ドル高、調整局面へ・・・・・

著者:柳澤浩
投稿:2015/04/06 16:01

米国株下落でドル円も上値の重い展開へ・・・・

 米・3月雇用統計では、非農業部門雇用者数が12.6万人増と予想の半分程度に留まってしまいました。この為、米国債が買われ、中長期債利回りが大幅低下となり、米利上げ開始時期の予想は、これまでの9月中心から10月中心に後ずれしてしまった様です。

 一応、FRBとしては、単月の数字で判断する事は無いはずですから、今月末に行われる次回のFOMCに於いては、特に、明確な判断を示すとは思えません。しかし、先月同様、今後発表される経済指標が、景気の停滞を示すものが相次げば、債券市場の見方が正しいとの認識が更に強まるかもしれません。

 この様な状況が影響し、ICE(インターコンチネンタル取引所)で取引されているドル指数は、3日に大幅安となり、昨年12月16日を起点とするサポートラインを割り込んでしまい、今後、ドル高基調に変化が見られる兆候が現れました。

 この為、雇用統計後、初めて取引が再開する米国株式市場が大幅に下落すれば、リスク回避の円買いが一段と強まるおそれがあり、その場合、ドル円は118円台半ばや3月安値118.33円付近まで下げ幅を拡大する可能性が高まります。
柳澤浩
(株)FXプライム byGMOチーフアナリスト
配信元: 達人の予想