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オプティムのニュース
*13:01JST オプティム Research Memo(1):2024年3月期第2四半期はストック売上が順調に成長(1)
■要約
オプティム<3694>は、現 代表取締役社長の菅谷俊二(すがやしゅんじ)氏が佐賀大学学生時代の2000年に友人らと起業したAI・IoT技術を得意とするベンチャー企業である。“ネットを空気に変える”がミッションであり、主力の「Optimal Biz」及び「OPTiM Cloud IoT OS」のデファクトスタンダード化を通じて、第4次産業革命の中心的役割を果たす企業を目指している。当初から世の中にないサービスを作り出すことを念頭に技術開発を行っており、関連の特許を数多く所有する(出願数1,129件、登録数548件、2023年9月時点)。菅谷氏は1993年~2020年「情報通信分野」特許資産個人ランキング1位を獲得している。様々な業界の大手企業が同社のパートナーであり、技術力やポテンシャルは内外からも高く評価されている。2014年に東京証券取引所(以下、東証)マザーズ上場、2015年には同市場1部に昇格し、2022年4月の同市場再編に伴いプライム市場へ移行した。
1. 事業内容
同社の主力事業は「IoTプラットフォームサービス」であり、全社売上高の87.0%(2023年3月期)を構成する。その内訳としては従来からの強みである「モバイルマネジメントサービス」と近年投資を積極化する「X-Tech(クロステック)サービス」に分類される。「モバイルマネジメントサービス」では、スマートフォンやタブレットなどの様々なデバイスをクラウド上で管理し、組織内の運用管理、資産管理やセキュリティポリシーの設定などを行う「Optimal Biz」が主力サービスであり、パートナー企業による代理販売、OEM提供などで流通し、端末数に応じたライセンス料を受領する。
「X-Techサービス」では、AI・IoTプラットフォーム「OPTiM Cloud IoT OS」を活用した業種別の取り組みや、「OPTiM AI Camera」をはじめとするパッケージサービス等を展開する。「OPTiM Cloud IoT OS」を用いる取り組みとして、各産業とITを組み合わせて、すべての産業を第4次産業革命型へと変化させる「〇〇×IT(〇〇に業種が入る)」を実施している。農林水産業では、2016年に日本で初めて農業分野でドローン・AIを活用した害虫駆除の実証実験に成功している。2018年には同社が主導する“スマート農業アライアンス”が全国規模で行われ、契約生産者にスマート農業サービスを提供することをはじめとし、米や大豆などの作物が本格的に収穫された。医療分野においては、2016年に日本初の遠隔診療サービス「ポケットドクター」を、2020年には「オンライン診療プラットフォーム」をリリースした。同年、(株)メディカロイド(川崎重工業<7012>とシスメックス<6869>の合弁会社)が開発した国産初の手術支援ロボットシステム「hinotoriTM サージカルロボットシステム」のネットワークサポートシステムに、同社のAI・IoTプラットフォーム「OPTiM Cloud IoT OS」が採用された。建設業界では、世界初のスマートフォンを活用した高精度な3次元測量アプリ「OPTiM Geo Scan」の提供を行う。「X-Techサービス」ではこのほかにも多数のキラーサービスが登場している。
同社は創業来、知財戦略に基づく豊富な技術力及び事業創造力を背景に、常に革新的なサービスを提供し新しい市場を開拓してきた。国内市場ではシェア1位のサービスを複数擁し、豊富なライセンス収益を基盤としたビジネスモデルを確立している。また、近年ではAI・IoT・ビッグデータのマーケットリーダーとして、各産業のトッププレイヤーと強固なビジネスディベロップメントを推進している。
2. 業績動向
2024年3月期第2四半期の連結業績は、売上高が前年同期比5.6%増の4,384百万円、営業利益が同33.1%増の762百万円、経常利益が同29.9%増の671百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同31.9%増の394百万円となり、創業来24期連続となる過去最高売上高達成に向けて順調に折り返した。売上高は、約8割を占めるストック売上が特に順調に推移した。モバイルマネジメントサービスの中核となる「Optimal Biz」、X-Techサービスの中核となる「OPTiM Cloud IoT OS」を中心として順調に推移した。また、建設業界向け3次元測量アプリ「OPTiM Geo Scan」などのライセンス数が順調に積み上がった。フロー型の売上では「マーケティングDX」における売上が好調に推移した。利益については、売上総利益率が同1.0ポイント上昇したのに加え、販管費率では同2.6ポイント低下し、これらの結果、営業利益率は同3.6ポイント上昇の17.4%となった。営業利益で同33.1%増と大幅な増益である。全般的には、将来への先行投資をしっかり行いつつ、高い収益性を維持しており、順調な推移と評価できる。
3. 成長戦略・トピックス
同社の基本戦略は、モバイルマネジメントサービスを順調に伸ばしつつ、X-Techサービスを大きく成長させ、業績を飛躍的に発展させるというものであり、この戦略は従来から一貫している。X-Techサービスでは「OPTiM Cloud IoT OS」や関連技術を活用した業界特化のキラーサービスを複数展開しており、アグリテック、デジタルコンストラクション、デジタルヘルス、オフィスDX、マーケティングDX、映像管理DXなどが主要な事業領域である。
アグリテックでは、2023年7月に、自動航行ドローンに、種籾を打込むパーツ「ストライプ・シード・シューター」を取り付ける事で、「打込み条播(じょうは)」を行う技術を発表しサービスの提供を開始した。これまでのドローンによる直播と比較して、苗の生育リスクが低く、収量が期待できる。デジタルコンストラクションでは、3次元測量アプリ「OPTiM Geo Scan」が、本格的な提供開始(2021年5月)から約2年半でライセンス契約数累計1000件を突破し勢いが増している。2023年5月には、スマホで高精度・長距離3次元測量ができる地上型レーザースキャナー「OPTiM Geo Scan Advance」の提供を開始した。従来のiPhone や iPad 内蔵の LiDAR センサーは、射程距離が最大 5m のため、測量が難しいケースがあったが、「OPTiM Geo Scan Advance」により、長距離や接近が難しい土砂崩れ等の災害現場の測量が可能となる。2023年8月には、「OPTiM Geo Scan Advance」が佐賀市における大雨災害の査定のための測量に活用され、立ち入りが困難な場所での作業の効率化に貢献した。マーケティングDXでは、2023年4月に佐賀市のあらゆるサービスを1つのアプリで完結できる「佐賀市公式スーパーアプリ」β版が一般公開された。このアプリは「OPTiM Digital Marketing」の技術をベースにしている。同年6月にリリースされた正式版は半年で約3万人にダウンロードされ、市民の利便性向上に貢献している。成功事例ができれば自治体DXの横展開も期待できる。これらの事例に共通しているのは、蓄積した技術の足し算、掛け算により、新領域の開拓や新機能・新サービスの追加が加速している点だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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オプティム<3694>は、現 代表取締役社長の菅谷俊二(すがやしゅんじ)氏が佐賀大学学生時代の2000年に友人らと起業したAI・IoT技術を得意とするベンチャー企業である。“ネットを空気に変える”がミッションであり、主力の「Optimal Biz」及び「OPTiM Cloud IoT OS」のデファクトスタンダード化を通じて、第4次産業革命の中心的役割を果たす企業を目指している。当初から世の中にないサービスを作り出すことを念頭に技術開発を行っており、関連の特許を数多く所有する(出願数1,129件、登録数548件、2023年9月時点)。菅谷氏は1993年~2020年「情報通信分野」特許資産個人ランキング1位を獲得している。様々な業界の大手企業が同社のパートナーであり、技術力やポテンシャルは内外からも高く評価されている。2014年に東京証券取引所(以下、東証)マザーズ上場、2015年には同市場1部に昇格し、2022年4月の同市場再編に伴いプライム市場へ移行した。
1. 事業内容
同社の主力事業は「IoTプラットフォームサービス」であり、全社売上高の87.0%(2023年3月期)を構成する。その内訳としては従来からの強みである「モバイルマネジメントサービス」と近年投資を積極化する「X-Tech(クロステック)サービス」に分類される。「モバイルマネジメントサービス」では、スマートフォンやタブレットなどの様々なデバイスをクラウド上で管理し、組織内の運用管理、資産管理やセキュリティポリシーの設定などを行う「Optimal Biz」が主力サービスであり、パートナー企業による代理販売、OEM提供などで流通し、端末数に応じたライセンス料を受領する。
「X-Techサービス」では、AI・IoTプラットフォーム「OPTiM Cloud IoT OS」を活用した業種別の取り組みや、「OPTiM AI Camera」をはじめとするパッケージサービス等を展開する。「OPTiM Cloud IoT OS」を用いる取り組みとして、各産業とITを組み合わせて、すべての産業を第4次産業革命型へと変化させる「〇〇×IT(〇〇に業種が入る)」を実施している。農林水産業では、2016年に日本で初めて農業分野でドローン・AIを活用した害虫駆除の実証実験に成功している。2018年には同社が主導する“スマート農業アライアンス”が全国規模で行われ、契約生産者にスマート農業サービスを提供することをはじめとし、米や大豆などの作物が本格的に収穫された。医療分野においては、2016年に日本初の遠隔診療サービス「ポケットドクター」を、2020年には「オンライン診療プラットフォーム」をリリースした。同年、(株)メディカロイド(川崎重工業<7012>とシスメックス<6869>の合弁会社)が開発した国産初の手術支援ロボットシステム「hinotoriTM サージカルロボットシステム」のネットワークサポートシステムに、同社のAI・IoTプラットフォーム「OPTiM Cloud IoT OS」が採用された。建設業界では、世界初のスマートフォンを活用した高精度な3次元測量アプリ「OPTiM Geo Scan」の提供を行う。「X-Techサービス」ではこのほかにも多数のキラーサービスが登場している。
同社は創業来、知財戦略に基づく豊富な技術力及び事業創造力を背景に、常に革新的なサービスを提供し新しい市場を開拓してきた。国内市場ではシェア1位のサービスを複数擁し、豊富なライセンス収益を基盤としたビジネスモデルを確立している。また、近年ではAI・IoT・ビッグデータのマーケットリーダーとして、各産業のトッププレイヤーと強固なビジネスディベロップメントを推進している。
2. 業績動向
2024年3月期第2四半期の連結業績は、売上高が前年同期比5.6%増の4,384百万円、営業利益が同33.1%増の762百万円、経常利益が同29.9%増の671百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同31.9%増の394百万円となり、創業来24期連続となる過去最高売上高達成に向けて順調に折り返した。売上高は、約8割を占めるストック売上が特に順調に推移した。モバイルマネジメントサービスの中核となる「Optimal Biz」、X-Techサービスの中核となる「OPTiM Cloud IoT OS」を中心として順調に推移した。また、建設業界向け3次元測量アプリ「OPTiM Geo Scan」などのライセンス数が順調に積み上がった。フロー型の売上では「マーケティングDX」における売上が好調に推移した。利益については、売上総利益率が同1.0ポイント上昇したのに加え、販管費率では同2.6ポイント低下し、これらの結果、営業利益率は同3.6ポイント上昇の17.4%となった。営業利益で同33.1%増と大幅な増益である。全般的には、将来への先行投資をしっかり行いつつ、高い収益性を維持しており、順調な推移と評価できる。
3. 成長戦略・トピックス
同社の基本戦略は、モバイルマネジメントサービスを順調に伸ばしつつ、X-Techサービスを大きく成長させ、業績を飛躍的に発展させるというものであり、この戦略は従来から一貫している。X-Techサービスでは「OPTiM Cloud IoT OS」や関連技術を活用した業界特化のキラーサービスを複数展開しており、アグリテック、デジタルコンストラクション、デジタルヘルス、オフィスDX、マーケティングDX、映像管理DXなどが主要な事業領域である。
アグリテックでは、2023年7月に、自動航行ドローンに、種籾を打込むパーツ「ストライプ・シード・シューター」を取り付ける事で、「打込み条播(じょうは)」を行う技術を発表しサービスの提供を開始した。これまでのドローンによる直播と比較して、苗の生育リスクが低く、収量が期待できる。デジタルコンストラクションでは、3次元測量アプリ「OPTiM Geo Scan」が、本格的な提供開始(2021年5月)から約2年半でライセンス契約数累計1000件を突破し勢いが増している。2023年5月には、スマホで高精度・長距離3次元測量ができる地上型レーザースキャナー「OPTiM Geo Scan Advance」の提供を開始した。従来のiPhone や iPad 内蔵の LiDAR センサーは、射程距離が最大 5m のため、測量が難しいケースがあったが、「OPTiM Geo Scan Advance」により、長距離や接近が難しい土砂崩れ等の災害現場の測量が可能となる。2023年8月には、「OPTiM Geo Scan Advance」が佐賀市における大雨災害の査定のための測量に活用され、立ち入りが困難な場所での作業の効率化に貢献した。マーケティングDXでは、2023年4月に佐賀市のあらゆるサービスを1つのアプリで完結できる「佐賀市公式スーパーアプリ」β版が一般公開された。このアプリは「OPTiM Digital Marketing」の技術をベースにしている。同年6月にリリースされた正式版は半年で約3万人にダウンロードされ、市民の利便性向上に貢献している。成功事例ができれば自治体DXの横展開も期待できる。これらの事例に共通しているのは、蓄積した技術の足し算、掛け算により、新領域の開拓や新機能・新サービスの追加が加速している点だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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