104円
レカムのニュース
■今後の見通し
1. 2019年9月期通期業績予想
レカム<3323>の2019年9月期の通期業績予想は、売上高が前期比56.2%増の11,400百万円、営業利益は同83.7%増の1,200百万円、経常利益は同91.1%増の1,200百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同119.8%増の670百万円としている。売上高は5期連続の増収で、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は3期連続倍増で過去最高益を見込む内容となっている。また配当については、「配当性向30%を基準に安定した配当を実施する」という基本方針に則り、利益倍増の好業績を前提として、1株当たり3.0円(前期比2倍)を予定している。
当期は2019年9月期までの3ヶ年中期経営計画の最終年度であり、売上高・営業利益の数値計画は最終年度目標を超過達成する予定となっている。
前期比の増減率で見ると、売上高が56.2%増となっているほか、利益指標は80%~100%超の増加率になっており、一見アグレッシブに見える。中期経営計画最終年度目標値をさらに上方修正しているが、弊社では、新設子会社やM&Aによる新規追加の連結子会社業績が好調であることなどから、通期計画達成について同社は自信を持っていると見ている。
2. 事業別戦略の進捗状況
(1) 情報通信事業
同社の創業来のコア事業である情報通信事業においては、2018年9月期は売上高で前期比11.8%増、セグメント利益は同12.8%減であった。2017年9月期までやや伸び悩みの傾向があったのに対し、2桁の増収を記録したのは、第3四半期から子会社化したR・Sが業績に寄与したところが大きい。2019年9月期は売上高で前期比27.6%増、セグメント利益では同約2.1倍の計画を見込んでいる。増収増益の要因は、前記の2会社が通期で業績加算することが大きい。両社は関西地区に拠点があり、同社が比較的手薄であった西日本エリアの販売網を強化し、BPO事業や海外法人事業への営業員転換によって営業人員数が少なくなっていた国内営業力を強化することが可能となった。チャネル別には、上記M&Aの寄与とセキュリティ商品を取扱うヴィーナステックジャパンの売上伸長によって、グループ会社では前期比約2.0倍の増収を見込んでいる。直営店については営業人員の増員で、加盟店については1店舗当たりの売上増で、それぞれ前期比で増収を予想している。また、連結事業の拡大に伴う本社コスト負担の低減により、セグメント利益が改善することとなる。
同社の取り扱うオフィス機器・サービスについては、既に成熟市場で競合となっているものが多く、急拡大は望みにくい商品が多いため、全体的にはかなりチャレンジングな計画のようにも見える。しかし、前期で連結子会社となったR・Sの通期業績寄与することに加え、セキュリティ商品を取り扱うヴィーナステックジャパンの売上伸長などもあり、情報通信事業として2019年9月期の通期業績の達成は確度が高いだろう。
a) チャネル別
2018年9月期は、関西エリアを地盤としてデジタル複合機販売事業、ホームページ制作事業、光回線取次事業に強いR・Sを第3四半期より連結子会社化し、業績拡大に貢献した。2019年9月期は通期で寄与することとなり、2019年9月期予想の増収増益部分の半分程度はこの業績加算効果と推測する。その他、セキュリティ商品を取り扱うヴィーナステックジャパンの売上伸長やグループ会社間の人事交流などにより直営店の営業人員の効率的配置を行うことで販売拡大のシナジーが発揮できるものと思われる。特に、販売網としての西日本エリア強化と、やや手薄になっていた情報通信事業の営業力全体の強化を図れる模様だ。加盟店については、SVのバイジング強化や環境関連事業との事業間シナジーにより、1店舗当たりの売上増に注力し、増収となる見込み。
b) 商品別
商品別では、デジタル複合機はR・Sが得意とする複合機販売、ホームページ制作事業、回線取次事業などが連結数値に加算されること、及び複合機の新サービスプランが売上を牽引すること等により前期比32.6%の増収予想となっている。またUTMは、SOHO向け新製品の販売開始により、新たな市場を開拓すること、新規のOEM受託を強化することにより、販売数量の増加を図ること等により同27.2%の増収予想となっている。一方、直近の2~3年間で伸び悩みが見られたビジネスホンについては、直営店の営業ノウハウをグループ会社に展開することにより同16.9%の増収を計画している。
(2) 環境関連事業
環境関連事業は、2019年9月期通期で、売上高が前期比約2.2倍の2,700百万円、セグメント利益が同37.3%増の280百万円を見込んでいる。前期第2四半期にM&Aにより連結子会社化したレカムIEパートナーにおけるLED照明の代理店販売事業が年間を通じて業績貢献し、売上寄与を見込んでいる。さらに、販売数量増による仕入れメリットを活かして直販強化を図っていくほか、情報通信事業の販売代理店網に対する環境関連商材の拡販を計画している。
(3) BPO事業
BPO事業については、2019年9月期通期では売上高は前期比76.9%増の800百万円、セグメント利益は同63.9%増の100百万円を予想している。前期はスポット業務の減などでやや減収となったが、2019年9月期はM&A効果などで大幅増収増益の計画である。為替リスクやカントリーリスクなどがあるものの、安定した収益源として今後の期待値が高い。
a) M&A効果
現在連結子会社化手続中のマスターピース大連の業績が第2四半期より業績寄与する予定とのこと。中小企業向けBPOパッケージ商品の開発し情報通信事業顧客への販売を行うことで売上高の増大を見込んでいる。一方、既存事業は前期比40.0%増を見込んでいる。
b) AI及びRPA活用
AIやRPA※を活用してBPO業務を実施することにより、業務品質の向上とコストダウンを図る。
※Robotics Process Automationの略で仮想知的労働者とも言われる。定型業務をPC操作も含めて自動化させる業務処理方法。
(4) 海外法人事業
海外法人事業については、2019年9月期通期は、売上高で前期比約2.0倍の2,200百万円、セグメント利益で同約1.8倍の500百万円という大幅拡大を予想している。本事業については、進出国を増やしていくことと商品ラインナップ拡大させる施策を掲げている。海外事業においてカントリーリスクはつきものであるが、まずは日系の製造業を中心とした企業で実績を積み、ある程度チャネルなどを確立した上でローカル企業へ展開するという堅実な方針であり、これまで積み重ねてきた同社の海外事業ノウハウがここにきて一気に事業拡大につながっている感がある。
a) 進出国拡大
前年度に営業を開始したマレーシアとミャンマーが今期から通期業績に寄与する。また、インド・グルガオン支店が今期10月より営業を開始し、第2四半期より業績に寄与する見込みである。
b) 商品ラインナップ拡大
LED照明導入済み顧客に対し、業務用エアコンや太陽光発電システムも提供する計画であり、電気料金の削減のみならず、環境への配慮意識の高い日系企業に対し追加商品の拡販を進めていく。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 山田秀樹)
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1. 2019年9月期通期業績予想
レカム<3323>の2019年9月期の通期業績予想は、売上高が前期比56.2%増の11,400百万円、営業利益は同83.7%増の1,200百万円、経常利益は同91.1%増の1,200百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同119.8%増の670百万円としている。売上高は5期連続の増収で、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は3期連続倍増で過去最高益を見込む内容となっている。また配当については、「配当性向30%を基準に安定した配当を実施する」という基本方針に則り、利益倍増の好業績を前提として、1株当たり3.0円(前期比2倍)を予定している。
当期は2019年9月期までの3ヶ年中期経営計画の最終年度であり、売上高・営業利益の数値計画は最終年度目標を超過達成する予定となっている。
前期比の増減率で見ると、売上高が56.2%増となっているほか、利益指標は80%~100%超の増加率になっており、一見アグレッシブに見える。中期経営計画最終年度目標値をさらに上方修正しているが、弊社では、新設子会社やM&Aによる新規追加の連結子会社業績が好調であることなどから、通期計画達成について同社は自信を持っていると見ている。
2. 事業別戦略の進捗状況
(1) 情報通信事業
同社の創業来のコア事業である情報通信事業においては、2018年9月期は売上高で前期比11.8%増、セグメント利益は同12.8%減であった。2017年9月期までやや伸び悩みの傾向があったのに対し、2桁の増収を記録したのは、第3四半期から子会社化したR・Sが業績に寄与したところが大きい。2019年9月期は売上高で前期比27.6%増、セグメント利益では同約2.1倍の計画を見込んでいる。増収増益の要因は、前記の2会社が通期で業績加算することが大きい。両社は関西地区に拠点があり、同社が比較的手薄であった西日本エリアの販売網を強化し、BPO事業や海外法人事業への営業員転換によって営業人員数が少なくなっていた国内営業力を強化することが可能となった。チャネル別には、上記M&Aの寄与とセキュリティ商品を取扱うヴィーナステックジャパンの売上伸長によって、グループ会社では前期比約2.0倍の増収を見込んでいる。直営店については営業人員の増員で、加盟店については1店舗当たりの売上増で、それぞれ前期比で増収を予想している。また、連結事業の拡大に伴う本社コスト負担の低減により、セグメント利益が改善することとなる。
同社の取り扱うオフィス機器・サービスについては、既に成熟市場で競合となっているものが多く、急拡大は望みにくい商品が多いため、全体的にはかなりチャレンジングな計画のようにも見える。しかし、前期で連結子会社となったR・Sの通期業績寄与することに加え、セキュリティ商品を取り扱うヴィーナステックジャパンの売上伸長などもあり、情報通信事業として2019年9月期の通期業績の達成は確度が高いだろう。
a) チャネル別
2018年9月期は、関西エリアを地盤としてデジタル複合機販売事業、ホームページ制作事業、光回線取次事業に強いR・Sを第3四半期より連結子会社化し、業績拡大に貢献した。2019年9月期は通期で寄与することとなり、2019年9月期予想の増収増益部分の半分程度はこの業績加算効果と推測する。その他、セキュリティ商品を取り扱うヴィーナステックジャパンの売上伸長やグループ会社間の人事交流などにより直営店の営業人員の効率的配置を行うことで販売拡大のシナジーが発揮できるものと思われる。特に、販売網としての西日本エリア強化と、やや手薄になっていた情報通信事業の営業力全体の強化を図れる模様だ。加盟店については、SVのバイジング強化や環境関連事業との事業間シナジーにより、1店舗当たりの売上増に注力し、増収となる見込み。
b) 商品別
商品別では、デジタル複合機はR・Sが得意とする複合機販売、ホームページ制作事業、回線取次事業などが連結数値に加算されること、及び複合機の新サービスプランが売上を牽引すること等により前期比32.6%の増収予想となっている。またUTMは、SOHO向け新製品の販売開始により、新たな市場を開拓すること、新規のOEM受託を強化することにより、販売数量の増加を図ること等により同27.2%の増収予想となっている。一方、直近の2~3年間で伸び悩みが見られたビジネスホンについては、直営店の営業ノウハウをグループ会社に展開することにより同16.9%の増収を計画している。
(2) 環境関連事業
環境関連事業は、2019年9月期通期で、売上高が前期比約2.2倍の2,700百万円、セグメント利益が同37.3%増の280百万円を見込んでいる。前期第2四半期にM&Aにより連結子会社化したレカムIEパートナーにおけるLED照明の代理店販売事業が年間を通じて業績貢献し、売上寄与を見込んでいる。さらに、販売数量増による仕入れメリットを活かして直販強化を図っていくほか、情報通信事業の販売代理店網に対する環境関連商材の拡販を計画している。
(3) BPO事業
BPO事業については、2019年9月期通期では売上高は前期比76.9%増の800百万円、セグメント利益は同63.9%増の100百万円を予想している。前期はスポット業務の減などでやや減収となったが、2019年9月期はM&A効果などで大幅増収増益の計画である。為替リスクやカントリーリスクなどがあるものの、安定した収益源として今後の期待値が高い。
a) M&A効果
現在連結子会社化手続中のマスターピース大連の業績が第2四半期より業績寄与する予定とのこと。中小企業向けBPOパッケージ商品の開発し情報通信事業顧客への販売を行うことで売上高の増大を見込んでいる。一方、既存事業は前期比40.0%増を見込んでいる。
b) AI及びRPA活用
AIやRPA※を活用してBPO業務を実施することにより、業務品質の向上とコストダウンを図る。
※Robotics Process Automationの略で仮想知的労働者とも言われる。定型業務をPC操作も含めて自動化させる業務処理方法。
(4) 海外法人事業
海外法人事業については、2019年9月期通期は、売上高で前期比約2.0倍の2,200百万円、セグメント利益で同約1.8倍の500百万円という大幅拡大を予想している。本事業については、進出国を増やしていくことと商品ラインナップ拡大させる施策を掲げている。海外事業においてカントリーリスクはつきものであるが、まずは日系の製造業を中心とした企業で実績を積み、ある程度チャネルなどを確立した上でローカル企業へ展開するという堅実な方針であり、これまで積み重ねてきた同社の海外事業ノウハウがここにきて一気に事業拡大につながっている感がある。
a) 進出国拡大
前年度に営業を開始したマレーシアとミャンマーが今期から通期業績に寄与する。また、インド・グルガオン支店が今期10月より営業を開始し、第2四半期より業績に寄与する見込みである。
b) 商品ラインナップ拡大
LED照明導入済み顧客に対し、業務用エアコンや太陽光発電システムも提供する計画であり、電気料金の削減のみならず、環境への配慮意識の高い日系企業に対し追加商品の拡販を進めていく。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 山田秀樹)
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