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ランドコンピュータのニュース
■業績動向
1. 2021年3月期の業績概要
ランドコンピュータ<3924>の2021年3月期の業績は、売上高が前期比2.4%減の8,877百万円、営業利益が同12.6%減の620百万円、経常利益が同10.2%減の650百万円、当期純利益が同9.2%減の430百万円となった。前期に法改正等に伴う開発案件やWindows10更新関連ビジネスなどに伴う反動減が影響したものの、成長戦略の柱であるパッケージベースSI・サービスのクラウドビジネスが伸長した。利益面については、第2四半期に発生した大型不採算案件の収束に注力し、大幅な人員補強を行い対応したことで、多額の人件費及び外注費が発生し、減益となった。なお、大型不採算案件については第4四半期末で収束し、今後新たな損失の発生は見込まれていない。同社は、不採算の原因を検証し再発防止に真摯に取り組み、収益の改善を図っていくとしている。
(1) サービスライン別動向
サービスライン別売上高については、主力のシステムインテグレーション・サービスが前期比7.0%減の5,524百万円、インフラソリューション・サービスが同9.3%減の1,375百万円となった一方で、パッケージベースSI・サービスは同20.7%増の1,976百万円と2ケタ増収となった。
a) システムインテグレーション・サービス
業種別構成比が最も高い金融分野の売上高は前期比2.0%増加、売上高構成比は32.0%となった。これは主に、ネットバンク案件及び地方銀行等の金融機関向け次世代勘定系システム開発案件の売上増加や、クレジットカード分野での既存案件の売上増加による。一方、産業・流通分野は同8.6%減となった。社会基盤分野における通信業向けシステム開発案件の受注が増加した一方で、前期の法改正等に伴う開発案件の反動減が影響した。また、公共分野は、新規受注案件の減少により同38.4%落ち込んだ。コロナ禍により医療分野も同24.9%減となった。
b) インフラソリューション・サービス
公共・文教、医療分野のサーバ・ネットワーク構築案件の受注が増加したことに加え、中部地区の電力系案件の受注が増加した。一方で、コロナ禍による対面営業及び顧客先対応業務の制限等により、基盤構築案件の売上が大きく減少した。また、前期のWindows10更新関連ビジネスに伴う反動減も影響した。
c) パッケージベースSI・サービス
DX推進の中心であるクラウド分野のSalesforceビジネス関連の売上高が前期比42.5%増となり、パッケージベースSI・サービスの65.4%を占めた。これは、2020年4月にSalesforceビジネス推進室を設置し、パッケージベースSI・サービス以外の技術者にもSalesforceビジネス関連の資格取得を奨励したことで、複数事業部での展開等による大型開発案件の受注が増加したことによる。その他、アプリの構築、提供、監視、スケールに役立つクラウドプラットフォームのHerokuを活用した、大規模企業向けの案件が寄与した。これらがコロナ禍で需要が低迷した会計パッケージ及び人事給与パッケージの減収をカバーした。
(2) 営業利益の増減要因分析
営業利益の増益要因としては、生産性向上等によりプロジェクト利益の増加(33百万円)、間接原価の減少(40百万円)及び販管費の減少(70百万円)であった。なお、間接原価及び販管費の減少は、コロナ禍の活動自粛などによる諸経費の減少に負うところが大きい。減少要因としては、売上減少によるプロジェクト利益の減少(52百万円)、大型不採算案件の損失(132百万円)、DX推進における教育研究費及び人件費の増加(48百万円)であった。なお、DX推進における教育研究費及び人件費の増加については、先行投資的意味合いが強い。
2. 財務状況と財務比率
2021年3月期末の資産合計は、5,746百万円と前期末比248百万円増加した。これは主に、現金及び預金(217百万円)の増加による。ほかの項目には大きな変動はない。
同社は無借金経営であり、流動比率は393.7%、自己資本比率は68.7%と財務の安全性は極めて高い。総合的比率となる自己資本当期純利益(ROE)についても、11.4%(前期比2.4ポイント低下)と10%超の高水準である。
3. キャッシュ・フロー
2021年3月期末の現金及び現金同等物の残高は前期比211百万円増の2,367百万円となった。営業活動によるキャッシュ・フローの収入(398百万円)が、投資活動によるキャッシュ・フローの支出(25百万円)及び財務活動によるキャッシュ・フローの支出(161百万円)を上回った。また、財務活動によるキャッシュ・フローの支出のうち、配当金の支払による支出が161百万円となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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1. 2021年3月期の業績概要
ランドコンピュータ<3924>の2021年3月期の業績は、売上高が前期比2.4%減の8,877百万円、営業利益が同12.6%減の620百万円、経常利益が同10.2%減の650百万円、当期純利益が同9.2%減の430百万円となった。前期に法改正等に伴う開発案件やWindows10更新関連ビジネスなどに伴う反動減が影響したものの、成長戦略の柱であるパッケージベースSI・サービスのクラウドビジネスが伸長した。利益面については、第2四半期に発生した大型不採算案件の収束に注力し、大幅な人員補強を行い対応したことで、多額の人件費及び外注費が発生し、減益となった。なお、大型不採算案件については第4四半期末で収束し、今後新たな損失の発生は見込まれていない。同社は、不採算の原因を検証し再発防止に真摯に取り組み、収益の改善を図っていくとしている。
(1) サービスライン別動向
サービスライン別売上高については、主力のシステムインテグレーション・サービスが前期比7.0%減の5,524百万円、インフラソリューション・サービスが同9.3%減の1,375百万円となった一方で、パッケージベースSI・サービスは同20.7%増の1,976百万円と2ケタ増収となった。
a) システムインテグレーション・サービス
業種別構成比が最も高い金融分野の売上高は前期比2.0%増加、売上高構成比は32.0%となった。これは主に、ネットバンク案件及び地方銀行等の金融機関向け次世代勘定系システム開発案件の売上増加や、クレジットカード分野での既存案件の売上増加による。一方、産業・流通分野は同8.6%減となった。社会基盤分野における通信業向けシステム開発案件の受注が増加した一方で、前期の法改正等に伴う開発案件の反動減が影響した。また、公共分野は、新規受注案件の減少により同38.4%落ち込んだ。コロナ禍により医療分野も同24.9%減となった。
b) インフラソリューション・サービス
公共・文教、医療分野のサーバ・ネットワーク構築案件の受注が増加したことに加え、中部地区の電力系案件の受注が増加した。一方で、コロナ禍による対面営業及び顧客先対応業務の制限等により、基盤構築案件の売上が大きく減少した。また、前期のWindows10更新関連ビジネスに伴う反動減も影響した。
c) パッケージベースSI・サービス
DX推進の中心であるクラウド分野のSalesforceビジネス関連の売上高が前期比42.5%増となり、パッケージベースSI・サービスの65.4%を占めた。これは、2020年4月にSalesforceビジネス推進室を設置し、パッケージベースSI・サービス以外の技術者にもSalesforceビジネス関連の資格取得を奨励したことで、複数事業部での展開等による大型開発案件の受注が増加したことによる。その他、アプリの構築、提供、監視、スケールに役立つクラウドプラットフォームのHerokuを活用した、大規模企業向けの案件が寄与した。これらがコロナ禍で需要が低迷した会計パッケージ及び人事給与パッケージの減収をカバーした。
(2) 営業利益の増減要因分析
営業利益の増益要因としては、生産性向上等によりプロジェクト利益の増加(33百万円)、間接原価の減少(40百万円)及び販管費の減少(70百万円)であった。なお、間接原価及び販管費の減少は、コロナ禍の活動自粛などによる諸経費の減少に負うところが大きい。減少要因としては、売上減少によるプロジェクト利益の減少(52百万円)、大型不採算案件の損失(132百万円)、DX推進における教育研究費及び人件費の増加(48百万円)であった。なお、DX推進における教育研究費及び人件費の増加については、先行投資的意味合いが強い。
2. 財務状況と財務比率
2021年3月期末の資産合計は、5,746百万円と前期末比248百万円増加した。これは主に、現金及び預金(217百万円)の増加による。ほかの項目には大きな変動はない。
同社は無借金経営であり、流動比率は393.7%、自己資本比率は68.7%と財務の安全性は極めて高い。総合的比率となる自己資本当期純利益(ROE)についても、11.4%(前期比2.4ポイント低下)と10%超の高水準である。
3. キャッシュ・フロー
2021年3月期末の現金及び現金同等物の残高は前期比211百万円増の2,367百万円となった。営業活動によるキャッシュ・フローの収入(398百万円)が、投資活動によるキャッシュ・フローの支出(25百万円)及び財務活動によるキャッシュ・フローの支出(161百万円)を上回った。また、財務活動によるキャッシュ・フローの支出のうち、配当金の支払による支出が161百万円となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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