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【IRアナリストレポート】メディカルシステムネットワーク(4350)

著者:鈴木 行生
投稿:2024/02/26 10:57

~薬局のネットワーク事業で業界No.1、地域薬局支援事業を拡大~

【ポイント】
・今2024年3月期の業績は好調である。処方箋枚数が伸びていることによる。調剤報酬に関わる地域支援体制加算の一巡で、調剤薬局の収益が落ちるとみていたが、その影響が軽減している。一方、薬局支援3事業の顧客開拓は伸びているものの、計画に届いていない。

・来期は、診療報酬改定の影響が相対的に軽微に留まり、3事業の巻き返しも進展するので、業績はピーク利益を更新しよう。

・地域包括ケアの中で、「未病・予防-医療-介護」を支える「かかりつけ薬局」への対応で領域を広げている。中期4ヵ年計画では、地域薬局を支える3つの事業をリード役に成長を確実なものにしていく。独自の医薬品ネットワーク事業は、1.2万件の加盟件数、業界シェア20%を目指す。流通の効率化とサービスの多様化が進展しよう。

・薬局のデジタルシフトをサポートするデジタルシフト事業は、「つながる薬局」のアプリをネットワーク加盟店以外にも拡大し、全国で2万店を目指す。月額課金のサブスク型で、サービスの高付加価値化に結び付けていく。LINE公式アカウントの友だち登録数を、今期100万人、将来は1000万人を目指す。

・ジェネリック医薬品の製造販売は、既に薬局のネットワークがあるので、ここに良質の医薬品を効率よく提供していく。販売額ベースで年商100億円を目指すが、供給の制約が影響しやや遅れている。今後挽回を図っていく。

・中計では、これらの3事業で30億円の増益効果を見ており、地域薬局も単品単価をベースに交渉する仕組みを作り上げたので、一定の範囲で安定性を高めよう。収益構造の転換が進展しつつあり、2026年3月期の営業利益は、中期計画の65億円へ向けて前進しよう。

・昨年10月よりスタンダード市場に移行した。これによるビジネスへの影響はほとんどない。4ヵ年計画の進展で、フリーキャッシュ・フローは積み上がる方向にあり、ROE 15%も達成できよう。株式市場での評価は、3事業の進展とともに高まってこよう。

目次
1.特色 薬局に独自のネットワークシステムを築く
2.強み 薬局のネットワークで圧倒的トップを確立
3.中期経営方針 新たなプラットフォームによる企業価値創造に向けて
4.当面の業績 2025年3月期はピーク利益の更新へ
5.企業評価 医薬品ネットワーク部門を柱とした連携効果に注目

メディカルシステムネットワーク <4350>
企業レーティング
株価
(2024年2月22日)
629円
時価総額 193億円
(30.64百万株)
PBR 1.22倍
ROE 12.9%
PER 9.5倍
配当利回り 1.9%
総資産 67503百万円
純資産 15607百万円
自己資本比率 23.1%
BPS 515.7円
(百万円、円)
決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益 EPS 配当
2015.3 75548 2641 2540 885 37.1 8.0
2016.3 87715 3783 3860 1720 60.1 9.5
2017.3 88865 2113 2109 571 19.3 10.0
2018.3 93977 3163 3250 1022 34.5 10.0
2019.3 98232 1428 1501 462 15.3 10.0
2020.3 105241 1615 1560 -895 -29.5 10.0
2021.3 104257 3429 3479 2198 72.5 10.0
2022.3 106685 3852 4313 2394 79.4 12.0
2023.3 109551 3163 3355 1610 53.4 12.0
2024.3(予) 115000 3800 3750 2000 66.3 12.0
2025.3(予) 120000 4500 4400 2300 76.2 14.0

(2023.12ベース)

(注)ROE、PER、配当利回りは今期予想ベース。

企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。

レポート全文はこちらから
https://www.belletk.com/medelikarusisutemuneltutowa%2dku202402.pdf

日本ベル投資研究所の過去レポートはこちらから

配信元: みんかぶ株式コラム
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