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森六ホールディングスのニュース
■森六ホールディングス<4249>の今後の見通し
1. 2022年3月期の業績見通し
売上高1,360億円、営業利益30億円、経常利益32億円、親会社株主に帰属する当期純利益52億円としている。半導体供給不足による減産の影響が大きくなっているが、政策投資株式縮減に伴う売却益でカバーした形となっている。政策保有株式の縮減は計画に沿うものであり、長期的に10%以下とする目標に向け、2022年3月までに20%を切るよう売却を行う。
2. 事業セグメント別業績
(1) 樹脂加工製品事業
樹脂加工製品事業は年明けからの挽回生産を見込む。減産の間も人員を確保し、トレーニングを行うと共に工程を見直し、体質強化を図っている。売上高は、前年同期比12%増の1,045億円を予想している。営業利益は、13億円であり、これは前年同期比71.6%減である。
(2) ケミカル事業
ケミカル事業は、ナフサ価格高止まりの中、自動車向け樹脂、塗料などが堅調に推移すると予想する。売上高は前年同期比18.3%増の315億円を見込み、営業利益は前年同期比36.7%増の19億円を見込む。
3. 中期経営計画の進捗状況と今後の見通し
(1) 中期経営計画の進捗状況
2019年5月、3ヶ年の第12次中期経営計画を策定した。「第12次中期経営計画」では、環境変化を先取りし、新事業創造と変革に挑み続けることでグローバル市場で勝ち抜ける事業基盤を構築するという基本方針のもと、「経営基盤強化」「付加価値創造」「事業構造変革」の3つを基本戦略の柱に掲げている。2年目にあたる2021年3月期は、コロナ禍や半導体不足の影響を受けつつも、従業員の安全と事業の継続を最優先しながら、各拠点の収益性の向上や、事業領域の拡大を行ってきた。2022年3月期も「第12次中期経営計画」で掲げた目標の達成を目指す。自動車部品と化学品を扱う企業として、社会課題の解決につながる製品開発や、化学の知見を活かした地球環境への貢献など、サステナブルな社会の実現に向けた取り組みを続ける。
今期で終了する第12次中期経営計画では、売上高2,000億円以上、営業利益率5.0%以上、ROE9.0%以上、株主総還元性向30%以上、戦略事業投資に350億円を掲げる。KPIとして、樹脂加工製品事業で売上高1,200億円、営業利益85億円、ケミカル事業では売上高850億円、営業利益25億円を目標とする。
3か年累計の達成状況は、コロナ禍の影響もあり、売上高93%、連結営業利益59%、戦略事業投資308億円の見通しである。しかし、生産台数が増えれば利益が出せるよう工場のファウンデーションの整備や人材トレーニングを行い、QCD改善向上は進めている。これらの成果は、来期からの新しい中期経営計画に反映させる予定である。
なお、2022年3月期の配当性向は30%の予想であり、目標を達成する見通しである。
長期経営ビジョンにおいて、2013~2021年度を1st Stage「400年企業に向けた変革の実現」と位置付け、2022~2030年度を2nd Stageとして次の中期経営計画を策定中である。
(2) 今後の見通し
樹脂加工事業において、複数の自動車メーカーとの取引を拡大させ、全体の売上拡大につなげる予定である。
EV化はパワートレイン周りの部品数減少になるため、自動車の部品製造を請け負う企業にはマイナス要因となりうる。しかし、森六の樹脂部品は外装内装を主とするため、EV化は大きく影響しない。むしろEV化による出力低下で車体の軽量化が求められるため、樹脂部品の増加が見込めると考える。質感が問題とならない軽自動車や海外市場では外装の樹脂化は受け入れられやすい。樹脂部品の軽量化は売上減少要因ともなるが、森六は外装部品の樹脂化を進めることで市場のニーズに応え、取扱総量を増やし、売上を増加させることができると考える。
ケミカル事業においては、化学品の合成受託を行う五興化成工業について、8億円強の投資を行い生産設備の全面刷新と研究開発機能の強化を決定した。2026年までに、新設備の導入を終えて売上高を約2倍に増強し、これまでできなかった溶剤系の反応や高温高圧の化学合成にも対応できるようにすることで、受注の拡大と新規顧客の獲得を狙う。中期的には、受託ビジネスに留まらず自社オリジナル製品の開発にも注力することで、収益拡大を図る。コロナ禍において減額ではあるものの、設備及び研究開発費への投資は続け、人員の確保とあわせてコロナ収束後の挽回生産、事業拡大への準備はできている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 大川 勇一郎)
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1. 2022年3月期の業績見通し
売上高1,360億円、営業利益30億円、経常利益32億円、親会社株主に帰属する当期純利益52億円としている。半導体供給不足による減産の影響が大きくなっているが、政策投資株式縮減に伴う売却益でカバーした形となっている。政策保有株式の縮減は計画に沿うものであり、長期的に10%以下とする目標に向け、2022年3月までに20%を切るよう売却を行う。
2. 事業セグメント別業績
(1) 樹脂加工製品事業
樹脂加工製品事業は年明けからの挽回生産を見込む。減産の間も人員を確保し、トレーニングを行うと共に工程を見直し、体質強化を図っている。売上高は、前年同期比12%増の1,045億円を予想している。営業利益は、13億円であり、これは前年同期比71.6%減である。
(2) ケミカル事業
ケミカル事業は、ナフサ価格高止まりの中、自動車向け樹脂、塗料などが堅調に推移すると予想する。売上高は前年同期比18.3%増の315億円を見込み、営業利益は前年同期比36.7%増の19億円を見込む。
3. 中期経営計画の進捗状況と今後の見通し
(1) 中期経営計画の進捗状況
2019年5月、3ヶ年の第12次中期経営計画を策定した。「第12次中期経営計画」では、環境変化を先取りし、新事業創造と変革に挑み続けることでグローバル市場で勝ち抜ける事業基盤を構築するという基本方針のもと、「経営基盤強化」「付加価値創造」「事業構造変革」の3つを基本戦略の柱に掲げている。2年目にあたる2021年3月期は、コロナ禍や半導体不足の影響を受けつつも、従業員の安全と事業の継続を最優先しながら、各拠点の収益性の向上や、事業領域の拡大を行ってきた。2022年3月期も「第12次中期経営計画」で掲げた目標の達成を目指す。自動車部品と化学品を扱う企業として、社会課題の解決につながる製品開発や、化学の知見を活かした地球環境への貢献など、サステナブルな社会の実現に向けた取り組みを続ける。
今期で終了する第12次中期経営計画では、売上高2,000億円以上、営業利益率5.0%以上、ROE9.0%以上、株主総還元性向30%以上、戦略事業投資に350億円を掲げる。KPIとして、樹脂加工製品事業で売上高1,200億円、営業利益85億円、ケミカル事業では売上高850億円、営業利益25億円を目標とする。
3か年累計の達成状況は、コロナ禍の影響もあり、売上高93%、連結営業利益59%、戦略事業投資308億円の見通しである。しかし、生産台数が増えれば利益が出せるよう工場のファウンデーションの整備や人材トレーニングを行い、QCD改善向上は進めている。これらの成果は、来期からの新しい中期経営計画に反映させる予定である。
なお、2022年3月期の配当性向は30%の予想であり、目標を達成する見通しである。
長期経営ビジョンにおいて、2013~2021年度を1st Stage「400年企業に向けた変革の実現」と位置付け、2022~2030年度を2nd Stageとして次の中期経営計画を策定中である。
(2) 今後の見通し
樹脂加工事業において、複数の自動車メーカーとの取引を拡大させ、全体の売上拡大につなげる予定である。
EV化はパワートレイン周りの部品数減少になるため、自動車の部品製造を請け負う企業にはマイナス要因となりうる。しかし、森六の樹脂部品は外装内装を主とするため、EV化は大きく影響しない。むしろEV化による出力低下で車体の軽量化が求められるため、樹脂部品の増加が見込めると考える。質感が問題とならない軽自動車や海外市場では外装の樹脂化は受け入れられやすい。樹脂部品の軽量化は売上減少要因ともなるが、森六は外装部品の樹脂化を進めることで市場のニーズに応え、取扱総量を増やし、売上を増加させることができると考える。
ケミカル事業においては、化学品の合成受託を行う五興化成工業について、8億円強の投資を行い生産設備の全面刷新と研究開発機能の強化を決定した。2026年までに、新設備の導入を終えて売上高を約2倍に増強し、これまでできなかった溶剤系の反応や高温高圧の化学合成にも対応できるようにすることで、受注の拡大と新規顧客の獲得を狙う。中期的には、受託ビジネスに留まらず自社オリジナル製品の開発にも注力することで、収益拡大を図る。コロナ禍において減額ではあるものの、設備及び研究開発費への投資は続け、人員の確保とあわせてコロナ収束後の挽回生産、事業拡大への準備はできている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 大川 勇一郎)
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