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*15:06JST テノックス Research Memo(6):新中期経営計画では「未来を拓く、新たな一歩」を進める
■中期経営計画
1. 新中期経営計画
テノックス<1905>は、2018年に長期ビジョン(目指すべき企業像)を策定した。「人間尊重、技術志向、積極一貫」という経営理念の下、長期的に変化する社会のニーズに適応した技術革新に積極的に取り組むことで新たな価値と市場を創出するとともに、基礎工事をとおして社会に「安全」と「安心」を提供し、すべてのステークホルダーが豊かさを実感できる、100年企業を目指したサステナビリティ経営の実現を目指している。こうした長期ビジョンの実現に向けて、中期経営計画Phase1(2018~2020年度)では「To The Next Future」をスローガンに、建設業に求められる品質への信頼性や国内人口の減少に伴う需要の減少に対応し、ブランド力の向上と新たな成長ステージに向けた橋頭保づくりを目指した。
前中期経営計画であるPhase2(2021〜2023年度)では「進取の気性」をスローガンに、パンデミックによる社会構造の変化、担い手不足を補う生産性の向上、環境配慮型社会の構築に対応するため、開発戦略、営業・施工戦略、ESG戦略の3つの基本戦略を推進した。開発戦略で2つの新工法開発におおむね目途がつき、ESG戦略でも電動小型杭打機の試作機が完成するなど大きな成果があった。営業・施工戦略では、リダンダンシー整備事業や関西インフラ事業、成長を続けるEC関連の大型物流施設などの基礎工事を受注するなど一定の成果があったものの、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)やウクライナ情勢などの影響によって発注遅れや着工遅れが嵩んだ。さらに2024年3月期になると担い手不足や働き方改革など、新たな仕事環境下で着手した工事の生産効率が想定を下回り、利益計画の未達に影響した。
こうした労働環境に加え、物価の高騰や供給不安、環境配慮型社会の加速など変化・多様化する社会課題への対応が迫られている。また、東京証券取引所からの企業価値向上の要請もあって、資本効率の良い経営を行う必要も生じている。このため、Phase3となる新中期経営計画(2024~2026年度)では「未来を拓く、新たな一歩」をスローガンに、Phase1、Phase2の事業成果を基に、1) 自社技術の「折り込み」でストックを増やす事業別戦略、2) 新技術の開発を継続し長期的な成長を促進する開発戦略、3) 環境付加価値の向上とDX(デジタルトランスフォーメーション)化により担い手不足解消を目指す環境・デジタル戦略、4) 持続可能な成長へ向けた人財投資とリスク管理体制の強化による経営基盤の強化、5) 株主資本コストを上回るROEを実現する資本効率経営の推進、の5つの重要戦略を展開する。これにより、2027年3月期に売上高270億円、経常利益15億円、ROE8%を目指す。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<HN>
1. 新中期経営計画
テノックス<1905>は、2018年に長期ビジョン(目指すべき企業像)を策定した。「人間尊重、技術志向、積極一貫」という経営理念の下、長期的に変化する社会のニーズに適応した技術革新に積極的に取り組むことで新たな価値と市場を創出するとともに、基礎工事をとおして社会に「安全」と「安心」を提供し、すべてのステークホルダーが豊かさを実感できる、100年企業を目指したサステナビリティ経営の実現を目指している。こうした長期ビジョンの実現に向けて、中期経営計画Phase1(2018~2020年度)では「To The Next Future」をスローガンに、建設業に求められる品質への信頼性や国内人口の減少に伴う需要の減少に対応し、ブランド力の向上と新たな成長ステージに向けた橋頭保づくりを目指した。
前中期経営計画であるPhase2(2021〜2023年度)では「進取の気性」をスローガンに、パンデミックによる社会構造の変化、担い手不足を補う生産性の向上、環境配慮型社会の構築に対応するため、開発戦略、営業・施工戦略、ESG戦略の3つの基本戦略を推進した。開発戦略で2つの新工法開発におおむね目途がつき、ESG戦略でも電動小型杭打機の試作機が完成するなど大きな成果があった。営業・施工戦略では、リダンダンシー整備事業や関西インフラ事業、成長を続けるEC関連の大型物流施設などの基礎工事を受注するなど一定の成果があったものの、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)やウクライナ情勢などの影響によって発注遅れや着工遅れが嵩んだ。さらに2024年3月期になると担い手不足や働き方改革など、新たな仕事環境下で着手した工事の生産効率が想定を下回り、利益計画の未達に影響した。
こうした労働環境に加え、物価の高騰や供給不安、環境配慮型社会の加速など変化・多様化する社会課題への対応が迫られている。また、東京証券取引所からの企業価値向上の要請もあって、資本効率の良い経営を行う必要も生じている。このため、Phase3となる新中期経営計画(2024~2026年度)では「未来を拓く、新たな一歩」をスローガンに、Phase1、Phase2の事業成果を基に、1) 自社技術の「折り込み」でストックを増やす事業別戦略、2) 新技術の開発を継続し長期的な成長を促進する開発戦略、3) 環境付加価値の向上とDX(デジタルトランスフォーメーション)化により担い手不足解消を目指す環境・デジタル戦略、4) 持続可能な成長へ向けた人財投資とリスク管理体制の強化による経営基盤の強化、5) 株主資本コストを上回るROEを実現する資本効率経営の推進、の5つの重要戦略を展開する。これにより、2027年3月期に売上高270億円、経常利益15億円、ROE8%を目指す。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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