異例の速さで承認を得たテルモが、追い風に
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*9/9 追記
昨日の読売新聞にて、移植手術を実施した理化学研究所プロジェクトリーダー高橋氏が患者の経過について「腫瘍もできておらず、うまくいっている。」と、70歳代女性患者の視力は下がらず安定している実績を述べたと報じられており、近く発表される最終結果の内容を受け、上昇トレンド入りの可能性はより高くなったとみている。
バイオベンチャーと聞くと、薬の開発から販売に至るまで赤字が拡大する傾向にあり、PERなどの指標はアテにはならず、妥当な株価の算定と言うのが極めて難しいリスキーな株と思っている方は多いと思う。
私は妥当な株価の算定となる根拠として、他社との比較に重きを置いており、ヘリオス(4593)の比較企業となるのが米国NASDAQ市場に上場する「リジェネロン・ファーマシューティカルズ」という、ヘリオスが2020年に発売を目指す加齢黄斑変性治療薬を、2011年に発売したバイオベンチャー企業である。
リジェネロンは2011年の承認まで、1つ1つ治験をクリアするたびに株価もそれに合わせて上昇しており、2008年には時価総額2100億円、09年は2900億円、10年は3900億円、承認された11年には6600億と急成長をみせた。
販売した治療薬は、加齢黄斑変性を根治するものではなく、実に92%の患者が1年以内に再発するにも関わらず、他に有効な治療薬は見当たらないためにここまで高い評価を株式市場で得ており、膨大な利益を生み出しながら他の薬も含め、積極的に研究開発費に投じることで、現在は時価総額6兆円という大企業にまで成長している。
だとすれば、ヘリオスが目指すのは根治を可能と再生医療製品であり、2020年に予定している承認に向けてはこのリジェネロンが辿った軌跡より、高い水準で時価総額が評価されても決しておかしくは無いだろう。
現在の時価総額は484.5億円(9月8日終値:1192円)、リジェネロンが承認4年前に時価総額が2100億円あったことから見ても、4倍以上の開きがある。
バイオベンチャーが持つポテンシャルは、時価総額で競合他社と比較することで、目に見えない企業価値を見出す事が可能であり、ヘリオスはリスク無い成長性のある有益銘柄といえるだろう。
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■今回の注目銘柄■
・ヘリオス(4593)
理研発のバイオベンチャーであるヘリオス(4593)に注目したい。
ヘリオスは今年6月に新規上場した企業で「iPS細胞関連銘柄」としてご存知の方も多いと思うが、同社の具体的な中身や、将来性について理解している方は少ないかもしれない。
アベノミクスの根幹として、日本の医療へと予算が投じられるようになった事で、日本のiPS技術の進歩に弾みがついたが、同社の強みは「iPS細胞から様々な組織・細胞へと分化誘導する技術」と「効率的に培養する」点に強みを持つ、日本のみならず世界でもトップレベルの技術力を誇るバイオベンチャーであり、理化学研究所から独占的にライセンスを受けた「加齢黄斑変性治療薬の開発」が目下の期待材料である。
加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)というのは、文字通り加齢が原因で起こる目の病気で、高齢者に多く見られる「社会的失明」の主要な原因。欧米では成人の失明原因の第1位であり、近年の急激な高齢者人口がみられる日本でも第4位の有名な疾患。
現在根本的な治療薬はなく、同社は人工的に目の細胞をiPS細胞から大量に作り、それを移植することによって根治を目指している。
今回の注目すべきポイントは以下の2点。
1つ目は先日、テルモ(4543)が骨格筋芽再生シートを条件付きで承認を得たことに注目したい。
これまで、日本において薬の販売に至るまでのハードルは非常に高かったが薬事法が改正された事により、一定の安全性・有効性が認められれば条件付きで承認を得られる様になったが、テルモが承認を得たのは正にこの制度を利用したもので、開発から承認までのスピードは異例の早さとなった。
現在、ヘリオスもこの制度を利用し早期承認を目指しており、テルモが承認へとこぎつけたことは、ヘリオスにとって大きな弾みがついたと言えよう。
そして、2つ目は今週末の9月12日に理化学研究所が行った加齢黄斑変性の手術から、丁度1年を迎える事である。
世界で初めて、iPS細胞から作製した目の細胞を患者に移植した手術が1年を迎え、術後から2ヶ月おきに検査を行っているが、いよいよ今週末の検査をもって手術の最終結果が明らかとなる。
無事に手術が成功となれば、世界初となる快挙が大々的に報道されることとなり、独占的にライセンスを譲り受けたヘリオスが注目を集めることは容易に想定できよう。
株価は全体が軟調な相場展開となるたびに1000円近辺まで売られる展開が続いているが、1000円どころではしっかりとした買いも入って値固めをしているといった印象であり、先述の期待材料が顕在化すれば、一気に上昇トレンド入りの展開になると予想される。
日本政府の威信にかけ、日本の新たな輸出産業へと育てようとしている再生医療のトップランカーとして、成長を遂げる同社が世界で注目される日もそう遠くはないだろう。今後の動向に注目したい。
本村
*9/9 追記
昨日の読売新聞にて、移植手術を実施した理化学研究所プロジェクトリーダー高橋氏が患者の経過について「腫瘍もできておらず、うまくいっている。」と、70歳代女性患者の視力は下がらず安定している実績を述べたと報じられており、近く発表される最終結果の内容を受け、上昇トレンド入りの可能性はより高くなったとみている。
バイオベンチャーと聞くと、薬の開発から販売に至るまで赤字が拡大する傾向にあり、PERなどの指標はアテにはならず、妥当な株価の算定と言うのが極めて難しいリスキーな株と思っている方は多いと思う。
私は妥当な株価の算定となる根拠として、他社との比較に重きを置いており、ヘリオス(4593)の比較企業となるのが米国NASDAQ市場に上場する「リジェネロン・ファーマシューティカルズ」という、ヘリオスが2020年に発売を目指す加齢黄斑変性治療薬を、2011年に発売したバイオベンチャー企業である。
リジェネロンは2011年の承認まで、1つ1つ治験をクリアするたびに株価もそれに合わせて上昇しており、2008年には時価総額2100億円、09年は2900億円、10年は3900億円、承認された11年には6600億と急成長をみせた。
販売した治療薬は、加齢黄斑変性を根治するものではなく、実に92%の患者が1年以内に再発するにも関わらず、他に有効な治療薬は見当たらないためにここまで高い評価を株式市場で得ており、膨大な利益を生み出しながら他の薬も含め、積極的に研究開発費に投じることで、現在は時価総額6兆円という大企業にまで成長している。
だとすれば、ヘリオスが目指すのは根治を可能と再生医療製品であり、2020年に予定している承認に向けてはこのリジェネロンが辿った軌跡より、高い水準で時価総額が評価されても決しておかしくは無いだろう。
現在の時価総額は484.5億円(9月8日終値:1192円)、リジェネロンが承認4年前に時価総額が2100億円あったことから見ても、4倍以上の開きがある。
バイオベンチャーが持つポテンシャルは、時価総額で競合他社と比較することで、目に見えない企業価値を見出す事が可能であり、ヘリオスはリスク無い成長性のある有益銘柄といえるだろう。
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■今回の注目銘柄■
・ヘリオス(4593)
理研発のバイオベンチャーであるヘリオス(4593)に注目したい。
ヘリオスは今年6月に新規上場した企業で「iPS細胞関連銘柄」としてご存知の方も多いと思うが、同社の具体的な中身や、将来性について理解している方は少ないかもしれない。
アベノミクスの根幹として、日本の医療へと予算が投じられるようになった事で、日本のiPS技術の進歩に弾みがついたが、同社の強みは「iPS細胞から様々な組織・細胞へと分化誘導する技術」と「効率的に培養する」点に強みを持つ、日本のみならず世界でもトップレベルの技術力を誇るバイオベンチャーであり、理化学研究所から独占的にライセンスを受けた「加齢黄斑変性治療薬の開発」が目下の期待材料である。
加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)というのは、文字通り加齢が原因で起こる目の病気で、高齢者に多く見られる「社会的失明」の主要な原因。欧米では成人の失明原因の第1位であり、近年の急激な高齢者人口がみられる日本でも第4位の有名な疾患。
現在根本的な治療薬はなく、同社は人工的に目の細胞をiPS細胞から大量に作り、それを移植することによって根治を目指している。
今回の注目すべきポイントは以下の2点。
1つ目は先日、テルモ(4543)が骨格筋芽再生シートを条件付きで承認を得たことに注目したい。
これまで、日本において薬の販売に至るまでのハードルは非常に高かったが薬事法が改正された事により、一定の安全性・有効性が認められれば条件付きで承認を得られる様になったが、テルモが承認を得たのは正にこの制度を利用したもので、開発から承認までのスピードは異例の早さとなった。
現在、ヘリオスもこの制度を利用し早期承認を目指しており、テルモが承認へとこぎつけたことは、ヘリオスにとって大きな弾みがついたと言えよう。
そして、2つ目は今週末の9月12日に理化学研究所が行った加齢黄斑変性の手術から、丁度1年を迎える事である。
世界で初めて、iPS細胞から作製した目の細胞を患者に移植した手術が1年を迎え、術後から2ヶ月おきに検査を行っているが、いよいよ今週末の検査をもって手術の最終結果が明らかとなる。
無事に手術が成功となれば、世界初となる快挙が大々的に報道されることとなり、独占的にライセンスを譲り受けたヘリオスが注目を集めることは容易に想定できよう。
株価は全体が軟調な相場展開となるたびに1000円近辺まで売られる展開が続いているが、1000円どころではしっかりとした買いも入って値固めをしているといった印象であり、先述の期待材料が顕在化すれば、一気に上昇トレンド入りの展開になると予想される。
日本政府の威信にかけ、日本の新たな輸出産業へと育てようとしている再生医療のトップランカーとして、成長を遂げる同社が世界で注目される日もそう遠くはないだろう。今後の動向に注目したい。
本村