アゼアス が今週に入って上値抵抗ラインだった２５日移動平均線を１カ月ぶりに上回るなどチャート妙味が増したことで押し目買いが優勢となっている。

　同社は防護服、畳資材の専門商社。防護服では、米デュポン社製の防護服の輸入販売（国内ではほぼ１００％に近いシェア）で実績を持ち、東京電力 福島第一原子力発電所の事故処理で需要の拡大を受けて、５月３１日には年初来高値１３４３円を付けた。足元では「３、４月に比べれば鈍化しているが、出荷は継続している」（経営企画室）。１０月１１日には、「高視認性防護服」の年内投入も発表した。

　一方、畳資材については、「全国の畳店１７８店と連携し、全国どこでも実現する畳施工サービス『蔵システム』を１０月１１日から本格展開。飲食店や旅館・ホテル、介護施設、神社・仏閣、ハウスメーカーを中心に販促を強化。一般家庭にも対応し、初年度１億円の受注を見込む。

　１２年４月期の予想連結経常利益は前期比４．６％増の４億２５００万円。原発事故収束に向けた防護服需要の拡大を見込む一方、千数百億円規模ともいわれる畳市場では、老舗卸のネットワークを生かした潜在需要の掘り起しを目指す。期末配当は前期並みの１４円（期末一括）を予定。１株純資産８４３円を下回る株価水準は狙い場となりそうだ。

　１９日終値は８６円高の６７２円。

提供：モーニングスター社