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日本カーバイド工業のニュース
■要約
日本カーバイド工業<4064>は、硫酸アンモニウム製造をハーバーボッシュ法により行うことを目的として1926年に設立された東洋窒素工業株式会社を前身とし、東洋窒素工業がアセチレン系化学工業を興すことを目的に、新会社を設立することになり、1935年に誕生した。カーバイドを原料として、当時、最先端化学工業としてアセチレン誘導工業の拡大を支え、戦前は石灰窒素肥料等、戦後は塩化ビニル樹脂、メラミン、その他有機合成群を製造し成長した。また多角化の一環として、1976年に屋外マーキング用フィルム、1980年に電子材料事業、1990年にプリント配線板事業、1991年には再帰反射シート事業にも進出した。
1. 事業概要
1980年代、バブル景気を背景に様々な事業に参入し売上高を拡大していったが、バブル崩壊とともに投資負担がのしかかり収益が低迷した。1992年3月期に売上高90,213百万円と過去最大の売上高を計上するものの、純利益は投資負担増や特別損失計上もあり193百万円の損失を計上した。また、1993年3月期は営業利益1,841百万円と最高営業利益更新ながら税引利益段階では805百万円の損失を計上した。その後、売上減少のなかで事業再編を余儀なくされ、2004年3月期には47,479百万円まで売上高が縮小した。
しかし、事業再編の一方でスペシャリティケミカルの拡大などが進展し徐々に売上高が拡大。収益性も向上し、リーマンショック後の2010年3月期には売上高こそ46,939百万円とピーク時の52%まで縮小したものの、利益面では黒字を維持、2011年3月期には経常利益4,401百万円と最高益更新を果たした。その後、グローバル化推進や研究開発投資負担増など先行投資負担がかさみ、もうひとつ伸び悩んでいるものの、コア技術である樹脂重合技術、フィルム・シート技術、焼成技術を軸に様々な製品・サービスを提供する企業グループとして新たな成長を目指している。
2. 2019年3月期の業績概要
2019年3月期業績は、売上高48,651百万円(前期比4.2%減)、営業利益2,649百万円(同18.0%減)、経常利益3,119百万円(同7.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,800百万円(同34.2%減)となった。国内需要の伸び悩みや住宅着工減などで減収となり、利益面では原材料高や輸送費の上昇などが影響し、営業利益では2ケタ減益となった。
3. 2020年3月期の業績見通し
2020年3月期通期の連結業績予想については、売上高51,000百万円(前期比4.8%増)、営業利益2,700百万円(同1.9%増)、経常利益2,950百万円(同5.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益2,000百万円(同11.1%増)と増収経常減益の見通し。同社は新たに中期経営計画「NCI-2021」を策定し、コア事業で2022年3月期に売上高420億円(全体では570億円)、コア事業の営業利益45億円を目指すが、2020年3月期は中期経営計画初年度ということもあり、先行投資負担なども影響し、利益の伸びが抑えられる見通し。なお、米中貿易摩擦、半導体やスマートフォンなどの低迷などを受け、上期は1.1%増収ながら営業利益は34.0%減益を見込み、新製品寄与などの効果が下期に発揮されるとの前提となっている。現状、米中問題の長期化が懸念されており、上期については会社想定以上の混乱があり得る局面で、上期収益の達成に不透明感が増しており、通期業績達成には一段の努力が必要になるとみられる。
■Key Points
・ 樹脂重合技術、フィルム・シート技術、 焼成技術を軸に、様々な製品・サービスを提供する企業グループ
・2019年3月期は売上高48,651百万円、2020年3月期の売上高は前期比4.8%増の51,000百万円を見込む
・高付加価値ビジネスを成長戦略に、2026年3月期コア売上500億円、営業利益60億円を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 岡本 弘)
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日本カーバイド工業<4064>は、硫酸アンモニウム製造をハーバーボッシュ法により行うことを目的として1926年に設立された東洋窒素工業株式会社を前身とし、東洋窒素工業がアセチレン系化学工業を興すことを目的に、新会社を設立することになり、1935年に誕生した。カーバイドを原料として、当時、最先端化学工業としてアセチレン誘導工業の拡大を支え、戦前は石灰窒素肥料等、戦後は塩化ビニル樹脂、メラミン、その他有機合成群を製造し成長した。また多角化の一環として、1976年に屋外マーキング用フィルム、1980年に電子材料事業、1990年にプリント配線板事業、1991年には再帰反射シート事業にも進出した。
1. 事業概要
1980年代、バブル景気を背景に様々な事業に参入し売上高を拡大していったが、バブル崩壊とともに投資負担がのしかかり収益が低迷した。1992年3月期に売上高90,213百万円と過去最大の売上高を計上するものの、純利益は投資負担増や特別損失計上もあり193百万円の損失を計上した。また、1993年3月期は営業利益1,841百万円と最高営業利益更新ながら税引利益段階では805百万円の損失を計上した。その後、売上減少のなかで事業再編を余儀なくされ、2004年3月期には47,479百万円まで売上高が縮小した。
しかし、事業再編の一方でスペシャリティケミカルの拡大などが進展し徐々に売上高が拡大。収益性も向上し、リーマンショック後の2010年3月期には売上高こそ46,939百万円とピーク時の52%まで縮小したものの、利益面では黒字を維持、2011年3月期には経常利益4,401百万円と最高益更新を果たした。その後、グローバル化推進や研究開発投資負担増など先行投資負担がかさみ、もうひとつ伸び悩んでいるものの、コア技術である樹脂重合技術、フィルム・シート技術、焼成技術を軸に様々な製品・サービスを提供する企業グループとして新たな成長を目指している。
2. 2019年3月期の業績概要
2019年3月期業績は、売上高48,651百万円(前期比4.2%減)、営業利益2,649百万円(同18.0%減)、経常利益3,119百万円(同7.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,800百万円(同34.2%減)となった。国内需要の伸び悩みや住宅着工減などで減収となり、利益面では原材料高や輸送費の上昇などが影響し、営業利益では2ケタ減益となった。
3. 2020年3月期の業績見通し
2020年3月期通期の連結業績予想については、売上高51,000百万円(前期比4.8%増)、営業利益2,700百万円(同1.9%増)、経常利益2,950百万円(同5.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益2,000百万円(同11.1%増)と増収経常減益の見通し。同社は新たに中期経営計画「NCI-2021」を策定し、コア事業で2022年3月期に売上高420億円(全体では570億円)、コア事業の営業利益45億円を目指すが、2020年3月期は中期経営計画初年度ということもあり、先行投資負担なども影響し、利益の伸びが抑えられる見通し。なお、米中貿易摩擦、半導体やスマートフォンなどの低迷などを受け、上期は1.1%増収ながら営業利益は34.0%減益を見込み、新製品寄与などの効果が下期に発揮されるとの前提となっている。現状、米中問題の長期化が懸念されており、上期については会社想定以上の混乱があり得る局面で、上期収益の達成に不透明感が増しており、通期業績達成には一段の努力が必要になるとみられる。
■Key Points
・ 樹脂重合技術、フィルム・シート技術、 焼成技術を軸に、様々な製品・サービスを提供する企業グループ
・2019年3月期は売上高48,651百万円、2020年3月期の売上高は前期比4.8%増の51,000百万円を見込む
・高付加価値ビジネスを成長戦略に、2026年3月期コア売上500億円、営業利益60億円を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 岡本 弘)
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