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E・Jホールディングスのニュース
■E・Jホールディングス<2153>の今後の見通し
3. 第5次中期経営計画
2022年5月期からスタートする第5次中期経営計画「E・J-Plan2024」では、「革新・進化のための基盤整備」をテーマに掲げ、長期ビジョンの実現に向けた基盤構築に取り組む期間と位置付けている。基本方針としては、1)既存事業強化とサービス領域の拡充、2)多様化するニーズへの対応力の強化、3)環境変化に柔軟に対応できる経営基盤の構築の3点を掲げ、5つのテーマ(イノベーションを生み出す体制構築、デジタルトランスフォーメーション、人財開発・育成と働き方改革、グローカル経営体制の再構築、ESG経営の推進とSDGs目標達成)に取り組む。
(1) 基本方針
1) 既存事業強化とサービス領域の拡充
a) 最先端技術を取り入れ、国土強靭化、老朽化するインフラ施設のメンテナンス、環境に配慮したサステナブルな社会インフラの整備、CM(発注者支援)等の行政支援のサービスを深化し、重点課題として取り組んでいく。具体的な取り組み例としては、AR(拡張現実)を使った計画橋梁の3次元モデルを作成し、現地での風景に重ね合わせて見ることで、計画橋梁完成後の状況を確認し、計画の妥当性や問題点の早期発見につなげるものがある。また、無電柱化事業では地下埋設状況の把握のためのレーダー探査や、BIM/CIMによる3Dモデルを作成することで設計精度や業務効率化の向上、並びに計画協議や住民説明会においても視覚的な理解向上が進み、協議の円滑化に寄与している。
b) 3つのコア・コンピタンス(防災・保全、環境、行政支援)を基盤にした6つの重点分野により、今後成長が想定される事業領域の拡大、変革を図る。
c) 経済発展とともにインフラ整備市場が拡大する東南アジアを中心に、M&Aも含め海外事業基盤の再構築を図り、JICAを通じたプロジェクトだけでなく現地での直接受注を拡大し、2025年5月期に売上高10億円を目指す。
d) 研究開発、デジタル機材等への積極的な投資によりDX推進を加速し、競合に対して競争優位性を確保する。また、実際のDX推進に当たっては、グループ会社ごとの取り組みを進めるとともに、エイト日本技術開発によるモデルケースをグループに展開していく。そのための組織として、2021年6月にEJイノベーション技術センターを設立した(災害リスク研究センターを発展的に改編)。
2) 多様化するニーズへの対応力の強化
a) データ、情報資産、ICT技術を活用した新商品、新サービスを開発する。
b) 既存の農林事業を生かした地域課題解決ビジネスを深化させる(BtoBtoCなど)。地方課題解決ビジネスに関しては、2012年以降に、秋田県・岡山県・徳島県において現地の地方公共団体や企業等との共同出資により、アグリ事業における6次産業化に取り組んでいる。秋田県の(株)ストロベリーファームでは希少品種である夏イチゴの「なつあかり」の栽培を行い、全国の洋菓子店やレストラン等に年間約4トンを販売し、売上高は年間1千万円を超える規模まで成長している。2021年からは現地の生産農家に対して生産技術の移転も始めており、自社生産と合わせて年間1億円の売上を目指す。
岡山県の(株)エンジョイファームでは、農園での青果物の栽培や食育農作業の体験施設「水車の里フルーツトピア」について、2013年4月から運営管理業務を自治体から受託(契約期間は2022年度まで)している。徳島県の(株)那賀ウッドでは、木材利活用推進・地域振興事業の一環として、徳島県産の品質の高い木粉を用いて公共施設のウッドテーブルやウッドデッキの製作に利用しているほか、簡易トイレや団扇、インテリア製品の材料並びに木工加工製品としても販売している。2022年2月には農林水産省及び消費者庁、環境省が主催する「サステナアワード2021」※において、同社の「木づかいと木育てで持続可能な林業地域づくり」の取り組みが評価され、みどりの食料システム推進賞を受賞した。秋田県や徳島県でのビジネスについては収益化した段階で、地元企業等に株式を売却していく予定だが、収益化までにはまだ時間がかかる見通しとなっている。
※サステナアワード2021では、SDGsゴール12「つくる責任 つかう責任」を踏まえ、食や農林水産業に関わる持続可能なサービス・商品を扱う地域・生産者・事業者の取組を広く国内外に発信していくことを目的として、サステナブルな取組を分かりやすく紹介する動画を2021年に募集し、92作品の応募の中から有識者による審査を経て各賞の受賞を発表した。
c) グリーンインフラ、スマートシティ、物流・ロジスティクス推進等未来型社会インフラへの知見・ノウハウ・技術を獲得し、新たなインフラニーズに取り組む。
d) 新規事業・技術力強化に必要なアライアンス・M&Aを積極的に行う。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<EY>
3. 第5次中期経営計画
2022年5月期からスタートする第5次中期経営計画「E・J-Plan2024」では、「革新・進化のための基盤整備」をテーマに掲げ、長期ビジョンの実現に向けた基盤構築に取り組む期間と位置付けている。基本方針としては、1)既存事業強化とサービス領域の拡充、2)多様化するニーズへの対応力の強化、3)環境変化に柔軟に対応できる経営基盤の構築の3点を掲げ、5つのテーマ(イノベーションを生み出す体制構築、デジタルトランスフォーメーション、人財開発・育成と働き方改革、グローカル経営体制の再構築、ESG経営の推進とSDGs目標達成)に取り組む。
(1) 基本方針
1) 既存事業強化とサービス領域の拡充
a) 最先端技術を取り入れ、国土強靭化、老朽化するインフラ施設のメンテナンス、環境に配慮したサステナブルな社会インフラの整備、CM(発注者支援)等の行政支援のサービスを深化し、重点課題として取り組んでいく。具体的な取り組み例としては、AR(拡張現実)を使った計画橋梁の3次元モデルを作成し、現地での風景に重ね合わせて見ることで、計画橋梁完成後の状況を確認し、計画の妥当性や問題点の早期発見につなげるものがある。また、無電柱化事業では地下埋設状況の把握のためのレーダー探査や、BIM/CIMによる3Dモデルを作成することで設計精度や業務効率化の向上、並びに計画協議や住民説明会においても視覚的な理解向上が進み、協議の円滑化に寄与している。
b) 3つのコア・コンピタンス(防災・保全、環境、行政支援)を基盤にした6つの重点分野により、今後成長が想定される事業領域の拡大、変革を図る。
c) 経済発展とともにインフラ整備市場が拡大する東南アジアを中心に、M&Aも含め海外事業基盤の再構築を図り、JICAを通じたプロジェクトだけでなく現地での直接受注を拡大し、2025年5月期に売上高10億円を目指す。
d) 研究開発、デジタル機材等への積極的な投資によりDX推進を加速し、競合に対して競争優位性を確保する。また、実際のDX推進に当たっては、グループ会社ごとの取り組みを進めるとともに、エイト日本技術開発によるモデルケースをグループに展開していく。そのための組織として、2021年6月にEJイノベーション技術センターを設立した(災害リスク研究センターを発展的に改編)。
2) 多様化するニーズへの対応力の強化
a) データ、情報資産、ICT技術を活用した新商品、新サービスを開発する。
b) 既存の農林事業を生かした地域課題解決ビジネスを深化させる(BtoBtoCなど)。地方課題解決ビジネスに関しては、2012年以降に、秋田県・岡山県・徳島県において現地の地方公共団体や企業等との共同出資により、アグリ事業における6次産業化に取り組んでいる。秋田県の(株)ストロベリーファームでは希少品種である夏イチゴの「なつあかり」の栽培を行い、全国の洋菓子店やレストラン等に年間約4トンを販売し、売上高は年間1千万円を超える規模まで成長している。2021年からは現地の生産農家に対して生産技術の移転も始めており、自社生産と合わせて年間1億円の売上を目指す。
岡山県の(株)エンジョイファームでは、農園での青果物の栽培や食育農作業の体験施設「水車の里フルーツトピア」について、2013年4月から運営管理業務を自治体から受託(契約期間は2022年度まで)している。徳島県の(株)那賀ウッドでは、木材利活用推進・地域振興事業の一環として、徳島県産の品質の高い木粉を用いて公共施設のウッドテーブルやウッドデッキの製作に利用しているほか、簡易トイレや団扇、インテリア製品の材料並びに木工加工製品としても販売している。2022年2月には農林水産省及び消費者庁、環境省が主催する「サステナアワード2021」※において、同社の「木づかいと木育てで持続可能な林業地域づくり」の取り組みが評価され、みどりの食料システム推進賞を受賞した。秋田県や徳島県でのビジネスについては収益化した段階で、地元企業等に株式を売却していく予定だが、収益化までにはまだ時間がかかる見通しとなっている。
※サステナアワード2021では、SDGsゴール12「つくる責任 つかう責任」を踏まえ、食や農林水産業に関わる持続可能なサービス・商品を扱う地域・生産者・事業者の取組を広く国内外に発信していくことを目的として、サステナブルな取組を分かりやすく紹介する動画を2021年に募集し、92作品の応募の中から有識者による審査を経て各賞の受賞を発表した。
c) グリーンインフラ、スマートシティ、物流・ロジスティクス推進等未来型社会インフラへの知見・ノウハウ・技術を獲得し、新たなインフラニーズに取り組む。
d) 新規事業・技術力強化に必要なアライアンス・M&Aを積極的に行う。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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