宝ホールディングスの売買予想

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買い予想

業績 大増益

予想株価
3,000円
現在株価との差+1,978 (+193.68%) 
登録時株価
1,011.0円
獲得ポイント
+2.67pt.
収益率
+1.03%
期間 短期(数分~数日)
理由 業績(会社計画の修正発表を含む)
1件のコメントがあります
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    gold pussyさん
    2020/1/15 10:29
     iPS細胞の「黒子」タカラバイオ、創薬で表舞台へ
    日経産業新聞
    コラム(ビジネス)
    ヘルスケア
    関西
    2020/1/15 2:00
    4645文字
    [有料会員限定]
    タカラバイオが遺伝子や細胞の受託開発で成長を加速している。同社は宝酒造(現・宝ホールディングス)が1979年に参入したバイオ事業部門がルーツ。日本のバイオ産業を縁の下で支えてきたが、iPS細胞など再生医療の普及と共に存在感が高まってきた。今月には主力拠点で新たな生産棟も本格稼働。黒子が表舞台で飛躍を狙う。JR南草津駅から車で10分。タカラバイオの本社敷地内に開発拠点「遺伝子・細胞プロセッシングセンター」(滋賀県草津市)が立つ。
    タカラバイオによる開発製造受託(CDMO)の顧客は製薬企業をはじめ大学、研究機関など。対象製品は多岐にわたるが、注目度が高いのはやはりiPS関連だ。
    同センター開設は2014年。再生医療等製品の製造許可を得た施設としては国内2例目。ノーベル生理学・医学賞を受賞した山中伸弥氏が所長を務める京都大学iPS細胞研究所(CiRA)に次ぐが、設備規模はCiRAよりも大きい。
    ■営業利益率18%
    「タカラバイオとの共同研究は医療応用を実現する上で大きな力になる」。その山中氏はこうコメントした。CiRAとタカラバイオが17年に、iPS細胞の臨床応用研究に共同で着手した際の言葉だ。CiRAがiPS細胞の備蓄事業を進めるうえで、タカラバイオが持つ細胞製造の技術力に白羽の矢が立った。
    「我々のコアは遺伝子や細胞を扱う技術だが、他の企業よりも優れている」。仲尾功一社長は自信を見せる。タカラバイオはウイルスなどを運び屋にして遺伝子を細胞に送り込む「ベクター」と呼ぶ技術に強みを持つ。また遺伝子を増幅したりDNAを切断したりする技術もお手の物だ。

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    同センターの内部は企業秘密だが、「小部屋が無数にある」という。現在の再生医療では患者が自身の細胞を培養して使う「自家移植」が主流。そこで培養時に細胞が他の細胞と混ざるリスクをなくすため、患者ごとに小部屋を割り当てて細胞を培養・加工している。
    同様に空調にも工夫を凝らす。ダイキン工業の協力を得て、外気を遮断しつつ、室内の空気が外に漏れないように密閉するなど、特殊な機構を採用している。
    この虎の子の拠点に1月下旬、70億円を投じた新棟が稼働する。4階建てで、延べ床面積は1万4000平方メートル。受託開発の対応能力は2.5倍と飛躍的に高まり、ベクターの大量培養も実現する。再生医療に関わる製品提供により「テーラーメード医療を後押しする体制が整う」という。
    技術力の基盤は「研究試薬」で磨いた。研究試薬は遺伝子の加工などに用いる薬剤で製薬企業などの開発に欠かせない。
    もとは宝酒造の事業部門が研究試薬を手掛けたのが出発点だ。宝酒造は50年代にビール事業へ参入。「タカラビール」を世に出したが、大手の販売網の壁に阻まれ失敗。代わりの新規事業を模索する中で、目をつけたのが米国生まれのバイオ産業だった。「日本には当時まだバイオを手掛けるメーカーはなく、多くの人から反対された」。宝ホールディングスの大宮久会長は振り返る。
    しかもビール酵母などを扱う技術はあったが、それらが研究試薬に直結するわけではない。試行錯誤を重ねる中で培われたのが「現場で望まれているものを形にする」姿勢だ。いわばマーケットニーズの重視。例えば試薬などの製品を誰もが扱いやすいキットに落とし込むなど、地道な取り組みで顧客に訴求した。追い風もあった。70年代から80年代には遺伝子組み換え技術が普及。90年代にはゲノム解析がもてはやされた。こうした事業環境の変化と歩調を合わせて成果が出るようになった。参入当初は4種だった試薬は現在では1万種に上り、この分野で世界大手となった。
    02年には宝酒造が持ち株会社に移行するのに伴い、事業を分社化。タカラバイオが設立された。大宮会長は「自分で稼いでこい」と送り出し、「独立採算制」を導入して社員の危機感を高めた。これが奏功し、08年には営業黒字化を達成した。
    20年3月期の連結売上高は339億円、営業利益は62億円を見込む。研究開発費には約40億円を投じ、営業利益率は5年前から倍増の18%と過去最高を更新する見通し。20%の大台も視野に入ってきた。「理想のかたちに近づきつつある」。仲尾社長は力をこめる。研究試薬で稼ぎ、その利益で再生医療などの新規事業を育てる――。そんな好循環ができている。
    政府によると再生医療の世界市場は50年までに20年推定比38倍の38兆円に拡大する。タカラバイオの再生医療の受託開発は20年3月期で売上高57億円。売上高全体の2割弱と規模は小さいが、引き合いは強く、前期比で16%の伸びを見込む。
    ■世界大手と競争
    次の一手も見えてきた。自社で新薬を開発する「創薬企業」への脱皮だ。実は創業当初からの悲願。研究試薬に参入した時点から、その延長として「いつかは創薬」という構想を温めてきた。
    布石も打っている。国内では16年から大塚製薬と提携。共同開発に乗り出した。パイプライン(新薬候補)は3つ。異物を排除する免疫細胞を強化してがんを攻撃する次世代治療薬「CAR-T(カーティー)」や、ウイルスを使ってがん細胞を破壊する治療薬など、遺伝子のノウハウが生きる領域で上市を狙う。大塚製薬とは新薬開発の進捗に応じて総額93億円のロイヤルティー収入が入るスキームも構築。「提携の資金回収は既に始まっている」(いちよし経済研究所の山崎清一首席研究員)という。
    もっとも比較的ニッチだった研究試薬に比べ、創薬の世界には強豪がひしめく。遺伝子や細胞の受託製造は、英GSKや富士フイルムなどの大手も手掛けている。新薬候補に掲げる遺伝子治療薬も「メガファーマ」と呼ばれる大手製薬がこぞって開発を競っている。
    もう一段の飛躍に向けて、カギを握るのは海外戦略をどう描くかだろう。国内での大塚製薬と同様、海外でもパートナーを選定する可能性がある。仲尾社長も「海外での大型提携を本格的に検討していく」と認める。事業の立ち上げから40年。表舞台で真価が問われるのはこれからだ。
    (京都支社 赤間建哉)
    https://www.nikkei.com/news/image-article/?R_FLG=0&ad=DSXMZO5436359014012020X11001&dc=1&ng=DGXMZO54363610U0A110C2X11000&z=20200115
    https://www.nikkei.com/news/image-article/?R_FLG=0&ad=DSXMZO5436355014012020X11001&dc=1&ng=DGXMZO54363610U0A110C2X11000&z=20200115
    https://www.nikkei.com/news/image-article/?R_FLG=0&ad=DSXMZO5436357014012020X11001&dc=1&ng=DGXMZO54363610U0A110C2X11000&z=20200115
    https://www.nikkei.com/news/image-article/?R_FLG=0&ad=DSXMZO5428165010012020X13001&dc=1&ng=DGXMZO54363610U0A110C2X11000&z=20200115
    https://www.nikkei.com/news/image-article/?R_FLG=0&ad=DSXMZO5428171010012020X13001&dc=1&ng=DGXMZO54363610U0A110C2X11000&z=20200115https://www.nikkei.com/news/image-article/?R_FLG=0&ad=DSXMZO5428171010012020X13001&dc=1&ng=DGXMZO54363610U0A110C2X11000&z=2
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