ドル円は押し目買いで・・・・・

著者:柳澤浩
投稿:2015/12/03 16:49

ECB後にユーロ買いが強まれば・・・・

昨日の海外市場では、ユーロ圏の11月消費者物価指数が予想を下回る弱い数字となり、先ず、ユーロ売りが強まり、その後、イェレンFRB議長の講演で、12月利上げ開始がほぼ確実となったとしてドルが買われる動きとなりました。しかし、イェレン議長が「機械的な利上げは無い」等と述べた事もあり、その後、ドルに利益確定売りの動きが見られ、米国株が引け際に下げ幅を拡大すると、ドル円は伸び悩み、ユーロドルは下げ渋る展開となりました。

東京時間に入ると、日経平均株価が米国株に連れ安となった為、午前中は、ドル円も上値の重い展開を続けました。しかし、午後に入ると、日経平均株価が前日比プラス圏に浮上。これがドル円を底堅い展開に導きました。更に、欧州勢参入後には、ユーロドルも反落基調を強め、これがドルを押し上げる働きにつながった為、ドル円も123円台半ばまで上昇幅を拡大する展開に移行しています。

今夜は、ECB理事会、ドラギ総裁記者会見、イェレン議長議会証言と、イベントの多い夜となります。ドラギECB総裁は、10月の前回理事会に於いて、追加緩和を予告しており、今夜は、利下げやQE拡大等の追加緩和策を発表するものと思われます。その場合、一時的にユーロ売りが強まる可能性はありますが、売り一巡後は、投機筋のポジションがユーロ・ショートに偏っている為、ユーロのショートカバー中心の流れになるものと思われます。

ユーロドルが反発に転ずると、ドル売りの流れが強まる事となりますから、ドル円も連れ安となるものと思われます。一応、ドラギ総裁の記者会見が終わると、イェレン議長の議会証言が始まりますが、イェレン議長は昨日同様の発言に留まるものと思われます。唯、ISM非製造業景況指数等も発表されますので、これがドル買いの流れを強める可能性もあり、ドル円に関しては、122円台での押し目買いが狙い目かもしれません。
柳澤浩
(株)FXプライム byGMOチーフアナリスト
配信元: 達人の予想