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【IRアナリストレポート】ワッツ(2735)

著者:鈴木 行生
投稿:2024/11/05 12:16

~ワッツブランドを軸に、次なる事業高度化へ~

【ポイント】
・今2025年8月期も増益が見込めよう。150円前後の円ドルレートはコスト面で厳しい状況にあるが、100円ショップの生産性で吸収していけよう。高額商品の比率の向上、コラボ出店による店舗魅力の向上、店舗の効率化などが寄与しよう。

・前期は好調な回復をみせた。既存店のプラス、高額商品のウエイトアップ、円安対応商品の品揃え、ロードサイド店の雑貨の充実などが粗利益率の好転に寄与した。円安への対応が進み、プロダクトミックスの的確な対応も進展した。

・100円ショップは、海外からの商品調達が圧倒的なので、円安によって100円では提供できない商品が増加した。ワッツは均一価格を原則とするが、100円以外の高額商品で、顧客ニーズに合わせつつ、全体のバランスを図っている。

・高額商品の売上比率は、テナント店で上昇している。前期は約20%まで上がってきたが、今期はさらに25%まで高まろう。高額商品は粗利益の改善に貢献するが、在庫の金額も増えているので、商品の回転率には十分注意する必要がある。

・今後は、食品スーパー、ドラッグストア、ホームセンターなどに出店している委託販売型の店舗でも、100円以外の高額商品の品揃えが徐々に増えていくことになろう。業態としての差別化はできるので、インフレ時代の100円ショップは付加価値志向を高めながら、均一価格のミックスによる新たな業態にシフトしつつ、そのポジションを確保していくことができよう。

・ROEで8%水準を確保するには営業利益で15億円はほしい。円安が急激に進行する中では、その対応が難しかったが、次第にこなれてきた面はある。

・今後の経営方針は、1)円安対応の実行、2)委託販売の一段の強化、3)ファッション雑貨事業との連携、4)海外卸売の拡大継続にある。小回りの利く店舗展開で優位性を発揮しつつ、事業の高度化に注力している。その進捗に注目したい。

目次
1.特色 規模では業界4位ながら、小回りがきく存在
2.強み 迅速な出退店と独自の店舗オペレーションで収益を確保
3.中期経営方針 ワッツブランドをベースに高付加価値化を推進
4.当面の業績 円安への対応に向け、グループ連携を強化
5.企業評価 収益源の集中を図る

ワッツ <2735>
企業レーティング
株価
(2024年11月1日)
710円
時価総額 96億円
(13.458百万株)
PBR 0.75倍
ROE 7.6%
PER 9.8倍
配当利回り 2.8%
総資本 30280百万円
純資産 12517百万円
自己資本比率 41.3%
BPS 949.8円
(百万円、円)
決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益 EPS 配当
2015.8 44462 1257 1263 700 51.7 17.0
2016.8 46176 1205 1193 718 53.0 15.0
2017.8 47494 1209 1272 839 62.0 15.0
2018.8 49480 1000 1037 633 46.8 15.0
2019.8 51399 716 656 70 5.3 10.0
2020.8 52795 1768 1731 774 57.8 15.0
2021.8 50702 1669 1586 965 72.1 22.0
2022.8 58347 998 1148 781 57.8 15.0
2023.8 59309 621 648 250 18.5 15.0
2024.8 61257 1246 1228 904 68.5 20.0
2025.8(予) 62000 1350 1300 950 72.2 20.0
2026.8(予) 63000 1300 1250 900 68.1 20.0

(2024.8ベース)

(注)ROE、PER、配当利回りは今期予想ベース。2014.8期の配当は、1部への変更記念配2円、2015.8期の配当は創業20周年の記念配2円、2024.8期の配当は特別配5円を含む。

企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。

レポート全文はこちらから
https://www.belletk.com/waltutu202411.pdf

日本ベル投資研究所の過去レポートはこちらから

配信元: みんかぶ株式コラム
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