朝日工業社のニュース
【QAあり】朝日工業社、設備工事事業が順調に進捗し売上高は前年比33.8%増 各段階利益も売上総利益率改善等により大幅増
Agenda
髙須康有氏(以下、髙須):みなさま、おはようございます。朝日工業社代表取締役社長の髙須康有です。本日はお忙しい中、弊社の2024年3月期第2四半期決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。本説明会はオンラインで開催させていただきます。よろしくお願いします。
それでは、ご覧いただいている5つの項目について、資料に沿ってご説明します。
朝日工業社とは
会社概要についてご説明します。朝日工業社は、「空気・水・熱」の技術で「快適環境・最適空間」を創造する、メーカー機能を持つ環境エンジニアリングカンパニーです。
1925年の創業以来、約100年にわたり、地球環境と資源を大切にしながら、空気・水・熱の科学に基づく高度な技術によって、最適空間の創造と人類文化の発展に貢献することを使命とし、社業に邁進してきました。
企業情報
弊社は、設備工事事業と機器製造販売事業の2つの事業を展開しています。設備工事事業では、人が生活しやすく、また作業しやすい環境を作るだけでなく、半導体の製造に欠かせないクリーンルームなど、高度な技術が要求される施工を含む空気調和設備工事と、健康的で快適な生活に欠かせない水を用途に応じて使用できるようにする衛生設備工事や、生産設備に必要な気体・流体を供給するプラント配管設備工事を行っています。
機器製造販売事業では、半導体やフラットパネルディスプレイ、あるいは電子分野などの先端産業のお客さまが工場内に設置する精密環境制御機器の開発・製造・販売を行っており、中国、韓国、台湾、アメリカ、ドイツなど海外にも納入実績があります。
また、海外では台湾とマレーシアに現地法人を設立しており、事業を展開しています。
2024年3月期第2四半期決算概要
2024年3月期第2四半期の決算概要についてご説明します。まず、実績についてご報告します。受注高は、健康・医療環境施設の大型案件受注により、前年同期比17.9パーセント増の641億2,600万円となりました。次期繰越高も同様の理由により、前年同期比5.8パーセント増の1,045億1,000万円となりました。
売上高は、設備工事事業の手持ち工事が順調に進捗したことにより、前年同期比33.8パーセント増の419億9,700万円となりました。
売上総利益以下の各段階利益については、売上高の増加および売上総利益率の改善により、売上総利益、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益でいずれも大幅な増益となりました。
今後も、最先端の工場など、弊社の技術力が生かせる施設の設備投資が継続されると見込んでいます。
セグメント別受注高・売上高・営業利益
セグメント別の受注高・売上高・営業利益です。設備工事事業については、受注高は前年同期比22.6パーセント増の630億6,500万円、売上高は前年同期比42パーセント増の406億500万円となりました。営業利益は、売上高の増加により前年同期比大幅増の24億7,400万円となっています。
機器製造販売事業については、FPD関連の一時的な市場規模の縮小や半導体関連の生産調整の影響を受けました。したがって、受注高は前年同期比63.8パーセント減の10億6,100万円、売上高は前年同期比50.1パーセント減の13億9,100万円、営業利益は前年同期比大幅減の2億6,200万円の損失となりました。
四半期業績の推移
四半期業績の推移です。第2四半期の業績については、受注高、売上高ともに第1四半期に比べて大幅に増加しました。売上総利益以下の各段階利益についても、売上高の増加および売上総利益の改善により大幅に増加しました。
セグメント別実績 受注高
セグメントの用途別、主要製品別の受注実績についてです。設備工事事業の受注については、生産環境施設が減少しましたが、交通・通信環境施設および健康・医療環境施設が大幅に増加しています。
機器製造販売事業の受注については、FPD関連は一時的な市場規模の縮小を受け、また半導体関連は生産調整などの影響を受け、それぞれ大幅に減少しましたが、受注高全体としては、先ほどご説明のとおり大幅に増加しています。
セグメント別実績 売上高
セグメントの用途別、主要製品別の売上実績についてです。設備工事事業の売上については、ビジネス環境施設および健康・医療環境施設が減少しましたが、生活・文化環境施設および生産環境施設が大幅に増加しています。
機器製造販売事業の売上については、半導体関連が前年同期よりも増加したものの、FPD関連が前期からの受注減の影響で前年同期より大幅に減少しました。ただし、売上高全体としては、先ほどご説明のとおり大幅に増加しています。
次期繰越高
設備工事事業の建物の用途別の次期繰越高についてです。ビジネス環境施設および流通環境施設は減少しましたが、交通・通信環境施設、健康・医療環境施設が大幅に増加しており、次期繰越高は全体として堅調な受注により大幅に増加しています。
貸借対照表
貸借対照表については、記載のとおりです。
キャッシュ・フロー計算書
キャッシュ・フロー計算書についても、記載のとおりです。
2024年3月期の予想について
2024年3月期の業績予想についてです。受注高については、前期実績に対して抑制的な予想としていましたが、大型案件の受注を受け、886億円に上方修正しました。
売上高については、前期末からの繰越高が引き続き高水準であるため、前期末から約10パーセントの増加を見込んでいます。
段階利益については、資材価格や労務費の高騰などにより全体的に利益率が若干低下するものの、いずれも増益となる見込みであり、増収増益を見込んでいます。
通期予想については、売上高以下の上方修正はしていないものの、事業目標の達成だけでなく、それをさらに上回ることができるよう、全社一丸となって努力していきます。
セグメント別見通し
セグメント別の見通しです。設備工事事業は、受注環境における価格競争の厳しさが続き、物価上昇の影響を受けるものの、前期末からの繰越高が高水準であり、手持ち工事の進捗が順調に進むと見込まれるため、前年度から増収を計画しています。
機器製造販売事業は、FPD製造装置向け製品における市場の世界的な冷え込みを受け、設備投資が前年度を大幅に下回ると予想しています。また、半導体製造装置向け製品についても、生産調整が続くことが予想されるため、全体として大幅な減収を計画しています。
ただし、弊社事業全体としては設備工事事業の伸びが大きく、受注高、売上高ともに前年度から増加を見込んでいます。
長期業績推移(過去10年間)
過去10年間の業績推移についてです。売上高はリーマンショック以降、順調に拡大を続けています。2019年3月期と2020年3月期はオリンピック需要もあり大幅に増加し、営業利益も確保してきました。
2021年3月期と2022年3月期は、オリンピック需要の反動やコロナ禍の影響を受けてやや落ち込みましたが、2022年3月期の第4四半期以降は受注が増えています。売上高も、生産施設の国内回帰や、海外企業による日本国内への設備投資等によるマーケットの回復などを追い風として、2022年3月期以降大きく増加しています。
営業利益については、安定して黒字経営を続けています。2021年3月期、2022年3月期は新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて、当初は低調となる見通しでした。しかし、徹底したコスト削減や施工の効率化などに全社を挙げて取り組んだ結果、最終的には当初見通しを大幅に上回る営業利益を上げることができました。
その後、2023年3月期の予想を上回る営業利益を達成し、本年度も2023年3月期を上回る営業利益を見込んでいます。
資本政策
弊社の資本政策についてご説明します。弊社は、資本コストを意識した経営により、グループ全体の企業価値向上と持続的な成長を目指し、資本効率の追求と財務健全性の維持向上とのバランスの最適化を図ることを、資本政策の基本方針としています。
株主還元については、1株あたり年間80円の配当を安定的に継続しつつ、連結配当性向40パーセント以上を目標としています。
さらに将来への投資として、研究開発の強化に約40億円、DXの推進に約20億円、サステナビリティ経営や人的資本経営の推進に約10億円、計70億円程度の投資を戦略的に実施していきます。
一例ですが、具体的には、新研究所の建設により研究開発の環境を整え、省エネや脱炭素に関わる技術、製品開発などにこれまで以上に注力するほか、DX推進の全社的な組織整備と、DX人材の育成と教育によりデジタル基盤を整備し、デジタル技術を最大限に生かした業務プロセスの変革などに取り組んでいきます。
株価・売買代金
弊社の株価および売買代金についてです。弊社は、2022年4月の東証市場再編時にプライム市場への上場を選択したものの、上場維持基準のうち、株式の1日平均売買代金が基準を満たしていなかったため、2023年12月末までに適合する旨を記載した計画書を提出しました。
その後、基準への適合および持続的な企業価値向上を目指して、IR活動の強化やコーポレートガバナンスの強化、柔軟な施策の実施などに真摯に取り組んだ結果、計画期間よりも1年早くプライム市場の上場維持基準に適合できました。
今期においても売買代金は堅調に推移しています。また、それに伴って株価も大きく上昇しており、第2四半期の平均株価は、移行基準日の直前1年間における平均株価と比較して約65パーセント上昇しています。
しかしながら、現在の状況は決して満足できる水準ではないため、各種施策への真摯な取り組みを継続し、持続的な企業価値向上を目指していきますので、ご指導賜りますよう、よろしくお願いします。
排気補助装置「AUX JET(オックスジェット)」の開発
弊社の技術および取り組みについてご紹介します。まず、弊社が開発した排気補助装置「AUX JET(オックスジェット)」についてご紹介します。「AUX JET」は、公益社団法人日本空気清浄協会が主催する「第39回空気清浄とコンタミネーションコントロール研究大会」において「技術賞」を受賞し、特許を取得しました。
一言でいえば、「AUX JET」は安全な作業環境を作るための装置です。塗料や医薬品、香料の調合、また油汚れの洗浄などの作業で用いる有機溶剤には、VOCという揮発性が高く人体に有毒な物質が含まれています。
そのため、有機溶剤を使用する際には、発生する蒸気を吸い込まないよう、効率よく排気する必要があります。しかし、既存の排気フードでは、作業環境内の温度差や気流の影響を受けて、捕集効果が小さくなっていました。
そこで、VOCの発生源の周りに清浄な空気を噴き出す補助装置をつけることで、温度差や気流の影響を受けずに、かつ作業を妨げることなく、VOCを排気フードに誘導できるようにしました。
今後は、塗装工場や印刷工場、医薬品工場、食品工場などへの導入を目指し、営業展開を進める予定です。弊社は1990年から臭気対策に取り組んでおり、「AUX JET」も長年にわたり研究を積み重ねた成果の1つであると考えています。
サステナビリティにつながる取り組み
サステナビリティにつながる弊社の取り組み事例を2つご紹介します。1つ目は、「下水熱」を利用した事例です。下水熱とは、年間を通してほぼ一定の温度である下水と、外気温度との温度差による熱エネルギーを利用した再生可能エネルギーです。
弊社は、今年3月に新設した福岡市営地下鉄七隈線博多駅において、九州初、鉄道事業者初となる、下水熱を利用した空調設備の施工を担当しました。日々の生活で発生する下水はどの都市にも豊富に存在しており、活用の余地が大きいため、今後の普及促進が期待されています。
2つ目は、「雪冷房システム」の導入事例です。雪冷房システムは、冬に降った雪をためておき、夏にその冷熱を利用し冷房を行うシステムです。新潟県魚沼市の株式会社吉兆楽さまは、雪冷房システムを利用してお米を低温保管する「雪蔵仕込み」を行い、最適な環境でよりおいしさを引き出したお米の製造販売をされています。弊社は、吉兆楽さまの新社屋および精米工場の増築において、機械設備工事および雪冷房設備工事を担当しました。
いずれの事例も、CO2削減などのサステナビリティにつながる弊社の技術を活かした取り組みです。
BIMの推進
BIM(Building Information Modeling)の推進に関する弊社の取り組みについてご紹介します。BIMは、コストや資材、管理情報などのデータを追加した3Dの建物モデルをデータベースとして、建物の設計から施工、維持管理まで、あらゆる工程で活用するためのシステムです。BIMの活用が進めば、建物の価値拡大に加えて、大幅な業務効率化が見込まれます。
弊社では、設計・積算、施工、維持管理の3つのプロセスでBIMを推進しています。設計・積算プロセスでは、スライドの図1のような施工空間モデルを使用し、積算業務の大幅な効率化を見込んでおり、2024年中には本格運用の開始を予定しています。
施工プロセスでは、複数の作業者間で資材の納品状況や進捗管理を共有することで、工程調整や品質管理など、幅広い業務の効率化を見込んでいます。
維持管理プロセスでは、具体的な検証はこれからですが、竣工引渡し後、3Dデータをお客さまにご利用いただくことで、改修工事の計画や積算を容易にできるようになるものと考えています。
また、建築設備会社大手9社が連携する「設備BIM研究連絡会」に、発足当初から参画しており、各社の技術やノウハウを連携することで、加速度的にBIMの普及・展開を図っています。今後、各プロセスのデータ連携による相乗効果で、品質向上、トラブル防止、生産性向上、業務効率化を図るため、引き続きBIMの推進に取り組んでいきます。
半導体産業を支える超精密チラー
弊社が開発した超精密チラーをご紹介します。チラーとは、水や熱媒体を一定の温度にコントロールして循環させ、産業機器などの温度や湿度を一定に保つための装置の総称です。弊社は、業界トップクラスの温度制御が可能で、なおかつ地球環境にも優しい超精密チラーを開発しました。
半導体製造装置では「超微細加工」と呼ばれる極めて細かい作業を行う上で、精密な温度制御が欠かせません。弊社の超精密チラーは、お客さまの要求するスペックであるプラスマイナス0.01度を大きく上回る、プラスマイナス0.005度の温度制御を実現しています。
また、従来型のチラーよりも高性能でありながら、地球温暖化係数(GWP)が低いフロンを採用しており、小型化しています。
さらに、国内にとどまらず北米、EU、台湾、中国、韓国などへの輸出も見据え、第三者機関による安全審査を受け、各種国際規格にも適合しています。
出荷台数も堅調な推移を想定しており、2023年度の超精密チラーの出荷は20台、従来型チラーと合わせて35台を予定しています。
朝日工業社の強み
最後にAppendixとして、弊社の強み、SDGs基本方針および事業内容に関する資料を添付していますので、後ほどご確認ください。
以上で、2024年3月期第2四半期決算のご説明を終了します。長時間にわたりご清聴いただき、ありがとうございました。
質疑応答:受注高大幅増の背景について
司会者:「受注高が大幅に増えていますが、受注環境はどのようなものだったのでしょうか? また、具体的にどのような案件が増えたのでしょうか?」というご質問です。
髙須:おかげさまで受注高が大幅に増え、大変うれしく思っています。設備工事の受注環境としては、2022年度より全国において大型都市再開発、データセンター、半導体、食品、医薬品、自動車関係、化学工場、総合病院などの計画がされており、今後も堅調に推移すると期待しているところです。
我々としては事業目標達成に向けて、効率的な施工体制を組むことを大変重要視しています。その体制が可能となるよう内容を十分に吟味・検討し、受注に邁進したいと思っています。
特に最近では、関東地区における大型データセンターの新築工事や、九州における大型食品工場等の受注があり、投資が非常に活発です。我々としても本当に喜ばしい限りですので、しっかり取り組んでいきたいと考えています。
質疑応答:資材価格高騰分の価格変化について
司会者:「第2四半期時点の売上総利益率以下の段階利益は前期比で改善しています。資材価格高騰分の価格変化が順調に進捗しているということでしょうか?」というご質問です。
髙須:売上総利益以下の段階利益が改善したことについては、それぞれの現場で効率を上げ、原価低減に努めてきた結果が出たと思っています。資材価格高騰は今後も続くと思っていますが、今の受注環境を踏まえると、採算性を重視して受注を積み重ねることが大事だと考えています。
お客さまにはなんとかご理解いただけるよう、資材価格高騰についても状況を説明し、鋭意交渉していくことが大切であり、昨今はかなり広がりが出てきていると感じています。今後も利益重視を基本にがんばりたいと考えていますので、どうぞよろしくお願いします。
質疑応答:生産環境施設の受注減少について
司会者:「御社が得意とする生産環境施設の受注のみ前期比で減少しています。案件自体が減少したのでしょうか?」というご質問です。
髙須:おっしゃるとおり、前年同期と比較して生産環境施設分野の受注が減少しています。前年同期に超大型の生産設備の受注があったため、それが影響しました。しかし、生産環境施設の内容が非常に高水準であることに変わりはありません。当社としても今、特に生産環境施設の受注に注力しているところですので、引き続きがんばっていきたいと思います。
また、経営計画においてもこの状況は堅調に推移すると推測しています。なによりも施工体制をよく確認しながら、積極的な営業展開をしていきたいと思っています。
質疑応答:株主還元を含めた資本政策について
司会者:「すでに1株あたり80円、連結配当性向40パーセント以上の配当を実施しています。今後、株主還元を含めた資本政策についてはどのように考えていますか?」というご質問です。
髙須:当社は過去2期、連結配当性向40パーセント以上の配当を実施してきました。94期は80円の配当を実施しています。資本政策においても、引き続き今後も第18次中期経営計画で定めている目標を維持し、なによりも業績を上げていくことが大前提です。それに向けて邁進し、株主さまへの積極的な還元を実施していきたいと考えています。
質疑応答:投資計画の進捗について
司会者:「将来への投資として研究開発の強化に約40億円、DXの推進に約20億円、人的資本経営の推進に約10億円、計70億円の投資を実施されるとのことですが、進捗状況はいかがでしょうか? 今期、来期の進捗についてはどのように考えていますか?」というご質問です。
髙須:当期の第2四半期までの実績としては、当社の基幹システムの改善や生産性向上に資するITインフラの整備、従業員に対する昇給、各種手当の新設・改善を行いました。今後は、先ほどご説明した新技術研究所の建設と、BIMを活用したDX関係の推進、定年再雇用者の活躍を促す報酬体系等も見直していきたいと考えています。
その他にも多くの取り組みについて課題をもって計画していきたいと思っていますので、将来に向けた投資は積極的に行い、企業価値の向上に努めていきたいと考えています。
質疑応答:「AUX JET」の販売先と需要について
司会者:「排気補助装置『AUX JET』はどのようなところに販売するのでしょうか? また、需要は見込まれているのでしょうか?」というご質問です。
髙須:当社が開発した「AUX JET」は、有機溶剤や粉じんを扱う塗装工場、印刷工場、医薬品工場などに幅広く展開していきたいと考えています。需要に関しては、それ以外にも有機溶剤や粉じんを扱う業種は幅広くあると考えていますので、そのようなニーズを確認しながら営業展開していきたいと思っています。
また、当社は臭気対策についても古くから研究しており、数々の実績と高評価をいただいたケースが多くありますので、こちらも合わせて展開していきたいと思っています。潜在的な需要があると考えていますので、がんばっていきます。
加えて、有機溶剤で特に有害なものについては、取り扱いの際に人体に対して影響がないようにするため、法的な規制もあります。適切な排気が必要不可欠であるため、そのような面での需要も見込まれると思っています。当社のこの技術を認めていただき、それに関連してさらなる設備工事受注にもつなげていきたいと思います。
質疑応答:サステナビリティ関連の需要について
司会者:「サステナビリティにつながる設備工事の需要はどのようになっていますか?」というご質問です。
髙須:当社も含め、最近はお客さまのサステナビリティへの関心が本当に大きくなっており、関連する設備の需要も増加傾向にあります。当社としても、環境につながるかたちでお客さまの環境改善等につながる技術を提供したいと考えています。
特に省エネ技術や廃棄物対策などが重要ですが、お客さまが人・モノ・地球に優しい環境、心地よい環境を構築していく中で、当社もお手伝いができるように事業を行っていきたいと思っています。企業理念でも掲げている、空気・水・熱の科学に基づく技術を活かして、お客さまの環境改善に役立つよう、今後も営業展開を進めていきます。
質疑応答:施工能力の確保や今後の受注方針について
司会者:「繰越高がかなりの高水準にあると思われます。これを消化していく上で施工能力は大丈夫でしょうか? 施工体制の確保策を含めてご教示ください。また、豊富な手持ち工事量を受けて今後の受注はどうするのか、受注活動の方向性についてもお聞かせください」というご質問です。
髙須:非常に繰越高が多く、手持ち工事量が過去にないほどの額になっていますので、その点では非常にありがたい限りです。しかし、今は当社の技術者や実際に作業を担当いただく人の手配において、業界全体で非常に不足感がある状況です。
当社としても、施工体制については全社的に情報の検討や相談を行いながら早め早めの手配をしていき、協力会社にも早めにお話をしながら、なんとかお客さまの要請にお応えしていきたいとがんばっているところです。
ただ、本当に今、建設は全般的に人手不足感があります。当社もできる限り知恵を働かせながら、またバックオフィス関係でも現場の負荷を低減していくことに注力しながら進めていきたいと思っています。
一方で、今後そのようなことを進めていくとはいうものの、投資計画が非常に旺盛な今の状況下においては、当社としてもやはり将来を考えて営業展開していきたいという思いがあります。受注に対してある意味アクセルを踏みたいところです。
しかし、なによりもお客さまにご迷惑をかけないためにも、しっかりとした施工体制を組めるように準備し、これからもできる限り対応していきたいと思っています。人手不足はなかなか一挙には解決できないところがありますが、できる限り効率化を進めながら努力していきたいと思います。
質疑応答:FPD・半導体関連の見通しとその他分野の開拓について
司会者:「FPD関連、半導体関連ともに大幅な受注減となっていますが、今後の回復の見通しはどうなっていますか? また、FPDや半導体関連以外の分野の開拓の取り組み状況や今後の見通しについて教えてください」というご質問です。
髙須:先ほども機器製造販売事業の分野についてお話ししましたが、FPD関連、半導体関連ともに、今は大変低調な状況になっています。当社としても、そこは非常に危惧するところです。
今期の後半以降にはFPD関係について動きが出てくると思いますし、当社には超精密チラーもあります。また、ドライヤ関係の機器も製造販売しています。半導体やFPD以外の分野も、当社として機器事業部で開発したものでなんとかカバーリングしていきたいと考えていますので、これからも製品の開発に注力しながら、機器事業部の事業の業績改善に努めていきたいと思っています。
質疑応答:B/S管理と今後の見通しについて
司会者:「業容拡大が続く中で、前期末比で流動資産や流動負債を縮小させてきていますが、バランスシート管理でどのような取り組みを進めてきたのでしょうか? 今後のバランスシートの変化はどのようになると考えていますか?」というご質問です。
髙須:傾向として、建設業はどうしても3月末に竣工する工事が多い状況ですので、期末に債権や債務を大きく計上するかたちとなり、四半期で減少する傾向にあります。今後は、何よりも業績を上げていくこと、また当社の政策保有株式の売却等、資金の成長投資への配分を行っていくことで、B/Sの改善に取り組んでいきたいと思っています。
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