ライフドリンク カンパニーのニュース
【QAあり】ライフドリンク カンパニー、生産数量は前期比17%増 既存工場の生産能力増強やニットービバレッジの生産分が寄与
ハイライト:2024年3月期 第2四半期累計
岡野邦昭氏(以下、岡野):本日はお忙しい中、決算説明会にご参加いただき誠にありがとうございます。ライフドリンクカンパニー代表取締役の岡野です。2024年3月期第2四半期の業績および通期予想の修正についてお話しします。
2024年3月期第2四半期累計期間のハイライトです。生産数量は、当社既存8工場の生産能力増強や稼働率向上、さらには2023年1月に子会社化したニットービバレッジの生産実績の追加により、前期比17パーセント増の3,300万箱となりました。それに伴い、売上高と営業利益も増加しました。
サマリー:2024年3月期 第2四半期累計
2024年3月期第2四半期決算のポイントです。1つ目は、増産・増収・営業増益です。繰り返しとなりますが、生産数量は、既存工場の生産能力増強や稼働率向上に加えて、ニットービバレッジの生産分追加により、前期比17パーセントの増加となりました。
売上は、当社単体の生産数量増に対応した販売先の確保や価格改定効果、ニットービバレッジの売上追加により、前期比で34パーセントの増加となりました。利益面では、原材料費や水道光熱費、人件費などのコスト増を増収や生産性向上などでカバーし、72パーセントの営業増益となりました。
2つ目は、業績予想と配当予想の上方修正です。第2四半期累計実績及び下期の見通しを踏まえて、業績予想を修正しました。具体的には、売上高を修正前比18億円、5パーセント増の370億円に、営業利益を修正前比8.5億円、22パーセント増の46億円に上方修正しています。また、業績予想の上方修正にあわせて、配当予想を30円から35円に修正しました。
3つ目は、今期の主な取り組みの進捗です。御殿場新工場は、2024年上期の稼働に向けて建設が順調に進んでいます。ニットービバレッジとのPMIは、調達・生産・営業・採用・インフラ整備などテーマが多岐に渡りますが、それぞれ順調に進捗し、さらに成果も出始めています。
業績:2024年3月期 第2四半期累計
2024年3月期第2四半期累計期間の損益計算書です。縦軸はP/Lの主要項目、横軸は2023年3月期および2024年3月期の第2四半期累計期間の実績・増減・前年比となっています。
売上高が204億円、営業利益が29.1億円、当期純利益が19.7億円と、増収増益となりました。売上高は前期比34パーセントの増加、営業利益は前期比72パーセントの増加、当期純利益は前期比72パーセントの増加となっています。
業績増減要因:2023年3月期 第2四半期累計との比較
2024年3月期と2023年3月期の第2四半期累計期間の営業利益を比較し、主な差異要因を表しています。
レジンや段ボールといった原材料費、水道光熱費、人件費といったコスト増を、販売数量増や価格改定による増収、および生産性向上などでカバーし、さらには2023年1月に子会社化したニットービバレッジの利益貢献等により、営業利益は前期比で12.2億円増加する結果となりました。
業績の進捗:2024年3月期 第2四半期累計
2023年5月に発表した2024年3月期通期予想に対する進捗率は、売上高が58パーセント、営業利益が78パーセント、当期純利益が82パーセントとなっています。2023年3月期第2四半期の通期予想に対する進捗率が、売上高56パーセント、営業利益65パーセントでしたので、前期比では順調な進捗になったと思っています。
順調な進捗となった要因は大きく分けて3つあります。1つ目は、ニットービバレッジの業績改善が想定より進んだこと、2つ目は、猛暑や飲料のPBシフト加速などを背景に需要が想定よりも伸びたこと、3つ目は、取引先各社のご理解により価格改定がスムーズに進んだことです。
今回の順調な進捗を踏まえて、業績予想を上方修正しました。詳しくは後ほどご説明します。
(参考)四半期業績の推移 ①
四半期ごとの生産数量および売上高の推移です。各指標ともに、毎四半期で前年を上回る実績を上げることができました。生産数量は、第1四半期が前期比22パーセント増、第2四半期が前期比13パーセント増です。売上高は、第1四半期が前期比38パーセント増、第2四半期が前期比30パーセント増となりました。
(参考)四半期業績の推移 ②
四半期ごとの営業利益およびEBITDAの推移です。各指標いずれも、毎四半期で前年を上回る実績を上げることができています。特に営業利益は、第1四半期が前期比89パーセント、第2四半期が前期比59パーセントの増加となりました。
財政状態:2024年3月期 第2四半期
2023年9月末の財政状態です。純資産は、利益計上により2023年3月末と比較して19億円増加し、自己資本比率は40パーセントとなりました。
また、有利子負債と現預金をネットした純有利子負債は、御殿場工場の投資に対する資金調達により、53億円から65億円に増加しました。しかしながら、EBITDAの増加により、純有利子負債EBITDA倍率はマイナス0.1ポイントの1.2倍と、低い水準を維持しています。
キャッシュフロー:2024年3月期 第2四半期累計
キャッシュフローの状況です。2024年3月期第2四半期累計期間は、営業活動により21億円を獲得し、投資活動に33億円を投じました。営業キャッシュフローは前期比で4.3億円増加していますが、2023年9月末の休日補正後で見ると10億円増となります。
また、財務キャッシュフローは6億円の支出となっています。こちらは、御殿場工場の投資資金の調達を進める一方で、営業収入を原資に短期借入金を返済していることによるものです。なお、財務キャッシュフローには、2023年6月支払いの配当金3.6億円が含まれています。
成長投資進捗:2024年3月期 第2四半期累計
投資活動の主な内容です。繰り返しとなりますが、今期は主に御殿場新工場関連に投資しています。第2四半期累計で36億円、プロジェクト開始より44億円を投資しています。
また、ニットービバレッジにおける生産能力増強投資についても検討を進めています。
2024年3月期 第2四半期トピックス:ECの取り組み
2024年3月期第2四半期のトピックスとして、EC事業への取り組みについてお話しします。EC事業は2020年2月に開始しましたが、販売店舗や投入商品の拡充により、グループ売上の10パーセントを超える水準にまで拡大しています。
2024年3月期第2四半期は「彩茶 -あやちゃ-」シリーズの麦茶やラベルレスの緑茶、機能性表示食品の「カラダのための黒烏龍茶」など、ニットービバレッジ商品の販売を進めました。
また、当社の「ZAO SODA」は、2022年楽天年間ランキングの「水・ソフトドリンクジャンル賞」に続き、2023年楽天上半期ランキングの「水・ソフトドリンクジャンル賞」を受賞するなど、引き続き各モールでの知名度が着実に向上しています。
業績予想の修正:2024年3月期
最後に、業績予想の修正です。先ほども触れましたが、第2四半期累計では、ニットービバレッジの業績改善が想定を上回ったこと、受注が想定を上回ったこと、価格改定が想定よりもスムーズに完了できたこと、などにより実績が順調に進捗し、想定を上回りました。第3四半期以降も、受注を含めて好調に推移する見通しです。
以上の実績及び今後の見通しから、業績予想を修正しました。具体的には、売上高を352億円から18億円/5パーセント増の370億円、営業利益を37.5億円から8.5億円/22パーセント増の46億円、当期純利益を24億円から5.8億円/24パーセント増の29.8億円に上方修正しています。また、業績の上方修正に伴い、配当予想も1株30円から35円に修正しています。
最後になりますが、私たちは、水、お茶、無糖炭酸といったベーシックな飲料市場は、今後も生活様式や消費行動の変化、健康志向の高まりなどにより安定的に成長すると見込んでいます。その中でも特に、小売プライベート・ブランドおよび低価格飲料のジャンルは、市場全体の成長以上に成長すると見込んでいます。
このことは従前お伝えしてきましたが、昨今の原材料費の高騰や水道光熱費の負担増を背景とした食品・飲料の値上げなどにより、小売プライベート・ブランドや低価格飲料と言ったジャンルへのシフトがさらに加速していると感じています。そして、我々ライフドリンクカンパニーはその成長を取り込んでいきたいと考えています。
その実現のためには、Max生産Max販売の進化、具体的には供給力の拡大が最重要課題です。その供給力拡大に向けて、新工場の稼働準備、ニットービバレッジの生産能力増強や稼働時間増などの生産数量増への取り組み、生産能力獲得を目的としたM&Aに注力していきます。
今後も足元では想定内・想定外の状況変化があると思いますが、2024年3月期の修正後業績予想の達成に向けて、さまざまな変化に機敏に対応していきたいと考えています。私からのプレゼンは以上です。ご清聴ありがとうございました。
質疑応答:第2四半期におけるコスト増加の影響について
司会者:「第2四半期において、原材料や水道光熱費によるコスト増の影響はどの程度ありましたか?」というご質問です。
岡野:先ほども少し触れましたが、レジン、段ボール、その他キャップ、ラベルなど、いろいろな資材や原料が値上がりしています。水道光熱費に関しては、電気代ということになりますが、こちらも数年前からかなりのペースで単価が上がっており、負担が増えてきています。
先ほどの営業利益の比較で触れましたが、原材料費、水道光熱費のコスト増が2.9億円となっています。第1四半期と比べて、第2四半期はその増加幅が少し落ち着いてきているものの、まだまだコスト増が続いているという印象です。
質疑応答:増産余地について
司会者:「第1四半期と第2四半期の生産数量はほぼ横ばいですが、すでに生産数量は上限だと思います。御殿場工場稼働までに増産する余地はありますか?」というご質問です。
岡野:ライフドリンクカンパニー単体では、第1四半期は前年に比べても生産数量が増えています。要因はその1年前の富士工場における生産能力増強のための投資です。こちらが今期に効いてきています。一方で、第2四半期は前年と比較して、富士工場のような変化点がないため、伸びが落ち着いています。第3四半期、第4四半期も、特に大きな変化点がないことから、基本的には各工場の稼働率向上による前年を少し上回る程度の生産数量を目指していきます。
グループとしては、ニットービバレッジが連結されていますので、ニットービバレッジ分の生産数量増が見込まれています。ニットービバレッジ単体で見ても、前年と比べて生産数量を増やす取り組みを徐々に進めています。その取り組みを実行していくことで、生産数量を伸ばすことができると思っています。
御殿場工場は来期上期の稼働を目標として考えていますが、それ以外の生産数量増はご質問のとおり、上限に近づいてきていると思います。したがって、繰り返しになりますが、稼働率の向上やニットービバレッジの生産数量増に注力していきたいと考えています。
質疑応答:ニットービバレッジのPMIについて
司会者:「ニットービバレッジのPMIでは、具体的にどのような施策が功を奏したのでしょうか?」というご質問です。
岡野:ニットービバレッジは我々と同じ飲料メーカーですので、生産、営業、調達、インフラ整備など、すべての面でシナジーが出せるのではないかと考え、今年1月の子会社化以降、さまざまな取り組みを進めてきました。
その中で短期的に成果が出ているものの1つは、調達です。具体的には、ペットボトルの原材料であるレジンの共同調達を速やかに実行することができ、従来と比べてもコストを抑えられています。そのほか、ニットービバレッジ商品をLDオンラインストアで販売するなど、営業面やEC面でのシナジーも出てきていると思います。
しかし、重要なのは生産面での支援です。生産数量を増やすための取り組みを、ライフドリンクカンパニーとニットービバレッジで協働しながら進めることが大切だと考えています。
設備投資や稼働時間増に向けた取り組み、オペレーションの改善など、テーマはいろいろとありますが、それらをひとつずつクリアしていくことで、ニットービバレッジの能力を最大化できると考えています。
質疑応答:生産能力拡大の可能性について
司会者:「2025年3月期において、ニットービバレッジを含めた既存工場でさらなる生産能力を拡大することは可能でしょうか?」というご質問です。
岡野:先ほどの回答とも一部重複しますが、ライフドリンクカンパニーの既存工場における生産能力増強はほぼ一巡していますので、今後は稼働率の向上が重要と考えています。
一方で、ニットービバレッジは、まだまだ生産能力増強の余地はあると思います。中期経営計画の中では、まだ明確に織り込めていませんが、会社としてどのような生産能力増強を行いうるかの検討は進み、具体的になってきています。
2025年3月期には取り組みの一部が成果として出てくると期待しています。ただし、それが上限ではないため、引き続き検討を進めていこうと考えています。
また、生産能力の獲得はM&Aの活用が鍵となるため、我々としてはその検討を進めていきたいと考えています。
質疑応答:御殿場工場の生産キャパシティについて
司会者:「御殿場工場のフル稼働時の生産キャパシティを教えてください」というご質問です。
岡野:まだ未確定の部分はあるものの、大体800万ケースから850万ケースぐらいだと考えています。
質疑応答:自社ECサイトに関する取り組みについて
司会者:「自社ECサイトに関して、現在どのような取り組みを行っていますか? また、今後どのような取り組みを行っていく予定ですか?」というご質問です。
岡野:直販のECサイトは、2020年2月から「ZAO SODA」を中心として販売を開始しました。もともとは、「楽天市場」や「Yahoo!ショッピング」などのモールに出店し、認知度を高める取り組みを進め、一定程度の成果が出てきています。
そのような中で、将来を見据え、定期販売などをフレキシブルに行う目的で2023年3月期に自社サイトを立ち上げました。EC事業全体における自社サイトの売上割合はまだ小さいものの、順調に顧客の獲得・維持、さらには新しいサービスの提供といった取り組みができています。
現在は「ZAO SODA」を中心とした定期販売を行っており、今後は「彩水-あやみず-」や「彩茶-あやちゃ-」など、他の商品の定期販売も始めていきたいと考えています。まずは品揃えを充実させ、サービスを充実させたいと思っています。
また、並行して集客のためのプロモーションを行うことも大切です。コストをかけすぎずに効率的なプロモーションを模索しながら、取り組んでいきたいと考えています。
いずれにせよ自社サイトは一番よいテスト環境だと思いますので、さまざまなテストを行っていきたいと考えています。
質疑応答:業績予想における2次値上げについて
司会者:「業績予想には、2次値上げを含めていますか?」というご質問です。
岡野:2次値上げに関しては今回の業績予想には織り込んでいません。
質疑応答:今後のM&A案件について
司会者:「今回の上方修正に新規のM&A案件などは含まれていますか?」というご質問です。
岡野:含まれていません。M&Aの案件自体はいろいろな角度や情報に基づいて検討を進めているものの、まだ特に確定しているものはありません。魅力的な案件が決まって開示されれば、そちらを将来の予想に織り込むことはありますが、現時点で決まっていることはありません。
いずれにしても、生産能力拡大に向けてM&Aは重要な取り組みだと考えています。そのため、M&Aを予想に織り込む、織り込まないにかかわらず、スピード感を持って取り組みを行っていきたいと考えています。
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