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アーバネット Research Memo(1):2019年6月期上期業績は大幅な増収増益を実現

配信元:フィスコ
投稿:2019/03/08 16:11
■要約

1. 会社概要
アーバネットコーポレーション<3242>は、東京23区内で駅から徒歩10分以内での投資用ワンルームマンションの開発・1棟販売(卸売:BtoB)を基軸事業としている。用地取得からマンション開発、そしてマンション販売会社・ファンド・富裕層等への1棟販売を手掛けており、設計・開発に特化しているところに特徴がある。設計事務所からスタートしたデベロッパーとして、機能性やデザイン性に優れた「ものづくり」や、開発立地へのこだわりが入居者からの高い支持を受け、空室率の低さを誇っている。都心における不動産投資市況にはやや過熱感が続いており、用地取得の困難な状況や開発コストの高止まりなどもみられるが、従来からの不動産投資家に加え、将来の老後生活に不安を抱える新たな若年層の個人投資家や海外投資家の参入、相続税対策目的の富裕層など、いくつもの追い風により業績は好調に推移している。また、ストックビジネスの強化にも取り組んでおり、賃貸収益物件の取得に加えて、新たにホテル事業へも参入した※。持続的な成長に向けて、安定収益源の確保や事業ポートフォリオの拡充に狙いがある。

※2017年7月に既存の宿泊施設を取得(及び賃貸)するとともに、自社開発ホテルプロジェクト第1号「ホテルアジール蒲田」についても進行中(2020年初夏の竣工予定)


2. 2019年6月期上期業績の概要
2019年6月期上期の業績は、売上高が前年同期比29.9%増の11,473百万円、営業利益が同15.9%増の1,412百万円と大幅な増収増益となった。堅調な不動産市況を背景として、既存事業である自社開発による投資用マンション等の販売戸数は8棟411戸(前年同期比116戸増)に拡大した。特に、そのうち3棟228戸が販売効率の高い1棟一括販売となっており、業績の底上げに寄与している。また、「その他」についても、増加している賃貸収益物件により伸長した。利益面でも、開発コストが大きく増加しているものの、増収効果に加えて、1棟一括販売が多かったことや販管費の抑制により大幅な営業増益を実現。営業利益率も高い水準を維持している。

3. 2019年6月期の業績見通し
2019年6月期の業績予想について同社は、2018年12月13日付で期初予想を増額修正している。修正後の業績予想として、売上高を前期比18.7%増の19,100百万円、営業利益を同21.1%増の2,020百万円と大幅な増収増益を見込んでおり、過去最高の売上高を更新する見通しである。増額修正となったのは、次期売上計上を見込んでいた一物件の前倒し販売によるものである。自社開z発の投資用マンション等の販売戸数は年間651戸を計画。そのうち1棟一括販売は、第2四半期までの実績では357戸となっており、計画の半数以上を占めている。開発コストの増加や人員増に伴う人件費の拡大等が想定されるものの、1棟一括販売が多かったことや、販売管理費の圧縮努力により、営業利益率の減少を抑制し、増益を確保する。また、今後の成長に向けた用地仕入れも順調に進んでおり、来期(2020年6月期)以降も高い業績水準が継続する見通しである。

4. 今後の方向性
同社の成長戦略は、既存事業の拡大を軸としつつ、ストックビジネス(自社保有の賃貸収益物件等)や子会社によるBtoC事業(マンション管理及び賃貸業等)の拡大により、事業ポートフォリオの拡充と財務基盤の安定化を図るものである。特に、既存事業については、今後も強化する一方一層増加すると予想される訪日外国人も視野に入れたホテル開発や、独自性のあるターゲットを絞ったマンションの開発等により、事業環境や景気変動に柔軟に対応しながら、持続的な成長を目指す戦略であり、再来期以降の業績の伸びに結び付く用地仕入れの進捗はもちろん、ホテル事業の本格展開に向けた道筋など、次の成長ステージに向けた施策の成果に注目している。


■Key Points
・2019年6月上期業績は大幅な増収増益を実現
・2019年6月期の通期業績も過去最高の売上高を更新する見通し
・今後の成長に向けた用地仕入れの積み上げや自社開発ホテルプロジェクトも順調に進んでおり、来期以降も高い業績水準を継続する見通し
・既存事業を軸とした事業ポートフォリオの拡充により持続的な成長を目指す方針

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)


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配信元: フィスコ
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