＜話題の焦点＞＝出発進行！地方電鉄株、訪日客急増で注目度アップ！

　インバウンド消費は、日本経済を活性化させる大きな要因となっている。観光産業はもちろん、消費全般に好影響をもたらしている。今回、ここで注目したいのが、地方の電鉄株（別表参照）。既に株式市場でも注目を集めているが、まだまだ見逃されている銘柄もある。

　日本旅行のルートとしては、東京、箱根、富士山、名古屋、京都、大阪などを巡る、いわゆる「ゴールデンルート」が知られるが、いまや訪日客も“通”が多くなりポピュラーな観光地では飽き足らなくなっているようだ。

　新宿のゴールデン街も、もはや観光地と化している。訪日外国人にしてみればディープなニッポンを知ることこそ、異国を訪れた甲斐があるというものだ。「ゴールデンルート」以外の日本観光が注目されるなか、当然その交通手段として地方の電鉄株に注目が集まるのは必然だ。また、地方電鉄は宿泊施設はもちろん、地域に根差す電鉄会社はバス、タクシーなども運行していることが多く、広く収益に貢献しそうだ。

　地方電鉄では、中核とも言える富士急行<9010.T>を筆頭に、京阪電気鉄道<9045.T>傘下の京福電気鉄道<9049.T>も京都を観光地に持つだけに活躍期待が高まる。また、ここ訪日客に注目されているのが広島電鉄<9033.T>の地元、厳島神社。神鹿のいる島として、ここ急速に世界的な知名度がアップしている。また、秩父鉄道<9012.T>も今後脚光を浴びそうだが、両鉄道ともに商い薄が難点。ただ“その時”に備え注目は怠れない。

◆主な地方電鉄

　銘柄<コード>　　　　　周辺観光地

富士急<9010.T>　　　　世界文化遺産・富士山
秩父鉄道<9012.T>　　　長瀞（天然記念物の岩畳など）
広島電鉄<9033.T>　　　世界文化遺産・厳島神社、原爆ドーム
神戸電鉄<9046.T>　　　最古の温泉観光地・有馬温泉
京福電鉄<9049.T>　　　世界文化遺産・京都（人気の嵐山まで延びる）
山陽電鉄<9052.T>　　　世界文化遺産・姫路城


出所：株経通信（株式会社みんかぶ）