FRBの利上げ6月の見方に変更なし?!

著者:比嘉洋
投稿:2015/02/25 21:19

私のメインシナリオ

注目されていた(?)イエレン議長の議会証言。個人的には玉虫色の内容になるのでは?と考えていただけに、イメージしていた以上に値幅は出たなとの印象です。とは言え、トレンドの醸成には至っておりません。常々、影のFRB議長と言われているスタンレー・フィッシャー副議長は「市場に予断を与えるべきではない」と発言していましたので、その辺りを汲んだ発言に終始したということでしょう。

ただ、現在の米国議会は共和党がメインであることから、市場には共和党に配慮し、『タカ派』的な発言になるのでは?との観測が広がっていたことで、想定以上の値幅に繋がったと言えそうです。

今回の議会証言を受け、私のシナリオに変更はありません。私は6月利上げを昨年から考えています。市場ではFRBが利上げに踏み切れば、「株式市場を中心に相場が崩れるのでは?」との見方が一般的ですが、そこに日銀の追加緩和がかぶさってきたらどうでしょう。そう、昨年の10月末の再来をイメージしているのです。
昨年10月30日にFRBはQE3の終了を宣言、間髪入れずに31日に黒田バズーカ第2弾が炸裂、この間の株価は陽線であり、そして11月から年末にかけての上昇につながったわけです。折しも、今年の6月のFOMCは16・17日、日銀金融政策決定会合は18・19日となっていることも見逃せません。

それともう一つ。市場は利上げを一度行うとこれまでのパターンから連続的に実施されることを想定しているのかもしれませんが、私がイメージしているのは、1度利上げ、その後しばらくは様子を見る、さらには、利上げ幅についても0.25%ではなく0.125%で対応すれば、市場が考えている株価の波乱には繋がらないと考えているのです。低所得者層に対する自動車ローンで米国の自動車販売も好調となっていますが、急激な利上げはそういった部分にも影響、第二のサブプライムローンが発生することを避ける上でも利上げ幅を抑えることは十分考えられます。
その意味においても、3月17・18日のFOMCでフォワードガイダンスの変更がなされるのか否か、注目です。
比嘉洋
マネースクエア シニアコンサルタント
配信元: 達人の予想