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【IRアナリストレポート】ワッツ(2735)

著者:鈴木 行生
投稿:2024/04/24 11:14

~ワッツブランドを軸に、次なる事業高度化へ~

【ポイント】
・今2024年8月期の2Q累計(上期)は、計画を上回って好調な回復をみせた。既存店のプラス、高額商品のウエイトアップ、円安対応商品の品揃え、ロードサイド店の雑貨の充実などが粗利益率の好転に寄与している。

・通期の会社計画も上方修正されたが、まだ慎重な見方である。円安の進行が、仕入れコストのアップという点で引き続き懸念される。不採算店の整理やシステム関連の投資も負担となろう。しかし、業績の回復は早まりつつある。

・100円ショップは、海外からの商品調達が圧倒的なので、円安によって100円では提供できない商品が増加した。ワッツは均一価格を原則とするが、100円以外の高額商品で、顧客ニーズに合わせつつ、全体のバランスを図ろうとしている。

・高額商品の売上比率は、テナント店で上昇している。今期の2Qで約19%まで上がってきたが、今期中に20%は超えてこよう。粗利益の改善に貢献するが、在庫の金額も増えているので、商品の回転率には十分注意する必要がある。

・プロダクトミックスで一定の粗利率を確保し、収益の下支えをしていく。今後、1)為替が安定し、2)当社の100円ショップを中心としたハイブリッド戦略が効果を上げてくれば、売上の拡大と粗利率のアップが見込めるようになろう。

・音通から100円ショップ事業約140店(音通エフ・リテール)、年商80億円を買収した。2021年10月から連結に入っている。ロードサイド店の改修などで、収益の貢献を高めようとしている。

・今後の経営方針は、1)円安対応の実行、2)委託販売の一段の強化、3)ファッション雑貨事業との連携、4)海外卸売の拡大継続にある。昨年10月よりスタンダード市場へ移行した。小回りの利く店舗展開で優位性を発揮しつつ、事業の高度化に着手している。その進捗に注目したい。

目次
1.特色 規模では業界4位ながら、小回りがきく存在
2.強み 迅速な出退店と独自の店舗オペレーションで収益を確保
3.中期経営方針 ワッツブランドをベースに高付加価値化を推進
4.当面の業績 円安への対応に向け、グループ連携を強化
5.企業評価 収益源の多様化に挑戦中

ワッツ <2735>
企業レーティング
株価
(2024年4月23日)
726円
時価総額 98億円
(13.458百万株)
PBR 0.80倍
ROE 5.2%
PER 15.5倍
配当利回り 2.1%
総資本 25715百万円
純資産 12014百万円
自己資本比率 46.7%
BPS 912.8円
(百万円、円)
決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益 EPS 配当
2014.8 43573 1784 1799 948 70.0 17.0
2015.8 44462 1257 1263 700 51.7 17.0
2016.8 46176 1205 1193 718 53.0 15.0
2017.8 47494 1209 1272 839 62.0 15.0
2018.8 49480 1000 1037 633 46.8 15.0
2019.8 51399 716 656 70 5.3 10.0
2020.8 52795 1768 1731 774 57.8 15.0
2021.8 50702 1669 1586 965 72.1 22.0
2022.8 58347 998 1148 781 57.8 15.0
2023.8 59309 621 648 250 18.5 15.0
2024.8(予) 60200 1050 1000 620 46.8 15.0
2025.8(予) 62000 1200 1150 700 53.2 15.0

(2024.2ベース)

(注)ROE、PER、配当利回りは今期予想ベース。2014.8期の配当は、1部への変更記念配2円、2015.8期の配当は創業20周年の記念配2円を含む。

企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。

レポート全文はこちらから
https://www.belletk.com/waltutu202404.pdf

日本ベル投資研究所の過去レポートはこちらから

配信元: みんかぶ株式コラム
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