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日空調 Research Memo(8):数値目標は2026年3月期に営業利益95億円、ROE10.0%以上(2)

配信元:フィスコ
投稿:2024/12/23 12:08
*12:08JST 日空調 Research Memo(8):数値目標は2026年3月期に営業利益95億円、ROE10.0%以上(2) ■中期経営計画「SNK Vision 2030 Phase II」

3. 「SNK Vision 2030 Phase II」の進捗状況
新日本空調<1952>では、「社会の持続性への貢献」と「経営の持続性強化」のために次のような基本課題とそれに対するマテリアリティを特定し活動している。

各マテリアリティの進捗状況は以下とおりである。

(1) カーボンニュートラル達成による地球温暖化防止と自然環境(水・大気・土壌の汚染)保護と自然共生社会の実現

SBT(Science Based Targets)認証取得へ向けた取り組みやCDP(Carbon Disclosure Project)Aリスト、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への取り組みによるレーティング評価を進めている。

同社グループでは、持続可能な地球環境実現のために、環境問題を経営の重要事項と位置付けている。既にSBT認証取得に向けたコミットメントレターを提出しており、温室効果ガス排出の削減目標を科学的な根拠に基づいて設定し、2024年度中にSBT認証取得を目指す。2021年を基準年と設定し、2030年までに下記GHG排出量の削減を目指す。

(具体的な削減目標)
・Scope1+Scope2:60.6%削減(2024年度で41.6%削減)
・Scope3:22.5%削減(2024年度で3.3%削減)

同社グループでは、取締役会及び経営陣が気候関連の課題を定期的に監督し、戦略的な意思決定を行うガバナンス体制を整備している。気候変動が事業に与える影響を評価し、長期的な戦略として低炭素技術の開発やエネルギー効率の向上、再生可能エネルギーの利用拡大を行っており、気候関連リスクと機会に対して積極的かつ効果的に取り組んでいる。その結果として、CDPAスコア企業及び、グローバルインデックスプロバイダーであるFTSE Russellにより「FTSE Blossom Japan Sector Relative Index」の構成銘柄に選定された。

(2) 減災レジリエンス技術や新たな社会課題解決に向けた新技術開発と産学官・地域連携等による技術提供・共同開発の推進
同社グループでは千葉大学災害治療学研究所と共同で、放射線災害治療学研究をテーマとした放射線災害に対応する安全な医療体制と空調設備の研究を行っている。以下のような具体的な案件を進めている。

1) コンテナ医療ユニットの被ばく対策
課題:放射能汚染環境下での運用を検討
2) 病院や高齢者施設の汚染対策
課題:陽圧化及び感染症や臭気対策などへの検討

(3) カーボンニュートラル達成による地球温暖化防止と産学官・地域連携等による技術提供・共同開発の推進
スタートアップ企業との協業やベンチャーキャピタルとの連携を進めており、様々な案件が進行中である。

1) 生成AIを活用した社内ナレッジ共有プラットフォームの開発
(株)Deepreneurと共同で、社内の膨大な資料や情報を効果的に管理し、有効に活用するためのプラットフォームを開発。生産性向上を通じ組織全体のパフォーマンス向上を目指す『ナレッジひろば』と称し、2024年5月に運用開始。

2) VPP※プラットフォーム開発のスタートアップと資本業務提携
(株)Shizen ConnectとVPPの社会実装を目的とした資本業務提携を締結し、VPPを活用したエネルギーマネジメント分野におけるサービスの高度化や事業開発を進め、地球環境への貢献を目指す。

※ VPP:家庭や企業が保有する蓄電池やEV(電気自動車)、自家発電設備、空調設備など、電気を作る/蓄える/使うリソースを束ねて制御することで、1つの大きな発電所のような機能を提供する仕組み。

3) 独自の強みを有する複数のベンチャーキャピタルとの連携
幅広い領域でのスタートアップ支援に豊富な実績を有するインキュベートファンド及びディープテックスタートアップ支援に特化したベンチャーキャピタルと連携を開始、スタートアップとの協業のスピードアップと深化を図る。

(4) 優れた施工品質と空気品質の提供及び減災レジリエンス技術や新たな社会課題解決に向けた新技術開発、産学官・地域連携等による技術提供・共同開発の推進、サプライチェーンの強化、生産性の向上、
健康経営、ワーク・ライフ・バランスの推進、次世代を担う人材育成
1) 社会背景や顧客の要望に応じた研究テーマや未来を見据えた技術開発
環境やエネルギー、原子力関連、技術開発、施工技術の向上に取り組むとともに、微粒子可視化やシミュレーション技術を活用した問題解決ソリューションを提供し、未来を見据えた技術開発に取り組む。

2) 働き方改革とウェルビーイングを重視したオフィス空間
2027初頭に開設を予定している新技術開発拠点『SNK EBINA Innovation X HIVE』は、イノベーション(I)を起こす多様なメンバーが融合(X)して、にぎやかに集いながら技術開発を行う場所(HIVE)をイメージしたオフィス空間を創造する。最新のICT技術を取り入れ、太陽光、地中熱、大気、雨水などの自然エネルギーと資源を活用し、CASBEE-ウェルネスオフィスなど評価認証の取得やZEB(Net Zero Energy Building)の達成を目指す。

(5) 次世代を担う人材育成、ダイバーシティとインクルージョン
メタバースプラットフォーム「METAGO」を活用した多様な人材の確保(デジタルと現実が融合する革新的な出会いの場の創出)を進めている。

・多様な人材とリアルタイムで交流できるプラットフォームの提供
多様な人材に興味を持ってもらうことを目的としており、遠方の学生も参加しやすい環境を提供することで、容易に会社見学も行え、同社への理解度を深めてもらう。アバターを通じてコミュニケーションを図ることも可能であり、本音を引き出しやすい環境を構築することで、ミスマッチの軽減を図る。新卒採用及びキャリア採用活動の一環としてさらなるコンテンツの充実化を図り、新たな角度から求職者へのアプローチを行う。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

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配信元: フィスコ
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