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昭和産業のニュース
■今後の見通し
1. 中長期の成長戦略
同社グループは、昭和産業<2004>90周年を迎える2025年度のありたい姿(長期ビジョン)「SHOWA Next Stage for 2025」2017年度−2025年度(9年間)を策定し、三次にわたり展開している。その実現に向けた足場固めと位置付ける1st Stage「中期経営計画17-19」に現在取り組んでいる。「SHOWA Next Stage for 2025」策定の背景には、事業環境の変化に対応し、更なる成長戦略を実現するためには、過去の経験からの積上げ目標ではなく、ゼロベースで、ありたい姿から大胆な目標を設定する視点が必要であるとの考えがある。
足場固めと位置付ける1st Stage「中期経営計画17-19」における数値目標については、2020年3月期に、売上高2,600億円(2017年3月期:2,332億円)、経常利益115億円(同:95億円)、ROE9.0%以上(同:8.7%)、自己資本比率50%以上(同:44.4%)としている。
2nd Stage「中期経営計画20-22」では「確立」、3rd Stage「中期経営計画23-25」では「収穫」と位置付けており、2025年度には売上高4,000億円、経常利益200億円を目指している。
(1) 積極的な設備投資
中期経営計画17-19は、長期ビジョンの実現に向けた足場固めの期間と位置づけており、その一環として積極的な設備投資を実施している。
a) 鹿島工場:総額約60億円の設備投資を実施中
製油工場では、約35億円を投資し、抽出工程の生産効率アップと、ロスの削減等を目的とした最新設備に更新。
糖質工場では、約10億円を投資し、機能性製品の比率を高めていく目的で、粉末水あめの生産工程を更新・増設。荷役設備では、約10億円を投資し、荷役効率の改善およびBCP対策のため、穀物船から原料を吸い上げるニューマチックアンローダーを更新。
b) 船橋工場
プレミックス工場を新設する。投資額は56億円、2022年6月操業開始予定、生産能力は既存の工場と比べて1.8倍と生産効率が高い工場となる。人手不足に対応した最新の自動化設備や、IOTによる高い生産性と、生産リードタイムの短縮、多品種小ロット生産を実現し、食品安全についても、今まで以上に配慮した設計とする。
(2) 大豆たん白の販売強化
大豆たん白は、これまでの食肉代替需要にとどまらず、シリアルや菓子といった従来想定していなかった用途に広がっている。また、大豆たん白は高たん白、低脂質なこともあり、健康志向の高まりや、ベジタリアンやビーガンなど、多様なニーズに対応可能な食品素材である。同社は、このように市場が拡大している大豆たん白の販売を強化している。大豆たん白市場の成長に伴い、2020年3月期上期に同社の販売数量は過去最高を更新した。さらに販売を強化するため、約3億円を投じ鹿島工場において能力増強(更新前比約110%)のための設備更新を実施する(2020年3月完成予定)。
(3) 事業領域拡大に向けての海外展開を加速
長期ビジョンで掲げる「事業領域の拡大」の一環として、海外事業への取り組みを強化している。その中でベトナムにおいては、2013年からプレミックス事業を行っているインターミックスに資本参加している。2018年には食品企業向けのテクニカルサポートを行うShowa Sangyo Vietnam Co.,Ltdを設立しており、将来を担う人材育成に努めている。近年ベトナムの食品市場は人口増と所得増の相乗効果で市場の拡大と高付加価値化が続いており、今後さらに注力すべき市場と位置付けている。インターミックスでは現在、現地向け家庭用商品の生産が中心だが、今後は食の多様化に対応した現地向けラインアップの充実や、業務用商品の拡大にも着手していく考えである。
また、台湾を拠点として食品・飼料などの事業を展開する大成集団と2017年10月より業務提携し、事業領域の拡大を目指し協業について検討していたが、2019年11月に合弁事業を開始することを決議している。海外における更なる事業領域の拡大を目的に、約26億円を投じ、大成集団のグループ会社である「國成メン粉股フン有限公司」及び「中一食品股フン有限公司」が実施する第三者割当増資を引き受け、台湾において新たに「製粉事業」「飼料事業(鶏卵)」に参入する。長年の信頼関係をベースにして、更なる基盤事業の強化及び事業領域の拡大を図る。
2. 2020年3月期計画
2020年3月期の業績については、売上高261,000百万円(前期比2.0%増)、営業利益8,800百万円(同4.2%増)、経常利益10,000百万円(同2.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益7,000百万円(同3.5%減)とする期初計画を据え置いている。経常利益は、物流費やエネルギーコストの上昇などの外部環境の変化を踏まえ、100億円としているが、「中期経営計画17-19」に掲げる数値目標である115億円に向けてまい進していく。なお、財政状態の見通しについては、設備投資額は125億円、減価償却費は86億円、期末有利子負債残高は300億円を見込んでいる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 村瀬智一)
<MH>
1. 中長期の成長戦略
同社グループは、昭和産業<2004>90周年を迎える2025年度のありたい姿(長期ビジョン)「SHOWA Next Stage for 2025」2017年度−2025年度(9年間)を策定し、三次にわたり展開している。その実現に向けた足場固めと位置付ける1st Stage「中期経営計画17-19」に現在取り組んでいる。「SHOWA Next Stage for 2025」策定の背景には、事業環境の変化に対応し、更なる成長戦略を実現するためには、過去の経験からの積上げ目標ではなく、ゼロベースで、ありたい姿から大胆な目標を設定する視点が必要であるとの考えがある。
足場固めと位置付ける1st Stage「中期経営計画17-19」における数値目標については、2020年3月期に、売上高2,600億円(2017年3月期:2,332億円)、経常利益115億円(同:95億円)、ROE9.0%以上(同:8.7%)、自己資本比率50%以上(同:44.4%)としている。
2nd Stage「中期経営計画20-22」では「確立」、3rd Stage「中期経営計画23-25」では「収穫」と位置付けており、2025年度には売上高4,000億円、経常利益200億円を目指している。
(1) 積極的な設備投資
中期経営計画17-19は、長期ビジョンの実現に向けた足場固めの期間と位置づけており、その一環として積極的な設備投資を実施している。
a) 鹿島工場:総額約60億円の設備投資を実施中
製油工場では、約35億円を投資し、抽出工程の生産効率アップと、ロスの削減等を目的とした最新設備に更新。
糖質工場では、約10億円を投資し、機能性製品の比率を高めていく目的で、粉末水あめの生産工程を更新・増設。荷役設備では、約10億円を投資し、荷役効率の改善およびBCP対策のため、穀物船から原料を吸い上げるニューマチックアンローダーを更新。
b) 船橋工場
プレミックス工場を新設する。投資額は56億円、2022年6月操業開始予定、生産能力は既存の工場と比べて1.8倍と生産効率が高い工場となる。人手不足に対応した最新の自動化設備や、IOTによる高い生産性と、生産リードタイムの短縮、多品種小ロット生産を実現し、食品安全についても、今まで以上に配慮した設計とする。
(2) 大豆たん白の販売強化
大豆たん白は、これまでの食肉代替需要にとどまらず、シリアルや菓子といった従来想定していなかった用途に広がっている。また、大豆たん白は高たん白、低脂質なこともあり、健康志向の高まりや、ベジタリアンやビーガンなど、多様なニーズに対応可能な食品素材である。同社は、このように市場が拡大している大豆たん白の販売を強化している。大豆たん白市場の成長に伴い、2020年3月期上期に同社の販売数量は過去最高を更新した。さらに販売を強化するため、約3億円を投じ鹿島工場において能力増強(更新前比約110%)のための設備更新を実施する(2020年3月完成予定)。
(3) 事業領域拡大に向けての海外展開を加速
長期ビジョンで掲げる「事業領域の拡大」の一環として、海外事業への取り組みを強化している。その中でベトナムにおいては、2013年からプレミックス事業を行っているインターミックスに資本参加している。2018年には食品企業向けのテクニカルサポートを行うShowa Sangyo Vietnam Co.,Ltdを設立しており、将来を担う人材育成に努めている。近年ベトナムの食品市場は人口増と所得増の相乗効果で市場の拡大と高付加価値化が続いており、今後さらに注力すべき市場と位置付けている。インターミックスでは現在、現地向け家庭用商品の生産が中心だが、今後は食の多様化に対応した現地向けラインアップの充実や、業務用商品の拡大にも着手していく考えである。
また、台湾を拠点として食品・飼料などの事業を展開する大成集団と2017年10月より業務提携し、事業領域の拡大を目指し協業について検討していたが、2019年11月に合弁事業を開始することを決議している。海外における更なる事業領域の拡大を目的に、約26億円を投じ、大成集団のグループ会社である「國成メン粉股フン有限公司」及び「中一食品股フン有限公司」が実施する第三者割当増資を引き受け、台湾において新たに「製粉事業」「飼料事業(鶏卵)」に参入する。長年の信頼関係をベースにして、更なる基盤事業の強化及び事業領域の拡大を図る。
2. 2020年3月期計画
2020年3月期の業績については、売上高261,000百万円(前期比2.0%増)、営業利益8,800百万円(同4.2%増)、経常利益10,000百万円(同2.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益7,000百万円(同3.5%減)とする期初計画を据え置いている。経常利益は、物流費やエネルギーコストの上昇などの外部環境の変化を踏まえ、100億円としているが、「中期経営計画17-19」に掲げる数値目標である115億円に向けてまい進していく。なお、財政状態の見通しについては、設備投資額は125億円、減価償却費は86億円、期末有利子負債残高は300億円を見込んでいる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 村瀬智一)
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