを提供することが肝要です。そのため、本プロジェクトでは、USEN NETWORKSが保有する各種データを、NTTマーケティングアクトProCXとHEROZにてAIが理解しやすい形式への変換や補正(元データのテキスト変換、表の正規化、用語の統一、専門用語の用語集作成、略語の是正、類似データのカテゴリ整理、主語述語が分かる文書整形など)を事前に行うとともに、プロンプトによる参照先の制御を行うなど各種改善を実施することで精度向上を実現しました。
■ 生成内容の評価:
「USEN光 plus」のオペレーターが真に利用できる精度のものになるまで、AIが回答生成した内容について評価と改善を繰り返し、その回答精度を向上させました。具体的には、生成された回答内容が“どの社内資料(社内ナレッジ)から生成されたか”の見える化を図るとともに、生成内容の精度を3段階で自己採点するプロンプトを作成し、セルフチェックを行いながら改善を図る仕組みを取り入れました。また最終的には、実際の利用者にあたるオペレーターによるユーザー評価チェック機能搭載で現状スコアの可視化を実現し、そのスコア向上に取り組みました。
■ 回答領域の拡充:
上記取り組みにより、生成AIの回答精度が60%を超えてきたところで、不足しているデータ(社内ナレッジ)を新たな社内資料として追加投入することで、さらなる回答精度の向上を目指しました。具体的には、実際のコンタクトセンターにおける利用者の検索傾向を分析し、不足していたナレッジを追加充足することで回答精度を80%まで引き上げることに成功しました。
今後は上記取り組みの継続的な運用による改善に加え、新たな機能追加やオペレーションに応じた細かな調整を重ねながら真にオペレーターの支援ツールとなるAIに育て上げていくとともに、本AIの活用領域を広げていくことで「次世代型コンタクトセンター」の実現に邁進してまいります。
図4ナレッジ検索の高度化におけるチューニングプロセス
(本事業代表者コメント)
■USEN NETWORKS
取締役副社長
山田 敏雅
「次世代型コンタクトセンター」の取り組みが、成果に結びついたことは大きな一歩であり、本プロジェクトに参加いただいた皆様へ感謝いたします。今後もお客様へ必要とされる“満足”をお届けするために、引き続き業務改善に努めてまいります。
■HEROZ
代表取締役CEO
林 隆弘
生成AIと人間の協働により、これまでにない高度なコンタクトセンター運営が可能となりました。今後も技術の革新を追求し、顧客の期待を超えるサービス提供を目指してまいります。
■NTTマーケティングアクトProCX
代表取締役社長
長徳 慎二郎
一緒にお取組みさせていただいたおかげで、成果が出てきたことを心から感謝いたします。検証を重ねて更に大きく貢献できるよう引き続き努力してまいります。
4.今後の展開
NTTマーケティングアクトProCX、HEROZ、USEN NETWORKSは、「生産性向上」についてもさらなる向上を目指します。さらに、「次世代型コンタクトセンター」の実現に向けて「チャネル最適化」、「マネジメント高度化」についてもAIと人の協働を深化させたソリューションを開発・構築・運営し、本プロジェクトの加速化を図ってまいります。
図5 今後の展開イメージ
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