MITホールディングスのニュース
【QAあり】MITHD、2つの主要ITサービスを展開 上場以来増収・増益・増配を継続し2024年11月期には売上高50億円を突破
目次

増田典久氏(以下、増田):本日は当社IRセミナーにご参加いただき、ありがとうございます。代表取締役社長の増田です。それではセミナーを開始します。
本日のアジェンダはスライドのとおりです。当社の会社概要をご説明した後、成長戦略、中長期経営計画、今期の業績予想についてご紹介します。
会社概要 / 沿革①

増田:会社概要をご説明します。まずは沿革です。スライドには、事業拡大してきたタイミングに絞って記載しています。
MITホールディングスは千葉県に本社があり、「幕張メッセ」などで知られる海浜幕張駅のすぐ横に位置しています。1990年に株式会社システムイオを創立しました。これが当ホールディングスの母体となっています。独立系システムインテグレーターとして事業を開始し、今年で35周年を迎える企業です。
2007年にM&Aで株式会社ビーガルを完全子会社化し、新規事業の拡大としてCADサービス事業を開始しました。現在の主力商品でもありますが、自社製品の「DynaCAD」シリーズを企画・開発から販売・保守に至るまで展開しています。
そして、2009年にMITホールディングスとして事業会社を完全子会社化し、ホールディングス化しました。
2018年には、M&Aでデジタルブック配信サービスを譲り受けました。こちらは新規事業で、自社製品の「Wisebook」を手掛けるデジタルマーケティング事業です。
会社概要 / 沿革②

増田:2020年にMITホールディングスとして東証JASDAQへ上場しました。ちなみに、現在はスタンダード市場に上場しています。
2022年にM&AでGIGAスクールなどを展開する株式会社エーピーエスを、2023年に株式会社ネットウィンクスを完全子会社化し、建設現場の足場計画に必要なCADを利用した製図サービス事業を加えました。そして、2024年11月期には売上高50億円を突破しました。上場から毎年過去最高を更新しています。
会社概要 / グループ基本情報

増田:グループの基本情報です。創業・上場については、今お伝えしたとおりです。
グループ全体の事業拠点としては6拠点で、千葉・東京・大阪・福岡・名古屋・秋田に営業所があります。従業員数は397名、平均年齢が35.7歳、男女比率が7対3となっています。その他の項目についてはスライドをご覧ください。
会社概要 / グループ事業

増田:グループ事業についてです。当社は2つの主要ITサービスを提供しています。1つ目はシステムインテグレーションサービス、2つ目はDXソリューションサービスです。スライドでは、青色の領域がシステムインテグレーションサービス、ピンク色の領域がDXソリューションサービスを扱う会社になります。
システムイオは当ホールディングスの中核を担う企業ですが、システムインテグレーションサービスを中心に東京・大阪・福岡・名古屋で展開しています。
エーピーエスもシステムインテグレーションサービスが中心ですが、一部、GIGAスクールなどを踏まえて、DXソリューションサービスの領域に参入しています。ビーガル、ネットウィンクスではDXソリューションサービスを展開しています。
システムインテグレーションサービスはお客さまのニーズに合うシステムを構築するビジネスであり、DXソリューションサービスは自社プロダクトを提供するビジネスになります。前期のシステムインテグレーションサービスの売上規模は全体の84.1パーセントとなる44億円、DXソリューションサービス売上規模は全体の15.9パーセントとなる8億3,000万円です。
株式情報 ①

増田:株式情報です。MITホールディングスの上場区分は東証スタンダードで、今期で上場から5年目を迎えます。決算期は11月で、発行済株式総数は211万8,200株です。業種は情報通信業、いわゆるIT企業になります。
今期の決算発表スケジュールについて、当社では12月から新しい期がスタートしますが、第1四半期決算は4月14日にすでに公開済みです。
第2四半期決算、いわゆる上期決算については、7月15日に発表を予定しています。続いて、10月に第3四半期決算発表を予定しており、本決算は翌年1月に公開します。株主総会については、2月に開催することになっています。
動画配信については、「ログミーFinance」を通じて前期の本決算はすでに公開済みです。今期の上期決算・本決算については、書き起こしを含めて決算発表したいと思います。加えて、今回のようなセミナーも四半期に1回プラスアルファで実施することで、露出度を上げていきたいと考えています。
株式情報 ②

増田:2020年11月の上場以降の推移についてご説明します。上場以来堅実な成長で、増収・増益・増配を継続しています。
スライド左側のグラフを見ていただくと、連結売上高は順調に推移しています。年平均成長率(CAGR)は10.2パーセントです。中央のグラフはROE/当期純利益ですが、前期はROE20パーセントを超え、今期も20パーセントを超える高い収益性を計画しています。
右側のグラフは、1株当たりの期末配当金の推移です。上場5年目となる今期は30円を予定しています。後ほどご説明しますが、普通配当26円に加えて、創立35周年の記念配当4円を上乗せし、30円となっています。
事業概要 / 2つの主要サービス

増田:事業概要です。主要サービスの1つ目は、システムインテグレーションサービスです。我々は独立系システムインテグレーターとして、経営基盤を支える安定した事業を継続しています。社会インフラ系の大規模システムを中心に開発しており、全体の84.1パーセントを占めます。
主要サービスの2つ目は、DXソリューションサービスです。自社プロダクトを中心とした成長分野を戦略的に展開しています。プロダクトソリューションとしては、デジタルマーケティングの分野では「Wisebook」という電子カタログ・デジタルブックがあります。また、図面DXではCADのプロダクトを中心に展開しています。DXソリューションサービスの売上高構成比は15.9パーセントとなっています。
これら2つの主要サービスにより、前期の売上高実績は52億4,000万円となりました。
事業概要 / システムインテグレーションサービス

増田:システムインテグレーションサービスは、お客さまが求めているシステムについて、システムの企画コンサルティング、システム設計、インフラ構築・開発、稼動支援、運用・保守まで一貫して手掛けることを指します。我々は独立系のシステムインテグレーターですので、どこかのメーカーに依存することなく、柔軟に最新の技術を取り入れながら提案することができます。
事業概要 / システムインテグレーションサービス

増田:特徴の1つ目としては、スライド右上の円グラフにあるとおり、売上高の72.8パーセントを占める大手メーカーあるいは上場企業からの受注です。このような状況を35年間継続しており、長きにわたりノウハウを蓄積しています。しっかりとした経営基盤を持ちながら、現在も成長中です。
2つ目の特徴としては、社会インフラといわれる公共サービス、金融、通信、エネルギーなどを中心に手掛けていることです。今後もIT投資は拡大するものと考えています。
事業概要 / DXソリューションサービス

増田:DXソリューションサービスの内訳としては、3つのサービスがあります。1つ目はデジタルマーケティングソリューションで、デジタルブックの制作、配信を行っています。教育機関や企業などさまざまな分野でデジタルブックが活用されていますが、そのようなものを配信するプラットフォームとなっています。
2つ目は図面DXソリューションです。当社の主力製品でもある2D/3DのCADの販売を中心に、CADを利用した書き起こし製図サービスも行っています。3つ目はクラウドシステムソリューションです。こちらは自社開発のサービスですが、GIGAスクールの支援事業なども行っています。
これら3つのサービスにより売上高は順調に推移しており、今期計画では9億9,000万円を目指しています。
成長戦略 / デジタルマーケティングソリューション「Wisebook」

増田:成長戦略についてです。まず、当社の今後の1つの成長エンジンと見ているのが、デジタルマーケティングソリューション「Wisebook」になります。この製品についてご説明します。
世の中にはデジタルブックといわれるものは数多くあるのですが、当社では業界唯一、ご要望に応じたカスタマイズが可能です。また、電子化によるペーパーレス・コスト削減を実現します。
そして、ここが非常に大きな特徴の1つですが、どのブックのどの箇所を重点的にご覧いただけているかをアクセス解析し、マーケティングに活用することが可能です。そのような諸々の機能を備えているため、教育現場や企業研修などで使っていただいており、大手企業とOEM提携もしています。
また、新サービスも続々とリリースしています。「TrendTap」はデジタルカタログのスタンドです。展示会などで、各ブースの前に紙のカタログを差し込んだようなスタンドが置いてあると思いますが、それのデジタル版とお考えください。企業が発信したい情報をデジタルブックに置き換えて、それをスタンド化することで、いろいろなカテゴリを見やすくしたサービスです。
「MA Tree」はマーケティング活動に利用していただくもので、非常に有効なツールです。他にも、教育機関向けに展開しているテキスト教材出版社との協業や、計10ヶ国の多言語対応などを実現しています。
電子書籍にはコミックや写真集などさまざまありますが、2027年11月期には8,000億円規模の市場に成長するだろうと予測されています。「Wisebook」が活用される文字ものやビジネス・広告向けなどの市場規模は、全体の10分の1くらいをカバーしている状況です。そのため、2027年に800億円規模まで市場が成長すると見ています。
そのような中で大きく躍進し、2030年11月期に向けては累計5,000社超の導入を目指しています。
成長戦略 / デジタルブック「Wisebook」導入事例

増田:導入実績をご紹介します。スライドに記載のとおり、会社案内などの軽いものから、法令集などの重いもの、あるいは旅行パンフレットのように数多く印刷が必要なもの、通販会社が用いるカタログなどがあります。また、教育機関におけるテキストや、一部では映像も入れ込むことができますので、ドローン講習の教材などに導入いただいています。
成長戦略 / デジタルブック「Wisebook」導入事例

増田:スライドに記載のとおり、中小企業から大手企業まで、現在1,000社以上の導入実績があります。
成長戦略 / デジタルブック「Wisebook」

増田:「Wisebook」については実際に見ていただいたほうがわかりやすいと思いますので、動画をご覧ください。
スライドにも「『読む。』だけじゃない!」とありますが、まさにそのとおりで、多彩な表現力が可能です。飛び出す絵本のようにすることもできますし、写真などを拡大して見ることもできます。デジタルブックは読むだけではなく、いろいろな情報・コンテンツを埋め込むことが可能です。
また、ページ目次にすぐに飛べる機能や、ブラインド機能といって、例えば教科書では問題の答えを隠しておくこともできます。さらに、ヒートマップでどこを重点的にご覧いただけているかを分析することも可能です。
このような機能をカスタマイズし、ユーザーの利用シーンに合わせてデータベースと連携させるなど、ニーズに応えながら展開してます。つまり、デジタルブックはただペラペラと読むだけのものではないということです。
現在、カーボンニュートラルへの取り組みが進んでいますが、仮にA4サイズ・32ページの旅行パンフレットを4,000部印刷したとすると、25メートルプールと同じくらいのCO2が排出されます。このCO2を吸収するには、杉の木が約71本必要です。
そのような意味で、ビジネスから日常までのデジタルシフトを支援することで、カーボンニュートラル社会の実現に取り組んでいるソリューションでもあります。
成長戦略 / 図面DXソリューション「DynaCAD」

増田:もう1つの主力商品「DynaCAD」の特徴をご説明します。こちらは30年以上使われている国産CADで、図面の作製を支援するソフトウェア製品です。現在11県庁、約200自治体でご利用いただいています。
非常に重要なポイントでもありますが、こちらの製品には永久ライセンスがあります。現在はサブスクリプション展開されているものが多い中、ライセンス形態はお客さまが選べるようになっています。
また、国土交通省が推進する「i-Construction」という取り組みがありますが、これはコンピューターを使って、ITの力で建設現場を効率化し、生産性を上げていくものです。当社の「DynaCAD」はこれに匹敵するプロダクトです。他にも、CAD図面のトレースサービスなど、付帯した周辺サービスも行っています。先ほどの「i-Construction」の普及により、今後も着実に成長していくと思われます。
成長戦略 / 次世代デジタル教育

増田:「Wisebook」シリーズとして「Wisebook EdTechクラウド」というサービスもあります。「EdTech」とは「Education」と「Technology」を組み合わせた造語ですが、「Wisebook」を活用して教育現場を支援するITサービスです。
いつ、どこでも利用することができます。受講生、教師・講師、教科書を作る出版社の方々、それらを運用する方々などをデータで連携し、いつ、どのような学習がどこで行われているかを分析することで、次の教育カリキュラムに活かしていくことができます。このようなマーケティング効果も活用しながら、効率の良い、動きのある見やすい教育テキストを提供しています。こちらも堅調に推移しています。
成長戦略 / GIGAスクール構想

増田:各自治体ではGIGAスクール構想を進めていますが、ICT支援のできる人材の不足やミスマッチなどの問題も数多くあることから、当社ではトータル的に支援しています。
成長戦略 / 建設工事現場における足場図面の3D CADデータ提供サービス

増田:CADを利用した足場図面の作図について、2D/3Dの平面図に加えて、動画もご覧ください。
マンションの大規模修繕工事などに利用されている足場を想像していただくとわかりやすいかと思います。このような設計図面を役所に提出する義務がありますが、視覚的に捉えることで、イメージしやすいものにしています。
中長期経営計画 / 2030年に向けた数値目標

増田:中長期の経営計画についてです。まず、我々の経営基盤であるシステムインテグレーションサービスを着実に伸ばしていきます。一方で、DXソリューションサービスを戦略的に伸ばします。
数値目標としては、2030年までに売上高100億円を目指します。2025年に売上高57億円、その5年後の2030年に100億円としています。また、DXソリューションサービス、いわゆる高収益ビジネスを30パーセントに引き上げていく計画です。
中長期経営計画 / 配当方針

増田:配当方針です。安定的な配当を行い、連結配当性向30パーセント以上を掲げています。2025年11月期の配当金予想については、1株当たり26円の普通配当に加え、創立35周年の記念とみなさまへ感謝の意を表し4円加算し、1株当たり30円となる予定です。
今期の業績予想 / 2025年11月期

増田:今期の業績予想です。現在、売上高57億円、営業利益2億8,500万円、営業利益率5.0パーセントを計画しています。前期実績と比べても順調に推移する見込みです。前期比で、売上高はプラス8.8パーセント、営業利益率はプラス1.2ポイント、利益額ではプラス44.4パーセントです。このように、高収益を生むビジネスに転換・シフトしていく計画です。
今期の業績予想 / 直近(1Q)の四半期別の業績推移

増田:直近の第1四半期の業績です。売上高、売上総利益、営業利益について、前期および過去3年間の推移をグラフで示しています。当期の実績を黄緑色で示していますが、ご覧のとおり順調に推移しています。
今期の業績予想 / 直近(1Q)のサービス別四半期売上高推移

増田:その中でも第1四半期において、システムインテグレーションサービスは全体の84.8パーセントを占める売上で、11億円強となりました。第1四半期については、大型案件の売上が寄与していることに加え、受注単価アップや高利益率案件へのシフトが好調に推移しました。
今期の業績予想 / 直近(1Q)のサービス別四半期売上高推移

増田:DXソリューションサービスです。売上構成比率は15.2パーセント、売上高は2億300万円となっています。
DXソリューションサービスには、3つのサービスがあることをご説明しました。スライドのグラフのとおり、注力しているデジタルマーケティングが前期第1四半期と比べると若干下がっています。これは新年度に向けて一部の案件の受注がずれ込んだことが影響しています。「Wisebook EdTech」シリーズをはじめ、受注高としては順調に推移しています。
今期の業績予想 / 直近(1Q)の進捗

増田:第1四半期の進捗です。当期に目指している売上高57億円に対して進捗率は23.5パーセント、営業利益は30.8パーセントです。どちらも順調に進捗しています。
最後に

増田:我々は、DX・デジタルを通じて「次の時代を守るモノ作り」「次の世代を助けるサービス」を目指し、貴重なデータやノウハウを未来につなげ、未来に残していきます。先々の未来を助ける製品作り、モノ作り、サービス展開を今後も心がけていきたいと考えています。
「みんなの、未来に、もっとITを。」MITホールディングスのご説明でした。ありがとうございました。
質疑応答:「Wisebook」の課金体系および収益構造について
1UP投資部屋Ken氏(以下、Ken):先ほどお話にあった「Wisebook」の課金体系、収益構造について、もう少し詳しく教えていただけますか?
増田:「Wisebook」は、サブスクリプションでサービスを提供しています。機能は共通ですが、いわゆる2ギガ、5ギガ、10ギガといったストレージの容量、ページ数に比例して課金が異なります。ちなみに、2ギガで月額約2万4,000円からのプランを用意しており、月契約・年契約で提供しています。
また、カスタマイズも可能です。この場合は、利用ニーズに応じて見積もりをした上で課金いただきます。ちなみに閲覧者数、いわゆるアカウント数は無制限です。
Ken:そうすると、「『Wisebook』を使って、1社でいろいろなものをデジタルブックにしたい」というお客さまもいると思います。その場合、基本的には本の数が増えるとストレージの容量も増えると思いますので、それによってアップセル、つまり単価も上がっていくという理解でよいでしょうか?
増田:おっしゃるとおりです。
質疑応答:DX領域での戦略について

Ken:今後DXの部分で、サブスクリプションの比率を高めるなどの戦略はあるでしょうか?
増田:スライド21ページに記載している「DynaCAD」についてのご質問と認識しております。今は世の中全体がサブスクリプションの時代です。もちろん当社でもサブスクリプションを用意しており、多くのお客さまに活用いただいています。
「DynaCAD」は自治体などで多くご利用いただいている関係もあり、年度予算に組み込みやすいように永久ライセンスをご用意しています。実はこの永久ライセンスが非常に人気です。なぜなら、サブスクリプションで利用すると、2年半ほどでいわゆる買い切りの永久ライセンスのほうが安くなり、ユーザーにとってはコストダウンにつながるためです。このように、永久ライセンスをご利用いただくケースが多いことから、今のところ、あえてサブスクリプションに舵を切るという状況ではありません。
ただし、当社ではさまざまなライセンス形態を用意していますので、今後もユーザーの要望に応じて展開していく予定です。
質疑応答:上場維持基準について
Ken:上場維持基準につい注目している投資家も多いかと思います。社内では上場維持基準について、どのような議論をされているか教えてください。
増田:ご指摘のとおり、この点についてはさまざまな質問をいただいています。当社では、流通株式時価総額を早期に10億円を超えていきたいと考えています。 現在の業績や今期の見通しは、非常に明るいかたちでみなさまにお伝えできている状況です。価値ある企業として認知いただけるよう、今回のようなIR活動を含めて積極的に露出を増やしていきたいと考えています。
上場維持基準を早期に達成するためにも、当社の魅力をしっかり伝えていきます。例えば、連結配当性向30パーセント以上という方針のもと、今期は1株当たり30円を予想しています。配当利回りとしては3パーセントを超える見込みです。このような魅力に加え、事業としての魅力もPRしながら、達成に向けてあらゆる選択肢を検討しつつ、取り組んでいきたいと考えています。
質疑応答:利益率の改善理由と単価上昇の見通しについて

Ken:利益率についてです。直近の第1四半期でも改善が見られました。先ほど大型案件や単価アップといったお話もありましたが、改善理由についてあらためて教えていただけますか?
増田:スライド30ページをご覧ください。第1四半期では特に営業利益が非常に高い伸び率を示しています。ご認識のとおり、第1四半期は非常に大きな物流関係業務にしっかりと取り組んだことで、確実に利益を伸ばすことができました。
また、当社のプロダクトを活用した高収益ビジネスであるDXソリューションサービスに注力する戦略の効果も、営業利益の伸びにつながっていると考えています。
Ken:足元でも単価の話が出ましたが、人手不足の影響などもある中で、単価については年単位で見ていくと、徐々に上がっていくという認識で合っているでしょうか?
増田:おっしゃるとおりです。
質疑応答:DXソリューションサービスの成長ドライバーについて
Ken:DXソリューションサービスについてですが、今後の成長ドライバーはどのようなところにあるのか、あらためて教えていただけますか?
増田:DXソリューションサービスは、第1四半期の売上比率が15.2パーセントとなっています。これを2030年に30パーセントまで引き上げることを目指しています。
そのためのドライバーとして、当社では「Wisebook」を考えています。時間の関係で詳しくお話できませんが、「Wisebook」の魅力を伝えながら、カーボンニュートラルにも貢献する事業として認知度を高めています。
「Wisebook」の中では「Wisebook EdTechクラウド」が堅調に伸びています。テキストや文字ものにとどまらず、飛び出す絵本のようにしたり、多様なコンテンツを埋め込むといった活用場面が今後さらに増えていくと想定しています。
2030年に向けては、紙の教科書からデジタル教科書へのシフトが加速していくと考えています。また、紙のコスト上昇という背景もあり、単にコストダウンというよりも、紙そのものをなくす「コストカット」という意味でも、非常に意義のあるソリューションだと思っています。このように、環境に配慮している事業者やユーザーにとっても、コスト軽減につながるという特徴がありますので、「Wisebook」を今後の大きなドライバーとして捉えています。
一方、「DynaCAD」シリーズについては製品自体はもちろん、周辺サービスにも力を入れています。例えば、作図サービスがあります。これは、大きな建物や駅、公共施設の青焼き図面などの古い図面をデジタル化し、未来に残していくサービスです。
また、先ほどご紹介した、大規模修繕工事に活用いただく3D CADデータサービスもあります。マンションなどは、15年単位などで定期的に大規模修繕工事が行われます。老朽化したマンションは多く、今後ますます増えていくことはデータ上でも明らかなため、ニーズにえられるサービスを展開していきたいと考えています。
質疑応答:「Wisebook」の顧客について
Ken:「Wisebook」のご説明の際に「教科書の電子化」という話がありましたが、その場合の顧客は出版社になるという認識で合っているでしょうか?
増田:はい。それもあります。教科書を作る出版社が運用まで行う場合は、出版社が顧客となります。ただし、このソリューションにはさまざまな顧客がいます。一般的には出版社、教師・講師、受講生の3者ですが、実はもう1つあります。
先ほど簡単にお話ししたとおり、いつ、どのような学習がどこで行われているか、どの問題に正解してどの問題を間違えたか、どの問題が多く解かれているかといったデータを記録・分析することで、出版社は次の教育カリキュラムに活かすことができます。つまりマーケティングにも活用できます。また、教師・講師は受講生の得意・不得意などの学習履歴を把握できるため、より効果的な指導につなげることができます。
これらに加え、運用する運営会社も顧客となります。この第4の顧客にあたる運営会社が、実際にはこのソリューションを多く利用しています。
Ken:そうすると、塾なども運営会社に該当するということでしょうか?
増田:おっしゃるとおりです。
質疑応答:DXソリューションサービスの成長が加速する時期について
Ken:DXソリューションサービスの成長について、加速するのはいつ頃だと考えていますか?
増田:先ほどもお伝えしたとおり、「Wisebook」はカーボンニュートラルに貢献するサービスとしています。2026年11月期にはCO2排出量などの規制が強まっていく中で、企業の努力義務として、今後「刺さる」サービスになると考えています。そのような背景もあり、2026年11月期、2027年11月期から本格的に加速し始めるのではないかと見ています。
質疑応答:中長期経営計画におけるM&Aや協業について
Ken:「中長期経営計画についてです。2030年までに、M&Aや他社との協業を深める予定はありますか?」というご質問です。
増田:もちろん、今後の拡大要素の1つとして重要な観点であると捉えています。戦略的にDXソリューションサービスを伸ばしていく中で、シナジーのある会社やノウハウを持っている会社とM&Aや事業提携を行い、さまざまなかたちで成果を出していく取り組みは、非常に有効な手段だと考えています。
質疑応答:第1四半期の進捗について

Ken:「2025年11月期第1四半期決算は過去と比較しても進捗率が高いですが、通期の予想に対して想定内でしょうか? それとも想定以上だったのでしょうか? 」というご質問です。「社内計画と比べて」という意味だと思いますが、いかがでしょうか?
増田:スライドのとおり、営業利益の進捗率は30.8パーセントです。平均が25パーセントと考えると、非常に良い結果だったといえます。
第1四半期については、想定していた社内計画に近い数字でしたが、想定を超える結果になったと考えています。ただし、この第1四半期30.8パーセントという進捗率が、第2四半期に60パーセント、第3四半期に90パーセントと、第1四半期と同様に推移するかというと、そうではないというのも事実です。
質疑応答:「Wisebook」をデジタルブック化する理由について
Ken:「『Wisebook』について、デジタルブックのかたちにする理由は何ですか? 一般的なWebサイトや他のサービス、アプリなどもあると思いますが、それらにはない機能なのでしょうか?」というご質問です。
増田:デジタルブックにする理由はいろいろありますが、1つは、日本国内において唯一、カスタマイズができるという点です。カスタマイズとしては、先ほどお話ししたようなデータベースとの連携やWebサイトとの連携が多いです。
例えば、データベースの1つの項目、カタログの「ペットボトル1本100円」の表記を「ペットボトル1本150円」に変更すると、それがリアルに反映されます。そのような要望に柔軟に応えるには、カスタマイズが必要になります。その中でデジタルブック化し、単なるWebサイトではなく、情報をリアルタイムでブックに反映させます。
Webサイトへの反映ではなくデジタルブックを活用した場合、いろいろな場所で同時に利用・閲覧できます。もちろんWebサイトでも閲覧できますが、我々は文字ものなどをターゲットにしているため、印刷して使うことも想定しています。その際に、縦長のWebページよりもブック形式のほうがしっかりと読むことができます。
また、ヒートマップでどこを重点的にご覧いただけているかを分析し、マーケティングデータとして活用していただきたいという思いもあり、デジタルブック化しています。
当日に寄せられたその他の質問と回答
当日に寄せられた質問について、時間の関係で取り上げることができなかったものを、後日企業に回答いただきましたのでご紹介します。
<質問1>
質問:株価が最近上昇基調ではあるものの、まだまだ割安放置されているように思えるのですが、今後の株価対策で何か考えている事はありますか。
回答:まずは足元の業績を着実に伸ばしていくことが第一ですが、その上で当社はまだまだ認知度が低いことから、個人投資家のみなさまに向けたセミナーの開催やIR情報の充実化、また新サービスのPRも発信しながら認知度向上に取り組み、市場でさらに興味を抱いていただけるような取り組みを進めます。
<質問2>
質問:Wisebookのカスタマイズとは具体的にどのようなことが可能なのですか?
回答:まず入口であるログイン画面を、お客様のロゴやイメージに合わせた画面にすることから、機能的に良く使う・使わないなどユーザー業務に効率的な画面の変更や、デジタルブックから直接ショッピング出来るような機能の追加、その購買データをお客様のデータベースと連携するなど、業務の効率化やマーケティング機能の充実を図るカスタマイズが可能です。
<質問3>
質問:堅実さを話されていましたが、中期経営計画もチャレンジングというより堅い計画というイメージで良いのでしょうか?
回答:2つの主要事業の中で、主軸であるシステムインテグレーション事業は社会インフラのシステム構築や運用を担っており、堅実な成長を期待できる事業として捉えています。
その上で、自社製品を取り扱うDXソリューション事業は、新しい製品開発や技術を取り入れ他社との差別化を図ることや、製品自体の認知度向上、既存マーケット以外への領域拡大など、開発的にも営業的にも投資を伴いながらチャレンジしてゆく必要があると考えています。
<質問4>
質問:2030年に売上高100億円を目指すとなると、今年度のプラス8.8パーセントはかなり厳しいと思うのですが、何か施策はあるのでしょうか?
回答:毎年8.8パーセント成長の積み上げだけであれば難しい状況になります。
施策として、伸び率の高いDXソリューション事業の売上比率を高めていくことや、中期的に新規ビジネスの立ち上げを目指した計画と投資、M&Aによる事業規模の拡大や事業シナジーを高めるための資本提携など、計画達成に向けた取り組みを行っていきます。
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