ユーロ円下落がドル円に影響・・・・・

著者:柳澤浩
投稿:2014/06/11 16:00

円・キャリーからユーロ・キャリーへ・・・・

 昨日の海外市場では、米国債利回り上昇等を受けて、ドルが全般的に強含みとなりました。一方、ドル円は上値の重い展開を続け、102円台前半での揉み合いが続いています。

 一方、ECBの利下げの影響が短期市場に現れ始めており、昨日、ユーロのオーバーナイト金利の指標であるEONIAは、0.05%台まで下がり、円のオーバーナイト金利を下回りました。この為、今後、ユーロ円のスワップ受け払いが、逆転する可能性が高まっており、短期的にはユーロ円の売り材料になる可能性も高そうです。

 この様に、これまでは円が低金利通貨の代表でしたが、今後、その地位をユーロに譲る事となりそうです。そうなると、これまで円・キャリー・トレードを行っていた投機筋は、今後、ユーロ・キャリー・トレードに重心を移すものと思われます。為替市場では、ユーロを売って、豪ドルを買う動き等が既に強まっていますが、今後もこの様な流れは一段と強まりそうです。
 
 ドル円は、米国債利回り低下に因るドル高基調によって下値を支えられていますが、その一方で、円・キャリーからユーロ・キャリーへの乗り換え等に関わる円買いの影響から上値が抑えられる展開となっている様です。この流れが一段落するまでは、現状の揉み合いが続く可能性も高いと思った方が良さそうであり、ユーロ円の動向にいつも以上に注意したい処だと思います。
柳澤浩
(株)FXプライム byGMOチーフアナリスト
配信元: 達人の予想