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ケイティケイ、新中計を発表 サプライ・ITソリューションの両軸でニーズに対応し、FY27に売上高200億円を目指す
目次
青山英生氏:ケイティケイ株式会社代表取締役社長の青山です。本日はご参加いただきまして誠にありがとうございます。さっそくですが、2024年8月期の決算内容についてご説明を進めます。
本日はスライドのとおり5つの内容にわかれています。最初に8月期の決算概況、続いて2025年8月期の予想、それから今回発表した新しい中期経営計画について、そして資本コストや株価を意識した経営の実現に向けてという内容で進めます。
主要トピックス
決算概況です。今回は増収増益、通期の開示に対しても予想を上回る決算となりました。主な要因としては、サプライ事業においては、利益率が高い自社製品の新規開拓活動に努めたことが挙げられます。ITソリューション事業においては、グループ会社の株式会社イコリスと、今期新しくグループ入りした東海桜井株式会社の影響により、業績も堅調に推移しました。
年金資産に関しては、昨年はマイナスに作用しましたが、その分の効果が薄まり、今回はフラットになったことにより、通期の予想を上回った結果の決算となりました。
私どもは新しくECサイトを立ち上げています。こちらについては、後ほど詳しく説明します。また、この「YORIDORI」というプラットフォームを使った新しいプログラムをスタートしています。こちらについても後ほどご説明します。
業績ハイライト
業績の数字についてです。この2024年8月期においては、数字としては微増の範囲だとは認識していますが、売上高、営業利益、経常利益、EBITDAを含め純利益についても前年を上回る結果となりました。
また、開示予算についてもクリアした状況となっています。
2024年8月期 決算概況
前期比と開示比です。今回、中間期は先行投資をしたため、もともと前期割れの開示をしていましたが、すべてクリアしています。通期においては、それを挽回するかたちで達成となっています。
上半期のマイナスについて説明します。オフィスのリノベーションや先行投資というかたちで、私どものグループ会社自体のリノベーションを行い、ショールーム的なものを作成しました。そのような費用を計上している関係で上期は少し厳しい数字でしたが、通期で挽回という結果となっています。
四半期毎の売上高の推移
四半期ごとの売上高の推移です。スライドの過去のグラフを見ると、ほぼ四半期ごとにだいたい横ばいの数字となっており大きく増える傾向はありませんが、第3四半期等が少し大きく伸びるような結果となっています。
四半期毎の営業利益の推移
利益面に関しては、若干四半期ごとに数字のぶれはありますが、だいたい第3四半期が大きいというのが、当社グループの状況となっています。
営業利益の分析
営業利益に関してです。スライドのウォーターフォールに記載のとおり、増益分は、特にITソリューション関連の事業の中でも、EC関連や新しく始めたスキャニング関連が貢献しています。
経費については、先行投資やグループ会社のリノベーション、システム開発に関する償却等が増えた一因となっています。一部、年金資産は好転しているため、結果として営業利益は微増となっています。主にこのような内容で営業利益は2,200万円の増加、6.1パーセントのプラスになっています。
売上総利益と利益率
総利益率は、以前は20パーセント前後でしたが、この数年間で着実にアップしてきました。今回も前期対比で0.8ポイントアップしました。3年間では21.7パーセントから22.6パーセント、この2024年度においては23.4パーセントに向上したという状況です。
セグメント別 実績
セグメント別の実績です。スライド右の折れ線グラフを見ると、サプライ事業がだいたい8割の売上、ITソリューション事業が2割の売上というのが現在のセグメントの比率です。3年前はサプライ事業のほうが83パーセントで83対17でした。少しずつではありますが、80対20という比率までITソリューション事業が伸びてきた状況です。
売上の棒グラフを見ると、サプライ事業は、ほぼ横ばいというのが実態です。こちらは、ペーパーレス化の進展など、さまざまな状況があります。私どもは増えていく業種等に注力しています。例えば都心のオフィスではペーパーレス化が進んでいますが、物流業や病院関連等は、まだ紙の需要が大変強くあります。そのようなかたちで増えるところと減るところがあることを承知の上で、現状が横ばいというのがサプライ事業です。
ITソリューション事業に関しては、棒グラフのとおり、29億円から始まり、約140パーセントアップの37億円まできています。こちらは、さらに成長のスピードを加速していきたいと考えています。
主な取り組み
2024年8月期の主な取り組みです。私どもは新しいECサイト「YORIDORI」を開設しました。この名前の由来は「よりどりみどり」で、さまざまな情報をお客さまにお届けするということです。
実際にはこの2025年の期がお客さまに普及していく段階ですので、こちらの取り組みを加速していきたいと考えています。また、顧客参加型のリサイクルの循環システム「サステナブルパートナープログラム」もスタートしました。
こちらは、当社独自の業界初の仕組みとなっています。後ほど時間をとってご説明します。
また、ITソリューション事業の取り組みは、私どもがもともとOA機器を販売していますので、複合機を起点としたソリューション提案となります。
私どもは、もともと「紙」を出してもらうことにより事業を成り立たせてきました。サプライ事業は、トナーが最たるものですが、オフィス関連、文房具を含め、書く、貼る、切るなど「紙」があってこそのビジネスです。
一方、ITソリューション事業は、ペーパーレス化を推進するというような、紙をなくすことをお客さまに提案するビジネスと位置づけています。例えば複合機は、コピー機ではありますが、サーバーへデータを入れるためにPDF化するなど、さまざまな機能があります。
結果として、お客さまのオフィスのネットワークをお任せいただき、そのセキュリティを担保して、データをサーバーに入れるようなことが、私どものソリューション提案です。「二刀流」とまでは言いませんが、紙を出すビジネスと、紙をなくすビジネスの、両方を展開しているのが、私どもの事業であるとご理解いただければと思っています。
デジタルマーケティングを駆使したEC事業について説明します。サプライ事業は100パーセントリアルのビジネスで、営業が「Face to Face」でお客さまと対面しながらのビジネスを長年進めてきました。
一方、ECに関しては知見があまりないため、メンバーに加えたのが株式会社イコリスになります。今このデジタルマーケティングのさまざまなアルゴリズム分析等を行い、新しく開設した「YORIDORI」のバックグラウンドで、このEC技術を今後駆使して展開していきたいと考えています。
スキャニングサービスについては、新しく東海桜井株式会社をM&Aし、グループ化しました。過去に大量に紙で出したもの、会社によっては7年保管するケースがありますが、そのようなものをスキャニングするサービスです。
しかしながら、お客さまからは、スキャニング自体が目的ではなく、大量に保管してある書類をデータにしてサーバーに保管することにより、そのスペースを空けることを目的としているとのお話も聞きます。今は採用難のため、例えば社員のエンゲージメントの場や、学生の面接やインターンシップなどのための場所を作りたいそうです。
スキャニングを通じてオフィスを新しく変えていくという理念のもと、そのようなことが、だいぶ広がってきています。
グループ全体では「Change the office mirai」というビジョンを掲げています。このようなことを展開しながら、取り組んでいるのがケイティケイ株式会社です。
連結財政状態
B/Sです。スライドの表のとおりですが、現段階では自己資本比率は47.5パーセントになっています。
2025年8月期 予想
2025年8月期の予想について説明します。こちらも微増という状況ではありますが、売上が186億円、営業利益が4億円、経常利益が4億9,000万円という予想を立て、開示しています。
当期純利益は前期比減を予想していますが、これは2024年8月期に一部政策保有株式を売却した関係です。その分のマイナスは2025年8月期では予想していないため、純利益自体は減った計画にはなっていますが、増収増益というかたちで開示しました。
また、配当に関しては、中間配当が8.5円、通期は17円で、先期の16円からの増配を計画しています。
2025年8月期 セグメント別予想
2025年8月期のセグメント別の予想です。サプライ事業の数字はほぼ横ばいで、ITソリューション事業を伸ばす方針のもと、売上構成比はサプライ事業が77.3パーセント、ITソリューション事業が22.7パーセントという予想としています。
サプライ事業を落とさずにITソリューション事業の売上構成比を高め、事業ポートフォリオの転換を進めていく考えです。
今後の課題と取り組み
今後の課題と取り組みについてです。サプライ事業においては、「サステナブルパートナープログラム」を普及させていきます。これはお客さまとの関係性強化や、自社工場の生産改革にも結果的につながる内容だと思っています。
加えて、サプライ事業においては、プリンティング環境のトータル提案、インサイドセールスの推進、ITソリューション事業においては、複合機を起点としたソリューション提案、スキャニングサービスやWeb制作等の拡販を考えています。
ここでプリンティング環境のトータル提案についてご説明します。当たり前のことと思われるかもしれませんが、主に事務機器業界では先にマシンを提案し、結果としてサプライを提案します。
しかしながら、私どもはもともとサプライ事業でリサイクルを行っているため、消耗品から提案し、最もランニングコストが安いという観点から機種を選定して、イニシャルコストもランニングコストも安いご提案をしながら、お客さまへのトータル提案をさらに推進していくことを考えています。
また、ITソリューション事業において、Web制作は当たり前のビジネスかもしれませんが、最近のトレンドについてお話しします。今、多くの企業は採用難です。「採用ページを強化しませんか?」というフレーズは非常に多くの中小事業者の方に刺さる内容だと思っています。
人手不足の中で採用ページを強化するお考えをお持ちの企業は、予算があればオフィスもきれいにするといったこととの関連性が非常に強いと思っています。切り口を多く持ち、ITソリューション提案を進めていきたいと考えています。
中期経営計画 Growth Plan 2027
このたび、新たに「中期経営計画 Growth Plan 2027」を発表しましたので、その内容についてご説明します。
まず、経営理念と長期ビジョンです。私どもは「Change the office mirai」として、「お客様のオフィスの未来を変える」ことを長期ビジョンに掲げています。
「社会を変える」という言い方は僭越かもしれませんが、リサイクルが当たり前の未来を目指し、SDGs、循環型社会に貢献していくことが、私どもが第一に考えていることです。
さらに、「お客さまのオフィスを変える」、そして「自分たちが変わる」ことが、私どもの「Change the office mirai」というビジョンに込めた意味です。
特に、「自分たちが変わる」ことが一番の急務だと思っています。私どもは長年サプライ事業を中心に事業を行ってきました。コスト提案が多かったのですが、今後ソリューション提案をしていく中で、既存のお客さまが多数いらっしゃいます。こちらに対し、自分たちのリスキリングも含めて、会社としては人材投資を積極的に行い、「自分たちが変わる」ことによってお客さまに循環型社会やIT関連などをご提案していきたいと考えています。
当社の事業価値
当社では、サステナビリティの基本方針を「事業活動と経営戦略の中心にSDGsの理念を据え、持続可能な社会の実現に貢献する」としています。
私どもの本業自体が循環型社会にもともと取り組んでいたリサイクル事業ですので、これを事業戦略の中心にするかたちで進めてきました。
リユース・リサイクルということで、ゼロエミッションはすでに達成しているのですが、簡単にご説明します。
私どものリサイクルトナーは、使用済みのトナーを回収し、工場で再生するのですが、工場には太陽光パネルを設置しています。したがって、すべてではないのですが、再生エネルギーを使いリサイクルしているという点があります。
また、以前から障がいをお持ちの方にも生産に多く携わっていただいています。工場には10名ほどの障がいをお持ちの方々に来ていただき、一緒に生産していただいているほか、近くの施設に部品等を持ち込み、その施設のみなさまとも協業しながら長年生産を行っています。
加えて、循環することによりプラスチックの廃棄量を削減し、結果的にCO2を削減しているという、数値化できるものを持っています。このことを「サステナビリティに資する行動」として、私どもだけでなく企業の使う責任においてもご提案していきたいと思っています。
また、最近では新型コロナウイルスについて聞く機会は少なくなりましたが、感染予防を含めたいろいろな環境貢献商品についても提案してきました。こちらも含め、持続可能な社会の実現への貢献を進めていきたいと思っています。加えて、中小企業のDX支援を行っていきます。
前中期経営計画の振り返り|数値目標
前中期経営計画の振り返りとして、数字についてご説明します。2024年8月期は売上が190億円、営業利益5億2,000万円、経常利益6億円という計画でしたが、スライドの表の中央に記載のとおり、実績は未達で終わっています。
前中期経営計画の振り返り|業績推移
売上高に関しては、2021年8月期はコロナ禍ではあったのですが、私どもに特需があり、数字は伸びた状況です。売上高はスライドの棒グラフのとおり、2019年8月期から少しずつですが右肩上がりで成長してきました。
スライドの折れ線グラフは営業利益を示しています。2021年8月期は4億4,800万円と書いてありますが、これは収益認識会計基準が適用される前の数字です。新基準にもとづくと約3億8,000万円で、伸び悩んでいるのは事実ですが、過去6年間はこのようなかたちで推移しています。
前中期経営計画の振り返り|サプライ事業
セグメント別に見ると、サプライ事業に関しては、2024年8月期の売上高は149億円を目標に掲げていました。実績は143億6,000万円となっています。
2021年8月期に計画を立てた時は、サプライ事業の売上高は145億円でした。その段階でも微増として145億円を149億円にする計画を立てたのですが、売上高は2021年8月期から1億4,000万円減、計画比では5億4,000万円減となりました。このサプライ事業の売上高の伸び悩みが、中期経営計画未達の一番の要因だと思っています。
達成できなかった中ではありますが、一定程度踏みとどまり、現段階ではほぼ横ばいのかたちです。
前中期経営計画の振り返り|ITソリューション事業
ITソリューション事業についてです。2024年8月期に41億円に引き上げる計画でしたが、実績としては37億4,000万円で終了しました。2021年8月期時点では27億円だったため、そこから10億円ほど伸ばすことはできたのですが、計画の41億円には届きませんでした。
今後は新たな仕組みを取り入れ、ITソリューション事業の成長を加速していきたいと考えています。
前中期経営計画の振り返り|サステナビリティ・投資
ESGに関する取り組みです。Environment(環境貢献)においては、今年で第54期となる私どもはリサイクルトナーの会社として50年間にわたり事業を行ってきました。
50年目には、自社リサイクル商品を「サステナブル商品」と再定義しました。これはまだ言葉先行で、社内でもリサイクルとサステナブルという意味を十分に価値としてお客さまに提案できているかというと、これからではありますが、このサステナブルな商品をご利用いただくことをきちんと推進していきたいと考えています。
Social(人材育成、ダイバーシティ、DX)では、リスキリング、女性の活躍に向けた取り組みを強化しています。今回は別の資料になりますが、次の株主総会に付議する内容として、初めて女性役員も候補者に入れています。
Governance(コーポレートガバナンス)については、さらにコーポレートガバナンスコードに沿った取り組みを継続していきたいと考えています。
また、投資に関しては、M&A案件には積極的に取り組みたいと思っています。社内のDX関連、人材育成についても強化していきます。
前中期経営計画の振り返り|株主還元
株主還元についてです。ROEは2021年8月期のみ9.8パーセントに達したのですが、10パーセントには届かず、8パーセント台が続いています。
また、PERもなかなか10倍には届いていません。PBRに関してはなるべく早く1倍を超えるよう活動していきたいと思っています。
株価の推移はスライド下部のグラフのとおりです。
前中期経営計画の振り返り|株主還元
配当についてです。2019年8月期は11円で、その後11円、14円、14円と続き、2023年8月期からは株主のみなさまに報いるより多くの機会を、ということで、中間配当を実施しました。2023年8月期は15円、2024年8月期は16円、2025年8月期は17円というかたちで、配当性向30パーセントを実現できるよう着実に進めていきたいと考えています。
事業環境
新しい中期経営計画についてご説明します。事業環境についてはスライドに記載のとおりです。環境としては、労働人口や人口全体の減少を具体的に感じるような世の中になってきたと思っています。生産性向上も含めた労働人口減少に対するITの潜在的ニーズは大変高いと思っています。したがって、こちらを私どもの成長のエンジンにしていきたいと考えています。
基本方針
新中期経営計画の基本方針は、「顧客基盤の活用と強化」と「事業ポートフォリオの転換」です。全国の営業拠点は、ケイティケイとして18ヶ所、グループでも25ヶ所あります。そちらには今、1万5,000社の口座があります。
こちらは、消耗品を買っていただくサプライ口座です。定期的に当社から購入いただく1万5,000社のお客さまの中で、いかにITソリューションをご提案できる会社があるのか、この顧客基盤を使った経営計画を立てていきたいと考えています。
基本方針
スライド左側は、グループビジョンの「Changes the office mirai」を達成するための、グループ構成のイメージ図です。ケイティケイが真ん中にいます。その左側の青雲クラウンや東海桜井は、「紙を出してもらう」ビジネスです。
右側のSBMソリューションやイコリス、エス・アンド・エスは、ペーパーレスも含めて推進しています。このように全社で連携して、「Changes the office mirai」をグループとして推進していきます。
スライド右側のグラフでは、一番下に基盤事業があります。こちらの顧客基盤に対して、ITソリューション事業を乗せて、成長事業を乗せて、ECを乗せてというかたちで、多層的にビジネスを立体化させていく観点で成長していきたいと考えています。
基本方針
事業ポートフォリオの転換についてです。現段階では、成長事業よりも基盤事業の収益力が、高くなっています。そのため、基盤事業の経営資源を成長事業に投入し、より早く「Changes the office mirai」を実現できるように、ITソリューション事業に関しては積極的に投資をしていきたいと考えています。
数値目標
具体的な数値目標です。2027年8月期には、売上高200億円、営業利益6億円、経常利益7億円、EBITDA8.7億円、ROEは10パーセント以上に成長していきたいという計画を発表しました。
数値目標|セグメント別
数値目標をセグメント別にご説明します。サプライ事業の売上高は、今後3年間の中で実質横ばいと考えています。実際のところは、落とさないようにしたいと考えており、145億円としています。
ITソリューション事業の2027年8月期の売上高は、55億円と考えています。もともと27億円で始まっていますので、倍増を含めて55億円としました。サプライ事業の145億円と合わせて、2027年8月期の売上高は、200億円を目標としています。
セグメント利益に関しても、ITソリューション事業の利益率の寄与が高いかたちで、計画を立てています。
重点戦略
重点戦略です。サプライ事業、ITソリューション事業それぞれに事業戦略がありますが、特に、資本・財務戦略においてキャピタルアロケーションを重視しています。営業キャッシュ・フローを、株主のみなさまへ還元することはもちろん、成長投資へとできる限り振り向けていきたいと考えています。
事業戦略|サプライ事業
サプライ事業の事業戦略を具体的にご説明します。一番のポイントは、ビジネスモデルの差別化です。
私どものリサイクルトナーの事業を含めたサプライ事業は、ライフサイクルの観点で言いますと、成長期から成熟期、飽和期を過ぎ、次第にその成長が鈍化しています。ある意味では、衰退期もありうると認識しています。
その中でさらに収益を上げて、残存者利益を獲得するためには、ビジネスモデルの差別化が必要です。差別化を推進することで、結果として工場の生産性向上を果たしていきます。
こちらが私どものサプライ事業が最も目指していることです。
事業戦略|サプライ事業
私どもは、「サステナブルパートナープログラム」によって差別化を進めます。今は当たり前のように思われているかもしれませんが、トナーは黒い筒に入っていて、その中に粉が入っています。
その使用済みのトナーカートリッジは、使い終わったものは回収されているはずですが、実際には、そうはなっていない面があります。私どももきちんとそれなりに回収していますが、現段階では100パーセント回収を証明する仕組みは世の中にはありません。
私どものトナーには、QRコードがついています。工場の出荷時あるいは返却時は以前から取り組んでいましたが、今回、お客さまがご利用時にQRコードを読んでいただくことによって、完全なかたちで回収を証明する仕組みを作りました。
スライドの図のように、この仕組みがサイクルのように回ることで、1回あたりの廃プラスチック削減量や実質CO2排出削減量が測定できます。こちらを、環境貢献プログラムというかたちでお客さまに提案していきます。
私どもは工場とエンドユーザーを工場直送で、カートリッジが行き帰りも循環しています。このような物流体制等の仕組みを持った会社は他にありません。この点をきちんと連携して、この「サステナブルパートナープログラム」を案内していきたいと思っています。
弊社の営業は従来、トナーを販売する、つまり買っていただく行為をしていましたが、今後はこのプログラムに加盟・参画していただく提案をしながら、差別化を図っていきたいと思っています。
QRコードが付いていると、結果的にお客さまがトナーを装着した時にすぐにデータが工場に飛んでいきます。したがって、工場の生産計画など、さまざまな準備等の大幅な改善が期待できます。このようなかたちで、より収益力が高いサプライ事業を推進していきたいと思っています。
事業戦略|サプライ事業
プリンティング環境については、イニシャルコスト・ランニングコストも含めて、オフィス環境をトータルで提案していきます。
特に、東名阪については強化し、数字を伸ばしていきます。その中でも、製造、物流、医療、薬局、介護・福祉の領域は、まだペーパーレスは進みません。
一例を挙げると、薬局では薬の説明は当面は紙でプリントアウトされると思います。そのようなところに対しては大きなシェアを持っていますので、今後もさらに営業を推進していきたいと考えています。
事業戦略|ITソリューション事業
ITソリューション事業の事業戦略です。先ほど、グループシナジーとしていくつかのグループ会社をご紹介しました。重複している業務等もあるため、組織再編も含めてさらに成長の加速を推進していきます。
事業戦略|ITソリューション事業
ITソリューション事業において、全国の顧客基盤の中で私どもがターゲットとしているのは、いわゆる「情シス不在」「ひとり情シス」の企業です。逆に言うと、情報システム部門がしっかりした会社には、なかなか私どもは提案できない面があります。
一方で、「営業人材や内勤人材すら採れないのに、IT人材まで採れない」という中小企業、小規模事業者は大変多くいます。そのような企業に対してきちんとDX支援をしながら提案していくのが、私どものITソリューション事業です。
事業戦略|ITソリューション事業
今後、ITソリューション事業は、サプライ事業の顧客基盤をきちんと使って、フロント営業と提案営業の役割を分担しながら進めていきます。
EC事業は、さまざまな仕組みを使って、いろいろな受発注を行い、提案していくようなビジネスを展開していきます。
資本・財務戦略|キャピタルアロケーション
キャピタルアロケーションです。特にM&AやDXに関しては積極的に投資を行い、配当を含めて株主優待もきちんと進め、戦略的な投資を行っていきたいと考えています。
資本・財務戦略|戦略投資
戦略投資です。特にAIに関しては、今後いろいろなビジネスチャンスも広がってくると思いますので、きちんとキャッチアップしながら活用を進めていきたいと思っています。
資本・財務戦略|株主還元
株主還元です。2025年8月期の連結配当性向は28.9パーセントを予想しています。こちらも着実に進めていきたいと思っています。
資本・財務戦略|IR・PR
IRに関しては、「IR EXPO」などさまざまなIRイベントに積極的に参加していきます。
また、SDGsの情報発信として、オウンドメディア「EARTH NOTE」(アースノート)を立ち上げています。
こちらはさまざまなSDGsの理念を実践している自治体、大学、企業のアイデア自体を循環させる目的で展開しています。
具体的なビジネスにつながっているわけではありませんが、循環型、リサイクルを含めたメディアを立ち上げることで、大きな意味で多様な接点を持つことを心がけて推進しています。
お時間がありましたら、「EARTH NOTE」をご覧いただければと思います。
サステナビリティ・経営基盤
サステナビリティ・経営基盤については、スライドに記載のとおりですが、きちんと進めていきたいと考えています。
現状分析・評価
資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応についてです。以前から、資料は開示していますが、2024年8月期の数字をアップデートしました。
売上の成長と利益率の改善、そしてきちんとしたIR活動を含めて、資本コスト、株価を意識した経営を早急に、より高度化していきたいと考えています。
方針・目標
方針・目標のご説明は割愛します。
株主還元(株主優待制度の拡充)
株主還元については、2024年8月期から、対象となる株主さまを2,000株以上から600株以上とし、優待枠を拡充しました。株数を引き下げたことで、より多くの方に優待プログラムに参加いただける仕組みに設計し直しています。
以降は、参考資料として沿革や会社概要等を載せていますので、後ほどご確認ください。私からのご説明は以上となります。ありがとうございました。
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