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ミライト・ワンのニュース
*14:04JST ミライト・ワン Research Memo(4):事業領域拡大で増収基調を維持。低下した収益性も回復傾向
■業績推移
ミライト・ワン<1417>の過去8年間の業績を振り返ると、売上高は総じて右肩上がりに成長しており、2025年3月期は8期連続の過去最高水準を更新した。特に、2023年3月期以降は「企業/環境社会基盤ドメイン」(非通信)の伸びが顕著であり、2件の大型M&A(西武建設、国際航業)も手伝ってトップラインの伸びをけん引している。一方、「通信基盤ドメイン」の売上高は頭打ちとなっているが、安定的な事業特性により業績の下支えをしているとの見方が妥当である。
利益面でも、2022年3月期までは売上高の拡大とともに増益基調で推移してきた。2022年3月期の営業利益は過去最高水準となり、営業利益率もピークとなる7.0%に達した。ただ、その後2期連続で減益となったのは、コロナ禍後の市場環境の悪化(半導体不足の影響など)と不採算案件の発生が主因である。もっとも、直近の2025年3月期は不採算案件の減少及びミックスの改善等により、本来の収益力が戻ってきた。キャッシュ創出力を示すEBITDAでは過去最高を更新した。
財務面では大型M&Aに伴い総資産は大きく拡大してきたが、財務の安全性を示す自己資本比率はおおむね50~60%の範囲内で安定推移してきた。また、資本収益性を示すROEは、特殊要因(経営統合に伴う特別利益)で大きく上昇した2019年3月期を除くと、ほぼ営業利益と連動する動きをたどってきた。2021年3月期から2022年3月期にかけては10%を超える水準に達したが、その後は一旦低下し、直近では回復に転じている。
■決算概要
2026年3月期中間期も各事業が堅調に推移
1. 2026年3月期中間期決算の概要
2026年3月期中間期の連結業績は、受注高が前年同期比7.0%増の3,416億円、売上高が同3.6%増の2,588億円、営業利益が同67.8%増の78億円、経常利益が同74.4%増の85億円、親会社株主に帰属する中間純利益が同226.1%増の46億円と増収増益となり、受注高、売上高は過去最高(中間期ベース)を更新した。また、重視するEBITDAについても同31.8%増の146億円と大きく増加した。
売上高は各事業が総じて堅調に推移した。特に良好な受注環境を背景に「ICTソリューション事業」が好調に推移したほか、モバイル向け品質改善投資が続く「NTT事業」の伸びが増収に寄与した。また、注力する「みらいドメイン」の売上構成比も41%を確保した。
利益面では、増収による収益の押し上げに加え、統合効果や組織再編などを通じた「通信基盤ドメイン」の売上総利益率改善により大幅な増益を実現した。営業利益率も3.0%(前年同期は1.9%)に改善した。
財政面では、総資産は未成工事支出金の増加と完成工事未収入金の減少が影響し、前年末比7.7%減の4,964億円となった。
各事業の決算概要は以下のとおりである。
(1) 環境・社会イノベーション事業
売上高は前年同期比2.6%減の829億円と僅かに前年同期を下回った。電気・空調は好調であったものの、土木・水道、建築/リノベーションがやや出遅れた。ただ、西武建設及び国際航業との三位一体シナジーの進展等により案件の大型化が進み、売上計上が下期に偏重する傾向がより強まったことが背景にあり、受注残はしっかり確保している。
(2) ICTソリューション事業
売上高は前年同期比12.4%増の699億円と大きく増加した。需要が拡大しているDC・クラウドやグローバル(DCケーブリング等)が伸長したほか、LAN等やソフトウェアも堅調に推移した。特に、地方の学校法人向けなどを中心とするPC・タブレットの入れ替え需要を取り込み、物販も伸長した。また、活動面では、クラウド技術や運用・監視のスキルを有する(株)Y2Sを連結子会社化(2025年10月1日付)し、ICTソリューションO&M(Operation & Management)の拡大に向けて、クラウド・マネージドサービス分野の拡張を図った。
(3) NTT事業
売上高は前年同期比5.7%増の903億円に増加した。NTTグループ向けに固定・モバイルがともに伸長した。特にモバイル向けは品質改善投資が続いており、業績の伸びをけん引している。
(4) マルチキャリア事業
売上高は前年同期比8.7%減の157億円と減少した。5G基地局整備の一巡に伴いモバイルが減収となった一方、固定・CATVは概ね前年並みで推移した。想定の範囲内であり、通期計画に対しては順調に進捗している。
2. 2026年3月期中間期の総括
2026年3月期中間期を総括すると、受注高、売上高はともに過去最高を更新し、利益面でも大幅な増益を実現したところはもちろん、成長分野を中心にしっかりと需要を取り込み、業績の拡大に結び付いていると確認できた点においても評価できる結果となった。また、事業変革に向けた取り組みでも、「みらいドメイン」がそれぞれ着実に進展しているほか、三位一体シナジーの創出並びにデータセンター事業(特にコンテナ型DCへの取り組み等)における受注拡大、統合効果や組織再編による売上総利益率改善などで成果を示したところは、今後に向けてもプラスの材料と言えるだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
<HN>
ミライト・ワン<1417>の過去8年間の業績を振り返ると、売上高は総じて右肩上がりに成長しており、2025年3月期は8期連続の過去最高水準を更新した。特に、2023年3月期以降は「企業/環境社会基盤ドメイン」(非通信)の伸びが顕著であり、2件の大型M&A(西武建設、国際航業)も手伝ってトップラインの伸びをけん引している。一方、「通信基盤ドメイン」の売上高は頭打ちとなっているが、安定的な事業特性により業績の下支えをしているとの見方が妥当である。
利益面でも、2022年3月期までは売上高の拡大とともに増益基調で推移してきた。2022年3月期の営業利益は過去最高水準となり、営業利益率もピークとなる7.0%に達した。ただ、その後2期連続で減益となったのは、コロナ禍後の市場環境の悪化(半導体不足の影響など)と不採算案件の発生が主因である。もっとも、直近の2025年3月期は不採算案件の減少及びミックスの改善等により、本来の収益力が戻ってきた。キャッシュ創出力を示すEBITDAでは過去最高を更新した。
財務面では大型M&Aに伴い総資産は大きく拡大してきたが、財務の安全性を示す自己資本比率はおおむね50~60%の範囲内で安定推移してきた。また、資本収益性を示すROEは、特殊要因(経営統合に伴う特別利益)で大きく上昇した2019年3月期を除くと、ほぼ営業利益と連動する動きをたどってきた。2021年3月期から2022年3月期にかけては10%を超える水準に達したが、その後は一旦低下し、直近では回復に転じている。
■決算概要
2026年3月期中間期も各事業が堅調に推移
1. 2026年3月期中間期決算の概要
2026年3月期中間期の連結業績は、受注高が前年同期比7.0%増の3,416億円、売上高が同3.6%増の2,588億円、営業利益が同67.8%増の78億円、経常利益が同74.4%増の85億円、親会社株主に帰属する中間純利益が同226.1%増の46億円と増収増益となり、受注高、売上高は過去最高(中間期ベース)を更新した。また、重視するEBITDAについても同31.8%増の146億円と大きく増加した。
売上高は各事業が総じて堅調に推移した。特に良好な受注環境を背景に「ICTソリューション事業」が好調に推移したほか、モバイル向け品質改善投資が続く「NTT事業」の伸びが増収に寄与した。また、注力する「みらいドメイン」の売上構成比も41%を確保した。
利益面では、増収による収益の押し上げに加え、統合効果や組織再編などを通じた「通信基盤ドメイン」の売上総利益率改善により大幅な増益を実現した。営業利益率も3.0%(前年同期は1.9%)に改善した。
財政面では、総資産は未成工事支出金の増加と完成工事未収入金の減少が影響し、前年末比7.7%減の4,964億円となった。
各事業の決算概要は以下のとおりである。
(1) 環境・社会イノベーション事業
売上高は前年同期比2.6%減の829億円と僅かに前年同期を下回った。電気・空調は好調であったものの、土木・水道、建築/リノベーションがやや出遅れた。ただ、西武建設及び国際航業との三位一体シナジーの進展等により案件の大型化が進み、売上計上が下期に偏重する傾向がより強まったことが背景にあり、受注残はしっかり確保している。
(2) ICTソリューション事業
売上高は前年同期比12.4%増の699億円と大きく増加した。需要が拡大しているDC・クラウドやグローバル(DCケーブリング等)が伸長したほか、LAN等やソフトウェアも堅調に推移した。特に、地方の学校法人向けなどを中心とするPC・タブレットの入れ替え需要を取り込み、物販も伸長した。また、活動面では、クラウド技術や運用・監視のスキルを有する(株)Y2Sを連結子会社化(2025年10月1日付)し、ICTソリューションO&M(Operation & Management)の拡大に向けて、クラウド・マネージドサービス分野の拡張を図った。
(3) NTT事業
売上高は前年同期比5.7%増の903億円に増加した。NTTグループ向けに固定・モバイルがともに伸長した。特にモバイル向けは品質改善投資が続いており、業績の伸びをけん引している。
(4) マルチキャリア事業
売上高は前年同期比8.7%減の157億円と減少した。5G基地局整備の一巡に伴いモバイルが減収となった一方、固定・CATVは概ね前年並みで推移した。想定の範囲内であり、通期計画に対しては順調に進捗している。
2. 2026年3月期中間期の総括
2026年3月期中間期を総括すると、受注高、売上高はともに過去最高を更新し、利益面でも大幅な増益を実現したところはもちろん、成長分野を中心にしっかりと需要を取り込み、業績の拡大に結び付いていると確認できた点においても評価できる結果となった。また、事業変革に向けた取り組みでも、「みらいドメイン」がそれぞれ着実に進展しているほか、三位一体シナジーの創出並びにデータセンター事業(特にコンテナ型DCへの取り組み等)における受注拡大、統合効果や組織再編による売上総利益率改善などで成果を示したところは、今後に向けてもプラスの材料と言えるだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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