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*13:06JST ジーニー Research Memo(6):2024年3月期は売上収益・売上総利益が2ケタ増(3)
■ジーニー<6562>の業績動向
5. トピックス
(1) ソーシャルワイヤーを連結子会社化
同社は2024年7月、ソーシャルワイヤーと資本業務提携し子会社化した。ソーシャルワイヤーはプレスリリース配信サービスや、インフルエンサーPRサービス、取引先反社チェック等をはじめとしたデジタルPR事業を展開しており、特にリリース配信事業では業界首位のPR Times<3922>に次ぐ市場シェア2位の実績を誇る。同社は、自社の持つ技術力とソーシャルワイヤーが持つデジタルPR領域に関する知見との相乗効果によって新たなプロダクト開発を行うほか、両社の顧客に対する製品・サービスのクロスセルを促進し、マーケティング施策の協働で売り込み等を推進していく。既に2025年3月期第1四半期の決算発表時点で、KPIモニタリング体制をはじめとする経営体制を統合したほか、同社の営業やエンジニア等の人材をソーシャルワイヤーに出向させる等の人材交流、JAPAN AI(株)のツールのソーシャルワイヤーへの導入、ソーシャルワイヤーのリスクチェックツールの同社への導入決定等、統合施策が発表されている。
ソーシャルワイヤーはこれまで主力のデジタルPR事業のほか、シェアオフィス事業を展開し国内10拠点のシェアオフィスを運営していた。しかし、新型コロナウイルス感染症拡大の影響や不動産大手のシェアオフィス事業参入を受けて業績が悪化し、2024年3月期には同事業から撤退した。今後は事業ポートフォリオを見直して主力のデジタルPR事業を強化する考えであり、PR広報や販促宣伝、BI/データ分析といったマーケティング領域のDXに向けた製品開発を積極的に行って市場に展開していく。同社との協業によるビジネス拡大の余地は大きいものと弊社では見ており、今後の動向が注目される。なお2025年3月期第1四半期末時点で、ソーシャルワイヤーに対して同社から取締役と社員を派遣してPMI※を順調に進めていると報告されている。
※ 当初計画したM&A後の統合効果を最大化するための統合プロセスを指す。経営統合、業務統合、意識統合の3段階からなる。
(2) ソフトバンクより自己株式を取得
2024年7月、同社はソフトバンク<9434>からの自己株式取得を完了したと発表した。取得した株式の総数は5,625千株で同社発行済株式総数の31.15%に当たる。同社はソフトバンクとの間で、2014年からインターネット広告事業において資本業務提携を実施し、主に広告プラットフォーム事業においてソフトバンクモバイルとの協業を図り、新たなSSP※1サービスやPMP※2サービスを共同開発する等の成果を挙げてきた。しかしソフトバンクからの同社株式の売却打診を機に、同社はソフトバンクとの資本関係がなくとも業務面を含めた良好な関係の維持や事業上の成果の確保は可能と判断し、自己株式の取得を決断した。なお同社とソフトバンクとの関係は、取引関係も含めて業務面での良好な状態を維持できる見込みで、資本提携解消後も業務提携関係は継続する。
※1 Supply Side Platformの略で、媒体の広告枠販売や広告収益最大化を支援するツールを指す。
※2 Private Market Placeの略で、取引先を限定したオンライン上でのリアルタイム入札を指す。
今後の業績や株価動向等を見据えて、消却、長期保有を前提とした望ましい企業への譲渡や、他社買収のための原資等への引き当てを検討しながら、株主還元及び企業価値向上に向けて取り組みを強化する考えである。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
<HN>
5. トピックス
(1) ソーシャルワイヤーを連結子会社化
同社は2024年7月、ソーシャルワイヤーと資本業務提携し子会社化した。ソーシャルワイヤーはプレスリリース配信サービスや、インフルエンサーPRサービス、取引先反社チェック等をはじめとしたデジタルPR事業を展開しており、特にリリース配信事業では業界首位のPR Times<3922>に次ぐ市場シェア2位の実績を誇る。同社は、自社の持つ技術力とソーシャルワイヤーが持つデジタルPR領域に関する知見との相乗効果によって新たなプロダクト開発を行うほか、両社の顧客に対する製品・サービスのクロスセルを促進し、マーケティング施策の協働で売り込み等を推進していく。既に2025年3月期第1四半期の決算発表時点で、KPIモニタリング体制をはじめとする経営体制を統合したほか、同社の営業やエンジニア等の人材をソーシャルワイヤーに出向させる等の人材交流、JAPAN AI(株)のツールのソーシャルワイヤーへの導入、ソーシャルワイヤーのリスクチェックツールの同社への導入決定等、統合施策が発表されている。
ソーシャルワイヤーはこれまで主力のデジタルPR事業のほか、シェアオフィス事業を展開し国内10拠点のシェアオフィスを運営していた。しかし、新型コロナウイルス感染症拡大の影響や不動産大手のシェアオフィス事業参入を受けて業績が悪化し、2024年3月期には同事業から撤退した。今後は事業ポートフォリオを見直して主力のデジタルPR事業を強化する考えであり、PR広報や販促宣伝、BI/データ分析といったマーケティング領域のDXに向けた製品開発を積極的に行って市場に展開していく。同社との協業によるビジネス拡大の余地は大きいものと弊社では見ており、今後の動向が注目される。なお2025年3月期第1四半期末時点で、ソーシャルワイヤーに対して同社から取締役と社員を派遣してPMI※を順調に進めていると報告されている。
※ 当初計画したM&A後の統合効果を最大化するための統合プロセスを指す。経営統合、業務統合、意識統合の3段階からなる。
(2) ソフトバンクより自己株式を取得
2024年7月、同社はソフトバンク<9434>からの自己株式取得を完了したと発表した。取得した株式の総数は5,625千株で同社発行済株式総数の31.15%に当たる。同社はソフトバンクとの間で、2014年からインターネット広告事業において資本業務提携を実施し、主に広告プラットフォーム事業においてソフトバンクモバイルとの協業を図り、新たなSSP※1サービスやPMP※2サービスを共同開発する等の成果を挙げてきた。しかしソフトバンクからの同社株式の売却打診を機に、同社はソフトバンクとの資本関係がなくとも業務面を含めた良好な関係の維持や事業上の成果の確保は可能と判断し、自己株式の取得を決断した。なお同社とソフトバンクとの関係は、取引関係も含めて業務面での良好な状態を維持できる見込みで、資本提携解消後も業務提携関係は継続する。
※1 Supply Side Platformの略で、媒体の広告枠販売や広告収益最大化を支援するツールを指す。
※2 Private Market Placeの略で、取引先を限定したオンライン上でのリアルタイム入札を指す。
今後の業績や株価動向等を見据えて、消却、長期保有を前提とした望ましい企業への譲渡や、他社買収のための原資等への引き当てを検討しながら、株主還元及び企業価値向上に向けて取り組みを強化する考えである。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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