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ティアンドエスグループのニュース
*14:33JST ティアンドエス Research Memo(3):トータルソリューションを提供する独立系ソフトウェア受託開発企業(2)
■会社概要
5. 先進技術ソリューションカテゴリー
先進技術ソリューションカテゴリーは、今後の成長と新たな収益源になることが期待できる事業分野だ。同カテゴリーが新設されたのは約4年前だが、早くも収益化に成功している。2022年11月期の売上高は、前期比44.9%増(75百万円増)の242百万円となり、売上高全体に占める割合は、7.4%(前期は6.1%)に高まっている。同カテゴリーでは、ネットワーク・画像認識・画像処理・ハードウェア制御等の最新かつ高度な技術を駆使して、ソフトウェアの高機能化及び品質向上を実現する各種サービスを提供している。ティアンドエス<4055>は、特に画像認識の分野に強みを持ち、大手企業の研究開発などの支援を積極的に行っている。具体的には、日本電気<6701>(NEC)、(株)日立ハイテク、本田技研工業<7267>、オムロン<6645>をはじめとする大手企業に対して、世界中にあるAIアルゴリズムの中から顧客のニーズに最も沿ったAIアルゴリズムを見つけ出し、実装・テストをして使用可能かどうかを検証したうえで提案をするという独自のビジネスモデルを構築している。自社でゼロからAIアルゴリズムを構築するのに比べ、幅広い業種の顧客に対応することができ、多くの収益機会を得ることができることに加え、このようなビジネスモデルを行っている企業が他にいないことも強みとなっている。また、自社の社員が常に最新のAIアルゴリズムに触れていることによりAIの最新動向を把握することができ、顧客により先進的な提案をすることができることも同ビジネスモデルの特徴だ。最先端技術を扱う同カテゴリーにおいて、顧客の課題を解決できる付加価値の高いソリューションを提供するために、博士号やそれに準ずる知識を有するソフトウェア技術者を積極的に採用している。
6. 研究開発
同社は、より高い付加価値を提供するビジネスモデルへと移行するために、研究開発を積極的に行いOnly One Technologyの獲得を目指している。具体的には、「スピントロニクス技術を搭載した次世代メモリとAIの融合」をテーマに東北大学国際集積エレクトロニクス研究開発センター及び東北大学工学研究科と共同で研究開発を実施している。同研究開発センターで研究されている次世代メモリは世界トップレベルの技術、スピントロニクス技術を使用している。次世代メモリを搭載したマイコンやAIプロセッサは、従来のプロセッサに比べて性能を落とすことなく、消費電力を100分の1~1000分の1に低減することができるという実績が報告されている。自動運転・画像処理・IoT機器・ロボット産業分野などの急成長には低消費電力化が不可欠であり、次世代メモリの研究成果は各分野の発展に大きく貢献することが期待されている。
こうしたなか同社は、(1)次世代メモリのエラー訂正技術の研究開発、(2)スピントロニクス技術搭載AIプロセッサ用アプリケーションソフトウェアの研究開発、(3)物体認識向けAIプロセッサにおける高効率高性能アルゴリズムの研究という3つのテーマの研究開発に注力している。将来的に需要の拡大が見込まれる分野において核となる技術を開発し、新たな収益源となるビジネスの創造につなげていく構えだ。
研究開発の成果創出を早めるために他社との協業も積極的に実施する方針である。2022年4月には、画像認識ライブラリを用いたAIプロダクトの開発により先端技術の社会実装事業を展開するIntelligence Design(株)との間で、エッジAIビジネスに関する資本業務提携を実施した。外部のリソースを活用することによって、同社のAIアルゴリズム研究開発支援ビジネスをさらに発展させていく考えだ。
7. 同社の強み
同社の強みは主に以下の3つに集約することができる。
(1) 高付加価値ビジネスの創造力
(2) 盤石な大手顧客基盤
(3) 品質管理力
これらの強みが相互に作用し合って相乗効果を生んでいると弊社は考えている。強固な大手顧客基盤と長年にわたって構築してきた信頼関係と卓越した業界特化型の専門性により、優良価格で案件を受注することが可能になっているのはその一例と言える。
また、新規案件も既存顧客からの口コミによる直接依頼が多いため、競合他社との入札になることがほとんどないと同社は言う。このため価格競争によって利幅を減らすという事態を避けることができている。また、営業人員の極小化を図ることができ、同社の重要な資産であるエンジニアの比率を高めることにつながっている。
大手顧客との長年にわたる信頼関係は、品質管理の部分にもプラスの影響を与えている。余裕を持った工期を設定できるからだ。これにより、エンジニアの負担が軽減し、集中力と生産性を常に高く保ちながら仕事に取り組むことにより、想定外のミスが発生する確率を抑えることができている。また、同社では徹底した品質管理も実践している。プロジェクトの進捗状況を協力会社も含めて毎週確認することにより、プロジェクト遅延のリスクなどを早期に発見し、対応することが可能になっている。
近年は特に、高付加価値ビジネスの創造力が強みとなっている。このことは、先進技術ソリューションカテゴリーの売上高が前期比44.9%増と急伸していることからも見て取れる。AIアルゴリズム研究開発支援というビジネスモデルは既に収益貢献を果たしている。今後は、スピントロニクス技術を搭載した次世代メモリに関する研究開発の確実な推進や企業とのアライアンスによって、同社が提供するサービスの付加価値をさらに高め、労働集約型から付加価値創出型のビジネスモデルへと転換する方針だ。
以上、こうした強みがあるからこそ、「営業利益率19.0%(2022年11月期)」「赤字プロジェクト5年連続ゼロ」という素晴らしい数字を残すことが可能になっている。特に、赤字プロジェクト5年連続ゼロという数字は、特筆に値する。想定外のニーズやミスが発生し、利幅が減少するという事態を避けることによって、高い収益性を実現していると言えるだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
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5. 先進技術ソリューションカテゴリー
先進技術ソリューションカテゴリーは、今後の成長と新たな収益源になることが期待できる事業分野だ。同カテゴリーが新設されたのは約4年前だが、早くも収益化に成功している。2022年11月期の売上高は、前期比44.9%増(75百万円増)の242百万円となり、売上高全体に占める割合は、7.4%(前期は6.1%)に高まっている。同カテゴリーでは、ネットワーク・画像認識・画像処理・ハードウェア制御等の最新かつ高度な技術を駆使して、ソフトウェアの高機能化及び品質向上を実現する各種サービスを提供している。ティアンドエス<4055>は、特に画像認識の分野に強みを持ち、大手企業の研究開発などの支援を積極的に行っている。具体的には、日本電気<6701>(NEC)、(株)日立ハイテク、本田技研工業<7267>、オムロン<6645>をはじめとする大手企業に対して、世界中にあるAIアルゴリズムの中から顧客のニーズに最も沿ったAIアルゴリズムを見つけ出し、実装・テストをして使用可能かどうかを検証したうえで提案をするという独自のビジネスモデルを構築している。自社でゼロからAIアルゴリズムを構築するのに比べ、幅広い業種の顧客に対応することができ、多くの収益機会を得ることができることに加え、このようなビジネスモデルを行っている企業が他にいないことも強みとなっている。また、自社の社員が常に最新のAIアルゴリズムに触れていることによりAIの最新動向を把握することができ、顧客により先進的な提案をすることができることも同ビジネスモデルの特徴だ。最先端技術を扱う同カテゴリーにおいて、顧客の課題を解決できる付加価値の高いソリューションを提供するために、博士号やそれに準ずる知識を有するソフトウェア技術者を積極的に採用している。
6. 研究開発
同社は、より高い付加価値を提供するビジネスモデルへと移行するために、研究開発を積極的に行いOnly One Technologyの獲得を目指している。具体的には、「スピントロニクス技術を搭載した次世代メモリとAIの融合」をテーマに東北大学国際集積エレクトロニクス研究開発センター及び東北大学工学研究科と共同で研究開発を実施している。同研究開発センターで研究されている次世代メモリは世界トップレベルの技術、スピントロニクス技術を使用している。次世代メモリを搭載したマイコンやAIプロセッサは、従来のプロセッサに比べて性能を落とすことなく、消費電力を100分の1~1000分の1に低減することができるという実績が報告されている。自動運転・画像処理・IoT機器・ロボット産業分野などの急成長には低消費電力化が不可欠であり、次世代メモリの研究成果は各分野の発展に大きく貢献することが期待されている。
こうしたなか同社は、(1)次世代メモリのエラー訂正技術の研究開発、(2)スピントロニクス技術搭載AIプロセッサ用アプリケーションソフトウェアの研究開発、(3)物体認識向けAIプロセッサにおける高効率高性能アルゴリズムの研究という3つのテーマの研究開発に注力している。将来的に需要の拡大が見込まれる分野において核となる技術を開発し、新たな収益源となるビジネスの創造につなげていく構えだ。
研究開発の成果創出を早めるために他社との協業も積極的に実施する方針である。2022年4月には、画像認識ライブラリを用いたAIプロダクトの開発により先端技術の社会実装事業を展開するIntelligence Design(株)との間で、エッジAIビジネスに関する資本業務提携を実施した。外部のリソースを活用することによって、同社のAIアルゴリズム研究開発支援ビジネスをさらに発展させていく考えだ。
7. 同社の強み
同社の強みは主に以下の3つに集約することができる。
(1) 高付加価値ビジネスの創造力
(2) 盤石な大手顧客基盤
(3) 品質管理力
これらの強みが相互に作用し合って相乗効果を生んでいると弊社は考えている。強固な大手顧客基盤と長年にわたって構築してきた信頼関係と卓越した業界特化型の専門性により、優良価格で案件を受注することが可能になっているのはその一例と言える。
また、新規案件も既存顧客からの口コミによる直接依頼が多いため、競合他社との入札になることがほとんどないと同社は言う。このため価格競争によって利幅を減らすという事態を避けることができている。また、営業人員の極小化を図ることができ、同社の重要な資産であるエンジニアの比率を高めることにつながっている。
大手顧客との長年にわたる信頼関係は、品質管理の部分にもプラスの影響を与えている。余裕を持った工期を設定できるからだ。これにより、エンジニアの負担が軽減し、集中力と生産性を常に高く保ちながら仕事に取り組むことにより、想定外のミスが発生する確率を抑えることができている。また、同社では徹底した品質管理も実践している。プロジェクトの進捗状況を協力会社も含めて毎週確認することにより、プロジェクト遅延のリスクなどを早期に発見し、対応することが可能になっている。
近年は特に、高付加価値ビジネスの創造力が強みとなっている。このことは、先進技術ソリューションカテゴリーの売上高が前期比44.9%増と急伸していることからも見て取れる。AIアルゴリズム研究開発支援というビジネスモデルは既に収益貢献を果たしている。今後は、スピントロニクス技術を搭載した次世代メモリに関する研究開発の確実な推進や企業とのアライアンスによって、同社が提供するサービスの付加価値をさらに高め、労働集約型から付加価値創出型のビジネスモデルへと転換する方針だ。
以上、こうした強みがあるからこそ、「営業利益率19.0%(2022年11月期)」「赤字プロジェクト5年連続ゼロ」という素晴らしい数字を残すことが可能になっている。特に、赤字プロジェクト5年連続ゼロという数字は、特筆に値する。想定外のニーズやミスが発生し、利幅が減少するという事態を避けることによって、高い収益性を実現していると言えるだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
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