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メディネットのニュース
■メディネット<2370>の業績動向
1. 2020年9月期第2四半期業績の概要
新型コロナウイルス感染症の影響により、取引医療機関でインバウンドの患者数減少の影響は受けたものの細胞加工売上高の増加等により2020年9月期売上高は506百万円(前年同期比0.9%増)となった。損益面では昨年度から実施している事業構造改革(原価低減など)の効果や研究開発費用の抑制等により改善され、売上総利益は229百万円(前年同期比29.8%増)、販売費及び一般管理費は602百万円(前年同期比18.9%減)となり、営業損失は372百万円(前年同期より193百万円改善)された。また、2020年9月期第2四半期において長期貸付金の一部を回収したことで貸倒引当金戻入額12百万円を営業外収益に計上したことにより、経常損失は360百万円(前年同期は578百万円)となった。
2. 2020年9月期の業績見通し
主力事業の細胞加工業においては、再生・細胞医療に取り組む製薬企業、大学、医療機関、研究機関等から、特定細胞加工物の製造受託により更なる売上拡大に加え、再生・細胞医療のコンサルティング、細胞培養加工施設の運営管理、細胞加工技術者の派遣・教育システムの提供等といった“バリューチェーンビジネス”の売上げの拡大を図る。一方、費用面については、再生医療等製品事業の早期の収益化を目指し、開発パイプラインの拡充や開発体制の強化を図るための研究開発費の増加が予想される。
しかし、同社は新型コロナウイルス感染症の影響により2020年6月12日に2020年9月の業績予想の修正を公表した。2020年9月期通期の業績予想は、売上高813百万円(前期比23.2%減)、営業損失875百万円(前期は営業損失1,008百万円)、経常損失853百万円(前期は経常損失995百万円)となる。収入面では、インバウンド患者数減により細胞加工件数が落ち込んだことで当初の売上計画(売上高1,090百万円)を277百万円下方修正した。また損益面では、事業構造改革に徹底・強化による売上原価・販売管理費の低減に加え、研究開発活動の一時中断・停滞による研究開発費の執行遅延などにより当初の営業利益計画(営業損失1,106百万円)を231百万円上方修正している。
3. 財務状況と新株予約権発行などについて
2020年9月期第2四半期の財務状況を見ると、資産では、手許流動性(何にでも使える流動的資産)が1,663百万円(前期末比260百万円増)と2017年9月期末の3,436百万円の5割近くまで回復している。そのほかに売掛金72百万円減少、建物(純額)54百万円減少等で資産合計は2019年9月期末に比べ339百万円増加した。負債合計は前期末に比べ46百万円減少した。主な減少要因は、買掛金21百万円、賞与引当金5百万円、未払法人税など4百万円である。純資産は、四半期純損失362百万円、新株予約権の行使による資本金229百万円、資本剰余金229百万円、その他有価証券評価差額金295百万円等により、前期末に比べ385百万円増加した。
4. 資金調達
2019年6月、同社ではこれまで第三者割当増資で実績のあるマッコーリー・バンク・リミテッドによる第14回新株予約権(行使価格修正事項付)及び第15回新株予約権(行使価格修正選択権付)の発行を行うことを決定した。潜在株式数は24,000千株、発行価額は1,850千円、資金使途は再生医療等製品の開発費等である。なお、第13回新株予約権(当初行使価額164円、下限行使価額95円)は、同社の株価水準が下限行使価額を下回っており、資金調達の実現性が難しく、期中に未行使分を一旦取得・消却した。最終的には第14回、第15回の新株予約権をそれぞれ5月11、15日に行使を完了し、総額1,289百万円(発行価額含む)を資金調達した。
さらに同社は、「糖鎖修飾・代謝制御による免疫細胞の新規培養技術」で培養した免疫細胞を用いた再生医療等製品、「HSP105 に関連した新たながん免疫療法」、「キメラ受容体遺伝子を導入したがん免疫細胞」の研究開発資金、及び資本業務提携に伴う株式取得等費用を目的とし、2020年6月にマッコーリー・バンク・リミテッドによる第16回新株予約権(行使価格修正条項付)の発行を行うことを決定、今後2年間で資金調達を行うとしている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)
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1. 2020年9月期第2四半期業績の概要
新型コロナウイルス感染症の影響により、取引医療機関でインバウンドの患者数減少の影響は受けたものの細胞加工売上高の増加等により2020年9月期売上高は506百万円(前年同期比0.9%増)となった。損益面では昨年度から実施している事業構造改革(原価低減など)の効果や研究開発費用の抑制等により改善され、売上総利益は229百万円(前年同期比29.8%増)、販売費及び一般管理費は602百万円(前年同期比18.9%減)となり、営業損失は372百万円(前年同期より193百万円改善)された。また、2020年9月期第2四半期において長期貸付金の一部を回収したことで貸倒引当金戻入額12百万円を営業外収益に計上したことにより、経常損失は360百万円(前年同期は578百万円)となった。
2. 2020年9月期の業績見通し
主力事業の細胞加工業においては、再生・細胞医療に取り組む製薬企業、大学、医療機関、研究機関等から、特定細胞加工物の製造受託により更なる売上拡大に加え、再生・細胞医療のコンサルティング、細胞培養加工施設の運営管理、細胞加工技術者の派遣・教育システムの提供等といった“バリューチェーンビジネス”の売上げの拡大を図る。一方、費用面については、再生医療等製品事業の早期の収益化を目指し、開発パイプラインの拡充や開発体制の強化を図るための研究開発費の増加が予想される。
しかし、同社は新型コロナウイルス感染症の影響により2020年6月12日に2020年9月の業績予想の修正を公表した。2020年9月期通期の業績予想は、売上高813百万円(前期比23.2%減)、営業損失875百万円(前期は営業損失1,008百万円)、経常損失853百万円(前期は経常損失995百万円)となる。収入面では、インバウンド患者数減により細胞加工件数が落ち込んだことで当初の売上計画(売上高1,090百万円)を277百万円下方修正した。また損益面では、事業構造改革に徹底・強化による売上原価・販売管理費の低減に加え、研究開発活動の一時中断・停滞による研究開発費の執行遅延などにより当初の営業利益計画(営業損失1,106百万円)を231百万円上方修正している。
3. 財務状況と新株予約権発行などについて
2020年9月期第2四半期の財務状況を見ると、資産では、手許流動性(何にでも使える流動的資産)が1,663百万円(前期末比260百万円増)と2017年9月期末の3,436百万円の5割近くまで回復している。そのほかに売掛金72百万円減少、建物(純額)54百万円減少等で資産合計は2019年9月期末に比べ339百万円増加した。負債合計は前期末に比べ46百万円減少した。主な減少要因は、買掛金21百万円、賞与引当金5百万円、未払法人税など4百万円である。純資産は、四半期純損失362百万円、新株予約権の行使による資本金229百万円、資本剰余金229百万円、その他有価証券評価差額金295百万円等により、前期末に比べ385百万円増加した。
4. 資金調達
2019年6月、同社ではこれまで第三者割当増資で実績のあるマッコーリー・バンク・リミテッドによる第14回新株予約権(行使価格修正事項付)及び第15回新株予約権(行使価格修正選択権付)の発行を行うことを決定した。潜在株式数は24,000千株、発行価額は1,850千円、資金使途は再生医療等製品の開発費等である。なお、第13回新株予約権(当初行使価額164円、下限行使価額95円)は、同社の株価水準が下限行使価額を下回っており、資金調達の実現性が難しく、期中に未行使分を一旦取得・消却した。最終的には第14回、第15回の新株予約権をそれぞれ5月11、15日に行使を完了し、総額1,289百万円(発行価額含む)を資金調達した。
さらに同社は、「糖鎖修飾・代謝制御による免疫細胞の新規培養技術」で培養した免疫細胞を用いた再生医療等製品、「HSP105 に関連した新たながん免疫療法」、「キメラ受容体遺伝子を導入したがん免疫細胞」の研究開発資金、及び資本業務提携に伴う株式取得等費用を目的とし、2020年6月にマッコーリー・バンク・リミテッドによる第16回新株予約権(行使価格修正条項付)の発行を行うことを決定、今後2年間で資金調達を行うとしている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)
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