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【QAあり】DMP、AI用途での法人ライセンス案件計上により1Q売上高は前期比+45%・ライセンス型売上は前期比+70%、調整後EBITDA黒字化

投稿:2025/08/27 13:00

目次

吉村修一氏(以下、吉村):ダイナミックマッププラットフォーム株式会社代表取締役社長CEOの吉村です。本日はお忙しい中、当社の2026年3月期第1四半期決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。

まずは、本日の流れについて簡単にご案内します。冒頭に会社概要および事業概要、技術・研究開発への取り組みについてご説明します。その後、2026年3月期第1四半期の実績および通期の業績見通し、さらにパイプラインについてご説明し、最後にQ&Aを行う予定です。

会社概要

まず、会社概要についてです。本スライド以降、2025年3月期通期決算説明会での説明と重複する部分もありますが、当社についてご理解いただくために、おさらいを兼ねてあらためてご説明します。

当社は2016年6月に設立され、日本、北米、欧州、韓国、中東で事業を展開しています。これは日本政府主導のもと、自動車会社などが協調出資する形で設立されたものです。

その後、北米の同業他社を海外買収し、グローバル展開を進めています。このような背景から、自動運転や社会のデジタル化に関わるビジネスを進める上で、自動車会社や関係省庁との強固な関係が、当社の事業推進にとって有利に働いています。

数字でみるダイナミックマッププラットフォーム

スライドでは、当社の特徴を1枚にまとめています。2025年3月期連結での売上高は74億円で、年平均成長率は52パーセント、自動運転および先進運転支援システム(以下、ADAS)の市場は、2030年までに年平均37パーセントで拡大すると見込んでいます。

ハイライト

続いて、当社のハイライトを4つ説明します。

1つ目は、当社がダイナミックマップという高精度な位置情報基盤をグローバルに構築する、ディープテック型のスタートアップである点です。今後、グローバルで飛躍的な拡大が見込まれる自動運転市場とデジタルマップ市場において、当社は先進技術を基盤に、先行して事業を展開してきました。

2つ目のハイライトは、日系大手自動車メーカー10社やGM、日本政府など、優良な顧客基盤を有しており、高い売上成長性を実現可能な点です。これは、当社が大手企業の技術を結集する形で設立されたことと、その後に北米最大手企業を買収した経緯によるものです。当社は、拡大するグローバルマーケットの恩恵を享受できる立場にあります。

3つ目は、競合他社と比較して圧倒的なデータ量を保有しており、世界初となる自動運転レベル2+・レベル3を実現した技術力という競争優位性を持っている点です。当社の従業員はグローバルで約220名おり、そのうち7割がエンジニアです。日米のエンジニアがそれぞれの技術を持ち寄り、継続的に開発を行っています。

4つ目は、ビジネスモデルです。当社のビジネスモデルは、フロー型のプロジェクトビジネスとストック型のライセンスビジネスの2本柱で構成されています。プロジェクトビジネスを通じて事業基盤を整備した後は、収益性の高いライセンスビジネスを展開することで、全社として高収益体質を実現可能である点が特徴です。

Modeling The Earth

当社のビジネスを一言で表すと、「Modeling The Earth」、日本語では「地球のデジタル化」になります。現実世界をデジタル空間に複製し、デジタル社会のインフラとなる高精度な3次元データを提供するプラットフォーマーを目指しています。

このプラットフォームにさまざまな情報を結びつけることで、分析・制御・予測を可能にし、社会課題の解決に貢献するイノベーションを実現しています。

高精度3次元データをグローバルに構築(180万kmのデータを整備済)

続いて、当社が保有するデータについてご説明します。今朝発表しましたように、北米での整備距離が30万キロメートル拡大し、150万キロメートルとなりました。この点については後ほどスライドを用いて詳しくご説明します。

これまでの先行投資の結果として、自動車メーカー各社の要求を満たしながら、圧倒的なカバレッジを有する高精度3次元データをグローバルに構築してきました。

グローバルで合計180万キロメートルにおよぶ整備済みのデータは、量産車に搭載される自動運転およびADAS向けの利用にとどまらず、世界各国における産業のデジタル化や社会課題の解決に貢献する大きなポテンシャルを有しています。

各種データ連携を通じたダイナミックマッププラットフォーム構築

当社が提供する高精度3次元データは、さまざまな動的情報を紐づけるためのデータ基盤となっています。これら静的情報と動的情報を統合したものが、ダイナミックマップと呼ばれるものです。

公道における静的データの取得からスタートし、さまざまな動的データの収集・システム化を進めるとともに、公道以外の特定エリアへの展開や、動的データを統合するアプリケーションの開発・導入にも取り組み、ダイナミックマップの構築を進めています。

ダイナミックマップは、今後の産業のデジタル化・効率化を支える共通基盤として重要な役割を果たすと考えています。その社会実装に向けては、より広範なデータ取得が必要であり、当社としてはアライアンスの拡大やパートナーとの協力を通じて、データ基盤となるデジタルアセットの構築に取り組んでいます。

ビジネスモデル全体像(プロジェクトとライセンスの2本柱)

次に、当社のビジネスモデルについておさらいします。当社のビジネスモデルは、プロジェクト型とライセンス型の2つに分類されます。プロジェクト型では、安定した粗利率を確保しつつ、データやソフトウェアの整備を進めるための事業基盤構築の役割を果たしています。

ライセンス型は、プロジェクト型で整備したデータやソフトウェアをライセンスアウトすることで、コストを増やさずに収益を増加させ、高い収益性を実現できます。

具体的には、自動車会社向けの場合、プロジェクト型では特定の顧客から受注を得て粗利を確保しつつ、高精度の三次元地図データを整備します。その後、そのデータを他の自動車会社や自動運転システム会社、半導体メーカー向けにライセンス型で提供することで、高い利益率を実現しています。

また、道路の変化に合わせてデータの更新も必要になるため、累積的に売上高が伸びていくビジネスモデルとなっています。

将来の収益イメージ

こちらは、売上高の成長イメージを図示したものです。プロジェクト型ビジネスでは、マップの更新案件や国家プロジェクトを通じて安定した収益獲得が期待できます。

また、オートモーティブのライセンス型ビジネスでは、売上のパイプラインに裏付けられた量産ライセンスの販売と、アライアンスによる法人ライセンスの販売により堅実な成長が見込まれています。

3Dデータのライセンス型ビジネスは、グローバルかつ多用途に潜在的な成長可能性を有しています。

AI搭載のインテリジェントマップがモビリティと自動走行の未来を牽引

続いて、このパートでは、当社の技術および研究開発への取り組みについて、最新の状況をご説明します。

重要な点としてAIの活用があります。当社グループでは、人工知能(AI)をイノベーションの中心に据え、よりスマートで高精度な3次元地図データの生成を推進し、次世代のモビリティおよび自動運転の未来を牽引することを目指しています。

具体的には、「AI for Data」と「Data for AI」という2つの柱でAIの活用を推進しています。

まず、「AI for Data」はデータのためのAIですが、当社におけるデータ生成にAIをどう活用するかというものです。AIの活用により、高精度3次元地図データの生成プロセスを自動化し、更新の鮮度や品質の向上を大幅に実現しています。

当社が活用している各種技術とその成果についてはスライド左側に記載があり、アライアンスについては後ほどご説明します。

一方の「Data for AI」は、AIのためのデータ活用です。顧客のAI活用に向けて、当社データをどのように提供するかについてですが、当社グループが提供するデータはADASを駆動させ、完全自動運転車の開発を加速させるためのAIの学習・推論用、またはODDの設定やシミュレーション用途など、AIと補完関係を築く形で利用されています。

ちなみに、ODDとは「Operational Design Domain(運用設計領域)」の略で、自動運転およびADASが機能する条件や範囲をデザインするものとご理解いただければと思います。

簡単に申し上げると、当社のデータは、AIの力を最大限発揮させるために必要な空間理解力を高めることに役立っています。「Data for AI」の収益モデルとしては、法人向けに固定価格で当社データをライセンス提供する「法人ライセンス」モデルで販売しています。

自動運転のソフトウェアは、自動車メーカーごとにモデル別の開発が行われるため、当社にとって案件機会は非常に豊富です。

2026年3月期第1四半期において、大手自動車メーカーグループ向けに「Data for AI」を通じたデータ販売実績があり、今後も収益への貢献が期待されます。

(取組事例)日本マイクロソフトと連携し「AI for Data」の取り組みを加速

続いて、日本マイクロソフトと連携した「AI for Data」の取り組みについてご説明します。この度、当社は日本マイクロソフトと連携し、「Azure Databricks」を利用して「AI for Data」の取り組みを加速することを発表しました。

マイクロソフトのAI技術を活用することで、当社データ内の地物抽出や図化作業の自動化率を向上させ、コストの大幅な削減を目指しています。

また、この取り組みは、自動運転・ADAS向けの高精度3次元地図データや、除雪支援システムなどの各種ガイダンスサービスなど、すでに展開しているサービスにも順次導入していく予定です。

当社は日本マイクロソフトと連携し、AIの導入をさらに加速させていきます。

政府研究開発事業(国家プロジェクト)を通じた研究・商品開発の取り組み

次に、国家プロジェクトを通じた研究サービス開発の取り組みについてご案内します。

2024年度は、計4件の国家プロジェクトに取り組みました。当社グループが保有するデータや技術を提供することで、社会課題解決に貢献するとともに、自己投資を抑制しながら新たなライセンス商品の開発に取り組むことができる、研究開発・サービス開発の機会となっています。

これら4件のプロジェクトは、モビリティやインフラストラクチャーなど、当社が目指すビジネス領域に幅広く活用できる研究開発事業です。これらの成果や技術を基に、社会実装およびビジネス化を進める計画を立てています。

2024年度 政府研究開発事業(国家プロジェクト)成果報告

それぞれのプロジェクトについて、昨年度の成果を簡単にご紹介します。1つ目は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)によるデジタルライフライン事業です。

昨年度、当社では自動運転に関するデータ連携システムを開発しました。このシステムは、自動運転バスの運行や物流トラックの定時運行を支援し、地域交通の維持や物流の2024年問題の解決に貢献しています。

2つ目は、同じくNEDOによるグリーンイノベーション基金事業です。昨年度は、ダイナミックマップを基にルート探索システムを開発し、運行の最適化や燃費改善の効果を確認しました。

3つ目は、国土交通省によるSBIR事業と、経済産業省によるBRIDGE事業です。昨年度は、空港制限区域におけるデータ連携システムの開発に取り組みました。これにより、空港や港湾での自動運転による安全性と効率性の向上が期待されます。

4つ目は、経済産業省によるSBIR事業で、カープローブデータを活用したグローバルでのデータ更新技術の大規模実証に取り組みました。

昨年度は、自動車会社が収集している大量のカープローブデータを分析・活用することで、高精度3次元地図データの更新業務が効率化できるかの検討を行いました。

スライドでは、2024年度に取り組んだ4件の国家プロジェクトについて、プロジェクトの概要、当社の役割・成果を記載しています。各プロジェクトの詳細はAppendixに掲載していますので、本資料の42ページ目以降をご覧ください。

2026年3月期 第1四半期サマリー

ここからは、2026年3月期第1四半期の実績および通期の見通しについてご説明します。スライドにサマリーをまとめています。第1四半期を振り返ると、全体として2026年3月期の取り組み方針に沿って、事業面・開発面ともに進捗しました。

まず事業面ですが、当社の高精度3次元地図データを搭載したHondaの「ACCORD」が発売され、搭載モデル数は36車種となりました。

また、AI用途での法人ライセンス案件(Data for AI)がクロージングしました。さらに、ダイナミックマップ構築に向けた取り組みでは、三井不動産、ソニーグループに加え、JALや大手エネルギー企業との連携を進めています。

技術・開発面では、高精度3次元地図データの整備距離が北米で30万キロメートル拡大しました。加えて、先ほどお伝えしたとおり、日本マイクロソフトと連携し、データ生成へのAI活用「AI for Data」の取り組みを加速させました。

なお、当社データを活用した事業領域の拡大および非連続的な成長を実現する目的で、M&Aへの取り組みを本格化しています。現在、複数の候補案件のデューデリジェンスを進めており、具体的な動きがあり次第、随時お知らせしていきます。

以上の結果、業績については、前年同期比で売上高が45パーセント増加し、ライセンス型売上も70パーセントの大幅増加となりました。さらに、利益指標である調整後EBITDAもプラスとなり、黒字化を達成しています。

北米における高精度3次元地図データ整備距離の拡大

今朝発表しましたが、このたび北米(米国・カナダ)において、セカンダリロードまでのデータ整備が完了しました。整備距離は95万マイル、約150万キロメートルに到達しました。

今回新たに整備が完了した北米のセカンダリロードというロードクラスは、日本で言うと都道府県道や比較的交通量の多い市町村道に相当し、生活圏の道路までデータ整備が完了したことを意味しています。

スライド右側の技術・開発面での成果として、中央分離帯のない道路で安全なハンズフリー運転を実現することに貢献しています。

また、今回のデータカバレッジ拡大の戦略的価値として、北米には約2万8,000軒の自動車ディーラーが存在し、その99パーセントが当社保有のデータから1.6キロメートル(約1マイル)以内に位置します。

これにより、ディーラーでの試乗やADAS機能の利用促進を通じて、ユーザー体験の向上に寄与できると考えています。

広範なデータカバレッジは、自動運転技術のさらなる発展に貢献し、自動車業界のイノベーションの基盤となることが期待されています。また、これは自動車向けだけでなく、全米のインフラアセットの維持管理にも活用可能です。

「Honda SENSING 360+」に当社の高精度3次元地図データ採用(ACCORDに搭載)

続きまして、オートモーティブ向けの量産ライセンスの進捗についてです。当社データが採用されている「Honda SENSING 360+」が搭載された「ACCORD」の最新グレードが発売されました。

「Honda SENSING 360+」は、従来「ACCORD」に標準搭載されていた「Honda SENSING 360」に、当社の高精度3次元地図データなどを新たに追加したものです。

これにより、自車の位置を正確に特定することが可能となり、ハンズオフ走行の実現やシステムによるレコメンド型車線変更支援機能をサポートします。

今回の「ACCORD」への搭載によって、当社データを搭載する量産車はグローバルで36車種となりました。今後も、自動車メーカーの了解が得られたものについては、車種をお知らせしていく予定です。

業界横断的な社会へのインパクト(高精度3次元データの活用領域)

スライドは、当社データが活用される領域や業界を示しています。

この四半期のアップデートとしては、レベル4自動運転を活用した大手エネルギー企業との物流の自動化への取り組みや、日本航空グループとの高精度3次元データを活用した空港における航空機のプッシュバックガイダンスに関する新たな取り組みを発表しました。

ダイナミックマッププラットフォーム構築に向けた取り組み

スライドで詳細を示していますが、1つ目の大手エネルギー企業との取り組みについては、同社のエネルギー事業の業務効率化を目的に、同社の関連施設内および周辺の一般道での自動運転の実現を共同で推進することに関して、MOU(基本合意書)を締結しました。

また、日本航空のグループ会社であるJALグランドサービスとともに、新千歳空港において当社のデータを活用した除雪支援システム「SRSS」を、航空機のプッシュバック時のガイダンスに活用する実証実験を開始しています。

この背景ですが、航空機が滑走路に向かう際、自力での後退ができないため、プッシュバックと呼ばれる、トーイングカーという専用車両による誘導路までの押し出し作業が必要となります。

プッシュバックは空港における日常的な業務作業ですが、常に細心の注意と熟練した技術、そして関係者間での円滑な連携が求められる非常に難易度の高い作業です。

この業務を、当社のシステムでガイダンスすることで、安全かつ安心にプッシュバックを実現していきたいと考え、取り組みをスタートさせています。結果が出次第、他の空港での展開も検討する予定です。

2026年3月期 第1四半期 連結業績ハイライト

続いて、2026年3月期第1四半期の業績ハイライトをグラフで示しています。

まず、当社が重視する売上高、ライセンス売上、調整後EBITDAの3つがいずれも前年同期比で増加しました。売上高は14億5,900万円で前年同期比45パーセント増、ライセンス型売上は5億8,600万円で前年同期比70パーセント増、利益指標である調整後EBITDAはプラス2,400万円で前年同期比7億700万円の改善となりました。

売上増加の要因としては、オートモーティブ事業において大手自動車メーカーグループ向けにAI用途(Data for AI)の法人ライセンス売上が計上されたことが挙げられます。また、プロジェクト型売上も北米での新規整備の進捗により増収となりました。

当社の売上には季節変動要因があり、年度の後半、特に第4四半期のウエイトが高くなる傾向があります。しかし、今回の第1四半期では利益率の高い法人ライセンス売上が計上されたこと、原価低減が進んだこと、さらに第2四半期以降に予定していた案件の一部前倒しがあったことにより、調整後EBITDAがプラスとなりました。

(ご参考)連結業績 四半期累計売上高推移

スライドでは、四半期ごとの累計売上高推移を示しています。年度後半のウエイトが高く、季節変動要因はありますが、増収トレンドを継続しています。引き続き、当社としては特にライセンス型売上の成長に取り組んでいきます。

2026年3月期 通期業績予想(据え置き)

第1四半期は、例年と比べて利益率が大幅に改善しました。しかし、今後の見通しについては、米国の関税政策による不確実性が落ち着きつつある一方で、その他の米国政権の政策による影響や各地での地政学的リスクの高まりなど、先行きが依然として見通せない状況と認識しています。そのため、通期の業績予想は据え置きとしています。

具体的には、売上高は70億円、うちライセンス型売上高は23億円、調整後EBITDAはマイナス5億円と据え置いています。

2026年3月期 事業環境と取り組み方針

次に、2026年3月期の事業環境と取り組み方針のスライドに移ります。

こちらは、今年5月に発表した2025年3月期の通期決算時に示したものから大きな変更はありません。スライド左側にある事業環境では、前のスライドで説明しました米国の関税措置について、依然として先行きが見通しづらい状況が続いています。これらを踏まえ、2026年3月期の取り組み方針にも変更はありません。

スライド右側に記載されているライセンスビジネスの拡大については、第1四半期に法人ライセンス販売をクローズし、進捗しています。開発面でもアライアンスが拡大しています。このような取り組みを継続することに加え、M&Aを有効なグロース戦略として積極的に推進しています。

2026年3月期 売上増加に向けた主な取り組み

こちらのスライドは、期中で追加受注が期待される2026年3月期の売上増加に向けた取り組みをまとめたチャートです。今年5月の2025年3月期通期決算発表以降の進捗としては、オートモーティブビジネスにおけるAI用途の法人ライセンス案件のクロージングがありました。

また、3Dデータビジネスのプロジェクト型では、総務省V2Nの実証実験を受注し、さらに大手エネルギー企業やJALグループとの基本合意書締結がありました。引き続き、潜在的な売上増加の実現に向けて取り組んでいきます。

主要株主の異動完了について

こちらは先般開示した主要株主の異動についてご説明するスライドです。2025年7月24日、株式会社産業革新投資機構(以下、JIC)が、そのグループ会社である株式会社INCJの保有する当社普通株式のすべてを取得しました。

株式会社INCJは活動期間を2025年3月末までと定められていましたが、本件株式の譲渡により、活動期限を2050年までとするJICが発行済株式の31.33パーセントを保有する当社の筆頭株主となっています。

JICは、次世代を担う企業の成長と競争力強化を支援する目的で設立された官民ファンドと理解しています。当社のオールジャパン体制による国内外の社会課題解決や日本の産業競争力強化につながる取り組みを、支援いただく見通しです。

ライセンス型ビジネス(3Dデータ)

以降は、パイプラインを4つに分けてアップデートしていきます。当社の売上は、以前からお伝えしているとおり、パイプラインによって裏付けされたものであり、成長イメージをご理解いただくために、パイプラインの内訳を列挙するかたちで示しています。

ただし、具体的な顧客名や数字、将来見込みなど、一部開示が難しい情報もありますが、可能な限り最大限の情報を開示している点をご理解いただければと思います。また今回は、今年5月に開示した内容から更新箇所のみをご説明します。

まず1つ目は、ライセンス型の3Dビジネスです。今回のアップデートとしては、販売パートナーを通じたデータ拡販について、海外のソフトウェア企業とのライセンス契約締結に向けて最終調整の段階に入っています。このライセンス契約に基づき、今後、データ販売の拡大が期待されています。

ライセンス型ビジネス(オートモーティブ)

2つ目はライセンス型のオートモーティブビジネスです。量産車向けライセンスについては大きな更新はなく、順調に進捗しています。前回もご説明したとおり、大手自動車メーカーG社との北米における大型契約については、契約締結に向けて最終調整中です。新モデルの量産開始スケジュールに合わせて予定どおりに進捗しています。

法人向けライセンスについては大手自動車メーカーグループ向けの法人ライセンス売上を第1四半期にクロージングしました。

大手半導体メーカー向けの法人ライセンス取引も商談が進捗しています。これらは、いわゆる「Data for AI」として、AIの学習用データに当社のデータが利用される予定です。一方で、シミュレーション用途でも新規受注を見込んでいます。また、自動運転システム開発会社向けの法人ライセンスの販売についても契約を締結しています。

こうした法人ライセンスは、当社がすでに保有している既存データを販売するため、限界利益がほぼ100パーセントとなり、非常に高い利益率が期待できます。

プロジェクト型ビジネス(3Dデータ)

3つ目はプロジェクト型の3Dデータビジネスです。今年度の国家プロジェクト案件については、総務省との「V2N通信を用いたユースケース実証事業」の契約締結が完了しており、すでに締結済みであった「Bridge公共エリア向けダイナミックマップの開発」とあわせて2件が現時点で確定しています。

また、民間企業との取り組みについては、新たに大手エネルギー企業とのMOU(基本合意書)を締結し、三井不動産向けと同様に準備を進めています。

プロジェクト型ビジネス(オートモーティブ)

4つ目は、プロジェクト型のオートモーティブビジネスについてです。特にアップデートはありませんが、契約済みのプロジェクトの遂行にしっかりと取り組み、商談中の案件のクロージングに向けて取り組んでいます。

中長期ビジョン

最後に、当社の中長期ビジョンです。「高精度位置情報の提供を通じてあらゆる産業における共通基盤を目指す」べく、事業に取り組んでいます。当社事業に引き続きご支援を賜れると幸いです。どうぞよろしくお願いします。

質疑応答:オートモーティブ向け法人ライセンス案件の売上計上とライセンス売上比率について

司会者:「第2四半期以降に計上予定であった案件の一部を前倒計上についてです。当該案件は、ライセンス型売上かプロジェクト型売上か、どちらでしょうか? ライセンス型売上である場合、契約開始時期の前倒しによって今後も継続的に売上が計上される性質のものでしょうか?

一方で、プロジェクト型売上である場合、今回の前倒し分は本来第2四半期以降に計上予定だった売上を移したものであり、その分、第2四半期以降は反動減が見込まれるのでしょうか? また、第1四半期のプロジェクト型売上、ライセンス型売上比率について、前年同期比または直前四半期比で大きな変動がありましたか?」というご質問です。

吉村:こちらについては、オートモーティブ向けの法人ライセンス案件に該当します。この売上の計上方法ですが、複数年契約となるため、契約期間中は売上計上が継続されます。ただし、この案件からの売上の大半は第1四半期に計上されており、第2四半期以降も同水準の売上が継続的に計上されるわけではありません。

ご質問いただいた過去との比較について、当四半期のライセンス売上比率は40パーセントとなっています。前年同期、2025年3月期第1四半期の実績は34パーセント、直前期の2025年3月期第4四半期は16パーセントであり、ライセンス売上比率は上昇しています。

質疑応答:研究開発投資と自己投資額の計画について

司会者:「プロジェクト型売上とならない、自己投資額の向こう5年間の推移はどのようになるのかご教示ください」というご質問です。

吉村:プロジェクト型の売上にならない自己投資額というご質問でしたので、研究開発費に関するご質問と理解しています。

2025年3月期の研究開発費の実績は2億5,900万円でした。2026年3月期(進行期)は、5億円弱を計画しています。今後も概ね同規模程度の研究開発を行う方針です。

なお、研究開発の一部には政府からの助成・補助金を受領するものもあります。政府補助金は売上には計上されませんが、当社が重視する利益指標である調整後EBITDAには含まれるものです。

質疑応答:「Data for AI」の顧客について

司会者:「『Data for AI』について、どのような企業がデータを購入するのか教えてください」というご質問です。

吉村:質問ありがとうございます。個社名はお伝えできませんが、属性としては海外の大手半導体メーカー、大手車載システムメーカー、また自動運転システム会社との商談が現在進行中です。

大手自動車メーカーグループの1社とは、第1四半期で契約を締結し、納品を終えて売上を計上しました。他の自動車メーカーグループとも商談を進めています。

質疑応答:「Data for AI」の取引条件と今後の展望について

司会者:「『Data for AI』の取引条件のイメージについて教えてください。単発の取引なのか、それとも継続して発生するリカーリングの取引なのでしょうか?」というご質問です。

吉村:ご質問ありがとうございます。「Data for AI」ですが、まずこの取引条件はそれぞれの案件ごとに異なるというのが大前提です。開発用途で使われるため、複数年契約のものもあります。そのような契約を極力目指して締結していますが、現状では各社ともAIベースの量産車の投入には至っておらず、基本的にはルールベースのレベル2+やレベル3の段階で、各社が量産車を販売している状況です。そのため、各社ともにAIベースがどこまで進められるのか、探りながら進行しているのが現状です。いわゆる研究開発フェーズにありますが、それに取り組まなければならないというのが、グローバルの全自動車会社の置かれている立場だと理解しています。

したがって、個々の取引については当社として可能な限り複数年度契約にしています。しかし、それが永続的にR&D(研究開発)に使われるかというと、必ずしもそうではありません。そのため、取引としては単発に近いものといえると思います。

一方で、将来的に量産車で活用される場合には、継続取引としてデータ利用料を継続的にいただくことで、当社も売上や利益を計上することを前提に、各社との協議を進めています。そのような契約締結ができることを目指しています。

また、自動運転ソフトウェア自体は、自動車メーカーごと、さらにモデルごとに開発が行われるため、当社にとって案件の機会は非常に豊富です。この機会をしっかりと捉えていきたいと考えています。

質疑応答:M&Aに関する方針と買収対象について

司会者:「検討されているM&Aについて、どのような会社が買収対象になるのでしょうか? また、買収の規模感を教えてください」というご質問です。

吉村:M&Aについては、積極的に取り組んでいきたいということを5月の発表時にもお伝えしており、その取り組みを現在も継続しています。当然、M&Aは買収ですので、高値づかみを避け、極力割安に株式を取得することを大前提としています。

その上で、ご質問いただいた買収対象の考え方についてですが、事業上の関係という観点から申し上げると、2つの方向性があります。いずれも垂直統合という考え方に基づきますが、1つ目は後方統合として、当社が3次元データを生成する際の生産キャパシティの観点から、データの取得・生成に優れた企業の買収を検討するというものです。

もう1つは、垂直統合における前方統合です。こちらは、当社がデータ生成まで行ったものをどのように利活用するのかに長けた企業の買収を指します。これには、ソフトウェア企業が多く該当すると思われます。この2つが大きな方向性として考えられます。

特に、前者である後方統合については、測量会社や建設コンサル業界に強い関心を持っています。具体的には、後方統合として測量会社の買収を検討しています。

当社は以前、米国のGM系企業を水平統合のかたちで買収しており、面は取れたと思っています。次に予定しているのは垂直統合に関する案件であり、現在いくつかの案件について検討・デューデリジェンスを進めている状況です。

買収対象の規模については、売上・買収代金ともに数億円程度を想定しており、現在の手元資金で十分に対応できる規模と考えています。

質疑応答:M&Aのスピード感と2026年3月期業績への影響について

司会者:「進めているM&Aの2026年3月期業績への影響を教えてください」というご質問です。

吉村:ありがとうございます。M&Aは、まずスピード感を持って取り組んでいきたいと思います。

確実にデューデリジェンスを行い、クロージングまで進めたいと考えています。ただし、現時点では2026年3月期業績への影響としてお示しできるものはありません。進捗については開示の場を含めて、随時みなさまにお知らせしていきたいと考えています。

質疑応答:米国関税政策の影響と自動車業界の見通しについて

司会者:「米国関税政策の影響について、日米間の合意もあり、落ち着いてきたと見えます。引き続き自動車業界の開発・投資に対する姿勢は慎重なままでしょうか?」というご質問です。

吉村:ありがとうございます。本編でご説明したとおり、米国の関税政策に関しては落ち着きが見えているとの見方もあります。ただし、特定国間で引き続き新たな協議が行われる可能性もあり、米国政権の方針が依然として不透明な状況です。

当社は直接的な関税の影響はほとんど受けない立場にありますが、注視すべき点として、クライアントである自動車メーカー側の財務状態、つまり業績があります。現時点で各社ともに減益予想を継続しており、自動車業界における開発や投資に対して慎重な姿勢が続くと考えています。したがって、当社としては保守的な見通しを崩さない前提のもと、今回の四半期説明を行いました。

質疑応答:株主変更に伴う保有期間とロックアップについて

司会者:「JICはINCJから株式を取得するに当たり、保有期間の計画を定めているのでしょうか? また、売却ができないロックアップ期間について取り決めはありますか?」というご質問です。

吉村:株主の変更に伴う保有期間とロックアップについてのご質問と理解しました。まず、JICによる株式取得に際して、保有期間の計画を定めているとは聞いていません。また、JICは2050年まで活動期限が続く投資会社と理解していますので、引き続き株主として当社の事業をご支援いただけることを期待しています。

そして当社は社会課題の解決および日本の競争力強化という大義、いわばミッションに即した活動を行っているつもりです。その点からも、ご支援いただけることを期待しています。

2つ目のロックアップについてですが、JICと当社の間で一定期間売却を禁止するロックアップの期間については、特段の取り決めは存在しません。

質疑応答:株価と大口株主の対応について

司会者:「最近、株式市場は活況を呈していますが、貴社の株価は低迷しています。この背景には、既存大口株主による売却懸念、いわゆるオーバーハング懸念が影響していると考えていますか?」というご質問です。

吉村:株価に関してはご心配をおかけしていますが、ご評価いただけますよう、引き続き事業に邁進していきたいと考えています。筆頭株主であったINCJが保有する株式すべてを、活動期限が2050年までと聞いているJICが取得したことにより、大口株主の対応については当面の対応が完了したと当社では考えています。

また、先ほどのご質問でも回答しましたが、JICには引き続き株主としてご支援いただけることを期待しています。

質疑応答:出来高増加に向けた取り組みと現状について

司会者:「他の新規上場銘柄と比べて出来高が少ない印象ですが、その理由は何でしょうか?」というご質問です。

吉村:出来高は、市場参加者が取引いただいた結果であると理解しています。当社が能動的にできることとしては、各種の開示やIR活動を通じて、事業進捗についてできるだけみなさまにご理解いただけるよう努めていくことに尽きるかと思います。

足元の出来高を毎日確認していますが、投資家のみなさまが取引しやすいように、出来高、流動性を意識して取り組んでいます。引き続きご支援とご理解をいただければと思います。

配信元: ログミーファイナンス

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