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ダイナックホールディングスのニュース
■今後の見通し
1. 2019年12月期通期見通し
前述のように、ダイナックホールディングス<2675>の2019年12月期第2四半期決算は進捗が会社の期初計画を下回った。しかしながら同社は2019年12月期の通期業績予想について期初予想を維持している。具体的には、売上高37,500百万円(前期比3.9%増)、営業利益720百万円(同165.4%増)、経常利益750百万円(同15.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益310百万円(同40.8%増)を予想している。
2019年12月期第2四半期の業績の進捗が期初計画よりも低かったため、通期予想達成のために必要な下期の収益の水準は高くなっている。特に営業利益は前年同期の2倍以上の865百万円が必要な状況となっている。この利益の水準は過去の実績に照らすと高いハードルであり、通期予想未達の可能性を懸念する向きもあるだろう。
しかしながら、同社はここ数年注力してきた受託ビジネスにおいて大型案件の受託に成功しており、その年商規模は通常のバー・レストランの店舗のそれをはるかに上回る。すなわち、天候を始めとした事業環境が想定どおりに推移した場合の収益の伸びは非常に大きくなるポテンシャルがあるということだ。受託ビジネスの収益構成比の上昇によって、通期予想の達成可能性は現状でも十分残っていると弊社では考えている。
2019年12月期通期の売上高予想は37,500百万円で前期比約14億円の増収だ。このうち約10億円は「PIT SUZUKA」の新規開業効果で達成されると弊社ではみている。2019年12月期第2四半期決算では2019年分の新店効果について614百万円という数値が示された。このうち約4~5億円は「PIT SUZUKA」の効果と弊社では推測している。2019年12月期下期は6ヶ月間のフル寄与となるため、「PIT SUZUKA」で年間10億円の増収効果を達成することは十分実現可能と言えるだろう。残りの4億円をバー・レストラン、ゴルフクラブレストラン、道の駅等の既存店売上高、及び新店効果で獲得することになるが、これについても、2018年7月開業の「パレットピアおおの」のフル寄与や2019年8月1日付で営業を開始した大型ゴルフ場「明智ゴルフ場」の新店効果などで達成できるものと弊社では考えている。
一方利益面では、2019年12月期第2四半期でみられた2つの売上原価押し上げ要因(人件費と商品原価)のうち、道の駅や高速道路施設などにおける商品原価についてはオペレーションの習熟度上昇などにより改善されてくると期待される。これらの施設は年商規模が大きいため、原価率のわずかな改善でも利益インパクトは大きくなる。ここ数年で最大の年商規模が期待される「PIT SUZUKA」については、弊社は2019年12月期の利益貢献をゼロ(損益トントン)と想定していたが、売上が想定以上に好調であるため、売上原価の管理がうまく機能すれば利益を計上することも十分可能だとみている。
一方人件費に関しては、日本全体を覆う人手不足の問題や、働き方改革が叫ばれるなかで上場企業としての責務を果たす必要性といったことが背景にあるため、短期的には改善が難しいとみている。売上高の拡大で地道に吸収していくことが結局は近道ではないかと弊社では考えている。その点、同社は人手の確保のみならず、サービスの質向上に向けた従業員教育にも同等以上の投資(費用投下)を行っており、その効果が着実に表れてくると期待される。
以上のように、現状でも通期予想の達成可能性は十分あるが、一方ではリスク要因もある。その最大のものは天候要因だ。伝統的事業のバー・レストランに比べて、ゴルフクラブレストラン、道の駅、高速道路施設は天候の影響を大きく受けるためだ。7月の梅雨の影響を8月に入って一気に取り戻した感があるが、今秋以降の台風の影響などに注意が必要だ。
2019年12月期下期の店舗異動については、バー・レストランの業態変更とゴルフクラブレストランの新規出店の2つの項目で期初から変更があったほかは期初予想どおりだ。業態変更は5店舗から4店舗に、ゴルフクラブレストランの新規出店は5店舗から3店舗に、それぞれ修正された。その結果2019年12月期末の店舗数は期初予想の253店舗から2店舗減の251店舗が計画されている。ゴルフクラブレストランの出店については、前述のように、8月営業開始の明智ゴルフ場が54ホールを擁して通常のゴルフ場の3倍の規模があるため、実質的には5店舗の新規受託という目標を達成したとの見方ができる。
2019年12月期第2四半期決算の項目で述べたように、2019年12月期は出店・業態変更・閉店のそれぞれについて、大多数を第2四半期までに実施済みであり、下期の異動予定案件についても、7、8月までに実施済みとなっているものが多い。それゆえ2019年12月期下期の異動予定についてはほぼ計画どおりに進捗する見通しだ。2019年12月期下期は新規出店や業態変更などが少ないため販管費の増加が抑制され、下期の利益率改善につながると期待される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)
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1. 2019年12月期通期見通し
前述のように、ダイナックホールディングス<2675>の2019年12月期第2四半期決算は進捗が会社の期初計画を下回った。しかしながら同社は2019年12月期の通期業績予想について期初予想を維持している。具体的には、売上高37,500百万円(前期比3.9%増)、営業利益720百万円(同165.4%増)、経常利益750百万円(同15.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益310百万円(同40.8%増)を予想している。
2019年12月期第2四半期の業績の進捗が期初計画よりも低かったため、通期予想達成のために必要な下期の収益の水準は高くなっている。特に営業利益は前年同期の2倍以上の865百万円が必要な状況となっている。この利益の水準は過去の実績に照らすと高いハードルであり、通期予想未達の可能性を懸念する向きもあるだろう。
しかしながら、同社はここ数年注力してきた受託ビジネスにおいて大型案件の受託に成功しており、その年商規模は通常のバー・レストランの店舗のそれをはるかに上回る。すなわち、天候を始めとした事業環境が想定どおりに推移した場合の収益の伸びは非常に大きくなるポテンシャルがあるということだ。受託ビジネスの収益構成比の上昇によって、通期予想の達成可能性は現状でも十分残っていると弊社では考えている。
2019年12月期通期の売上高予想は37,500百万円で前期比約14億円の増収だ。このうち約10億円は「PIT SUZUKA」の新規開業効果で達成されると弊社ではみている。2019年12月期第2四半期決算では2019年分の新店効果について614百万円という数値が示された。このうち約4~5億円は「PIT SUZUKA」の効果と弊社では推測している。2019年12月期下期は6ヶ月間のフル寄与となるため、「PIT SUZUKA」で年間10億円の増収効果を達成することは十分実現可能と言えるだろう。残りの4億円をバー・レストラン、ゴルフクラブレストラン、道の駅等の既存店売上高、及び新店効果で獲得することになるが、これについても、2018年7月開業の「パレットピアおおの」のフル寄与や2019年8月1日付で営業を開始した大型ゴルフ場「明智ゴルフ場」の新店効果などで達成できるものと弊社では考えている。
一方利益面では、2019年12月期第2四半期でみられた2つの売上原価押し上げ要因(人件費と商品原価)のうち、道の駅や高速道路施設などにおける商品原価についてはオペレーションの習熟度上昇などにより改善されてくると期待される。これらの施設は年商規模が大きいため、原価率のわずかな改善でも利益インパクトは大きくなる。ここ数年で最大の年商規模が期待される「PIT SUZUKA」については、弊社は2019年12月期の利益貢献をゼロ(損益トントン)と想定していたが、売上が想定以上に好調であるため、売上原価の管理がうまく機能すれば利益を計上することも十分可能だとみている。
一方人件費に関しては、日本全体を覆う人手不足の問題や、働き方改革が叫ばれるなかで上場企業としての責務を果たす必要性といったことが背景にあるため、短期的には改善が難しいとみている。売上高の拡大で地道に吸収していくことが結局は近道ではないかと弊社では考えている。その点、同社は人手の確保のみならず、サービスの質向上に向けた従業員教育にも同等以上の投資(費用投下)を行っており、その効果が着実に表れてくると期待される。
以上のように、現状でも通期予想の達成可能性は十分あるが、一方ではリスク要因もある。その最大のものは天候要因だ。伝統的事業のバー・レストランに比べて、ゴルフクラブレストラン、道の駅、高速道路施設は天候の影響を大きく受けるためだ。7月の梅雨の影響を8月に入って一気に取り戻した感があるが、今秋以降の台風の影響などに注意が必要だ。
2019年12月期下期の店舗異動については、バー・レストランの業態変更とゴルフクラブレストランの新規出店の2つの項目で期初から変更があったほかは期初予想どおりだ。業態変更は5店舗から4店舗に、ゴルフクラブレストランの新規出店は5店舗から3店舗に、それぞれ修正された。その結果2019年12月期末の店舗数は期初予想の253店舗から2店舗減の251店舗が計画されている。ゴルフクラブレストランの出店については、前述のように、8月営業開始の明智ゴルフ場が54ホールを擁して通常のゴルフ場の3倍の規模があるため、実質的には5店舗の新規受託という目標を達成したとの見方ができる。
2019年12月期第2四半期決算の項目で述べたように、2019年12月期は出店・業態変更・閉店のそれぞれについて、大多数を第2四半期までに実施済みであり、下期の異動予定案件についても、7、8月までに実施済みとなっているものが多い。それゆえ2019年12月期下期の異動予定についてはほぼ計画どおりに進捗する見通しだ。2019年12月期下期は新規出店や業態変更などが少ないため販管費の増加が抑制され、下期の利益率改善につながると期待される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)
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