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■業績の動向
● 2018年3月期第3四半期決算の概要
Eストアー<4304>の2018年3月期第3四半期決算は、売上高3,815百万円(前年同期比6.8%増)、営業利益419百万円(同27.4%増)、経常利益446百万円(同38.1%増)、四半期純利益305百万円(同38.3%増)と、増収増益で着地した。
通期予想に対する進捗率を見ると、売上高は76.5%と全体の4分の3をわずかに超える一方、利益面では営業利益以下のすべての利益項目が100%超え、すなわち通期予想を上回っており、極めて順調に進捗していることがうかがえる。
前述のように、第3四半期の利益面での進捗率が通期予想に対して100%超となったが、同社はこの結果を手放しで喜んでいるわけではない。第3四半期に利益が伸びた要因について、1)投資(主として人材獲得費用及び採用後の人件費)が予定よりも遅れている、2)大規模組織改編の影響で一時的に人件費が減少した、3)大規模組織改編の影響で広告宣伝費の見直しをおこない計画を下回った、の3つの要因が大きいと、冷静に分析している。大規模組織改編については成長戦略の項で詳述するが、キーマン(幹部)ポストにおける大幅な若返り人事の断行がその中心的内容だ。
一方、売上高についても、同社自身は決して満足していない。前述のように、同社は収入のタイプ別に事業を区分し、ストック、フロウ、マーケティング及びメディアの4つに分けて内訳を公表している。今第3四半期は、ストック収入が1,405百万円(前年同期比5.4%減)、フロウ収入が1,543百万円(同4.2%増)、マーケティング収入が842百万円(同49.0%増)、メディアその他が26百万円(同40.1%減)となった。
現状、同社が最も注力しているのはマーケティング収入であり、ここは50%近い増収となり、通期売上高が10億円超となることが見えてきているため、同社の期待どおりに進捗していると言える。しかしフロウ収入とストック収入については、同社の期待値には届かなかったものとみられる。
弊社では、今第3四半期決算について、素直に好決算と評価できる内容だったと考えている。売上高については、マーケティング収入の伸びはストック収入の減収を補って余りあるものであった。また、フロウ収入の増収は、マーケティング事業からのシナジー効果(あるいは波及効果)の結果であり、これはその事業構造に照らすと今後も継続が期待できると考えている。利益面については、同社自身は上記3つの理由のうち、2)と3)について“一時的”なものとしているが、恒久的・構造的なものへとなる可能性もある(詳細は後述)。今第3四半期決算の好業績は、前述した7年サイクルの収益基盤事業の変遷や社内での人材育成が実を結んだ結果であり、かつ、将来の成長につながる様々な要素を包含しているという点で、非常に示唆に富む、良い決算だと弊社では考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
<TN>
● 2018年3月期第3四半期決算の概要
Eストアー<4304>の2018年3月期第3四半期決算は、売上高3,815百万円(前年同期比6.8%増)、営業利益419百万円(同27.4%増)、経常利益446百万円(同38.1%増)、四半期純利益305百万円(同38.3%増)と、増収増益で着地した。
通期予想に対する進捗率を見ると、売上高は76.5%と全体の4分の3をわずかに超える一方、利益面では営業利益以下のすべての利益項目が100%超え、すなわち通期予想を上回っており、極めて順調に進捗していることがうかがえる。
前述のように、第3四半期の利益面での進捗率が通期予想に対して100%超となったが、同社はこの結果を手放しで喜んでいるわけではない。第3四半期に利益が伸びた要因について、1)投資(主として人材獲得費用及び採用後の人件費)が予定よりも遅れている、2)大規模組織改編の影響で一時的に人件費が減少した、3)大規模組織改編の影響で広告宣伝費の見直しをおこない計画を下回った、の3つの要因が大きいと、冷静に分析している。大規模組織改編については成長戦略の項で詳述するが、キーマン(幹部)ポストにおける大幅な若返り人事の断行がその中心的内容だ。
一方、売上高についても、同社自身は決して満足していない。前述のように、同社は収入のタイプ別に事業を区分し、ストック、フロウ、マーケティング及びメディアの4つに分けて内訳を公表している。今第3四半期は、ストック収入が1,405百万円(前年同期比5.4%減)、フロウ収入が1,543百万円(同4.2%増)、マーケティング収入が842百万円(同49.0%増)、メディアその他が26百万円(同40.1%減)となった。
現状、同社が最も注力しているのはマーケティング収入であり、ここは50%近い増収となり、通期売上高が10億円超となることが見えてきているため、同社の期待どおりに進捗していると言える。しかしフロウ収入とストック収入については、同社の期待値には届かなかったものとみられる。
弊社では、今第3四半期決算について、素直に好決算と評価できる内容だったと考えている。売上高については、マーケティング収入の伸びはストック収入の減収を補って余りあるものであった。また、フロウ収入の増収は、マーケティング事業からのシナジー効果(あるいは波及効果)の結果であり、これはその事業構造に照らすと今後も継続が期待できると考えている。利益面については、同社自身は上記3つの理由のうち、2)と3)について“一時的”なものとしているが、恒久的・構造的なものへとなる可能性もある(詳細は後述)。今第3四半期決算の好業績は、前述した7年サイクルの収益基盤事業の変遷や社内での人材育成が実を結んだ結果であり、かつ、将来の成長につながる様々な要素を包含しているという点で、非常に示唆に富む、良い決算だと弊社では考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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