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SBSHD Research Memo(1):3PL、EC物流、国際物流の強化とグループシナジー創出で一段の成長目指す

配信元:フィスコ
投稿:2023/10/06 12:21
*12:21JST SBSHD Research Memo(1):3PL、EC物流、国際物流の強化とグループシナジー創出で一段の成長目指す ■要約

SBSホールディングス<2384>は、3PL(物流一括受託サービス)の大手で、積極的なM&Aと物流施設の開発及び流動化による独自ビジネスモデルで成長を続けている。2018年にリコーロジスティクス(株)(現 SBSリコーロジスティクス(株))、2020年に東芝ロジスティクス(株)(現 SBS東芝ロジスティクス(株))を子会社化するなど大型M&Aを実現し、売上規模も2017年12月期から2022年12月期までで約3倍に急拡大した。

1. 2023年12月期第2四半期累計業績の概要
2023年12月期第2四半期累計(2023年1月-6月)の連結業績は売上高で前年同期比2.7%増の222,666百万円、営業利益で同70.7%増の14,242百万円と増収増益決算となった。主力の物流事業が海上運賃の下落や物量減による国際物流の売上減、並びに国内における新拠点開設に伴う立ち上げコストの増加や光熱費の上昇等により、売上高で同2.9%減、営業利益で同15.0%減と減収減益になったものの、不動産事業において2件の流動化実施による売却益を約69億円計上したことにより物流事業の落ち込みがカバーされた格好だ。全体業績では概ね期初計画通りの進捗となったが、物流事業に関しては国際物流の落ち込み等により計画を下回る進捗だったと見られる。前年同期に上昇した海上運賃が値上がり前の水準まで下落したほか、世界景気減速の影響で半導体や家電製品等の物量も低迷した。

2. 2023年12月期の業績見通し
2023年12月期の連結業績は売上高で前期比0.3%増の457,000百万円、営業利益で同4.4%増の22,800百万円と期初計画を据え置いた。ただ、第3四半期に入っても国際物流は低調に推移しているもようで、状況に変化が無ければ計画未達となる可能性もでてくる。このため、同社は下期も料金改定を進めるほか、新規顧客の獲得強化や運営効率化に取り組むことで海外事業の落ち込みをカバーしたい考えだ。仮に2023年12月期業績が計画未達になったとしても、これら施策によって2024年12月期は成長軌道に復帰する可能性が高いと弊社では見ている。SBS東芝ロジスティクスでは新規顧客開拓のための営業組織を立ち上げ、東芝グループ以外の新規顧客を獲得するなど成果も出始めており、EC物流の成長と合わせて今後の業績をけん引していくものと期待される。

3. 成長戦略
同社は2023年12月期より開始した中期経営計画「SBS Next Stage 2025」の業績目標として、2025年12月期に売上高5,000億円、営業利益275億円、営業利益率5.5%を打ち出した。重点施策として、グループ各社の強みを生かし3PLを中心とした企業間物流のさらなる強化を図るとともに、市場拡大が見込まれるEC物流の加速、国際物流事業の拡大などを推進していく方針だ。特に、EC物流では2024年1月に開業予定の「野田瀬戸物流センター(仮称)」(4階建て、4万坪)のうち1フロア(1万坪)をEC専用スペースとして確保し、LT×ITの技術力と運用ノウハウを結集した生産性の高い戦力拠点として立ち上げるべく、現在顧客獲得に注力している。また、国際物流では競争力強化のためSBS東芝ロジスティクスとSBSリコーロジスティクスでフォワーディング業務におけるコンテナ等の共同購買を2023年春より開始したほか、年内にその他グループ会社の海外拠点をSBSリコーロジスティクスに統合するなど国際物流に関しては、これら2社系統に集約することになっている。物流拠点の運営面積は2023年6月末の84.4万坪に対して、現在計画中の拠点も含めれば1.27倍となる107.3万坪まで用地の確保を済ませており、これら拠点を段階的に開設、流動化しながら事業を拡大していく戦略だ。同社はM&Aによるグループシナジーを追求しながら成長を続けてきた実績があり、今後もこれら戦略を遂行していくことでさらなる成長が期待できるものと弊社では見ている。なお、株主還元方針としては、資金需要や収益動向も見極めながら、配当性向で現在の20%強の水準を将来的に30%程度まで引き上げていく意向のようで、2023年12月期の1株当たり配当金は前期比4.0円増の65.0円(配当性向21.5%)と6期連続の増配を予定している。

■Key Points
・3PLと自社開発した物流施設の流動化による独自ビジネスモデルとM&A戦略により成長を続ける
・2023年12月期第2四半期累計業績は不動産流動化の実施により増収増益に
・料金改定や新規顧客の開拓に注力することで通期業績計画の達成を目指す
・2025年12月期に売上高5,000億円、営業利益275億円、営業利益率5.5%を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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配信元: フィスコ
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