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マルハニチロのニュース
*13:05JST 紀文食品 Research Memo(5):繁忙期の秋冬~正月商戦で2ケタ営業増益確保へ
■業績動向
3. 2026年3月期の業績予想
2026年3月期の業績予想について、紀文食品<2933>は売上高115,626百万円(前期比6.2%増)、営業利益5,020百万円(同11.2%増)、経常利益4,450百万円(同6.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益3,000百万円(同15.9%増)と見込んでいる。原材料価格上昇や米国の関税政策による影響が見られたが、繁忙期の秋冬〜正月商戦に向けてプロモーションを強化すること、勢いのある食品関連事業を保守的に想定していることなどから、期初の業績予想を変えていない。
日本経済は、長期化する不安定な世界情勢や米国の関税政策などにより、先行き不透明な環境が続くと見られている。こうした環境下、同社は「中期経営計画2026」に沿って、基本戦略を着実に進めていく計画である。国内食品事業では、SNSや小売店頭を活用して秋冬向けにおでん、正月向けにおせち関連商品のプロモーションを強化、また新たなチャネルや商材の開拓を通じて新規事業に向けた取り組みを推進し、9月の価格改定も含めて安定した収益を確保する方針である。海外食品事業では、主力のカニカマを中心に既存のスリミ製品の深掘りをするとともに、多彩な日本食材の提案や新規販路の拡大などの取り組みを進める方針である。なお、米国の関税政策に関しては、タイからの輸入が8月にいったん19%で決着となり、今後は価格転嫁への対応も検討しているようだ。食品関連事業では、強みを生かした新規顧客の獲得と共同配送などを通じた物量の増加の両面から事業拡大を図る。
利益面では、原材料価格が上昇しても在庫を早めに確保しているため原価の悪化を見込まなくてよい状況(市場へのロシア産すり身原料の出回り次第ではさらなる原価改善も想定される)になっており、加えて価格改定やプロモーションの効果による数量増も期待でき、売上総利益率の改善を見込んでいる。このため、今期は秋冬〜正月の商戦次第で、通期業績予想にキャッチアップする見通しである。なかでも価格改定(規格変更を含む)については、大半の製品で5〜15%の値上げを行い、下期以降の利益に直接寄与すると大変期待されている。価格改定による販売数量へのマイナス影響は、他社の先行で消費者が価格改定に慣れていたため、ほとんどなかったようだ。
なお、2024年にマルハニチロ<1333>と提携した効果は大きく、すり身原料の50%以上を仕入れるなど、安定した品質と量の確保につながっている。販売面でも、米国においてマルハニチロから調達する差別化されたすり身を、同社がスリミ製品の新たな魅力を引き出す「すりみのちから」のプロダクトメッセージとともに製品化し、同社の販路だけでなく米国に拠点を持つマルハニチロの販路も生かして強化しているところである。
利益獲得期の下期へ向けて施策を強化
4. セグメント別の業績予想
セグメント別の業績については、国内食品事業は売上高82,705百万円(前期比7.4%増)、セグメント利益2,824百万円(同14.5%増)、海外食品事業は売上高12,121百万円(前期比2.8%増)、セグメント利益1,111百万円(同15.9%増)、食品関連事業は売上高20,799百万円(前期比3.3%増)、セグメント利益1,185百万円(同3.5%減)と見込んでいる。国内外食品事業の回復を見込んでいるうえ、食品関連事業に勢いがあるため、期初予想のまま変更していない。
国内食品事業の下期の取り組みとして、9月の価格改定後も数量確保を図るため、秋冬及び正月商戦向けにプロモーションを強化する計画である。秋冬商戦向けのプロモーションでは、タンパク質を手軽に摂取できるスリミ製品のメリットを訴求するとともに、店頭での「おでんセール」の実施やコラボ商品の展開なども強力に推進する方針である。正月商戦向けのプロモーションでは店頭を重視しており、年末年始の曜日別売り場展開の提案を強化するほか、おせち料理の用意率・喫食率を高めてもらうためのプロモーションも実施する予定である。
海外食品事業では、各市場に見合った商品投入と販路展開により販売を回復し、中間期の米国関税政策の影響を吸収する計画である。そのため、カニカマで高品質と価格の2極化対応や、香港の火鍋向けなどタイ工場で生産開始した「チーちく(R)」の展開拡大、惣菜や麺状商品、甘味系など各国の市場特性に応じた日本食材の導入、米国関税政策の影響の価格転嫁など施策を講じる予定である。
食品関連事業では、新規顧客の獲得と既存顧客の深掘り、配送やオペレーションの効率化を計画している。新規顧客の獲得と既存顧客の深掘りでは、チルド物流の全国ネットワークと品質を武器に提案を強化する。配送やオペレーションの効率化では、料金改定、共同配送の積載率向上や配送コースの見直し、構内作業の自働化などを進めるとともに、パートナー各社との積極的な意識共有や情報交換も実施する。また、入退室管理や品質検査などのDX(デジタルトランスフォーメーション)化を通じて得られた、食の安全・安心に関するグループ内ノウハウの外販も進める方針である。なお、中間期の勢いを考えれば、食品関連事業の通期業績予想は保守的ということになろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<HN>
3. 2026年3月期の業績予想
2026年3月期の業績予想について、紀文食品<2933>は売上高115,626百万円(前期比6.2%増)、営業利益5,020百万円(同11.2%増)、経常利益4,450百万円(同6.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益3,000百万円(同15.9%増)と見込んでいる。原材料価格上昇や米国の関税政策による影響が見られたが、繁忙期の秋冬〜正月商戦に向けてプロモーションを強化すること、勢いのある食品関連事業を保守的に想定していることなどから、期初の業績予想を変えていない。
日本経済は、長期化する不安定な世界情勢や米国の関税政策などにより、先行き不透明な環境が続くと見られている。こうした環境下、同社は「中期経営計画2026」に沿って、基本戦略を着実に進めていく計画である。国内食品事業では、SNSや小売店頭を活用して秋冬向けにおでん、正月向けにおせち関連商品のプロモーションを強化、また新たなチャネルや商材の開拓を通じて新規事業に向けた取り組みを推進し、9月の価格改定も含めて安定した収益を確保する方針である。海外食品事業では、主力のカニカマを中心に既存のスリミ製品の深掘りをするとともに、多彩な日本食材の提案や新規販路の拡大などの取り組みを進める方針である。なお、米国の関税政策に関しては、タイからの輸入が8月にいったん19%で決着となり、今後は価格転嫁への対応も検討しているようだ。食品関連事業では、強みを生かした新規顧客の獲得と共同配送などを通じた物量の増加の両面から事業拡大を図る。
利益面では、原材料価格が上昇しても在庫を早めに確保しているため原価の悪化を見込まなくてよい状況(市場へのロシア産すり身原料の出回り次第ではさらなる原価改善も想定される)になっており、加えて価格改定やプロモーションの効果による数量増も期待でき、売上総利益率の改善を見込んでいる。このため、今期は秋冬〜正月の商戦次第で、通期業績予想にキャッチアップする見通しである。なかでも価格改定(規格変更を含む)については、大半の製品で5〜15%の値上げを行い、下期以降の利益に直接寄与すると大変期待されている。価格改定による販売数量へのマイナス影響は、他社の先行で消費者が価格改定に慣れていたため、ほとんどなかったようだ。
なお、2024年にマルハニチロ<1333>と提携した効果は大きく、すり身原料の50%以上を仕入れるなど、安定した品質と量の確保につながっている。販売面でも、米国においてマルハニチロから調達する差別化されたすり身を、同社がスリミ製品の新たな魅力を引き出す「すりみのちから」のプロダクトメッセージとともに製品化し、同社の販路だけでなく米国に拠点を持つマルハニチロの販路も生かして強化しているところである。
利益獲得期の下期へ向けて施策を強化
4. セグメント別の業績予想
セグメント別の業績については、国内食品事業は売上高82,705百万円(前期比7.4%増)、セグメント利益2,824百万円(同14.5%増)、海外食品事業は売上高12,121百万円(前期比2.8%増)、セグメント利益1,111百万円(同15.9%増)、食品関連事業は売上高20,799百万円(前期比3.3%増)、セグメント利益1,185百万円(同3.5%減)と見込んでいる。国内外食品事業の回復を見込んでいるうえ、食品関連事業に勢いがあるため、期初予想のまま変更していない。
国内食品事業の下期の取り組みとして、9月の価格改定後も数量確保を図るため、秋冬及び正月商戦向けにプロモーションを強化する計画である。秋冬商戦向けのプロモーションでは、タンパク質を手軽に摂取できるスリミ製品のメリットを訴求するとともに、店頭での「おでんセール」の実施やコラボ商品の展開なども強力に推進する方針である。正月商戦向けのプロモーションでは店頭を重視しており、年末年始の曜日別売り場展開の提案を強化するほか、おせち料理の用意率・喫食率を高めてもらうためのプロモーションも実施する予定である。
海外食品事業では、各市場に見合った商品投入と販路展開により販売を回復し、中間期の米国関税政策の影響を吸収する計画である。そのため、カニカマで高品質と価格の2極化対応や、香港の火鍋向けなどタイ工場で生産開始した「チーちく(R)」の展開拡大、惣菜や麺状商品、甘味系など各国の市場特性に応じた日本食材の導入、米国関税政策の影響の価格転嫁など施策を講じる予定である。
食品関連事業では、新規顧客の獲得と既存顧客の深掘り、配送やオペレーションの効率化を計画している。新規顧客の獲得と既存顧客の深掘りでは、チルド物流の全国ネットワークと品質を武器に提案を強化する。配送やオペレーションの効率化では、料金改定、共同配送の積載率向上や配送コースの見直し、構内作業の自働化などを進めるとともに、パートナー各社との積極的な意識共有や情報交換も実施する。また、入退室管理や品質検査などのDX(デジタルトランスフォーメーション)化を通じて得られた、食の安全・安心に関するグループ内ノウハウの外販も進める方針である。なお、中間期の勢いを考えれば、食品関連事業の通期業績予想は保守的ということになろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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