雇用統計の関心は薄れているが・・・・・

著者:柳澤浩
投稿:2015/10/02 14:29

もし、かなり強い数字となれば、利上げ期待が強まり・・・・・

ご承知の通り、今夜米国では、9月雇用統計の発表が予定されています。

市場予想は以下の通りです。

非農業部門雇用者数(NFP):20.1万人増  前月:17.3万人増
失業率:5.1%  前月:5.1%
平均時給の伸び:+0.2%  前月:+0.3%
週平均労働時間:34.6時間  前月:34.6時間
労働参加率: 前月:62.6%

イェレンさんがFRB議長になってからと云うもの、「雇用の質」を重視すると云う姿勢を打ち出しました。この為、非農業部門雇用者数に対する市場の関心が相対的に薄れ、平均時給の伸びや、翌週以降に発表される雇用市場情勢指数(LMCI)やJOLT(求人調査)等にも目配りしなければならなくなりました。この為、雇用統計自体のインパクトが弱まってしまい、数字発表直後こそ、為替相場は反応するものの、動きに持続性は無くなり、早ければ、1時間程で揉み合いに転じてしまいます。

それでも、非農業部門雇用者数が予想よりも強い場合には、急伸後に、一旦、利益確定売りに押されますから、押し目買いのチャンスがあり、逆に弱い場合には、急落後に、一旦、ショートカバーが入りますから、戻り売りのチャンスがあります。その瞬間を巧くつかめれば、日ばかり取り引きでも、比較的確実に利益が得られる事が多い様に思われます。

又、もし、今月の非農業部門雇用者数が25万人を超える非常に強い数字となれば、10月27・28日の次回FOMCでの利上げ開始観測が強まる可能性があるので、一旦、利益確定売りで伸び悩んだ処では着実に押し目買いを行っておくべきだと思います。そして、来週のFOMC議事要旨発表でタカ派的な文言が見られれば、更に上昇する局面が期待出来そうです。
柳澤浩
(株)FXプライム byGMOチーフアナリスト
配信元: 達人の予想