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プレミアムウォーターホールディングスのニュース
■要約
プレミアムウォーターホールディングス<2588>は、天然水製造が強みの(株)ウォーターダイレクトと営業力が強みの(株)エフエルシーが経営統合して生まれた企業グループである。率いるのは、エフエルシーを起業しプロモーション営業力で国内トップクラスに引き上げた実績を持つ萩尾陽平(はぎおようへい)代表取締役社長。ブランドを「プレミアムウォーター」に統一し再スタートを切った。強力な営業組織と販売ノウハウが強みであり、顧客保有数を620千人(2018年1月末時点)まで増やし続け、宅配水業界で売上高トップを走る。
1. ビジネスの特長
同社は、非加熱天然水製造が強みの旧ウォーターダイレクトと営業力が強みの旧エフエルシーが経営統合した経緯があり、製販ともに充実している。採水、製造、販売、配送の各プロセスにおいて独自の強みを持つ。宅配水業界では再利用ボトルを使用した2WAY配送が多いが、同社は使い切りボトルを1 WAY配送するため配送コストを一定以下に抑えている。事業特性は「投資回収型ストック利益型ビジネスモデル」であり、ウォーターサーバーの原価やデモンストレーション販売の費用(1顧客当たり数万円)を会社側が最初に負担し、天然水の売上で徐々に回収していく。定期配送契約を結ぶため、ストック利益(毎月の水代などから得られる収入から顧客維持コストや提供サービスの原価などを除いた利益分のこと)は安定して継続する。新規顧客を一気に増やす時期は赤字になるが、その後回収が進んでくると大きく黒字に転換するという事業特性である。
2. 業績動向
2018年3月期第3四半期の売上高は19,901百万円(前年同期比39.2%増)、営業損失1,106百万円(前年同期は78百万円の利益)、経常損失1,330百万円(前年同期は10百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失1,378百万円(前年同期は281百万円の損失)となり、大幅な増収とともに損失計上となった。売上高の伸びに関しては、新規顧客の獲得が好調に推移し、それに伴い保有顧客数が順調に積み上がったことが要因。損失計上に関しては、2018年3月期をより大きな成長のために新規顧客を獲得し先行投資をする時期と位置付けてきたため、想定通りと言えよう。四半期毎の推移では、2018年3月期第1四半期から第3四半期にかけて損失額は確実に減少しており、収益的にも上向きであることが確認できる。
3. 業績見通し
2018年3月期通期の連結業績は、売上高で前期比40.4%増の28,000百万円、営業損失は同780百万円拡大で1,350百万円の損失、経常損失で同925百万円拡大の1,630百万円の損失、親会社株主に帰属する当期純損失は同422百万円拡大で1,640百万円の損失の見込みであり、第2四半期時点での予想を据え置いている。通期の売上高予想28,000百万円(第2四半期時点で上方修正)は非常にアグレッシブな計画だが、第3四半期進捗率が71.1%(前年同期は71.5%)まできており、射程圏内に入っている。利益面では、新規顧客獲得のための投資(販管費)を先行して行うビジネスモデルのため、好調な新規獲得がより大きな期間損失につながる。四半期毎の損失額は順調に減ってきており、第4四半期はさらに減少することが予想され、来期以降の黒字化に向け秒読み段階に入る。
4. 成長戦略、トピック
昨今の物流費の上昇は大きな経営課題である。配送業者からの値上げ要請があり、既に一部単価の値上げが行われており、今後も更なる上昇が懸念される。同社が打ち出す1つの方向性が、「水源の分散化による配送距離の短縮化」である。現在、富士吉田(山梨県)、南阿蘇(熊本県)、金城(島根県)の3ヶ所から全国の消費者に配送しているが、さらに水源開拓を増やす努力を続けており、近く4つ目の水源がスタートする計画である。水源を増やすのには、顧客の増加に対応する安定供給能力の確保はもちろん、配送費の抑制の狙いもある。製造地と消費地が近ければ配送費も抑制できる。一方で、水源開拓の難しさは、同社独自の高い水質基準にある。ミネラルバランス、硝酸・亜硝酸値、水量などの厳しい基準をクリアできる水源は多くはない。宅配水における“地産地消”モデルの確立は、これからが本番になる。
■Key Points
・宅配水業界トップ。天然水の製販一体経営に強み
・2018年3月期通期予想の売上高280億円、保有顧客数65万件に向け足元順調
・水源の分散化による配送距離の短縮化に取り組む
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)
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プレミアムウォーターホールディングス<2588>は、天然水製造が強みの(株)ウォーターダイレクトと営業力が強みの(株)エフエルシーが経営統合して生まれた企業グループである。率いるのは、エフエルシーを起業しプロモーション営業力で国内トップクラスに引き上げた実績を持つ萩尾陽平(はぎおようへい)代表取締役社長。ブランドを「プレミアムウォーター」に統一し再スタートを切った。強力な営業組織と販売ノウハウが強みであり、顧客保有数を620千人(2018年1月末時点)まで増やし続け、宅配水業界で売上高トップを走る。
1. ビジネスの特長
同社は、非加熱天然水製造が強みの旧ウォーターダイレクトと営業力が強みの旧エフエルシーが経営統合した経緯があり、製販ともに充実している。採水、製造、販売、配送の各プロセスにおいて独自の強みを持つ。宅配水業界では再利用ボトルを使用した2WAY配送が多いが、同社は使い切りボトルを1 WAY配送するため配送コストを一定以下に抑えている。事業特性は「投資回収型ストック利益型ビジネスモデル」であり、ウォーターサーバーの原価やデモンストレーション販売の費用(1顧客当たり数万円)を会社側が最初に負担し、天然水の売上で徐々に回収していく。定期配送契約を結ぶため、ストック利益(毎月の水代などから得られる収入から顧客維持コストや提供サービスの原価などを除いた利益分のこと)は安定して継続する。新規顧客を一気に増やす時期は赤字になるが、その後回収が進んでくると大きく黒字に転換するという事業特性である。
2. 業績動向
2018年3月期第3四半期の売上高は19,901百万円(前年同期比39.2%増)、営業損失1,106百万円(前年同期は78百万円の利益)、経常損失1,330百万円(前年同期は10百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失1,378百万円(前年同期は281百万円の損失)となり、大幅な増収とともに損失計上となった。売上高の伸びに関しては、新規顧客の獲得が好調に推移し、それに伴い保有顧客数が順調に積み上がったことが要因。損失計上に関しては、2018年3月期をより大きな成長のために新規顧客を獲得し先行投資をする時期と位置付けてきたため、想定通りと言えよう。四半期毎の推移では、2018年3月期第1四半期から第3四半期にかけて損失額は確実に減少しており、収益的にも上向きであることが確認できる。
3. 業績見通し
2018年3月期通期の連結業績は、売上高で前期比40.4%増の28,000百万円、営業損失は同780百万円拡大で1,350百万円の損失、経常損失で同925百万円拡大の1,630百万円の損失、親会社株主に帰属する当期純損失は同422百万円拡大で1,640百万円の損失の見込みであり、第2四半期時点での予想を据え置いている。通期の売上高予想28,000百万円(第2四半期時点で上方修正)は非常にアグレッシブな計画だが、第3四半期進捗率が71.1%(前年同期は71.5%)まできており、射程圏内に入っている。利益面では、新規顧客獲得のための投資(販管費)を先行して行うビジネスモデルのため、好調な新規獲得がより大きな期間損失につながる。四半期毎の損失額は順調に減ってきており、第4四半期はさらに減少することが予想され、来期以降の黒字化に向け秒読み段階に入る。
4. 成長戦略、トピック
昨今の物流費の上昇は大きな経営課題である。配送業者からの値上げ要請があり、既に一部単価の値上げが行われており、今後も更なる上昇が懸念される。同社が打ち出す1つの方向性が、「水源の分散化による配送距離の短縮化」である。現在、富士吉田(山梨県)、南阿蘇(熊本県)、金城(島根県)の3ヶ所から全国の消費者に配送しているが、さらに水源開拓を増やす努力を続けており、近く4つ目の水源がスタートする計画である。水源を増やすのには、顧客の増加に対応する安定供給能力の確保はもちろん、配送費の抑制の狙いもある。製造地と消費地が近ければ配送費も抑制できる。一方で、水源開拓の難しさは、同社独自の高い水質基準にある。ミネラルバランス、硝酸・亜硝酸値、水量などの厳しい基準をクリアできる水源は多くはない。宅配水における“地産地消”モデルの確立は、これからが本番になる。
■Key Points
・宅配水業界トップ。天然水の製販一体経営に強み
・2018年3月期通期予想の売上高280億円、保有顧客数65万件に向け足元順調
・水源の分散化による配送距離の短縮化に取り組む
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)
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