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イグニスのニュース
■要約
イグニス<3689>は、スマートフォン向けネイティブアプリの企画・開発・運営・販売等を主力としている。「コミュニティ」「ゲーム」「その他(新規事業等)」の3つのジャンルを事業の柱とし、ゲーム及び非ゲームの領域で独自のポジショニングを確立してきた。また、新規事業としてVRやAI、IoTなどにも取り組んでいる。ロングセラーとなっている「ぼくとドラゴン」(ゲーム)に加えて、オンライン恋愛・婚活サービス「with」(コミュニティ)が順調に伸びており、2本目の柱に育った。さらに2019年8月13日にはバーチャルライブアプリ「INSPIX LIVE」をリリース。他社IPを含むバーチャルライブを順次公開予定(中国や北米など海外展開も視野)であり、新たな成長軸として期待される。
2019年9月期第3四半期(累計)の業績は、売上高が前年同期比11.7%増の4,062百万円、営業損失が723百万円(前年同期は951百万円の損失)と増収ながらVR事業への先行費用等により営業損失が継続した。また、売上高、利益ともに計画を下回る進捗となっている。売上高は、リリースより5年目に突入した「ぼくとドラゴン」が利益重視の運営や競争激化の影響により縮小傾向となるなかで、「with」の大幅な拡大が増収に寄与した。損益面では、「with」の伸びが利益貢献する一方、VR事業への先行費用が利益を圧迫。また、ゲーム事業における新規タイトル(「でみめん」「猫とドラゴン」)が当初想定よりも低調に推移していることが売上高及び利益が計画を下回っている主な理由である。
2019年9月期の業績予想について同社は、第3四半期までの進捗等を踏まえて、2019年9月17日に減額修正を発表した。修正後の業績予想として、売上高を前期比12.8%増の5,500百万円、営業損失を700百万円(前期は2,532百万円の損失)と増収及び損益改善を見込んでいるが、通期業績での黒字転換は持越しとなる見通しである。但し、第3四半期までの実績と今回発表された業績予想の修正値の差異を見ると、第4四半期会計期間(7~9月)では、利益が改善(黒字化)していることが見て取れる。売上高は、引き続き「with」の成長加速が増収に寄与。損益面でも、積み上げ型収益モデルである「with」の伸長が利益貢献するものの、特に、売上高及び利益予想を減額修正したのは、ゲーム事業における新規タイトル(「でみめん」「猫とドラゴン」)の下振れと、「INSPIX LIVE」への開発費用(研究開発費及び人件費)が嵩んだことが理由である。
同社は、2020年9月期を最終年度とする中期経営計画を推進しており、市場拡大が見込める「with」とVR事業(エンターテインメント)を大きく伸ばす計画となっているが、今回の業績予想修正の中で2020年9月期計画の見直しを図る(精査中)とされている。弊社では、ゲーム事業が低調に推移していることから、中期経営計画の達成は難しい状況になってきたものの、コミュニティ事業の成長とVR事業(エンターテインメント)の収益化という基本的な方向性に変化はないと見ている。特に、海外を含め、潜在的な市場規模の大きいVR事業(エンターテインメント)が他に類を見ない価値提供(スマートフォン対応による利便性やコストパフォーマンスの高さ、スペックや機能の充実等)によりどのくらいの積み上げができるかがポイントになるだろう。また、検査工程自動化(AI関連)やVR事業(医療)、オンライン診療対応の医療機関向けSaaSなど、これまで取り組んできた新規事業の収益化に向けた道筋にも注目したい。
■Key Points
・2019年9月期第3四半期(累計)の業績は増収ながらVR事業への先行費用により営業損失を継続
・「with」は順調に拡大する一方、ゲーム事業における新作タイトルが低調に推移
・2019年9月期の業績予想を減額修正。増収ながら黒字転換は持越しとなる見通し
・2019年8月にバーチャルライブアプリ「INSPIX LIVE」をリリース。他社IPを含むバーチャルライブを順次公開予定(中国や北米など海外展開も視野)であり、新たな成長軸として期待
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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イグニス<3689>は、スマートフォン向けネイティブアプリの企画・開発・運営・販売等を主力としている。「コミュニティ」「ゲーム」「その他(新規事業等)」の3つのジャンルを事業の柱とし、ゲーム及び非ゲームの領域で独自のポジショニングを確立してきた。また、新規事業としてVRやAI、IoTなどにも取り組んでいる。ロングセラーとなっている「ぼくとドラゴン」(ゲーム)に加えて、オンライン恋愛・婚活サービス「with」(コミュニティ)が順調に伸びており、2本目の柱に育った。さらに2019年8月13日にはバーチャルライブアプリ「INSPIX LIVE」をリリース。他社IPを含むバーチャルライブを順次公開予定(中国や北米など海外展開も視野)であり、新たな成長軸として期待される。
2019年9月期第3四半期(累計)の業績は、売上高が前年同期比11.7%増の4,062百万円、営業損失が723百万円(前年同期は951百万円の損失)と増収ながらVR事業への先行費用等により営業損失が継続した。また、売上高、利益ともに計画を下回る進捗となっている。売上高は、リリースより5年目に突入した「ぼくとドラゴン」が利益重視の運営や競争激化の影響により縮小傾向となるなかで、「with」の大幅な拡大が増収に寄与した。損益面では、「with」の伸びが利益貢献する一方、VR事業への先行費用が利益を圧迫。また、ゲーム事業における新規タイトル(「でみめん」「猫とドラゴン」)が当初想定よりも低調に推移していることが売上高及び利益が計画を下回っている主な理由である。
2019年9月期の業績予想について同社は、第3四半期までの進捗等を踏まえて、2019年9月17日に減額修正を発表した。修正後の業績予想として、売上高を前期比12.8%増の5,500百万円、営業損失を700百万円(前期は2,532百万円の損失)と増収及び損益改善を見込んでいるが、通期業績での黒字転換は持越しとなる見通しである。但し、第3四半期までの実績と今回発表された業績予想の修正値の差異を見ると、第4四半期会計期間(7~9月)では、利益が改善(黒字化)していることが見て取れる。売上高は、引き続き「with」の成長加速が増収に寄与。損益面でも、積み上げ型収益モデルである「with」の伸長が利益貢献するものの、特に、売上高及び利益予想を減額修正したのは、ゲーム事業における新規タイトル(「でみめん」「猫とドラゴン」)の下振れと、「INSPIX LIVE」への開発費用(研究開発費及び人件費)が嵩んだことが理由である。
同社は、2020年9月期を最終年度とする中期経営計画を推進しており、市場拡大が見込める「with」とVR事業(エンターテインメント)を大きく伸ばす計画となっているが、今回の業績予想修正の中で2020年9月期計画の見直しを図る(精査中)とされている。弊社では、ゲーム事業が低調に推移していることから、中期経営計画の達成は難しい状況になってきたものの、コミュニティ事業の成長とVR事業(エンターテインメント)の収益化という基本的な方向性に変化はないと見ている。特に、海外を含め、潜在的な市場規模の大きいVR事業(エンターテインメント)が他に類を見ない価値提供(スマートフォン対応による利便性やコストパフォーマンスの高さ、スペックや機能の充実等)によりどのくらいの積み上げができるかがポイントになるだろう。また、検査工程自動化(AI関連)やVR事業(医療)、オンライン診療対応の医療機関向けSaaSなど、これまで取り組んできた新規事業の収益化に向けた道筋にも注目したい。
■Key Points
・2019年9月期第3四半期(累計)の業績は増収ながらVR事業への先行費用により営業損失を継続
・「with」は順調に拡大する一方、ゲーム事業における新作タイトルが低調に推移
・2019年9月期の業績予想を減額修正。増収ながら黒字転換は持越しとなる見通し
・2019年8月にバーチャルライブアプリ「INSPIX LIVE」をリリース。他社IPを含むバーチャルライブを順次公開予定(中国や北米など海外展開も視野)であり、新たな成長軸として期待
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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