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大気社、売上・利益とも上期過去最高を達成、通期見通しを上方修正 国内外の良好な市場環境を追い風に堅調な業績推移

投稿:2023/11/17 19:00

目 次

長田雅士氏:社長の長田でございます。本日は、弊社の決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。私からは、上期の市場環境と業績、そして2024年3月期業績の見通しについてご説明します。

2024年3月期 第2四半期 決算ハイライト

まず、当社グループにおける市場環境につきましては、国内市場では半導体関連や自動車メーカーによる投資が継続しており、都市圏における再開発の需要も堅調に推移しました。

海外市場では、世界経済の減速懸念はあるものの、各メーカーによる設備投資は堅調に推移しました。

そのような市場環境のもと、受注工事高は前年同期に大型案件の受注があったことから、反動減となりましたが、業績面につきましては、前期からの繰越工事の順調な進捗により、完成工事高と利益において上期過去最高を達成しました。

2024年3月期 第2四半期 連結業績サマリー

このような状況のもと、受注工事高は、第1四半期決算時に修正した予想を上回りました。また、完成工事高および利益につきましては、10月27日に開示した「業績予想の修正に関するお知らせ」のとおり、すべての項目で上期の期初予想を上回りました。

項目別にご説明いたしますと、受注工事高は、想定以上の受注を確保できたことから予想を上回りました。完成工事高は、国内において前期からの繰越工事の進捗が期初の想定を上回ったことにより予想を上回りました。

利益面につきましては、完成工事高増に加え、海外工事の採算性が改善したため、経常利益は予想を上回りました。親会社株主に帰属する四半期純利益につきましては、先に述べました要因に加え、投資有価証券売却益等の増加により予想を上回りました。

セグメントごとの要因につきましては、後ほど、管理本部長の中島よりご説明します。

また、当社の主要拠点の為替レートと、為替影響額についても記載しておりますので、ご参照ください。

2024年3月期 第2四半期 経常利益の増減要因

2024年3月期上期の経常利益の増減要因をお示ししております。戦略受注案件による利益率低下の影響があったものの、完成工事高増により、前年同期比で増加しております。

2024年3月期 業績予想

続いて、2024年3月期の通期の業績予想についてご説明します。

今回、上期業績および直近の事業環境等を踏まえ、通期業績予想を修正しました。11月13日に開示した「業績予想の修正に関するお知らせ」のとおり、すべての項目で期初予想を上回る見通しです。

受注工事高は、上期に想定以上の受注を確保できたことにより、通期でも予想を上回る見込みです。完成工事高は、前期からの繰越工事の進捗が期初の想定を上回ったことにより、期初予想を上回る見込みです。

利益面につきましては、主に完成工事高の増加により、営業利益および経常利益は期初予想を上回る見込みです。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、上記に加え、投資有価証券売却益の増加により、期初予想を上回る見込みです。

セグメントごとの要因につきましては、後ほど、管理本部長の中島よりご説明します。

また、当社の主要拠点の想定為替レートと、為替変動による影響額についても記載しておりますので、ご参照ください。

私からのご説明は以上です。

2024年3月期 第2四半期 事業別 受注工事高

中島靖氏:管理本部長の中島です。ここからは、セグメント別業績の概要についてご説明します。

まずは、2024年3月期第2四半期の事業別の業績についてご説明します。このスライドでは、事業別の受注工事高を前年同期比および予想比でまとめています。

全社では、塗装システム事業で増加したものの、環境システム事業は減少し、前年同期比348億円の減少で1,271億円となりました。

予想比においては、環境システム事業と塗装システム事業の両事業において、第1四半期決算時に修正した予想を上回りました。

次のスライドから、事業ごとに順番にご説明します。

2024年3月期 第2四半期 環境システム事業 受注工事高

環境システム事業の受注工事高を前年同期比および予想比でまとめています。前年同期比においては、532億円減の733億円となりました。

ビル空調分野は、施工キャパシティを考慮した受注活動の影響により、減少しました。産業空調分野の国内および海外は、大型案件の反動減により、減少しました。

予想比においては、産業空調分野の下振れをビル空調分野でカバーし、期初想定どおりとなりました。

2024年3月期 第2四半期 塗装システム事業 受注工事高

塗装システム事業の受注工事高を前年同期比および予想比でまとめています。前年同期比においては、183億円増の537億円となりました。海外において、自動車メーカーによる大型案件が寄与し、増加しました。

予想比においては、自動車メーカーの更新需要などを着実に取り込み、第1四半期決算時に修正した予想を上回りました。

2024年3月期 第2四半期 事業別 繰越工事高

事業別の繰越工事高の推移をまとめています。2023年3月期は、環境システム事業と塗装システム事業の両事業において、大幅に増加し、2,582億円となりました。

2024年3月期上期は、環境システム事業で減少したものの、塗装システム事業において、前期末よりさらに増加し、2,579億円となりました。

全社では繰越工事量を同水準に維持しております。

2024年3月期 第2四半期 事業別 完成工事高・経常利益

事業別の完成工事高と経常利益を前年同期比および予想比でまとめています。

完成工事高において、環境システム事業、塗装システム事業ともに増加し、全社では前年同期比446億円増で1,304億円となりました。予想比においては、環境システム事業、塗装システム事業ともに事業部全体としては、期初予想を上回りました。

経常利益においても、環境システム事業、塗装システム事業ともに増加し、全社では前年同期比34億円の増加、予想比では18億円の上振れで81億円となりました。

次のスライドから、事業ごとに順番にご説明します。

2024年3月期 第2四半期 環境システム事業 完成工事高・経常利益

環境システム事業の完成工事高と経常利益を前年同期比および予想比でまとめています。

まず、完成工事高は、前年同期比364億円増の1,039億円となりました。主に産業空調分野の大型案件の出来高が寄与し、増加しました。

次に経常利益は、完成工事高の増加により、前年同期比22億円増の75億円となりました。予想比においても、主に海外において原価低減活動による利益改善が進み、予想を上回りました。

2024年3月期 第2四半期 塗装システム事業 完成工事高・経常利益

塗装システム事業の完成工事高と経常利益を前年同期比および予想比でまとめています。

まず、完成工事高は、前年同期比82億円増の264億円となりました。国内、海外ともに、前期に比べ期初の繰越工事高が多く、増加しました。

次に経常利益は、完成工事高の増加により、前年同期比10億円増となり、黒字に転換しました。予想比においても、繰越工事の想定以上の進捗による完成工事高増により、予想を上回りました。

2024年3月期業績予想 事業別 受注工事高

ここからは、2024年3月期の業績予想を事業別にご説明します。このスライドでは、事業別の受注工事高を前期実績および、11月13日に開示した新予想と期初予想でまとめています。

市場環境の見通しについてご説明いたしますと、環境システム事業では、ビル空調分野の建設需要は、中長期的には底堅く推移する見通しです。産業空調分野では、電気電子分野において、AI・IoT機器・自動運転システム等の需要拡大により、引き続き設備投資が継続すると予想しており、海外においても、同様の傾向が継続すると見込んでおります。

また、塗装システム事業については、自動車メーカーに関しては、北米・日本などでは設備更新投資、中国・インドなどでは増産投資が見込まれており、需要は底堅く推移すると想定しております。

市場環境は堅調に推移しているものの、当社における施工キャパシティを考慮した受注活動の影響により、全社では環境システム事業、塗装システム事業ともに減少し、前期比631億円減の2,255億円となる見通しです。

次のスライドから、事業ごとに順番にご説明します。

2024年3月期業績予想 環境システム事業 受注工事高

環境システム事業の受注工事高を前期実績および、新予想と期初予想でまとめています。

産業空調分野では、一部拠点において、プロジェクトの出件時期が後ろ倒しになっている影響などにより、期初予想を下回る見込みです。

一方で、ビル空調分野では、産業空調分野の下振れをカバーすることで、期初予想を上回る見込みです。

分野ごとの増減はあるものの、環境システム事業の受注工事高は、期初予想どおりの1,530億円となる見通しです。

2024年3月期業績予想 塗装システム事業 受注工事高

塗装システム事業の受注工事高を前期実績および、新予想と期初予想でまとめています。

国内、海外ともに上期に想定以上の受注を確保したことで、期初予想を上回る見込みです。塗装システム事業の受注工事高は、期初予想より75億円上回り、725億円となる見通しです。

2024年3月期業績予想 事業別 完成工事高・経常利益

事業別の完成工事高を前期実績および、11月13日に開示した新予想と期初予想でまとめています。

完成工事高は、環境システム事業、塗装システム事業ともに増加し、全社では前期比702億円の増加で2,850億円となる見通しです。

経常利益は、環境システム事業で減少するものの、塗装システム事業で増加し、全社では前期比24億円の増加で155億円となる見通しです。

次のスライドから、事業ごとに順番にご説明します。

2024年3月期業績予想 環境システム事業 完成工事高・経常利益

環境システム事業の完成工事高と経常利益を前期実績および、11月13日に開示した新予想と期初予想でまとめています。

新予想については、完成工事高は、前期からの繰越工事や当期受注案件が想定以上に進捗することで、期初予想を175億円上回り2,100億円となる見通しです。

次に経常利益は、完成工事高の増加に加え、一部工事の採算性改善により、期初予想を6億円上回り138億円となる見通しです。

前期比においては、大型案件の進捗により完成工事高は増加しますが、採算性の低い大型案件の比率が高まり、減益となる見通しです。なお、それらの採算性の低い物件は、当社のさらなる技術力獲得のために戦略的に受注した案件であります。

2024年3月期業績予想 塗装システム事業 完成工事高・経常利益

塗装システム事業の完成工事高と経常利益を前期実績および、11月13日に開示した新予想と期初予想でまとめています。

新予想については、完成工事高は、海外において前期からの繰越工事の進捗が期初の想定を上回ったことにより、期初予想を125億円上回る750億円となる見通しです。

次に経常利益は、完成工事高の増加により、期初予想を10億円上回る19億円となる見通しです。

前期比については、前期において、国内、海外ともに客先の生産計画変更に伴う出来高の後ろ倒しなどがありましたが、今期はその傾向が解消されることで完成工事高が増加し、それに伴い経常損失から経常利益に転換する見通しです。

損益計算書

ここからは、連結財務諸表を順番にお示しします。このスライドでは、3ヶ年の業績の推移を表しています。ご参照ください。

貸借対照表

連結の貸借対照表です。ご参照ください。

キャッシュフロー計算書

連結のキャッシュフロー計算書です。2024年3月期第2四半期の現金および現金同等物の四半期末残高は、2023年3月期末より113億円増加し、553億円となりました。

営業キャッシュフローは、売上債権の減少などにより、136億円のプラスとなりました。

長期ビジョン

中川正徳氏:経営企画本部長の中川です。ここからは、中期経営計画の進捗をご説明します。

このスライドでは、本中計の策定にあたり見直した長期ビジョンを記載しております。「Innovative Engineering」「Diversity & Inclusion」という2つのビジョンを掲げております。

中期経営計画 財務目標

本中計の財務目標について記載しております。2024年3月期の業績予想に関しましては、すべての項目で中計で掲げていた目標を上回る予定です。

中期経営計画 非財務目標

本中計の非財務目標について記載しております。中計で掲げた、スコープ1・2のCO2排出量の削減目標に加えて、今年の4月25日にTCFD提言に基づく気候関連情報の開示を行いました。

詳細は当社ホームページをご覧ください。

中期経営計画 投資計画

本中計の投資計画について記載しております。

現在、環境システム事業において、神奈川県愛川町に、新技術開発センターを計画中でありまして、来年5月に完成予定です。今年4月に開設した本社のR&Dサテライトとの連携による技術体験を通じた顧客とのコミュニケーションの拡大と、顧客視点の技術開発を推進してまいります。

また、塗装システム事業においては、スプレー塗装に代わるドライ加飾技術の開発を急ピッチで進めておりまして、神奈川県座間市にありますテクニカルセンターに実証ラインを設置予定です。

今後の投資計画に関しましては、ご説明可能となったものから順次、取り組みをお伝えしていければと思っております。

基本方針と方向性

本中計の「基本方針と方向性・取組み内容」について記載しております。

各戦略における取り組み 環境システム事業 ~強みとなる技術の水平展開~

それでは、中計の各戦略に基づく取り組みのうち、環境システム事業、塗装システム事業の2024年3月期上期の取り組みを2つ紹介いたします。

1つ目は、中期経営計画で掲げる「強みとなる技術の水平展開」における取り組みとしまして、人追従吹出口「FOLLOAS(フォロアス)」の開発についてです。

画像認識の技術を活用して、人の動きに追従して冷風を吹く吹出口システムでありまして、作業環境の改善や省エネ・CO2削減効果が期待できます。

現在、お客さまへの導入提案を進めており、また、複数の工場において試験的な導入や耐久性の検証を行っています。2025年までには年間販売台数3,000台を目指し、量産化に向けた体制の構築を進めてまいります。

各戦略における取り組み 塗装システム事業 ~グローバルな社会課題を意識した開発~

2つ目は、塗装システム事業の掲げる「グローバルな社会課題を意識した開発」における取り組みとしまして、国際カンファレンスにおける当社発表の受賞についてです。

当社は、今年6月にアメリカ・デトロイトで開催された自動車塗装技術国際会議「SURCAR」にて、当社のドライ加飾技術に関する発表が、審査員投票で最も評価された発表に贈られる「Jury's Award」を受賞しました。

ドライ加飾技術は、フィルムの加飾の貼り合わせにより、従来の塗装工程がなくなり、温室効果ガスの排出を削減できる一方で、加飾する対象物の大きさや、形状などに関する課題がありましたが、外板パーツの中でも加飾の難しいバンパーに対して、シワなく色味の変化を抑えたドライ加飾を実現した点が高く評価されました。

現在は、自社研究施設内に、量産ラインを想定したドライ加飾システムのデモラインの構築を計画しており、脱炭素社会の早期実現に向けて、開発を加速しております。

実績および進行中の取り組み①

スライド34ページから36ページまでは、各戦略における2024年3月期上期の実績や進行中の主な取り組みについて記載しております。こちらは取り組み①です。

実績および進行中の取り組み②

こちらは取り組み②です。

実績および進行中の取り組み③

こちらは取り組み③です。

政策保有株式

当スライドには、本中計の政策保有株式の削減計画について記載しております。

2024年3月期上期における売却金額の実績は25億円となりました。売却は計画どおり進んでおりますが、株価の上昇の影響もあり、2023年9月末時点の純資産比率は、21.7パーセントとなっております。

引き続き、計画達成に向けて削減を進めてまいります。

配当

ここからは、当社の株主還元についてご説明します。

こちらのスライドでは、配当についてご説明します。過去の配当方針につきましては、配当性向による目標を掲げておりましたが、2023年3月期から始まった中計においてDOE基準に配当方針を変更しました。

利益配当金による利益還元を最重要施策のひとつとして、自己資本配当率(DOE)3.2パーセントを目指し、安定的な配当を実施してまいります。

2024年3月期の年間配当額は、期初公表の配当予定金額から変更はなく、1株につき127円で実施する予定です。

株主還元額と総還元性向の推移

自己株式の取得についてご説明します。

棒グラフの薄いブルーの部分は、自己株式の取得額の推移を示しております。中計1年目の2023年3月期は、30億円の自己株式取得を実施しましたが、2年目以降は、年間20億円を目途に自己株式の取得を実施する予定としておりまして、今期はすでに8月10日の取締役会で20億円の自己株取得の決議をしました。

配当と自己株式の取得を合わせて、より高い水準の株主還元を目指してまいります。ご参考として株主還元額と総還元性向の推移も載せておりますので、ご参照ください。

本日のご説明は以上となります。ご清聴いただき、ありがとうございました。

配信元: ログミーファイナンス
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